・剣も魔法も存在しますが、あまり活躍しません。
・店主は普通のあんちゃんです。料理以外はできません。
・訪れる客は毎回変わります。ただし常連客もいます。
・常連さんは結構食べてくれています。
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俺は悩んでいた。ここ最近、というかずっとちょくちょく。味の調整をして欲しいと頼まれ、塩を足したり減らして作り直したり。それだけじゃなくこれこれこういう味を足してくれ減らしてくれというのが、まま発生する。一応それでも美味い美味いと凄まじく食べてくれているので問題は無いのだが結構味の調整を言われる事がある。これは・・・・・・ちょっと手を打たねばならない。美味いとは言ってくれるが満足したとは言えないだろう。
「というわけでキシャリーノさん、アケオスさん、ヴィクトリアさん。」
「よし。」
「はい。」
「うむ。」
俺は異世界人好みの味を研究すべく、協力人を募ったのだった。それがこの3人。若干高級寄りかな、と思ったが普通の飯を取り寄せて欲しいとお願いしておいた。
「では店主。こちらが用意させた料理だ。なるべく街の酒場の料理で魚をと頼んで集めさせた。保存の魔法がかけてあるから60日以内に食べてくれ。」
「ありがとうごぜーやすキシャリーノさん。」
「店主にはこれ以上世話になっているからな。それに協力すれば飯がタダとは!」
「へへへ。」
「では店主さん。俺は肉料理を中心に集めた。豚と鳥が中心だが・・・・・・牛もと言ったから牛も探したが、あんまりオススメはしないぞ。食べる者もあまりいないし。」
「アケオスさんもありがとうごぜーやす。肉は全般食べないと・・・・・・味の研究ですからね。」
「そうか・・・・・・忠告はしたぞ。」
「うす。」
「私は、野菜料理を集めた。スープから、焼いたものまで、保存魔法で保存してある。60日以内に食べてほしい。」
「わかりやしたヴィクトリアさん。」
「じゃあ、あいすきゃんでー10個。」
「わかってますよ。」
とりあえず食べて見よう。料理の説明をしてもらわないといけないからまず肉魚野菜から一品ずつ。
「どれどれ・・・・・・この魚料理は・・・・・・」
「それはサッサバルを塩で煮た料理であるな。」
「塩煮・・・・・・」
箸で一口。
「・・・・・・。」
「どうだ店主。」
「すげーしょっぱい。」
「で、あるか・・・・・・冒険者はよく頼んでおるそうだぞ。」
「そう・・・・・・」
次は肉料理。デカイ肉の切り身の丸焼き。
「これはなんですアケオスさん。」
「これは牛の肉を焼いたものだ。塩とハーブで味付けしてあるが・・・・・・」
「あるが?」
「あんまり美味しくない。」
「どれそんなら一口。」
「忠告はしたぞ。」
「うす。」
箸では切れそうにないのでナイフとフォーク。切って・・・・・・切って・・・・・・・・・・・・。
「かってぇなこれは。」
「それはそうだ牛の肉だぞ?」
「オラッ!!!」
根性で切る。そして食う!!!
「・・・・・・。」
「どうだ店主。」
「かってぇししょっぺぇしハーブが臭過ぎる。」
「だろうな。ではこちらも食ってくれ店主。」
「?」
今度は切り分けられた肉が出てきた。これは?
「牛の肉だ。切り分けられた。」
「ふーん。」
無理矢理肉を飲み込んで次の肉にフォークをぶっ刺し口へ。
「ヴッ。」
「どうだ?。」
「くせぇし旨みも無いしかってぇ。」
「それが塩もハーブも使ってない牛だ。」
「なんで牛がこんな有様に・・・・・・」
「というか異世界では食べるために牛を育てるって聞いて信じられないからな。普通牛って農具だから。」
「カルチャーショック。」
「?」
とりあえず頑張って食べて次は野菜だ。
「ヴィクトリアさんこれは?」
「これはシュッテルとカリュートの塩スープ。そしてこっちはズッケとオラニエを焼いたもの。」
「見た目はブロッコリーと人参のスープとゴーヤっぽい何かと玉ねぎの炒め物だな。」
もうなんか予想出来るけど食べる。ヴッ。
「なんだこのスープ・・・・・・うっす。」
「それが平民が食べてるスープ。」
「嘘だろ・・・・・・」
「こっちが王宮で出てる同じスープ。」
「どれ・・・・・・」
王宮と平民では頂点と底辺すぎるので比較にはならないと思うが食ってみよう。
「ヴッ。」
「わかる。ねこやとふたばの料理を食べるとこの王宮の料理でもすごく薄い拷問。」
王宮の同じスープという方も平民の方よりマシだが美味くはない。どうなってるん?ヴィクトリアさん曰く平民に取っては王宮の同じスープは涙が出るほど美味いらしい。
「こっちも食べてみて。」
「どれどれ・・・・・・」
ゴーヤっぽい野菜と玉ねぎの炒め物を食う。ヴッ。
「ヴェァ・・・う、死んでも吐かないぞ。もったいない。」
「どう?店主。」
「なんなのこの・・・・・・多分油だな。油が古いんじゃないのこれ。」
「それはわからない。でも平民は油を使いまわしてる。」
「まじかよ・・・・・・」
「私、それ、変に気を使う事の無い様に衛兵に取りに行かせたから、多分一番悪いの渡された可能性がある。」
「ちくしょう!!!!!」
それはもう料理という名のゴミだ。せっかくの野菜を食えなくした唾棄する許せないもの。
「何食ってんだよ異世界人はよぉ!!!」
「お、怒らないでくれ店主よ。」
「そ、そうだ。店主さんが悪い例も持ってきてくれって言ったんだぞ。」
「店主、マトモなのも、ある。」
「ほんとですか・・・・・・?」
とりあえず次々と食って見た。さっきのゴミは捨てよう。仕方ないけど。
「この魚はまぁまぁイケるな。」
「それは冒険者向けの食事ではあるが銀貨12枚くらいするぞ。」
「へぇ〜こっちの肉料理もまぁ美味い。」
「それは高級レストランのだな銀貨20枚くらいする。」
「なるほど。お!この野菜焼いたやつ美味い!!」
「それは私が特別に食べるやつ、ねこやのを倣って作らせた。」
「美味いわけだ。」
なかなかわかってきた。だいたい基準として銀貨10枚以上値段がするのはまぁ美味くて食えるレベル。日本の料理と比べたら微妙だが。だがゲキマズレベルの存在がまま多いものの食えるものは食えると言ったレベル。とりあえず大まかな味の傾向はわかった。だが世界各地からやってくる人全部に対応するのは厳しいな。研究を続けるしかない。全員は無理だとしてもある程度は満足させたい。
「それじゃあ3人ともありがとうございやした。今から約束のうちじゃ出してない異世界飯出しやすね。」
「おおお!!!」
「やったぜ!!!」
「楽しみ。」
出すのは海鮮丼だ。海鮮丼自体はある。だがマグロの海鮮丼とサーモンの海鮮丼だけ。そこからいつもは作らない、マグロ、イカ、アジの三色 海鮮丼を作ると約束した。この3人は生魚に抵抗は無いし向こうでも生魚を食おうとはしない分別がある。だから出した。
「お待ちィィぁ!!!三色海鮮丼です!!!この白いのがイカ、赤いのがマグロ、鉄色なのがアジです。」
「おおお!!!来たか!!!」
「これが生魚・・・・・・」
「ふふふ一度食べて見たかった。」
キシャリーノは江戸前寿司の常連であるので生魚は美味い物だと知っているので早かった。早速掻き込み味わっている。
「むむむ!!!味が全て違う!!!どれも素晴らしくうま・・・・・・アケオス殿?何をかけている?」
「これですか?これはわさびしょーゆですよキシャリーノ様。」
「しまった!しょーゆを忘れていた・・・・・・」
ヴィクトリアは忌避感こそ無い物の生魚は初めてであった。いかと読んでいた短冊型に切られたものからショーユをかける。わさび少なめを忘れずに。そして一口。
「うん・・・・・・少し甘くて、歯ごたえがあって。ネットリと、美味しい・・・・・・」
続いてマグロ、アジと味わい舌鼓を打つ。生魚の美味いこと美味いこと。決して食えた物ではない生魚も異世界のここなら食べられる。これは王宮の研究者に生で食べる研究をさせた方が良いな、いやさせると決心し海鮮丼を楽しむのであった。
・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「では皆さん。次もお願いいたします。」
「わかったぞ店主。」
「承知した。」
「うん。次も美味しいの頼む。」
次は異世界産の食材を仕入れ、実際に調理してみようと企む店主であった。