戦国転生 4歳から始める十種影法術   作:匿名希望

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後書に神域顕現についてなんとなくの説明、読まなくても大丈夫なやつです。


第三十七話 おいしくいただきました。

術師たちに先導され、春日山城への坂道を登っていた。

 

「影久殿、早馬を発立させました。数日中には禪院家へ届くかと」

 

「あぁ、助かる。ありがとう」

 

短く応えながら、ふと隣の術師へ視線を向けた。これから大名の膝元へ向かうのだ。厄介な相手が出てくる前に、最低限の素性は掴んでおいた方がいい。

 

「ところで、主人というのは?」

 

術師は居住まいを正した。

 

「上杉景勝公の名代として、直江兼続様が前線より帰還されております。本日は直江様が直々に」

 

「直江兼続……なるほど」

 

名前は聞いたことがある気がする。確か、上杉家の重臣だったはずだ。……思ったより大ごとになったな

 

小さく息を吐いた。歓迎の場が、想定以上に重い政治の場になりそうだ――そんな懸念は、春日山城の門をくぐった瞬間に吹き飛んだ。

 

ぞわり、と全身の毛が逆立つ。

 

城の奥から漂ってくるのは、尋常ではない呪気だった。先ほど海で退けた特級呪霊よりも量は劣るかもしれない。だが、質が違う。呪いとしての重さが、まるで桁違いだ。

 

大名がどうこうと言っている場合ではない。こりゃ早急に手を打たないとまずいぞ。

 

一歩、歩調を緩める。隣の術師たちを一瞥したが、彼らは平然と歩みを進めていた。長年この地にあるせいで、感覚が麻痺しているのだろう。

 

自然と、背筋が引き締まった。

 

―――

 

通された奥座敷で、一人の男と向き合う。

 

直江兼続。前線から戻ったばかりの若く鋭い眼光からは、戦場の張り詰めた空気がそのまま滲み出ていた。

 

「よくぞ参られた。領内の危機を救ってくれたこと、上杉を代表して感謝いたす。まずは長旅の――」

 

「ご丁寧な歓迎、恐れ入ります」

 

一礼を返し、最低限の礼節を保ちながら、しかし真っ直ぐに兼続の目を見据えた。

 

「――直江様、一つお伺いしてよろしいでしょうか。城の奥から、看過できぬほど濃密な呪気を感じております。心当たりはおありですか」

 

問いかけた瞬間、兼続の眼光が一層の厳しさを帯びた。わずかに目を細め、値踏みするようにこちらを見つめてくる。

 

「……初対面で、挨拶よりも先にそれが出るか」

 

小さく息を吐き、組んでいた手を解く。

 

「前線から戻って驚いた。結界を食い破らんばかりに、呪気が急激に膨れておる。術師どもを当たらせてはいるが、原因が掴めずにいる。……謙信公の御代より毘沙門堂の奥に封じられし一物があるのだが、お主の目には、あれがどう映る」

 

「百聞は一見にしかず、と言いますしね。その毘沙門堂へ、今すぐ案内していただけますか」

 

「よかろう。ついてまいれ」

 

兼続は躊躇うことなく席を立ち、自ら先導を始めた。

 

城の奥へ進み、長い木造の回廊を渡るにつれ、空気の重苦しさが段階的に増していく。やがて辿り着いたのは、山の斜面に厳かに佇む御堂――毘沙門堂だった。おどろおどろしい呪気が靄となって足元に淀み、厳粛な信仰の場の面影は、もはやなかった。

 

兼続が堂の重い扉を開け、奥へと進む。

 

最奥に、それはあった。何重もの注連縄と古びた御札によってこれでもかと緊縛された厨子が、息を潜めるように鎮座している。呪気の発生源は、間違いなくここだ。

 

これほど近くでその気配を浴びた瞬間、脳裏に答えが浮かび上がった。

 

(――嘘だろ。これ……「宿儺の指」じゃねえか?)

 

呪気の質の邪悪さ、禍々しさ、存在感の重さは――呪いの王の一部以外に、あり得なかった。

 

なんでこんなとこに、そんな爆弾が眠っているんだ。

 

「これより先は結界の縛りが強くなる。迂闊に近づけば、精神を侵されかねんぞ」

 

兼続の声に、警告の重みがあった。正体こそ掴めていないが、これが上杉の手に負える領域を超えつつあると、その目が確かに告げていた。

 

「ご心配痛み入ります、直江様。ですがどうぞご安心を」

 

兼続の警告へ、物静かに、しかし明確な拒絶と絶対的な自信を込めて微笑みを返す。

 

「これ、放置しておけば近いうちにこの城に、災いを招きますね。手遅れになる前に、今ここで処分してしまいます」

 

そう告げ、その名を口にした。

 

「――魔虚羅」

 

影が深く、濃く波打つ。這い出るように現れたのは白髪の美少年――魔虚羅だ。じっと目の前の厨子を見据えた。

 

「……それが、お主の式神か。ただの童ではないな」

 

「相棒です、直江様。見えていらっしゃるのですね」

 

さて何が起きるのか、と堂内の全員が息を呑んだ。

 

その時、魔虚羅の口元から涎が垂れた。

 

食欲を隠そうともしていない。目の前の厨子を、極上の馳走を前にした顔で見つめていた。

 

堂内に張り詰めていた緊張が、一瞬でふっと弛緩した。

 

(完全に「ごちそう」だと思ってやがる……)

 

思わず視線が冷ややかになる。

 

(お前さあ、もうちょっとなんかこう……あるだろ?)

 

兼続もさすがに毒気を抜かれたのか、ふっと耐えかねたように小さく吹き出した。

 

「……ふっ。お主の相棒にとっては、あれはただの馳走に過ぎんというわけか」

 

「ええ、まあ……そんなところです」

 

(いやちょっと待て、なんか普通に恥ずかしいな、これ)

 

いたたまれず視線で無言の合図を送ると、魔虚羅は小さく頷き、一歩前に出た。

 

厨子に手が触れた瞬間、何重もの注連縄も御札も結界の縛りも、一瞬で粉々に弾け飛んだ。剥き出しになった宿儺の指を、魔虚羅は躊躇なく手で掴み取り――そのまま口の中へと放り込み、咀嚼した。

 

そこへ神域を重ねる。

 

神域顕現・布瑠部壇上(ふるべのだんじょう)

 

魔虚羅から落ちる影が鳴動をする。

 

瞬間、頭上の法陣が、凄まじい呪力を放ちながら回転した。

 

ガコン。

 

宿儺の呪力への適応。一回転目。

 

ガコン。

 

(おや、二回?……ああ、本州に来てからずっと何かに適応しようとしていたアレが、ここで終わったのか)

 

そうして神域を閉じる。

 

指が完全に消化された瞬間、春日山城を覆い尽くしていた呪気が、嘘のように掻き消えた。澄み切った秋の空気が、静かに堂内へ戻ってくる。

 

城のどこかから、どよめきが起きた。それが連鎖し、山全体へと広がっていく。

 

兼続は外の喧騒に耳を傾け、深く息を吐いた。こちらへ向き直り、静かに頭を下げる。

 

「見事だ」

 

「お役に立てたなら何よりです、直江様」

 

礼を返し、それだけ言った。

 

 

宿儺の指の処理を終えてから、三日間を春日山城で過ごした。

 

新発田重家との決戦を目前に控えた時期とあって、大々的な歓迎こそなかった。それでも用意された部屋も、運ばれてくる膳も、内々で出せる最高のものが揃っていた。上杉なりの誠意というやつだろう。

 

豊臣秀吉がこの後に天下を取ることは知っている。だが、今の俺にはどうでもいい話だ。

俺は荷物をまとめ、見送りに現れた直江兼続の前に立った。

 

上杉の軍勢がこれから北へ向かうのとは、真逆の方向へ進路を取る。

 

「では、直江様。これにて失礼いたします」

 

「……うむ。道中、気をつけてな」

 

西、つまり京へ向かうという意味を、兼続はちゃんと分かっているはずだ。上杉のこれからに干渉するつもりも、敵対するつもりも一切ない――そういうことだと。

 

「城を悩ませていた怪異を払っていただいた。改めて、感謝する」

 

小さく首を振る。

 

「いえ。あの『指』を手に入れられたのは、こちらとしても大きな収穫でした。相棒も満足したようですし――お互い様ということで」

 

「お世話になりました」

 

一礼し、春日山城を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

影久が城を去って、数時間が経った頃のことである。

 

春日山城の門前に、大坂からの早馬が慌ただしく到着した。関白・豊臣秀吉からの直々の音物――上杉の臣従に伴う、銀三百枚の目録と実物だった。

 

目の前に積まれた莫大な銀の山を前に、直江兼続はしばらく黙って立っていた。

それから、あきれたように――しかしどこか感嘆を交えて、静かに天を仰いだ。

 

「天下人が動かす大政局すら……あやつには、待つ価値もないということか」

 

挨拶もそこそこに、「お互い様」と笑ってさっさと旅立っていったあの少年。中央の権力争いなど、端から眼中にない。そういう人間だった。

 

兼続は遥か西へ続く街道に目をやり、しばらく動かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

春日山城を出発してから、六時間ほど。特にトラブルもなく、現代でいう富山県黒部市あたりまで移動してきていた。

 

山間にひっそり佇む湯小屋を見つけ、迷わず暖簾をくぐる。素朴な板張りの浴場には、他に客の姿が一人もなかった。

 

貸し切りか。運がいい。

 

湯に浸かった瞬間、全身の力がどっと抜けた。岩肌に背中を預け、天井を見上げる。湯気がゆるゆると漂っていた。

 

っふー。……最高だな。

 

ふと隣を見ると、魔虚羅が、俺の真似をして頭の上にちょこんと手拭いを乗せ、湯に浸かっていた。

いやいや、なじみすぎだろ。お前いつの間にそういうの覚えたんだ。

 

周囲を見渡せば、温泉に入れるサイズに縮んだ式神たちも、それぞれ思い思いの場所で気持ちよさそうにぷかぷかしていた。

うむうむ、よきかな。よきかな。戦国の温泉、侮れんな。

 

心地よい湯気の中でぼんやりしていると、ずっと引っかかっていたことを思い出した。隣の魔虚羅へ、のんびりと尋ねてみる。

 

「そういえば……本州に入ってから、お前がずっと何かに適応しようとしてたじゃないか。あれ、一体何だったんだ?」

 

宿儺の指を回収するより前から、魔虚羅の法陣は奇妙な動きを続けていた。特定の敵と戦っているわけでもないのに、水面下で何かをじわじわと書き換えているような、長期の適応の気配がずっとあったのだ。

 

魔虚羅が、静かにこちらの目を見つめてくる。

 

やがて、極めてシンプルな意志の断片が脳内へと伝わってきた。

 

——呪力——

——神威——

——変換——

——完成——

 

短い言葉の羅列を受け取り、思考を巡らせる。

 

魔虚羅が本州上陸以来、長い時間をかけて水面下で進めていた適応。それは、自身の内側に『呪力を神威へと変換する機構』を作り出すことだった。

 

宿儺の指が完全に消化された莫大なエネルギー。それが最後の引き金となり、機構の構築が完了した――俺はそう察した。

 

「……お前、そんなことやってたのか」

 

俺は頭に手拭いを乗せたままの相棒を見つめ、気になった疑問をさらに投げかけた。

 

「つまり、蝦夷でやってたような嵌合獣を、天元の結界外でもできるってことか?」

 

俺の問いに、魔虚羅から再び短く区切られた意志が返ってくる。

 

——難——

——効率——

——悪——

 

 

「なるほど。できるにはできるけど、出力は同じようにはいかないってことか」

 

それでも、神域顕現なしで強化嵌合獣を生み出せるとなれば、破格の機能拡張には違いない。

 

「頼りになりすぎるだろ、お前」

 

急に魔虚羅が動きだした。

両手を体の前で平行に離し、左から右に何度も移動させている。

 

「なにやってんだ?」

 

——話——

——変——

 

「んん?なにか話したいことがあるのか?」

 

そんなことより、ってこと?

結構重要な話だったと思うんだけど?

 

——肯定——

 

すると湯に浮かんだ手拭いを自分の影でゆっくりと包み込み、俺の眼前へと差し出してくる。一度ではなく、二度、三度。まるで何かを刷り込もうとするかのように、執拗に。

 

「……」

 

脳の奥に言葉が落ちてくる。

 

——呪物——

——保存——

——生存——

 

断片的で、脈絡がない。だが、魔虚羅がこんなに必死に何かをしたそうにするのは蝦夷の子供以来か。思わず声が出た。

 

「おいおい、そんなに急かすなよ」

 

魔虚羅の動きが一瞬止まる。

 

「お前がそこまで必死になるってことは、よっぽどのことだろ」

 

 

 

 

宿坊に部屋を取り、俺は魔虚羅を正面に座らせた。

 

行灯の光が揺れている。紙と筆を手元に引き寄せ、さっきの動作を思い出しながら図を引く。手拭い。影。包み込む動作。それを丸と線で書き起こして、魔虚羅の前に差し出した。

 

「これで合ってるか」

 

——肯定——

 

「じゃあまず確認だ。宿儺の指を吸収したお前は俺の魂を、ああいう呪物として保存できると言っている。そういう理解でいいか」

 

——肯定——

 

「なら、普通に呪物化すればいい。なぜそれじゃ駄目なんだ」

 

魔虚羅は答えず、影を動かした。

床の上に小さな結界の輪郭が浮かび上がり、その中心に光点が生まれる。俺の魂を模しているのだとわかった。光点はしばらく安定していたが、やがて明滅を始め、不規則に揺れ、最後には黒く塗り潰されて消えた。

 

「……結界の中で呪物化しようとすると、魂が消える?」

 

——肯定——

 

「なぜだ」

 

魔虚羅は結界の輪郭を指さし、それから俺を指さした。もう一度、結界を指す。

 

「俺と、結界が……相性が悪い?」

 

——否定——

 

違うのか。俺は首を傾ける。魔虚羅は今度、術式の図——俺の影の動きを模したものを作り出し、結界の輪郭に近づける。触れた瞬間、弾かれた。

 

「俺の術式が、結界に弾かれる」

 

——肯定——

 

「なぜ弾かれる」

 

魔虚羅はしばらく静止した。何かを探すように影を細かく動かし、やがて一つの形を作り上げた。鳥居に近い形だった。いや、神域を示す何かだ。それを術式の図の根元に置く。

俺は、その配置を眺めた。

 

「……術式の根っこが、神威に近い何かで出来ているから?」

 

——肯定——

 

「だから、結界の理と噛み合わない」

 

——肯定——

 

ようやく線が繋がった気がした。俺は紙に書き足す。術式の根源。神威との接続。結界との不整合。書き出してみると、確かに筋は通る。ただ。

 

「それで、さっきの『包む』動作に戻るわけか」

 

魔虚羅が頷く。再び影が動き、手拭いを包み込んだときと同じ所作を見せた。

 

「外側を覆って、内側を隠す。結界に『これは神威ではない』と誤認させながら通す。梱包みたいなものか」

 

——肯定——

 

俺は筆を置いた。理屈の上では、確かに通る。

だが。

 

「一つ聞く」

 

魔虚羅がこちらを見る。

 

「なぜ、お前はそこまでして俺を呪物化させようとしている」

 

魔虚羅は答える代わりに、影を床へ広げた。

 

輪郭が整っていく。

俺の姿と、それを取り巻く無数の脅威。致命傷を負う瞬間、あるいは寿命が尽きようとするその刹那——影の中の俺は崩れ去る寸前で影に吸い込まれ、指に似た極小の形へと圧縮される。

そしてその呪物は結界の理をすり抜け、影の底へ、どこへでも連れ去れる場所へと静かに沈んでいく。

死が確定するその瞬間に、魂の形を呪物へ変換して強制退避させる。殺させないための、緊急の脱出口。

 

「……なるほどな」

 

影が再び動く。今度は俺の姿を幾重にも重ね合わせ、消えることを許さないように覆い続ける。あの温泉での必死のジェスチャーと、根っこは同じだった。

 

俺は少し考えた。

羂索を挟まずに呪物化の道筋が一本通る。保険として持っておけば悪くない。

そして——俺だって、式神たちに対して似たようなことをしてきた。生き残れという縛りを、俺自身の手で課してきた。

それを今度は自分が受け取る番だと思えば、断る理由が見当たらない。

気づいたら、口の端が少し上がっていた。

 

「……わかった。そこまで言うなら付き合うよ」

 

魔虚羅が静かに、しかし深く頷く。

 

「結界の目を誤魔化す梱包、まずはその手立てを少しずつ探っていくとしよう」

 




19本になっちゃった。(歴史改変)


▫️神域顕現・⚪︎⚪︎について

神域顕現は、影久が蝦夷で天元の結界の外に出たことで開発した技術です。展開する場所によって名前が変わりますが、効果は基本的に同じです。

簡単に言うと、「天元の結界が作り出す呪力の世界」を「神威が満ちる外の世界」で強引に上書きする、というものです。

天元の結界の外、つまり蝦夷では、そもそも呪力の代わりに神威が満ちています。
影久はその環境で術式を再定義しているため、蝦夷では神域顕現を使わずとも自然に神威ベースでも式神を扱えます。
結界外で術式を作り直した影久だからこそ可能なことで、通常の術師が蝦夷に行っても同じことはできません。
羂索がこれをやろうとすると術式破壊の時点で死ぬのでもうダメということです。

天元の結界の内側で使う場合は話が変わります。結界にとって外の理は異物です。
内部に入り込んだ病原体を排除するように、天元の理が神域を押し潰そうとしてきます。
影久が呪力で押し返し続けることで辛うじて維持できますが、その消費は膨大で、短時間しか保ちません。

底上げされた十種神宝ベースの式神が降ってくる

天元の理で動く術師は全員、強制的に術式焼き切れ状態に置かれる(神域が終われば戻る)

存在強度の低い呪霊は何もしなくても受動的に解体されていく

領域展開・閉じない領域はどちらも天元ベースである以上、神域顕現とは土俵が違いすぎて機能しない

影久自身も呪力が限界に近づくと術式焼き切れに似た現象が起きますが、その場合は魔虚羅が自律して動くため、神域顕現以外の術式は普通に使えます。

外郭という概念そのものがないので対処法は逃げるだけです。ただし底上げされた式神がそれを許しません。
神域顕現の影響を受けない可能性がある存在は、天元の結界外出身のミゲルのような人物です。

羂索も例外ではありません。領域を使う以上、天元の理で動いているため神域の影響を受けます。
さらに羂索にとっては単に術式が封じられるだけでは済みません。神域顕現は結界内の呪力を強制的に神威へと変換してしまいます。
蝦夷であれば呪力が薄まるだけで術式そのものは壊れませんが、神域顕現の中では燃料ごと変換されるため、脳で渡り歩くという羂索固有の生存手段が根こそぎ機能を失います。
逃げ遅れると……。

なお、神威ベースになったが故の天敵として、モジュロのダブラが存在します。他のシムリア星人には出力差で勝てます。
しかしダブラは自然の呪術文明という、天元の結界外に近くて遠い呪術文明の理を持つ上に、その出力規格外に高いので、魔虚羅の適応がサーマルスロットリングのように強制的に遅くされてしまいます。

年単位で適応を進めれば勝てる可能性はありますが、戦闘となった場合それは現実的ではないので、勝てない相手、となります。
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