・剣も魔法も存在しますが、あまり活躍しません。
・店主は普通のあんちゃんです。料理以外はできません。
・訪れる客は毎回変わります。ただし常連客もいます。
・沢山食べるお客様は事前にご相談ください。
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「ほんとにあるんですかライス先輩。」
「そんな店聞いたこと無いぞライス。」
「ほ、ほんとだよ。」
水曜の晩飯時。スペシャルウィーク、オグリキャップ、ライスシャワーはトレセン学園近くの商店街を歩いていた。この3人は商店街の全ての店に出禁を言い渡されており、晩御飯を外食にしようとしても不可能で、かといって寮のご飯も制限を敷かれており、お腹いっぱいになった記憶はここ最近は無い。
「怪しいです。水曜だけ入れてウマ娘がお腹いっぱい食べても問題無いお店だなんて。」
「そうだな・・・・・・・商店街のこの様子をみるとウマ娘を満足させるのは相当大変だ。しかも私達となったらさらにだ。ライス。騙されてないか?」
「で、でも!オグリさん・・・・・・デジタルさんだよ?教えてくれたの。デジタルさんがライス達を騙すと思う?」
「デジタルちゃんが情報源なんですね・・・・・・」
「デジタルか・・・・・・急激に信頼度が増したな。デジタルが私達を騙すわけが無い。」
「でしょ?あ、でもね、そのお店、注意事項がいくつかあって・・・・・・・」
「注意事項ですか?」
「うん・・・・・・まず、壁に扉だけ貼り付いてても驚かない。」
「え?」
「どういうことだ・・・・・・」
「まだあるよ。店内に人外がいても驚かない。」
「急にまた不安になってきました。」
「どんな店なんだ・・・・・・?」
「最後に。どれだけ大量に料理が出てきても驚かない。」
「そんなに!腹が鳴りますね!」
「ああ。きっと私達を満足させてくれる。」
「大丈夫かなぁ。あ、この辺だって。」
「この辺・・・・・・?」
「店があるような場所じゃないな。」
そこは商店街を抜けた住宅街だった。3人はばらけないよう探すが、すると良い匂いが漂ってくるの感知した。
「こっちだ!スペ!ライス!行くぞ!」
「はい!!」
「お、おー!」
ダダっと走ってすぐ。空き家の家の塀にそれはあった。何の変哲も無い定食屋ふたばの看板。零れ出る様々な料理の香り。オグリキャップはそれだけで本能で察した。この店は美味いと。
「なんですかこれ。塀に扉が貼り付いてますよ。お店なんですか本当に。」
「で、でも、デジタルさんのメモに書いてあるとおりだよ?」
「2人とも、行くぞ。」
ぐぅぅぅぅぅぅ〜〜〜〜〜〜〜。大音量の腹の音と零れ出る涎を拭いながらオグリは扉に手を掛ける。スペとライスは訝しみながら着いていくのだった。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「らしゃっせせい!!!」
「いらっしゃいませー!」
「いらっしゃいませ!」
「・・・・・・いらっしゃいませ。」
扉を開けてオグリキャップは目眩がした。あまりにも濃厚な料理の匂い。どれだけの料理を提供すればこれほどの匂いになるのか。
「その耳、その尻尾。お客さん、おデジちゃんが言ってためちゃくちゃいっぱい食べるこだね?」
「え?あ、はい!」
「そ、そうかも・・・・・・?」
「はははは!!安心しな!!!きちんと準備しておいたよ!!!腹一杯食ってくれ!!!」
「・・・・・待て、店主。」
オグリは本能で察した。この白い服の男が店主だと。そして問うのだった。
「本当に私達を、満腹に出来るのか?」
「出来る。」
「!!」
店主は断言した。デジタルから話を聞いているのなら恐ろしく食べるのを知っているだろう。だが、それでもと言った。
「俺たちはな。おデジちゃんから話を聞いてとんでもない大飯食らいが満腹になれず悲しい思いをしていると聞いた。それじゃあ俺の定食屋の魂が黙っちゃいねぇ。三日掛けて1人100人分、計300人分の大人の大盛りの量の仕込みをした。そして食材切れを絶対に起こさない為に。とある手段を取り入れるのを決めた。」
「とある・・・・・・手段?」
「魔法だよ。」
その言葉に3人は驚愕した。魔法。この店主はさも当然に魔法が実在する物だと言ったのだ。
「うちの冷蔵庫を、魔法で改造した。」
「魔法で、改造・・・・・・!?」
「えっ。すごい。」
「ふえぇ。」
「冷蔵庫の内容量を軽トラほどから・・・・・・・・」
店主は溜めてこう宣言した。
「体育館1個分までに空間拡張して、食材で満杯にした。」
これには3人も驚いた。オグリは思わず尻餅を突き、スペは涎を垂らしながら震え上がり、ライスはメモを放り投げた。
「だから、安心して腹一杯食いな。」
3人は、もう頷くしか出来なかった。
▽▽▽
それからは怒濤だった。3人は壁のメニューを端から端まで注文し、食べ始めた。文字通りいくらでも出てくる。給仕が走り回り食事を運んでいく。17時ほどに来店した3人は2時間でメニューを食いつくし遂に食べたい物を伝えて近いものを作ってもらうフェーズに入った。そこで店主は中華料理用の巨大丼皿を用意してご飯を盛れるだけ盛り、ソーセージ、ウインナー、ハム、チャーシュー、メンチ、ハンバーグ、焼き肉様々な肉の盛り合わせを乗せた豪華山盛り肉丼を提供した。
「はぐ、はぐ!!!もぐ、もぐ!!!」
「がつがつがつ!!!むしゃむしゃ!!!」
「はむはむハム!!!お、おかわりくださぁい。」
「あいよぉ!!!!」
もうとにかく調理してご飯に乗っけていく。しかもそれだけを食べているわけではない。同時にサラダや漬け物。一品小鉢も大量に頼んでいるし、お茶やジュースも大量に飲んでいる。
「ぷぅ・・・・・・らいす、おなかいっぱい・・・・・・」
80人前を平らげたライスがまず脱落した。大きくなったお腹をさすり、ストローでおちゃをくぴくぴ飲んでいる。
「はぐ!!!はぐ!!!むしゃ!!!もぐ!!!」
「がつがつ!!!もぐ!!!むしゃ!!!!」
次に、脱落したのは、スペだった。130人前を平らげていた。
「ふはぁ〜〜〜〜〜!!!おなかいっぱいです〜〜〜〜〜〜!!!!」
もう全体が丸くなったスペはひたすら満足そうであった。コーラをごくごく飲んで腹ごなしをしており幸せそうな顔でげっぷをした。
「もふ、もぐ、むふ。むしゃ、むしゃ。もぐ。」
そして遂に、あのオグリキャップの手が止まった。
「・・・・・・・。」
「ど、どうしたんですか?オグリさん。」
「オグリさんおなかいっぱい・・・・・・?」
「少し肉ばかり食べ過ぎた。すまない、海鮮丼をもらえるか?あとシーザーサラダとわかめ雑炊。カブの浅漬けも。」
「あいよぉ!!!!」
「す、すごい・・・・・ライス達、かなり食べた筈だよ。」
「う、うん。ライス先輩、普通にバイキングで全部食べたくらいは食べましたよ。」
オグリキャップはまだ食べ続ける。まだまだ食べ続ける。そして、また、オグリキャップの手が止まった。
「・・・・・・・なぁ。店主。」
「なんでしょ。」
「デザートは、あるか。」
「ありますよ。そこの入り口の冷蔵庫。ガリガリ君が入ってます。1個100円です。ただし1人1個まで。」
「1人、1個か。」
オグリは丼に残っていた海鮮丼を吸い込む様に食べると。丼と箸を置いた。
「ふぅ・・・・・・店主。ガリガリ君をくれ。それで、お腹いっぱいだ。」
「・・・・・・あいよぉ!!!」
これには、スペとライスも歓声を上げた。あのオグリキャップから満腹を聞き出したのはトレセン学園の食堂とこの店だけだ。伝説が、生まれた。
「がり、がり、むしゃ。」
「うー私ガリガリ君も食べられません。」
「ライスも・・・・・・」
「そうなのか?私はこのアイスでぴったりお腹いっぱいだ。もう食べられない。」
「何人分食べたんですかねー。」
「ライス100人前食べたかも。」
ニコニコ談笑している3人だったが他の客は戦慄している。なんだあの種族は、と。どう考えても物理法則がおかしい種族には関わらないようにしようと客達で意識が一致していた。
「どうすか。お腹いっぱいすか?」
「うん!お腹いっぱいになったの久しぶり!」
「ごちそうさまでした店主さん!!」
「ごちそうさまでした。」
「よしよし。じゃあお会計は初回は無料だから。次来るときはちゃんとお金持ってきてくれな。」
「あ!!!!!!」
「そ、そっか。一杯食べられるのは最初だけだった・・・・・・!!」
「あー・・・・・・」
「悪いけどうち商売なのよね。」
「そ、そうですよね。次はお金持ってきていっぱい食べます!!!」
「よく考えたらライス達、レースで勝っててお金あるよね・・・・・・・?」
「そうだ・・・・・・その通りだライス。私達お金持ちだぞ。」
「そうなの?まぁお金払ってくれるならお金分の食事を出すだけよ。また来てくれよな。」
「はい!!」
「ま、またくるね。」
「すごく美味しかった。」
こうして爆食いウマ娘達はふたばを堪能して帰っていった。これにより対ウマ娘フォーメーションがふたばに生まれ、新たな客に備えていくのであった。