・剣も魔法も存在しますが、あまり活躍しません。
・店主は普通のあんちゃんです。料理以外はできません。
・訪れる客は毎回変わります。ただし常連客もいます。
・日本酒の取り扱い始めました。
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俺はアワトリス。まぁしがないエルフのおやじだ。今年で800歳くらいになる。俺は酒好きだ。エルフでは珍しい?って思ったろ。そら珍しいだろ。エルフは酒を飲まないだけでなく毛嫌いする者が多い。なのになんで酒好き?って思うだろうが。好きなんだからしかたねぇだろ。
「・・・・・・ふふふ。」
俺は酒好きなだけあって自分でも作ったりする。ドワーフに教えて貰ってバッチリだ。だが、酒の精霊のまじないがエルフの里と相性が悪く。俺は里を出た。そして旅をしながら酒を探していくらでも飲んだ。特にドワーフの火酒という物は最高だった。小瓶にしか分けてもらえなかったけど。ケチ共め。
「・・・・・・ふぅ。」
そして俺は酒造りに最適な綺麗な湧き水が流れる山奥に居を構えた。精霊も見たことないのが多いけど。まぁ大丈夫だろう。
「・・・・・ふっ、さいこうだ。」
そして俺が最近ハマってるもの。それはだな。
「店主。ポンシュヒヤ、あと天ぷらおかわり。」
定食屋ふたばのポンシュヒヤと野菜に衣を付けて揚げた。天ぷらなる料理だ。
・・・・・・・・・・
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・
「アワトリスさん今日も昼間っから酒ですか。」
「いいだろう?スイヨウは仕事を休みにしてるんだ。」
「まぁいいすけど。うちは定食屋なんだけどなぁ。」
最近来るようになったアワトリスという客。朝は普通に飯を食うのだが、その三時間後くらいにまた来て定食をおかずだけ注文し日本酒の冷やをがばがば夜まで飲んでいくというエルフには相当珍しい客だった。
「アワトリスさん今日もチェイサーいらないんですか?肝臓悪くしちゃいますよ。」
「大丈夫だ。今日以外はキュウカンビ?にしている。酒を飲むのは今日だけだ。」
「まぁ一応水は飲んでくださいね。」
「うむ。このポンシュヒヤの後に水を飲むと水がまろやかに感じるのは・・・・・」
「それは身体が欲しているから美味いだけっすよ。」
クイっと日本酒を煽るアワトリスさんはレンコンの天ぷらを囓るとまた日本酒を煽る。その顔は恍惚と言うほか無かった。
「むぅ・・・・・・やはり天ぷらはカジキザクラが合うが野菜炒めや野菜餃子のような油の濃い物はテンペンマオウの方が合うな・・・・・・」
「次は天変魔王にしますか?」
「うむ。そうする。無くなったら頼む。それと一緒に茄子のネギ味噌炒めのおかずだけも。」
「うす。」
赤くなった顔で注文しているが恐ろしく酒には強いアワトリス。酒を飲んでも記憶は失わないし酔っ払っても理性は完全に残している。それが逆にドンドン酒が飲めると自覚させる最悪の酒ループを完成させていた。
「ふふ・・・・・・どうしてエルフは酒を飲まないのか。こんなに美味いのに。」
▽▽▽
アワトリスがもうなんぼ飲んだかわからない夕方。ファルダニアがアリスとクリスティアンを連れてふたばに来店した。
「らっしゃせっしゃっせい!!!」
「店主?今日は山菜蕎麦にするわ。山菜大盛り。」
「店主さん!私、厚揚げタマネギ定食〜!」
「店主殿。私は納豆ステーキ定食を頼む・・・・・・よ・・・・・・」
アーロイが注文を聞いてカウンターの奥に入るがクリスティアンがまるで伝説の珍獣を見るかのような目でアワトリスを見る。
「そ、そこの・・・・・・もしかして、アワトリスか・・・・・・?」
「ん・・・・・・?おお?なんだクリスティアンじゃないか。」
「うっ・・・・・・なんという酒精の香り・・・・・・どれだけ飲んだアワトリス!?」
「うーん今日はあの、とけいというやつが七回回る前から飲んでるな。」
「やめておけアワトリス!!!エルフは酒が飲めるような身体に出来ていないんだぞ!?!?」
「んー大丈夫だ。もう100年近く酒を飲んでるが全然体調は平気だ。」
「お前は300年前から酒を飲んでるだろう!!!」
「はっはっは!!そうだったかな?」
アワトリスはタケノコの天ぷらを頬張り日本酒を煽る。
「ぷふぅー!美味い!!」
「店主!!止めてくれ!!」
「え?ああ、いやお金出して飲まれている以上こちらからはちょっと・・・・・よっぽど体調悪そうなら止めますけど。」
「だが!?店主、聞いてくれ。エルフは酒を飲まないんじゃなく、飲めないんだ。だから本能的に忌避して遠ざけている。」
「そうなんですか!?」
「ああ。アワトリスは酒を飲めているが一応まだ体調を崩していないだけだ。このままでは1000歳になる前に死んでしまう!!」
「アワトリスさん、酒は百薬の長と言いますがね?エルフさんが酒を飲める身体じゃ無いのに飲むのは辞めましょうよ。」
「いいんだ店主。死ぬならその時はその時だ。それよりも好きな物を禁じて長生きするより、好きな物に囲まれて死にたいね俺は。」
「アワトリス・・・・・・!!!」
「こいつぁ真性の酒飲みだこりゃ。クリスティアンさん。これは止められませんよ。」
「アワトリス。念のため毒消しの薬を渡しておく。大河に水を一滴垂らすようなものだが無いよりはマシな筈だ。」
「おおーありがとなークリスティアン。これでまた酒が飲める。」
「はぁ・・・・・」
「ははは・・・・・・アワトリスさんがそれでいいならそれでいいですけど。今日はもうこれだけですよ。流石に飲み過ぎです。」
「まぁ・・・・・たしかにそうだな。今日はこの辺にする。」
「じゃあお会計金貨8枚です。」
「おう。はい金貨、8枚!ちょうどな〜」
「はい!ちょうど。」
「おっとっと。まだコップに残ってた。」
「アワトリス・・・・・!!!」
「おおこえーこえー。」
「はははは!まぁクリスティアンさん。アワトリスさんはもう七日に一回だけにしたみたいですし。」
「店主はそれ信じるのか?間違い無く他の日も飲んでいる。」
「いやいやうちはお客さんの言葉を信じるまでです。」
「はぁ・・・・・・アワトリス。今どこに住んでるんだ?」
「ん?なんか・・・・・・高い山の上にある森。ドワーフが知ってる。」
「わかった。いずれ、会いに行く。待っていろ。」
「おおおやべー・・・・・・ん?」
「どうしたんです?」
「精霊守りが反応してる・・・・・・まさか。」
アワトリスがドン!!とクリスティアンを突き放し何かボトルを取り出し水のようなものを頭から被っている。
「クリスティアン!!!お前絶対来るな!!!」
「な、なんだと!!?」
「お前!!酒の精霊の守りが反応した!!!酒の精霊が嫌う、何かを育てているな!?!?それを俺の家に持ち込んだら殺してやるからな!!!」
「・・・・・・ッ!!!」
「店主、すまねぇ酔いが覚めた。悪いがちょっと精霊の守りを設置させてくんねぇか。もし酒の精霊が嫌う何かを持ち帰ったら俺の酒がダメになっちまう。」
「まぁいいですよ。多分納豆菌ですなぁ。そりゃ酒には御法度だ。」
「どこがいいか。部屋の四隅にさせてくれ。それから厨房にも一箇所。これを置いてくれねぇか。頼む!!」
「このお守りぶら下げときゃいいんですね。いいですよ。」
「ありがてぇ!!」
「あ、アワトリス・・・・・・」
「クリスティアン。」
アワトリスはギラリとクリスティアンを睨み、クリスティアンはびくりと身体を震わせた。
「お前は酒造りの敵だ。その育てている物をどうにかしない限り。俺はお前との縁を切る。」
「・・・・・それがお前の譲れないものなのだな。」
「その通りだ。酒は俺の全てだ。」
「・・・・・・わかった。」
そしてアワトリスは出口から出ていってしまう。クリスティアンはため息を吐き、ファルダニア達の元へ座った。
「いいの・・・・・・?クリスティアン。」
「いいんだ・・・・・・エルフは長生きだ。出会いもあれば、別れもまた、多くあるものなんだよ。」
「・・・・・・そう。」
クリスティアンは少し寂しく微笑んだあと、改めて注文を告げたのだった。
ネタ募集します。皆さんこういう話が読みたいとかありましたら活動報告の方にコメントください。
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