When The "Saints" Go Marching In Ivalice   作:N22b

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16-2(2) Settlement EB-14D (Adolf Germonique)

B.B. 760 3月4日 集落EB-14D

 

(単独行動開始初日)

 集落内の打ち捨てられた廃屋の中でも見通しの良さげな物件を探す。数日内には現れるとされる「対象」アジョラ・グレバドスご一行をいち早く見つけるためだ。集落の中央、広場付近の状況は「フライトナーズ」として興行してた頃に大体把握していたけれど、やはり街の全体像は高い所に登ってみないと分からない。比較的高い建物は広場付近に集中しているけれど、こちらは住民の居住区域なので潜伏には向かない。対象との接触までの間、住民とのトラブルみたいな余計なイベントの発生は避けないといけない。今の僕はサーカス団員でも何でもない、ただの余所者なのだ。かといって、あまり居住区画から離れすぎると、対象の到着に気付けないかも知れない。対象が何処から訪れるにせよ、結局は住民達の所に来るのだ。住民の「息遣い」が把握できて、かつ目立たず、さらに見通しの良い場所を探すのは結構骨が折れる・・・と思っていたけれど、運良くさして時間もかからず、丁度いい塩梅の場所にかつて時報や警報に使っていたと思わしき鐘楼を見つけることができた。建物に入ってみると、櫓に上がる部分の階段が崩れかかっている。住民が建物を使用している感じも見受けられない。

 足場に気をつけながら櫓を登り、かつては鐘がかかっていたのであろう石造りの鐘つき堂の一角に腰を降ろす。見晴らしは上々。広場と、そこから八方に伸びた目抜き通りの内、東に伸びる通りの状況がよく分かる。食料は最小限度の行動食を持っているので、下に降りるのは水場に行く時だけで良い。本国なら家畜に飲ませるレベルの水だけれど、浄化魔法を習得しているから腹を壊すことはない。わざわざ住民と接触しなくても1週間位は保つ。最悪、対象と接触出来なければ、ギリギリまで耐えたところで今もこの集落の何処かにいるのだろう特別用務員「オルトロス」にチェックインすれば良いのだ。同じ特別用務員なら、最初から彼(彼女?)の所にチェックインさせてくれれればいいのに、とも思ったけれど、そこはきっと向こうの事情もあるんだろう。愚痴ったところでしょうがない。別れ際にゲイヴン団長から餞別に貰った毛布と水筒、便壺を櫓の上に上げて居住態勢を整える。ここからは持久戦だ。スナイパーの様に動かず、代謝を最小限にして、対象の到着を待つ。ホントに来るのか?疑ったところで意味はない。やれと言われたコトをやるだけだ。

 

3月6日(単独行動開始3日目)

 早朝に目を覚まし、昨日と同じように鐘楼の一角に腰掛ける。水を一口含み、目を皿にする。太陽が昇りきった頃、東に伸びる目抜き通りの郊外側から、鈴の音が近づいてきた。見ると、3人ばかりの人影が何やら口上をのたまいながら広場に向かって歩いていく。把握している限り、外からの来訪は見張りを開始してから初めてだ。耳を澄ませば、口上は流しの薬師のそれだった。チョコボに背負子を載せ、鈴を鳴らしながら広場に着くと、音に引き寄せられた数十人ばかりの住人がすぐに3人を取り囲んだ。

広場は鐘楼から200mは離れているから、流石に「生身」じゃあ、何をしてるかはよく分からない。焦点を絞って「ライブラ」をかける。薬売りの周辺が望遠レンズにかけたかの様に視野の中で拡大され、集音マイクを向けたかの様に音を拾う。実戦で使うのは初めてだ。さして高級な魔法でもないけれど、5m先を見聞きしているみたいに状況が分かるのが面白く、少しばかりテンションが上がる。3人の構成はバンガ、モーグリ、シークの全員男。「対象」はヒュムの女だから一致はしない。ただ3人共、頭巾をかぶっているのでよく分からないが「資料」で見た「対象の従者のリスト」に載せられた人相に似ていなくもない。ヒュムだったら一発で見分けられるけれど、流石に僕でも資料で一見しただけの他種族の首実検は簡単にはいかない。ただ、「薬売りを見たら忍者だと思え。」というのがこの業界の半ば常識みたいなものだと教わった。そういうつもりで彼らのやり取りに耳をそばだてる。話の内容はありきたりな薬の口上売りからのやり取り、そして世情の噂話へと移っていく。どちらかと言うと住人達の方が薬師達から色々と聞き出しているようだ。薬師達が聞くことと言えば、この集落にいる病人や怪我人達のことで、聞いてはメモを取っている。商売柄特に不審な行動とは言えない。僕の勘ぐり過ぎで、本当にただの薬売り一行なのかと思い始めたとき、恐らくはリーダー格のモーグリが面白いコトを言い出した。曰く、何でも遠くベルベニアで神の啓示を受けた少女が「神の御子」を名乗って病を癒す奇跡を起こしながら郊外の集落を回っている。ここの薬では治せない住民も「御子様」なら癒せるかも知れない。そして自分達は彼女の滞在先を知っていて、必要ならここに来てくれるよう、お願いしてみても良い、と。

住民達の反応を見るに、彼らも噂話程度には「救いの御子」の話は聞いていたらしい。どうやら住民達は「救い主ご一行」を呼ぶことにしたようだ。薬師達のうちシークが、傷病者のリストらしき紙片を懐に入れるとチョコボに乗って目抜き通りを来た方へと離れていった。

ここで少しばかりの疑問が湧く。本国からの指示は、「ご一行」が数日内にこの集落に来ることを予見していた。一方で、薬師達と住民が、ご一行の来訪を相談したのはたった今だ。空腹で冴えた頭を働かせて最も蓋然性の高いストーリーを考える。

 

・アジョラ・グレバドス以下「救い主ご一行」は、既にこの集落を訪れることを計画済である。

・現在の彼女達の滞在地には帝国本国の特別用務員がいて、何らかの手段で計画を察知、本国に報告した。本国はゲイヴン団長に指示して、彼女達が来る前に僕を潜入させた。

・薬師達は住民の警戒心を解くための偽装であり、「ご一行」の一味または協力者である。集落に来た目的は、来訪に対する住民の感触取り、併せて「ご一行」の本隊が来る前の環境作り、といったところか。

 

 概ねこんなところだろう。任務に示された「アジョラと他国等の関係性の証明」を示唆するようなものじゃあないけれど、若き新興宗教家の救いと癒しの旅路と言うにはどうにも周到に過ぎる。かつての戦時中は本国と同盟諸国の両陣営が占領地の統治を上手くやるために、占領地域内の集落に少数の宣撫部隊を本隊に先んじて送り込み、情報の収集やら拡散をやらせたというけれど、まるきりその手口だ。まあ、それくらい組織だって動ける組織でなきゃ、ここまでの成果は出せないってことか。資料では、判明時点で山脈以東の7割超の地域が教祖アジョラに帰依しているとのことだった。国境地帯に来てから2か月の生活でよく分かったけれど、ここいらの住人は程度の差こそあれ恐ろしくシビアだ。基本が食うや食わずで、気を抜けば死んでしまうような要因がそこかしこに転がっているから、野生動物並みに警戒心が強い。迷信には弱いが人間は簡単に信用したりはしないし、景気が良いだけの口約束なんてまず信じない。そんな地域で信用を勝ち取り、勢力を伸ばしている。資料では「教祖」アジョラは18歳。彼女が余程の天才なのか、彼女の「使徒」とやらに天才がいるのか、或いは強力な「バック」が付いてるのか。何れにせよ調べがいがある。逆に、なんで今まで放っておいたのだろう。まあ、何か僕が知らない事情でもあるんだろう。

そんな事を考えてる間に、残ったモーグリとバンガの「薬師」達は住人に連れられて広場から去っていった。問診にでも行ったのかな。同時にライブラの効力が切れる。大体の状況は分かったから、今はこのくらいで良いだろう。魔法を使ったことで生じた精神の消耗が、徐々に空腹感へと変わっていく。行動食は最低限しか持ってない。無駄に動かず、毛布で身体をくるむ。集落から出ていったシークは軽装だったから、「ご一行」のいる集落はそこまで遠い場所ではないのだろう。恐らくこの集落が孤立しているのは距離的な要因というよりは、足場と見通しの悪い湿原のせいだ。なら、あと3、4日程度は「待ち」でいいだろう。

 

3月9日(単独行動開始6日目)

 今日は朝から広場の周りが騒がしい。それまでの数日は、少なくとも鐘楼から見ている限り、集落は死んだように静かだった。まるで今の僕と同じように、閉じこもって消費エネルギーを最小限に保とうとしているかのようだった。そういえば、ここには農地も店も見当たらない。となると、収入源は出稼ぎだ。それが真っ当なものにせよそうでないにせよ。稼ぎ頭が食料はじめ必要なモノを持って帰ってくるまで、残った住人達は手持ちの物資を最小限に使いながら耐え忍ぶ。そう考えればこの静けさも理屈は通る。ゲイヴン団長の言葉を思い出した。確かにこんな生活に愉しみなど無い。たった3日間の小さなサーカス興行(漢気?溢れるゲイヴン団長でも、流石にこんな所でフルスペックでの興行は打たなかった。荷馬車3両分くらいの資材で済ませる「ミニ興行」だ)でも「砂漠の中のオアシス」だ。僕は最悪、ここで耐えきれなくなれば国に帰れば良い。不慮の事故さえなければ、死ぬリスクもない。自分以外に守らないといけない家族がいるわけでもない。でも、ここの人達には「ここまで耐えれば大丈夫」なんていうゴールはない。あるとすればそれは死ぬときだ。それまではいつか訪れる(それは死んだ後のことかもしれない)神の救いとやらを信じながら、ただ「死なないためだけに」生きる。湿原の中にあって空気こそジメジメとしているが、この集落は「乾ききって」いる。もしそこに、本当に「救い主」なんてものが目に見えるカタチで現れたら?

 そんなコトを考えている間に広場には数百人の住人が繰り出してきていた。やがてその中の何十人かが競うように東側を指差す。僕も視線を東へと向ける。丁度、日出の光が遠くの丘の稜線から差し込んでくるところで思わず目を細める。その光の中、目抜き通りの向こう側に黒い影がいくつか見えた。目を細めたまま、ライブラをかける。チョコボに騎乗し、ローブを被った3人。顔はよく見えないが1人は飛び出した耳でヴィエラだとすぐ分かる。もう一人はローブから突き出したワニのような口元でバンガだと判明。もう一人に目を向けた丁度その時、そいつがローブを外した。居た!ヒュムの女、白髪に鳶色の目。彼女が「対象」に間違いない。数日前、ここから離れていったシークはいない。だが、そんなコトはどうでも良い。次は、どうやって彼女に「チェック・イン」するか、だ。瞬時にいくつかのケースを想定し、考えを巡らすが、実際のところ成り行きを見ながら適時判断するしかないだろう。とにかく、暫くは観察だ。広場に着いた女が口を開く。自分が何者か、「ワザ」で示す、とか何とか。見た目と釣り合わない、大上段からのいかめしいというか古式ぶった物言い。まるで本国の坊さん達の口上みたいだ。そして一目で傷病者と分かる一団が列をなして進み出てきた。歩けない者は床板に乗せられ、子供は母親に抱きかかえられ。一団を引き連れてきたバンガは・・・間違いない、あの薬売りの一人だ。そのバンガが白髪の女に耳打ちする。傷病者の事を説明しているようだが、流石に小声すぎてライブラでも拾いきれない。女が先頭の病人らしき男に触れる。何の前触れもなく男が立ち上がり、歓喜の声を上げて跳びはねだした。治癒魔法か?いや、それなら魔法特有のエミッションが出るはずだ。見逃したか?次の「患者」も・・・同じだ。女が触れて「神がどうたら・・・」と口上を垂れただけで健常者の様に立ち上がる。群衆の反応も魔法を見た時のソレじゃあなさそうだ。コレで患者達がただのサクラなら安い茶番にしか見えないけれど、この集落でそんなモノを仕込む余裕なんか無いのは間違いない。それに患者達の振る舞いはどう見ても演技者のそれじゃあない。素人演技なら僕は見抜ける。群衆の中に焚き付け役のサクラがいないか探してみる・・・やはりそういう感じの人間はいない。最後の患者は母親に抱えられた赤ん坊。全く動かない・・・そもそも生きてるのか?ライブラを一瞬「サーマル・モード」に切り替えてみる(本国の魔法研究院で開発された新機能だとのこと。サバイバルにでも役立つかもと出発前に習得させられた)。赤ん坊の影は周辺のモノや衣服と同じ暗色で見分けが付かない・・・つまり死んでいる。体温までなくなってるようじゃあアレイズでもどうしょうもない。知ってか知らずか、それでも女は赤ん坊に手を添えて何やら集中しだした。沈黙のまま時間にして1分程度・・・、唐突に赤ん坊の泣き声がライブラ越しに聴覚にダイレクトに響き渡る。そんなことが?視界をサーマル・モードに・・・みるみる赤ん坊の体温が上がっていく。コレにはビックリだ!他の患者はともかく、コイツは絶対に魔法の類いじゃあない。あそこにいるのはタダの「若き天才白魔道士」なんかじゃなくて、本当に神通力か何かを授かった「ホンモノ」だというのだろうか?少なくとも現時点での人知を超えた力を唐突に授かった少女(僕が言うのも変だけど)が、突如目覚めて世直しを始めた・・・となると、彼女の「バック」として思いつくのは、かつてのダルマスカ戦役よろしく、「ギルヴェガン」に鎮座しているという「かつて万物の霊長を謳った古代種族の末裔」か、でなけりゃホンモノの神様か・・・何れにせよ、それならそれで僕は「証明」しなけりゃならない。やはりこんな所から出歯亀してるだけじゃダメだ。あの懐に潜り込まないと。彼女は相当に消耗したのか、倒れ込むようにバランスを崩すと、バンガの男に支えられて屋内へと消えていった。

 

 翌日、彼女と群衆が集まる広場に掛けた「ライブラ」越しに聞こえる歓声とは別に人の気配が生の感覚に響いて来る。ライブラを解除し視線を眼下の目抜き通りに移す。そこにはチョコボと荷車に分乗した男達の一団、さらに数100mほど後ろに10両程の荷馬車。男達が広場に現れると同時に群衆が一気に動く。抱き合う両者。もう一度ライブラをかける。歓声からそれが家族の再会だと分かる。やがて代表者らしい男が演説をぶちだした。なるほど、男達はこの集落から「出稼ぎ」で盗賊稼業に出たところ、アジョラ・グレバドスご一行が活動中の地域を襲って返り討ちに。だが、おめこぼしを頂いた上に、食料と復興援助の土産付きで帰ってきた、と。分かりやすい説明に感謝。となるとコレからはまず運んできた食料・物資の分配だろう。閃きに近い速さであの女、アジョラ・グレバドスへの接触プランが思い浮かぶ。荷物は必要ない。身一つで速やかに鐘楼を降り、広場へ向かう。梱包を解かれ食料が満載された荷車に人々が列をつくり、荷車に乗った男達が分配を始める。ぱっと見でいかにも意地の悪そうな面構えの一団を見定め、あえてソイツらの目に付くように群衆の間を突っ切る。荷車の横に張り付き、食料を両腕に抱え込む。振り返ったところで・・・そら、おいでなすった!向かって来た男達の一人に体当たりをかける。当然通じない。直ぐに抑え込まれた。2、3人が結構な力でねじ伏せてくる。なかなか容赦がない。流石は人権もへったくれも無い化外の地の住人だ。窒息しないよう、押さえつけられながらも気道は確保するが周りは良く見えない。でも、少しだけのガマンだ・・・

「どうしたのか?」

ハッキリと、そして落ち着いた少しばかりハスキーな女の声が響く。押さえつけられた頭の角度ではその方向が見えない。でもそれまで騒がしかった周りが一瞬で静まった事が、誰が来たかを教えてくれる。不意に頭に加えられた男の力が弱まる。でも身体は動かない。頭だけを声の方に向ける。予想どおりだ。来てくれてありがとう。彼女が男達に問う。

「なぜ、その子をそのようにするのか?」

「コイツは余所者でさぁ!御子様には分からんかもですがね!」

「御子様はこのムラの為に来てくだすったんだ。なら食料だってムラのもんだ。どこの馬の骨か判らんが、盗みたぁふてえ野郎だ!」

(いや、盗賊団のアンタたちがソレを言うんかい!)

僕は、脳内で全力で突っ込んだ。こういうド田舎の孤立集落ほど、仲間意識と余所者への敵愾心がムダに強い。座学で学んだが、この2か月、そして今、実地で嫌と言うほど実感中だ。

「この子、アレだ!サーカスの時、居た!魔獣の餌とか運んでた雑用の子だよ。」

僕と同い年位の女の子の声が響く。紹介してくれてありがとう。後で説明する手間が省けた。さあ、「御子様」、どうする?貴女の目の前で押さえつけられているのは腹を空かせた哀れな痣まみれの子供だ。

「そうなの?」

膝を屈めて問いかけてきた「御子様」の声はさっきまでとは打って変わって自然な声色だ。意外だけれど、まあ、ソレはいい。ダメ押しだ。できるだけ哀れで情けない顔を作って声を絞り出す。

「助けて下さい!たすけて・・・」

「御子様」は立ち上がると、男達に語りかける。

「離しなさい。貴方がたには余所者だろうが、神の前には等しく愛すべき吾子である。」

今度はいかめしい、ハスキーな声だ。

一寸の沈黙のあと、片腕と腰を押さえつけていた力が抜ける。

ここが勝負だ!全身に力を込めて、「御子様」が口を開くより早く彼女の懐、直ぐ後ろに飛び込む。ようやっとで拾われた子犬の様に震えながら、片手でその裾を掴む。

演劇の脚本のセオリーどおりなら、解放された泥棒小僧に情け深い人格者がかける言葉は「お行きなさい」だ。でも今の僕の仕事は「潜り込む」事。「行かされ」ては困る。これまでの僕の動きは全てこの態勢を作るための「プラン」だ。上手くハマった。あとは「御子様」の反応次第だが・・・

「ここに、いなさい。」

頭上からまた「いかめしくない」御子様の声が聞こえた。その手が僕の頭に優しく触れる。今まで覚えた事のない不思議な感覚が響いて、少しばかり鳥肌が立つ。でも、今はソレはいい。ファースト・ミッション、クリアだ。誰に言われた手順でもない、今まで学んだ知識と判断力で、僕が考えた筋書きどおりに事を運んでみせた。悪くない気持ちだ。今まで書面上の点数と評価だけだった僕の胸の底に、成し遂げた実績が自信を与えてくれるのが実感できた。

 分配された食料とは別に、御子様ご一行が指示して大鍋で作らせた煮物が皆に振る舞われる。僕にも。精一杯の感激と感謝の笑顔を作る・・・美味しい。笑顔は作り物だけれど、安堵感は本物だ。ひとまず仕事に一区切りつけたこともさることながら、なんてったって久しぶりの温かい食事なんだから!

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