異世界食堂 二軒目!   作:電動ガン

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・一応ファンタジーです。
・剣も魔法も存在しますが、あまり活躍しません。
・店主は普通のあんちゃんです。料理以外はできません。
・訪れる客は毎回変わります。ただし常連客もいます。
・ペットのご入店はご遠慮いただきますが従魔はご相談ください。

Xやってます。Xアカウント→http://twitter.com/dendogun



厚切り生姜焼き定食※とんでもスキルで異世界放浪メシクロスオーバー

カレーリナの街で買い物を済ませたムコーダ一行。フェルとゴンじいはつまらんと家で寝ているが。ドラちゃんとスイは荷物持ちをしてくれたため串肉を買って帰るところだった。そして最後にランベルトのところで新しい皮の財布を見ようと立ち寄ったところだった。

 

「こんにちはームコーダですー」

 

「あら〜ムコーダ様!!いらっしゃいませ〜!!」

 

「マリーさん。ランベルトさんは・・・・・・」

 

「夫は奥にいますわ。今お呼びしますわね!」

 

「ええ。すみません。」

 

ランベルトを呼び出してもらい。少し待つ。スイが商品で遊び始めようとしたのでダメだよと諫めておいた。

 

「ムコーダさん!いらっしゃいませ!今日はどのような御用向きですかな?」

 

「ランベルトさん。こんにちは。実はですねブラックサーペントの皮がまた手に入ったんでお譲りしようかと思いまして。そして財布を作って貰おうかと・・・・・・」

 

「おお!かしこまりました!ブラックサーペントの皮を触るのは恐ろしく怖い高級品ですが、腕が鳴りますねぇ。」

 

「大丈夫ですか?」

 

「ええ!もちろん。直ぐにとりかかります!」

 

「お願いします。こちらが皮です。」

 

「どれどれ・・・・・・おや今回は少々荒い皮ですな。」

 

「ええ。フェルが魔法ではなく爪で倒したそうでして・・・・・・」

 

「なるほど。ははは。逆にマニアには高く売れそうな一品に仕上がりましたな。」

 

「ははは!そうなんですか!」

 

「いるんですよそういうマニア。特に戦神ヴァハグン様の信徒に多いですぞ。」

 

「ああ〜なるほど。」

 

「ふふふ。ではお預かりしますね。」

 

「ええ。お願いします。」

 

そこへマリーさんがやってきてランベルトに何か耳打ちをする。するとランベルトが大きなため息を吐いた。

 

「ランベルトさんどうかしたんですか。」

 

「ああ、いえ、ちょっとトラブルでして・・・・・」

 

「トラブル!?ランベルトさん、私に力になれることがあったら協力しますよ。」

 

「・・・・・・そうですね。冒険者ギルドにも報告しかねていましたし、ムコーダさん、ご協力願えますか。」

 

「任せてください。」

 

「ではこちらへ。」

 

ランベルトに付いていくムコーダ。そして外に出て、ランベルトの店の横の隙間に入っていく。フェルやゴンじいは入れそうにない。

 

「これですムコーダさん。」

 

「なんですこれ。」

 

それは定食屋ふたばの扉だった。ムコーダはなんで定食屋?と疑問形だったがとりあえず看板が読める事は黙っていた。

 

「七日前から現れる様になりまして・・・・・・昨日までは消えていたんですがまた現れたみたいなんです。不気味ですが手出ししようがなく・・・・・・」

 

「なるほど。ランベルトさんは戻っていてください。私が調べて来ます。」

 

「お願いしてもよろしいですか。」

 

「ええ!任せてください!」

 

「ありがとうございます!やはりムコーダさんは頼りになりますなぁ。」

 

ランベルトが戻っていくのを確認してムコーダはまず扉を触ってみることにした。

 

「鍵は掛かってない。ということは入れるのか。」

 

鍵に手を掛けた瞬間だった。耳に何時もの様に神の天啓が届いた。

 

「待ったーーー!!!異世界人!!!!」

 

「うお!?ニンリル様!?」

 

「待つのじゃ!!その扉は我々よりも遙かに格上の神が作った神器!!!扉を潜ると遙か異世界に飛ばされるのじゃ!!!」

 

「異世界!?」

 

「うむ!!!我々でも見通せないくらいの異世界じゃ!!!扉を潜るなら覚悟せよ!!!」

 

「わ、わかりました。警告感謝します。」

 

ニンリルの声が消え、ムコーダは一筋汗をかく。

 

「つまりだ。この日本語の看板の扉は日本に飛ばされるわけじゃないのか・・・・・・」

 

一抹の不安がよぎる。だがランベルトに調べると言った以上入らないわけにはいかない。

 

「ええい。ままよ!!」

 

ムコーダは扉を開け、中に突入した。

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・

 

・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

「らしゃしゃっせせいあ!!!」

 

「いらっしゃいませー!」

 

「いらっしゃいませ!」

 

「・・・・・・いらっしゃいませ。」

 

「・・・・・・ああ。」

 

中はいかにも日本然とした定食屋だった。周りを見渡し、ランベルトさんに報告出来るか見る。

 

「おいおい。あれ、龍の力を取り込んだ種族だぜ。」

 

「そうなのかドラちゃん。」

 

「やべー尋常じゃ無い強さの龍の力だぜ。俺なんか簡単に消し飛ばされちまう。」

 

「そんなにか・・・・・・フェルでも危ういかな。」

 

「あいつならあの種族相手なら良い勝負すると思うけど龍そのものが来たらゴンじいでも敵わねーと思うぜ。」

 

「ゴンじいでもか・・・・・・ここでは暴れられないな。」

 

「ああ、ここは完全に龍の縄張りだ。下手なことしたら俺たちの世界までも滅ぼされるかもしれねー」

 

「そんなに!?絶対に失礼はできないな・・・・・・」

 

「お客さん大丈夫っすか。」

 

「あっ!えっ!いや!大丈夫です!」

 

「まずはお席に着いてくだせぇ。うちの説明をさせていただくんで。」

 

「はいっ!!」

 

ムコーダは座敷に案内され、ドラちゃんとスイを座らせる。そしてさっきドラちゃんが言った龍の力を宿した給仕に説明を受ける。異世界食堂、暴れたら出禁。喧嘩は御法度。サマナーク語。基本的なふたばのルール。

 

「なるほどなー異世界のルールだ。あっちも異世界だけど。」

 

「さっきから良い匂いがするんだよなー。」

 

「スイ、美味しい物食べたいー」

 

「はいはい。ドラちゃんもスイもちゃんと美味しい物食べような。」

 

日本語のメニューを眺めつつ何を食うか考える。

 

「ドラちゃんとスイは何を食べたい?」

 

「肉を食いたいなー」

 

「スイもー」

 

「じゃあ生姜焼きにするか。プロの料理人の作った料理だから美味いぞー。」

 

「生姜焼きってあのちょっとピリ辛でしょっぱくてうまいやつだな!!!それにするー!!!」

 

「スイもー!!!」

 

「よしよし。すみませーん!!」

 

「あいよぉ!!」

 

▽▽▽

 

「厚切り生姜焼きお待ちぃ!!!」

 

「うおお。」

 

「すげー!!!」

 

「すごーい!!」

 

久しぶりどころではない本物の日本食。ネットスーパーでは味わえないものだ。お惣菜もいいがやっぱこれだ。

 

「いただきます。」

 

「うめー!!!」

 

「おいしー!!!」

 

厚切りの生姜焼きに齧り付く。強い生姜のタレの味。これこれぇ!!!この味!!!最高だ・・・・・・日本食最高・・・・・・そうだ。鑑定してみよう。

 

「ん!?!?」

 

鑑定結果が不明。全部の項目が黒塗りされている。なんだこれ。

 

「あー・・・・・・・」

 

まぁでもいいか。美味いし。

 

「あぐあぐ。」

 

「おいしー!!」

 

ドラちゃんとスイも鑑定したが何か特殊効果が出てる様子は無い。だが、ひとつだけ。なんだこれ。

 

「龍神の加護+・・・・・・・?客でいるとき魔法関係のステータス5倍・・・・・・?」

 

「なんだ?」

 

「どうしたのあるじー」

 

ぶっ壊れ追加効果を見てドン引きするが美味いので良しとする。もうなんか美味いから全部良いか。

 

「うめぇ。すいませんご飯おかわり。」

 

「俺もー!!」

 

「スイもお味噌汁おかわりー!」

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・

 

・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

「ごちそうさま。」

 

「うまかったー!!」

 

「おいしかったー。」

 

厚切り生姜焼きは抜群に美味かった。謎の加護は付いたけど。だがこれで安全な扉だってランベルトさんに報告出来るな。

 

「じゃあすみません!大将ごちそうさまでしたー!!」

 

「あいよぉー!!!」

 

▽▽▽

 

「貴様、何か良い匂いがするな。」

 

「なんだよフェル。」

 

「くんくん。ふんふん・・・・・・これは生姜焼きの匂いだ。それも上等な。」

 

「げっ・・・・・・そんなこともわかるのか。」

 

「貴様!!!我に内緒で生姜焼きを食ったのか!!!許さんぞ!!!」

 

「わしも生姜焼き食いたいの〜」

 

「はいはい。じゃあ生姜焼き作るよ。」

 

「貴様らが食った上等なやつが良い!!!用意しろ!!!」

 

「あーいや。それはダメだ。あそこは狭くてフェルとゴンじいは入れない。」

 

「なんだと!?!?!?」

 

「なんじゃと!わしは食えんのか?」

 

「あそこで食った生姜焼きは諦めてくれ。」

 

「ぐぬ、ぐぬぬぬ〜〜〜〜!!!!」

 

「しょんぼり・・・・・」

 

「無理なんだって。」

 

「嫌だ嫌だ!!!!絶対上等な生姜焼きを食いたい!!!なんとかして食わせろ!!!!」

 

「無茶言うなよ・・・・・」

 

「そういやわしは縮小の魔法が使えるの〜」

 

「そうだ!!!我も縮小の魔法をニンリル様に教えてもらうのだ!!!」

 

「嘘だろ・・・・・・それだとほんとにわんちゃんになっちゃうぞ。」

 

「わんちゃん・・・・・・!?」

 

フェルはがっくりとうなだれた。わんちゃんになって生姜焼きにありつくか、尊厳を守るか。大いに悩むフェルにムコーダは苦笑するしか無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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