・剣も魔法も存在しますが、あまり活躍しません。
・店主は普通のあんちゃんです。料理以外はできません。
・訪れる客は毎回変わります。ただし常連客もいます。
・定食屋のカレーは中辛から甘口が多いです。
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ある時アルフォンスは己の執務室で1人、手を拱いていた。それはどうしてもカレーが食べたいという欲求がムクムクと内から迫り上がるのを感じていたからだ。だがねこやのカレーを食べるのにはあと4日ほど待たねばならない。もう喉から手が出るほどカレーが食べたいアルフォンス。自分で作れないと分かり切っているので諦めるしか無い・・・・・・我慢するしかない・・・・・・と覚悟を決め・・・・・・決め・・・・・・決めあぐねていた。カレーが食べたかった。
「むぅ・・・・・・」
「あの・・・・・・アルフォンス様。」
気がつくと女中の1人が執務室のドアから顔覗かせていた。気がつかなかった・・・・・・
「どうした。」
「ご報告すべきことなのでしょうが・・・どう説明したらいいかわからず・・・・・・」
「む、はっきりしないな。何があった。」
「申し訳ありません・・・・・・現場を確認していただけますか。」
「仕方ないな・・・・・・」
アルフォンスは女中に案内され、どこに向かうやらと思ったら、資料室であった。そういえば女中に資料の整理を任せていたなとごちて資料室に入った。
「こちらなのですが・・・・・・」
「どれ。」
そしてアルフォンスは驚いた。資料室の奥、もう古い資料しか置いてない棚の隣に扉が出現していたのだから。
「これは・・・!?ねこやの扉・・・!?ではないな・・・」
「ねこや・・・?」
「メリン。昼餉はまだだったな。」
「ええ、はい。これから用意する予定ですが・・・・・・」
「ではここで食べよう。」
「はい・・・・・・?」
アルフォンスは読めぬ言語・・・だがねこやと同じ言語であろうと見当を付けた看板を見上げながら引き戸を開いた。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
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・・・・・・
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・・
・
「いらっしゃぃぃ!!」
なんかでっかいじいさんとメイドのおばちゃんが入ってきた。客だ!!!
「お客さん初めてですよね。ここの説明を・・・・・・」
「いや大丈夫だ。異世界食堂であろう?扉が現れたのでな。」
「おお。知ってるお客さんでしたか。うちは初めて来た客はお代はいただいてないんです。ただそちらさんのメニューを用意出来てなくて。食べたいもの言ってくれれば近いものを用意するんで。」
「いやいや店主。私は知ってる客だ。ちゃんと金は払う。それとカレーはあるか?それを二つ頼む。」
「カレーですか。うちは石川カレーなんですがいいですかね。」
「イシカワ・・・・・・カレー?」
「ええ。ドロっとしたカレーでトンカツが乗っててキャベツを添えて食べるんですよ。」
「むぅ・・・カレーならなんでもいい。それを頼む。」
「ああっす!!!」
石川カレー、いつも大人気だから水曜日も用意しといて良かった。異世界でカレーが出たのは初めてだな。温めないと。
「アルフォンス様、ここはいったいなんなのですか。カレーとは?」
「ここは異世界食堂。確か・・・フタバと言ったな。異世界にある飯屋だ。そしてカレーは辛い料理でな。メリンも辛い料理は好きだっただろう?」
「そうですが・・・」
「なら大丈夫だ。ここは初めて来たがきっと美味いぞ。」
「はぁ・・・・・・」
「お待ちぃぃ!!!石川カレーです!!!」
「おお・・・・・・お?」
「これが・・・・・・カレー?」
まぁびっくりするよなぁ石川カレーはゴリラのカレー屋初めて行った時もなんじゃこのカレーってなったし。
「これがカレー・・・・・・?ねこやと比べると随分と・・・・・・」
「大丈夫なのですかアルフォンス様・・・・・・」
「まぁ良い・・・・・・食ってみよう。」
でかいじいさんが先に食うようだ。フォークでカレーを掬い一口。
「うおおお!?!?な、なんと濃厚なのだ!?これは具材を完全に溶かしているのだな。どれ・・・・・・次はキャベツとやらと・・・・・・」
「アルフォンス様・・・・・・」
「おお!!!キャベツとカレーが絡んで淡い味わいになる!!!美味い!!!美味いぞ!!!!」
メイドのおばちゃんも口にするようだ。一口食べてぱぁっと笑顔になる。うんうん美味いよな。
「アルフォンス様!!!すごい!!!これすごいです!!!」
「だろう!!!異世界食堂はなんでも美味いのだ!!!わはははは!!!!」
こうして2人は石川カレーを平らげた。でかいじいさんは4杯もおかわりしていた。鍋まるごと食ってくれてありがたかったな。
「アルフォンス様、素晴らしい。素晴らしいですここは。他にも美味しい料理があるのですか。」
「ああ。恐らくある。そしてべらぼうに美味い。メリンは気に入ったか。」
「はい!とても。他にどのようなものがあるのでしょう。アルフォンス様。また連れてきてください。」
「いいぞ!また来よう。」
「というわけなのだ。店主よ。」
「へぇ・・・石川カレー・・・名前だけだとどんな料理なのか見当もつきませんね。」
「ねこやのカレーよりドロっとしていて色も濃く濃厚。そしてキャ、キャベツ?とやらと一緒に食うとまた美味いのだ。乗っていたカツも美味い。」
「カツカレーっぽいですね。なるほど・・・・・・」
「世界には美味いカレーが他にもあるのだな。もっと食べてみたいものだ。」
「うちでもカレーは一応出してますけど。その店は他にもカレーがあったんです?」
「いやそのイシカワカレーだけだ。」
「ふむ・・・一度膝を突き合わせて話してみたいものですね定食屋ふたばと。」
「そうかそうか!それも面白いであろうな!!」
またまたまたねこやの定連は聞いていた。割と多くの定連がふたばに行き始めた事を恨めしく思っていたのだ。自分達だけありつけず歯がゆい思いをしていて悔しい。早く自分の近くにもふたばの扉が現れないものか。そう願うのだった。