異世界食堂 二軒目!   作:電動ガン

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・一応ファンタジーです。
・剣も魔法も存在しますが、あまり活躍しません。
・店主は普通のあんちゃんです。料理以外はできません。
・訪れる客は毎回変わります。ただし常連客もいます。
・焼き鳥は炭焼きなので少々お時間をいただきます。

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焼き鳥定食

魔物。それは読んで字のごとく、魔の物である。とはいいつつもヴィクトリアさんによれば人を襲う生物ではあるもののそのテリトリーに侵入したり、こちらから襲いかかったりしなければ例外はあるにせよ襲っては来ない、害は無い・・・・・・多分。とされている。例外は増えすぎて住処が無くなり無理矢理テリトリーを広げる魔物暴走(スタンピード)があるらしいがよくわからなかった。なんでこの話をしたかと言うと。

 

「らっしゃい!!」

 

「・・・・・・。」

 

青白い焔が揺らめく首なしの騎士が来店したからだ。

 

・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・

 

・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

「なんにしやしょ。」

 

首なし騎士は本当に飯を食えるのか。とか、金払えるのとか、いろいろある。一番ヤバいと思ったのは他の客が最上級の警戒態勢に入り、剣に手をかけながらいつでも飛び出せるよう身構えているからだ。そして首なし騎士は動いた。

 

「あれですか?」

 

首なし騎士は壁のメニューのひとつを指さした。適当なのか読めているのかはわからないがそれを食いたいというなら出そう。

 

「あいよ。焼き鳥定食!すみません炭火で焼くんで少々お時間いただきやす。」

 

「・・・・・・。」

 

身体ごとコクコク頷く首なし騎士。そして握りっぱなしだった禍々しい剣を横に立てかけてるとフォークとナイフを手に取りゆらゆらと横に揺れ始めた。これは楽しみにしてるってことでいいのか?

 

「アーロイちゃんぼーっとしてないで、首なしのお客さんに水だして。」

 

「は、はい。でも水飲むのかな・・・・・・」

 

そうしてアーロイちゃんが水を出しに行く。なんとか笑顔で水を出すと、しげしげとコップを眺めたと思ったら。首のあったと思われる空洞に水を流し込んだ。そこから飲むのか。

 

「はいよぉ!!お待ちぃァ!!焼き鳥定食です!!」

 

「!!」

 

焼き鳥定食は皮、ねぎま、もも、レバー、ハツのメニューだ。首なし騎士は焼き鳥定食が目の前に置かれると手を叩いて喜んでいた。不気味なお客さんだけどこんなに喜んでもらえると悪い気はしないな。そして首なし騎士は串に刺さった皮の焼き鳥を掴むと、串ごと首の空洞に放り込んだ。

 

「そうやって食うのか。」

 

「!!!」

 

首なし騎士はフォークとナイフを置き、両手を合わせてゆらゆらと揺れている。多分美味しかったんだと思う。それから首なし騎士はごはんをもりもり、焼き鳥もりもりと食べ、おかわりし、ふたばを堪能した。

 

「どうすか?美味かったですか。」

 

「!」

 

ぐっとサムズアップする首なし騎士を見て俺は破顔する。そしてちょいちょいと首なし騎士が手招きするのでどうしたのかとカウンターからでると手を握られ何かを手渡された。

 

「これは・・・・・・」

 

「!」

 

それはボロボロのコインだった。表面、裏面共々すり切れて何が書かれていたのかわからず、材質も朽ちてわからない。だが一応はコイン、金貨であろうことはわかる。そして首なし騎士のお客さんはそのまま立ち上がって剣を掴んだ。

 

「あ、お客さんウチは初回はタダ・・・・・・」

 

「〜!」

 

首なし騎士のお客さんはフリフリと手を振りながら出て行ってしまう。ぽかーんとしたがもう行ってしまったのなら仕方が無い。このコインどうしよう。換金出来るかな。

 

「まぁいいかぁ。」

 

また来たら別なのも食って欲しいな。首なし騎士のお客さん。

 

・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・

 

・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

「で、ですよ。このコインなんですかね。」

 

一応こちらを害する存在ではないとはわかっているがあの首なし騎士のお客さんの見当会を始めた。参加者はキシャリーノさん、ヴィクトリアさん、ファルダニアちゃんである。

 

「これは死の都のコインであるな。」

 

「死の都?」

 

「ええ。死の都っていう滅んだ国の跡地があるのそこは万を超えるアンデッドの住処になってるんだけど・・・・・・」

 

「あのデュラハンは死の都のデュラハンである可能性は高い。」

 

「そもそも俺デュラハンってよく知らんのですけど・・・・・・」

 

「デュラハンというのは聖騎士の成れの果てという説が強い魔物でな。恐ろしく強い。戦ったという記録は無いのだがデュラハン一体で大国の軍隊全てを滅ぼせるほどだという戦術分析が出ているのだ。」

 

「おっかねぇ。」

 

「しかもあれは特にヤバい。デュラハンの中でもグランドの名が付くデュラハンだろう。あれが入ってきた時は肝が冷えたぞ・・・・・・」

 

「ほんと・・・・・・死んだかと思った。」

 

「まぁでもここの扉をくぐれるってことは少なくとも知性があって分別もあるってことよね。」

 

「ちゃんと注文してくれましたからねぇ。それにちゃんと食えてたし。」

 

「それにデュラハンがここでご飯を食べてたらこれ以上の防犯はないわね。デュラハンの魔剣で斬られたら死ぬより大変よ。」

 

情報を精査しながら首なし騎士のお客さんの情報をまとめていく。

 

「ここはねこやと違って魔物でも入れる店だからこれからも入ってくるでしょう。流石に正気を失ったなら入って来られないだろうけど・・・・・・」

 

「でも・・・・・・ファルダニア?店で突然正気を失われたら・・・・・・」

 

「それこそ店に来てる客では太刀打ち出来ないであろう。ヴィクトリア殿の心配はわかる。」

 

「対策を立てようにも客だけじゃ話にならないわね・・・・・・デジリスでも歯が立たないと思うし。」

 

「そんなに?おデジに変身してもらって暴れてもらえば少なくとも客は守れるんじゃ・・・・・・」

 

「甘いわ・・・・・・店主。あの、グランドデュラハンはデジリスでも厳しい。」

 

「ちょっと人類や亜人じゃ無理ね・・・・・・」

 

「そうですか・・・・・・」

 

「まぁでも、ここの管理人の青のレディーならばなんとか出来るのではないか?あのご婦人ならば相当力があるように思えたが。」

 

「ですね。いざとなったらあおさんに頼みましょう。」

 

「そうね。」

 

「あおさん、私まだ会ったことない・・・・・・」

 

「夜遅くに来るんでね。なかなか会うのは難しいですよ。人と喋るのも苦手そうな方なので。」

 

「そう、じゃあやめとく。」

 

「うす。じゃあ今日はこんなところで。」

 

「わかった。」

 

「ええ。」

 

「あ、店主。アイスキャンデーちょうだい。」

 

「いいわね。私も。」

 

魔物のお客さんも、暴れないで注文してくれれば客だ。お客さんならちゃんと対応しないとな。扉が増えれば魔物のお客さんも増えるだろうし。気を引き締めて行こう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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