戦国転生 4歳から始める十種影法術   作:匿名希望

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原作の時間軸はあまりにも難しい、どうやって原作キャラのトレースできるんだろう。


第二話 影のマットレス、作り始める

四歳の誕生日から三週間。

修行の主軸が玉犬を使役や影の操作へシフトしたおかげで、ようやくモチベーションが上がってきた。

屋敷内を包んでいたあの気味の悪い狂騒も、近頃はやっと落ち着き始めている。

どうやら禪院家のドブカス様方は、他家を煽る方向に熱を入れ始めたらしい。

 

………くっだらねー!あったまおかしいんじゃねぇのォ!?

 

内心で毒づきながら、俺は布団の中でうごうごしてた。

なんとか影を多層に重ねて、マットレスみたいな弾力を作れないか。

そんな試行錯誤に没頭する、いつもの朝だ。

 

そしてこれが思った以上にキツいんだよなぁ。

一枚目の層を作るのは簡単だった、というか影を伸ばせばそれだけで良いわけで。二枚目も、多少疲れたが少しの集中で済んだ。

だが、三枚目、四枚目と「折り重ねる」たびに、必要な呪力と精神の削れ方が加速度的に跳ね上がっていく。

(……はぁ、はぁ。なんだこれ、算術級数どころか、指数関数的に負荷が増えてやがる……!)

重ねた状態は何もしなければ、広がるか反発がなくなって、くっついちまう。

一枚の紙ではなく切って2枚の影の層に出来れば、折重ねの方に呪力使わなくて良くなるから大分話が変わるのに。

 

しかしたかが寝心地改善されど寝心地改善、どんだけ削られようとも、止めるわけにはいかないのだ。

 

「……ふぅ」

 

三週間かけて、ようやく四層。

最初の2層はサクサクいけたのに、今は四層目を維持して固定するだけで、脳が熱を持ってショートしそうだ。そしてそれも1分も持たない、麺硬カップラーメンすら出来ない?

 

その四層目を影の底に「固定」した瞬間だった。

 

(……あ。また、これか)

 

影の中に呪力を流した時、あの「一、二パーセントのズレ」が、以前よりもはっきりと重い手応えを持って指先に還ってきた。

影の深淵へ向かったはずの呪力が、俺が作った層にぶつかり、跳ね返り、別の層でまた反射する。

 

――閉じた箱の中で、音が何度も反響し続けるような感覚。

 

本来なら霧散するはずの呪力が、影の内部で何度も「跳ね返り」を起こしているっぽい。

層が増えるたびに、反響の回数は増し、俺が流し込んだ以上の呪力が、影の底に溜まっていくような気味の悪さ。

 

(……反射炉かよ。いや、効率がいいのは助かるけど、これ以上構造を増やしたら、いつかこの影が破裂すんじゃねぇか……?)

 

一歩間違えれば自爆しかねない。そんな、薄氷を踏むようなシステムの肥大化。

その未知の恐怖に冷や汗を流すと同時に、なんとか固定していた四層の影は限界を迎え霧散した。その時。

 

襖の向こうから、あの不愉快な気配が近づいてきた。

 

 

「……影久」

 

低い声と共に、襖が音もなく開く。

父の影が長く伸び、俺の顔を覆った。傍らに控えた老術師を顎で示す仕草すら、禪院家らしい威圧感に満ちている。

 

「本日から、この源蔵を指導役に付ける。本来であれば発現の翌朝から始めさせるつもりであったが、源蔵が越中の呪霊退治に出ておってな。影を操る術理に関しては、一族随一の男だ。源蔵、我が至宝を、術師の頂へ導け」

 

「御意に。この命に代えても、若様を相伝の完成へと導いてご覧入れます」

 

源蔵は岩のように硬い顔で畳に額を擦りつけた。

瞳に宿る狂信的な期待が、重すぎて息苦しいぜ。

 

(……わざわざ遠方の任務から呼び戻したのかよ。眼圧だけで潰されそうだ、期待が重いぜ。俺はただ、腰が死ぬほどの冷たい床から解放されたいだけなのに)

 

父が去った後、源蔵は鋭い眼光を俺に向けた。

 

「若様、まずは式神を用いた実戦の基礎から……」

 

「待て、源蔵」

 

俺は老術師の言葉を遮り、真っ直ぐにその目を見た。

 

「そんなものは後でいい。俺がお前に求めるのは、影そのものの指南だ」

 

源蔵が微かに目を見開く。

 

「父上は言った。お前は一族随一の、影を操る手練れだと。ならば、式神を呼び出すための門でしかない影を、物理的な質量を持つ実体としてどこまで固定できるか。その練り上げを教えろ。……それは、お前にしかできないことだろう?」

 

源蔵の喉が、ひくりと鳴った。

 

「……っ! 我ら一族、相伝の獣を従えることにのみ目を奪われがちですが……。若様は、その根源たる影の深度にこそ真理があるとお見通しなのですか。この源蔵、身震いが止まりませぬ!承知いたしました。私の持てる術理、すべてをお教えしましょう」

 

(よし、乗ってきた。ジジイの自尊心を刺激すればこっちのもんだ。これで心置きなく、影の多層構造を研究できるぞ!玉犬出しての実戦形式てのも悪かぁないが、やっぱこっちをなんとかしたいよな。寝床)

 

 

 

こうして新しい修行の日々が始まった。

源蔵の指導は理論は解釈の面において、俺にとってプラスに働いたが、とりわけ身になったのは、やはり影を一枚から分離して2枚に分け呪力消費が一気に抑えられるようになったことだろう。

 

「若様、影とはただの闇ではございませぬ。それは現世と境界を分かつ『膜』。呪力を注ぎ、その膜の厚みを、密度を、自在に操るのです。さあ、今一度! 影を沈めるのではなく、その表面に意識を留めなさい!」

 

「……っ、分かってる……!」

 

中庭の硬い土の上。俺は影を物理的な実体として固定しようと、必死に呪力を練り上げる。

源蔵の教えは、影を「深さ」だけなく「層」としても捉える俺の現代的な感覚と、驚くほど合致していた。

 

薄くし、密度を下げることで影をちぎり、折重ねから積み重ねに変化した影を重ねるごとに、増していくあの「反響」が、今度は明確な熱となって俺の掌を焼き始める。

 

(……くそ、これでも四層から五層への壁が厚すぎる。反射した呪力が逃げ場を失って、影の中で渦巻いてやがる。これじゃマットレスどころか、座布団一枚分も持たねえぞ……!)

 

ぴりっ、と小さな反発が手のひらに跳ね返ってくる。

 

「くそ……集中しろ」

 

額から汗が一筋、鼻の横を伝った。

ミリ単位の調整。脳内で何千個ものバネが同時に動き続けるような、極限の演算。

 

寝返りを打った瞬間に沈み込みを殺す——前世で憧れた高級マットレスの構造を、影で再現する。その作業に没頭していると、背後で源蔵の息が漏れた。

 

「……何をしておいでなのですか。若様、それでは影が死んでしまう。影とは本来、柔軟に流転させるもの。そんな風にガチガチに固定して多層化するなど、術理に反しますぞ!」

 

源蔵の声には、明らかな戸惑いがあった。

一族の常識からすれば、俺がやっているのは「影」という流動体の性質を真っ向から否定する、あまりに不自然で緻密すぎる構築だったからか。

 

だが、俺の頭の中は、寝返りを打った時の沈み込みをいかに最小限に抑えるか。そればかりだった。

 

「若様……既に一刻以上。そんなに指先を震わせてまで……何を……」

 

「黙ってろ。今、大事なところだぞ」

 

低く突き放す声が出て、自分でも少し驚いた。

実際はもう頭はクラクラしていて、四歳児の体力が限界に近かった。でも「もう少しで高反発マットレス完成かも」という期待が、泥のような疲れを無理やり誤魔化してくれていた。

 

(……一か二パーセントのズレ、なんてレベルじゃねえ。層を重ねるごとに、跳ね返ってくる呪力の密度がどんどん増してやがる)

 

手のひらを通じて、影の奥から心臓の鼓動に似た規則的な振動が伝わってくる。

これが反射炉の「脈動」だと気づく余裕すら今の俺にはない。

 

「……あ。きた……これだ……!」

 

指先が、影の表面に「確かな弾力」を捉えた。

沈み込みすぎず、かと言って硬すぎない。理想的な耐圧分散。

 

「……っ、よし」

 

その瞬間、源蔵が「ヒッ」と短く息を呑むのが分かった。

指導役としてそばにいた彼には見えたのだろう。

俺が作り上げた多層構造の影が、限界を超えた密度によって、一瞬だけドス黒い輝きを放ったのが。

 

(やった……この二層構造ならばほぼ負荷なしで維持できるぞ!やっとあの地獄の寝床からおさらばだ。これさえあれば、俺は——)

 

勝利を確信した瞬間、視界がぐにゃりと歪んだ。

脳が沸騰したような熱に襲われ、膝の力が完全に抜ける。

 

「若様ッ!!」

 

源蔵の叫び声が遠くで響いた。

倒れ込む俺の体を受け止めたのは、皮肉にも、俺がたった今作り上げたばかりの「影のマットレス」だった。

 

 

 

 

 

修行を始めて四ヶ月。蝉時雨が降り注ぐ中庭で、その「事件」は起きた。

源蔵のあまりに執拗な「正攻法への修正勧告」に、俺の堪忍袋の緒が切れたのだ。

 

「そんなに俺の影が薄っぺらくて頼りないと思うなら――源蔵、お前の息のかかった術師に、ここを全力で殴らせてみろ」

 

俺が指差したのは、床下に敷き込もうとしていた、わずか数ミリの二層影だった。

 

呼び出されたのは、門弟の中でも腕の立つ二級術師、そろそろ炳になろうかという実力らしい。

 

(ほーん、いいじゃないか。どのくらいの強度か目安にもなるしな)

 

俺は眼前に表面硬さましまし、反射強目の多層の影を展開した。

そこへ「怪我をされても知りませぬぞ」と冷笑を浮かべ、男が呪力を込めた拳を叩きつける。

 

――ゴンッ!

 

鈍い衝撃音が響き、中庭の空気が震えた。

だが、男の拳は影の表面で完全に止まっていた。

それどころか、多層構造の中で反響し、増幅された反発エネルギーが拳を弾き飛ばし、男は数メートル後退して顔をしかめた。

 

(おおっ!)

 

「なっ……手が、痺れる……!? なんだこの硬度は。鋼を叩いたというのか」

 

「……二級の呪力を、完全に減衰させただと……?」

 

源蔵が絶句している。

無理もない。俺が作ったのはただの防壁じゃない。内部で呪力が超高速反射を繰り返す、高密度の「反発クッション」だ。

こうなると思っていたとは言え俺だって驚いてる。

たがそれを悟られたら面倒なことになりそうだ。俺はさも当然かのように自信満々に言い放った。

 

「……満足か。俺の『研究』には、お前らの言う術理以上の強度がある。もう文句はねえな?」

 

実際はたった一撃防ぐだけで脳が沸騰しそうなほど疲弊したが、俺は平然を装って言い放った。

この日を境に、周囲の小言はピタリと止んだ。

彼らの目には、俺が「独自の絶対防御術式」を編み出しつつある、底知れない天才児として映ったらしい。

 

(……やれやれ。これでやっと、静かに安眠の研究を続けられるぜ)

 

ただ、常に呪力を回し、精密な影操作を続けるのは思ったよりキツい。

最初は数分で頭が重くなり、玉犬を出して休憩する時間が長かった。マットレスの品質、つまり影の多層構造を緻密にすればするほど、呪力操作は急激に複雑化していく。それは脳内で数千個のバネの動きを同時に計算し続けるような、焼き付くような負荷だった。

 

 

 

季節は秋。

山中での修行や移動の際、この「影の多層構造」は驚くべき利便性を発揮していた。

 

現在の俺の限界は、およそ以下の通りだ。

 

2層(常時展開):

もはや無意識。これによって「影のインソール(足袋)」と「薄手のマットレス」を24時間維持している。

 

3層(1〜2時間):

ここから一気に集中力が必要になる。山道の険しい場所や、少し気合を入れた修行の時用だ。

 

4層(5分):

完全に「戦闘モード」。先日の二級術師を弾き飛ばしたのはこれだ。脳が熱を持ち、視界がチカチカし始める。

 

5層(数秒):

一瞬だけ展開して、即座に解除しないと脳が焼き切れる。現時点での「奥の手」だ。

 

「……若様。二層の影を一日中維持し、あまつさえその状態で山道を駆け抜けるとは。もはや常人の呪力操作の域を逸脱しておられる」

 

草鞋(わらじ)を泥だらけにし、息を切らした源蔵が、汚れ一つない俺の足元を見て溜息をつく。

奴も道中の半分までは二層の影を纏って意地を見せていたが、ついに限界が来たようだ。

 

(……ま、そうなるわな。一層なら、呪力を流し込みゃ誰だってできるんだ。だが、二枚目を重ねた瞬間に、制御しなきゃいけない感覚が一度に押し寄せてきやがる)

 

彼も自分で試して悟ったらしい。層を重ねるごとに跳ね返る呪力の反動――あの「反射炉」の熱に耐えるのが、いかに狂気じみた作業であるかを。

 

(……いや、単に俺は『靴下のフカフカ感』を維持して、泥で足を汚したくないだけなんだがな。3層以上で限界時間を超えると、脳が沸騰しそうになるし、これ以上は人間のスペックじゃ無理だろ。……6層目? 想像しただけで頭が割れそうだぞ、いつかやれんのかほんとに?)

 

周囲はこれを「常に術式を展開し、険路を平地のごとく歩む神童の荒行」だと勝手に神格化している。

おかげで、俺が移動中に「あー、ここ、もう少しクッション性欲しいな」と影を弄っていても、誰も文句は言わなくなった。

 

 

源蔵との朝の修行(山行)から帰ってきて、そのまま朝食までの時間は、俺にとって呪力訓練の仕上げの時間だ。

 

先ほどまで険しい山道を共に駆け、草鞋を泥だらけにしていた源蔵は、いまや屋敷の入り口で息を切らして動けずにいる。帰り道で意地を張り影を貼り直してたからな、結構いい年なのにやるもんだ。

 

「……よし、いい按配だぞ」

 

俺は二層の影を足裏に纏ったまま、さらに足元に、柴犬ほどの大きさに「絞った」玉犬の白と黒を呼び出し、廊下を静かに歩む。

 

本来、式神は呪力を注げば注ぐほど大きく、猛々しくなるものだ。だが今の俺がしているのはその逆。影の出力を極限まで絞り、それでいて形を保つギリギリの密度で子犬の姿に留め置く。

 

(呪力の流れを微塵も揺らさないように負荷をかけ続ける。……呪力版『中強度のランニング』だな、これ)

 

他人から見れば、小さな犬を連れて屋敷を歩き回る、緊張感のない「遊び」にしか見えないだろう。実際、すれ違う術師たちは、山から戻ってすぐに愛玩犬と戯れる俺を見て、呆れたような鼻笑いを浮かべている。

 

だが、その時だった。

 

「……目障りだと言っておるのだ、お前も! その出来損ないの茶も!!」

 

突き刺さるような高い声。角を曲がった先で、弟の景次が顔を赤くして叫んでいた。

その手には、熱い茶が注がれたままの湯呑みが握られている。

景次はそれを、震えながら平伏している若い女中に向かって、全力で投げつけようとしていた。

(……おいおい、危ねえだろそれ。一歩間違えたら大惨事だぞ)

 

「景次様……! お、お許しくださいませ……!」

 

 

景次の手から放たれた湯呑みが下女の顔面に当たる直前――軌道上の畳から、遮るように、影を伸ばした。

 

陶器が影に音もなく吸い込まれていき、湯呑みは熱い茶ごと、俺の広げた影に飲み込まれた。

 

「……なっ! 兄上!?」

 

驚愕に目を見開く景次を、俺は小型化した玉犬を引き連れたまま、静かに見下ろす。

 

「景次。……朝の修行はどうした? 父上がお呼びではないか?」

 

「……っ! く、くそッ!」

 

父を引き合いに出した瞬間、景次の顔からさっと血の気が引いたように見えた。今のあいつにとって、父上は尊敬の対象などではなく、逆らえばさらに過酷な「修行」を強いてくる恐怖の象徴でしかないのだろう。

顔を真っ赤にしたまま、景次は逃げるようにその場を去っていった。

 

(……やれやれ。これで介入は終わりだ。二層を維持したまま、咄嗟に影の出力を動かすのは……まだ少し呪力の流れが淀むな)

 

その時、屋敷の奥から朝食の鐘が鳴った。

 

(おっと、もう飯の時間か。景次あいつ朝の修行サボったのか、まー子供にゃ辛いよなあ)

 

俺は淀んだ呪力を整えることに意識を奪われ、影の中に飲み込んだ湯呑みのことなど、その瞬間にすっかり忘れて食堂へと足を向けた。

 

 

 

ーー数日経って。

 

「……そういえば、あの時の湯呑み。入れっぱなしだと、いつか玉犬が踏んづけて壊しちまうか」

 

修行の合間にふと思い出し、俺は修練場で影を広げた。

そして、その言葉が自分の口から出たことに、少し奇妙な感覚を覚える。

 

(……いや、そもそもあいつらに『歩き回る』ような自我なんてあるのか? 呼べば懐いたような仕草はするが、それは俺の『犬はこう動くもの』というイメージが投影されているだけなのか? それとも……俺がそう定義すれば、あいつらは影の中で勝手に自律して動き始めるのか?)

 

術式の解釈、という言葉が脳裏をよぎる。

もし、この影が俺の呪力で構成された領域なら、その中での「理」を決めるのは俺の主観なんじゃないか。

 

「……ま、とりあえず出すか」

 

思考を切り替え、影の底から湯呑みを手元に引き寄せる。

すると、指先に伝わってきたのは、陶器の冷たい感触ではなかった。

 

「……あちっ!?」

 

慌てて手を離しそうになる。

湯呑みの中には、数日前に淹れられたはずの茶が、淹れたてのような湯気を立てて並々と注がれたまま残っていた。

 

(……は? なんだこれ。数日経ってるんだぞ? なんでまだ熱いんだ?)

 

茶を一口含んでみる。……熱い。そして、味も落ちていない。

大丈夫な気はするが、流石に飲む気にはならずぺっぺっと吐き出した。

しかしだいぶ渋いぞこれ、かなり濃い目に淹れたみたいだな、それで景次は怒ってたのか?可愛いやつだ。

影の中は道具を運ぶための倉庫のような扱いでいた。だが、この現象はどうだ。

 

(……単なる保温か? いや、俺が多層構造で『反射炉』に仕立てたせいで、影の内部が外界から完全に遮断されたのか。……それとも、俺の解釈一つで、ここは時間の経過すら止まる『時間静止のストレージ』に化けるのか?)

 

もしそうなら、これはマットレスどころの話じゃねえぞ。

食糧の鮮度保持から、情報の隠蔽、あるいは――。

 

(……自律する式神に、時間停止の影。……俺の『解釈』次第で、この術式はどこまでも便利に作り替えられるってわけだ。最高じゃねーの?)

 

「理想の寝心地」を求めて研ぎ澄ませていた多層影の副産物は、俺の予想を遥かに超える「生活革命」の可能性を秘めていた。

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