・剣も魔法も存在しますが、あまり活躍しません。
・店主は普通のあんちゃんです。料理以外はできません。
・訪れる客は毎回変わります。ただし常連客もいます。
・駅前にある醸造場のタコパでお酒もお求めください。
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ある日の異世界営業日。俺はやっと仕入れの目処が着き、酒類のメニューを拡張させた。ヴィクトリアさんに頼んでメニューに載せたがヴィクトリアさんはフラつくほど酔っ払ってしまい悪い事をしてしまったと思った。ヴィクトリアさん用に用意した別な味のアイスキャンデーを渡したら許してくれたが。梨味が気に入ったらしい。それは置いといて。喜んだのがドワーフ。それと一部の客。あっという間に飲み干し通常営業の分を残せなかった。この分だと酒は異世界営業日だけでいいな。通常営業だと酒目的で来る人は皆無だし。でだ。
「頭上げてくださいよ・・・・・・」
「・・・・・・。」
土下座スタイルのあおさんがいるのである。何故土下座スタイルなのかと言うと骨董品屋の姉さんからこっちの世界の謝罪のスタイルだと聞いたから。そして何故土下座スタイルなのかと言うと・・・・・・
「別に構いやしませんよ。ちゃんとしたお客さんなら。」
「ちょっとそれがわかりませんのよ・・・・・・」
「ええ・・・・・・」
あおさんの謝罪はなんとか神の一柱を店に連れてきても良いかだそう。俺としては別に迷惑をかけないならどんどん連れてきてくれと言うスタンスだが。そうもいかないらしい。なんでも連れてきたい神はあおさんより歳下なのだそうだが信仰する人間や種族が多く信仰も強大。神自体に問題は無くとも。連れてきた影響がデカすぎてどうなるかわかんないとの事だった。別にまだ連れてきてないから謝罪はいらなくない?と思うがあおさん曰くもう霊体化という目に見えない状態の神を連れてきているのだそう。そしてこの店に来ている信徒にバレたんだそうで。ものすごい影響が出るらしく土下座スタイルになったらしい。
「別に実害は出てませんからあおさん。」
「出てるんですのよ・・・・・・」
「えええ・・・・・・」
俺としては店に変化は無いが。実は召喚魔法でこの扉を呼び出そうとしている人間がめちゃくちゃ増えているんだそうな。そんなに信徒がうちに来てたのか?と思ったら、神の降臨を察知する何かがあるらしい。そしてその場所を特定し、特定した場所が何かわからないもののそこへの入り口。つまりうちの店の入り口を召喚しようとしてるんだと。
「それってどうなるんです?」
「ここの許容量を超える客が来てしまいますの。そうなると扉の現れる場所、ここの客として問題無い人物を選別していますのにそこから外れる人物が現れて下手したらこの店が破壊されてしまいますのよ。」
「やべーことしてくれちゃってぇ。」
「申し訳ないですわ・・・・・・」
やべーなこりゃ。でもまぁそうなって無いってことは。防げてるって事だ。なんとかなってるなら別に良い。多分あおさんが何かして入り口を召喚出来ない様にしてるってことだし。
「まぁ仕方ないっすね。その人もうち来たいんすよね?ならしっかりぽっきりあおさんがなんとかしてくれるんなら連れてきてもいいっすよ。」
「ほんとですの?」
「ええ。」
「ありがとう・・・・・・ありがとう・・・・・・わたくしよりも下なのにせっつかれてもううんざりしてたんですのよ。」
「ははは。」
「笑い事じゃありませんわ。」
「すいやせん。」
「では次の営業日に連れて来ますわ。」
「うす。何出せるようにもしときます。」
こうして神様お迎え作戦が始まったのだった。
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・・・・・・
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・
「やぁ。」
「うす。ようこそ。いらっしゃしゃっせせい!」
その神様はいつものあおさんが来る時間に一緒にやってきた。他の客は少なく。キシャリーノさんがライルとミイルを連れて屋敷の仕事から逃げて来ているくらいしかいない。
「僕は光の神。名前はちょっと僕の口からは言えないんだ。言ったらこの店が聖域になって青さんから縄張りを奪っちゃう事になるから。」
白く輝く髪に何やら浮いてる幾重にも重なった天使のものとは異なる光環。そして整ったお顔の・・・・・・少女?いやでも神には性別は無いのか・・・・・・?わからない・・・・・・
「僕はねーこの店でいろんなの見てたけどねーあれが食べたい!」
「あれ、とは?」
「牛の肉を甘く煮て作った料理だよー」
「牛の肉を・・・甘く・・・ああ。しぐれ煮ですね。」
「そうそうそれ!それを肉大盛りご飯大盛りで!!」
「はいよぉ!!」
「わたくしはいつものをいつものように。」
「はいよぉ!!!」
いつものように準備する。神様の食べる物だが特別に作ると何か言われそうだな。やっぱみんなと出す奴と一緒に作ろう。
「お待ちぃ!!牛しぐれ煮定食肉大盛りごはん大盛り!!!」
「わぁーーー!!!」
「あおさんもお待ち!」
「これですわ優勝ですのよ。」
光の神さまは箸を器用に使って食べている。
「うーーーーーん!!!うまーーーーーーい!!!これが人間の食べてるご飯かぁ。もーずるいなーこんな良いもの食べてるなんて!!」
「貴方、これを食べられるのはここだけですのよ。普通は食べれませんわ。」
「えー?これ食べたらもうぶっちゃけ禁欲とかどうでも良くなってくるよ青さん。」
「何を言ってるんですの!!!今更変えたら大混乱になるとおわかり!?!?」
「わかってるよーあむ!!」
「わたくしたちは神なのですわよ。臨機応変にしていいのはもっと限られた状況なんですのよ。」
「えーー!?でもさー青さんも臨機応変にここ連れてきてくれたじゃーん。」
「それとこれとは別ですのよ。もっと不変の存在である自覚を持ちなさい。」
「ぶー。」
「はぁ・・・・・・もっと赤の様に締め出すべきだったかしら・・・・・・」
何やら相談しているようだが俺にはわからん。キシャリーノさん達に小鉢の夜食を出してたら纏まったようだけど。
「うーん!!美味かった!!!」
「店主。馳走になりましたわ。いつものを。」
「はいよぉ!!!」
あおさんに弁当を渡して空になった食器を片付ける。2人はゴニョゴニョしている。
「ありがとー店主!!えっと、ごちそうさまって言うんだっけ?ごちそうさま!!」
「店主また来ますわ。よしなに。」
「はいよぉ!!!ありがとしゃしゃしたー!!!」
帰ったな・・・・・・ふー、神様もうちに来りゃ客に変わりは無いな。また来るのかな。
「はいよキシャリーノさん。ほうれん草とベーコンのバター炒めお待ち。」
「・・・・・・いいか、ライル、ミイル。ここで見たことは絶対に秘密だぞ。」
「う、うん。」
「はーい。」
キシャリーノさんは大きくため息を吐いて料理を食うのであった。まぁ普通の人が神様と遭遇したらそうなるわな。