今日も正常営業。ただし“そういうとこ”を添えてー   作:火力万能主義

4 / 15
原作前の日常シーンはここまで。
下積みは整った、あとはバトンタッチからの全力前進です!
りゅうのまいとめいそうの後にくるバトンタッチからのテラスタ先攻技が決まれる時はやはり心地よいものです。ランクマはしない方ではあるけども(笑)

何度も原作アニメを見返していたらヤチヨが使っていた傘の武器って、なんとなく扱い方がLOLのドレイヴンの投げ斧みたいな運用でDPS稼ぐのかなと一人で妄想しながらの週末最後の投稿です。
ではどうぞ!



第四話 似ていないまま、よく似ている。

 

 

第四話 似ていないまま、よく似ている。

 

 

 休日の朝だからといって、酒寄彩葉(わたし)の一日が軽くなるわけではない。

 

 むしろ逆だ。

 学校がないぶん、平日に押し込めていたものが、そのまま日曜の朝へ雪崩れ込んでくる。

 

 予習。

 復習。

 バイト。

 できるなら少しだけゲーム。

 それでも、推し――ヤチヨの配信だけは諦めたくなかった。

 あれはもう、ただの娯楽じゃない。彩葉にとって数少ない心のオアシスだ。

 余裕があれば、切り抜きも見たい。

 

 やること、やりたいこと、やらなければ落ち着かないこと。

 それらを頭の中へ並べた瞬間、まだ布団の中にいるはずなのに、もう時間が足りない気がした。

 

「……起きよ」

 

 小さく呟いて、身体を起こす。

 

 洗面所の鏡に映る顔は、思ったよりも正直だった。

 目の下にはうっすらと疲れが残っていて、まだ朝だというのに、その顔だけが昨日の続きを引きずっている。

 

「ひど」

 

 そう言っても、手は止まらない。

 顔を洗って、髪を整えて、下地を伸ばす。

 コンシーラーを薄く重ねる。

 

 消す、というより誤魔化す。

 隠しきれないことは最初から分かっている。けれど、何もしないよりはいい。

 

 睡眠時間はいつも足りない。

 無理に無理を重ねて、勉強も、バイトも、推し活も、全部こなそうとしているのだから当然だった。

 疲れは顔に残る。

 だから毎朝、それを少しだけでも見えにくくする。

 

 もうそれが習慣だった。

 

 

 

     *

 

 

 

 日曜の朝、橘雅治(おれ)の部屋は静かだった。

 

 静かすぎる、と言ってもいい。

 誰かの呼ぶ声も、階下から急かす気配も、起きた瞬間から自分へ向けられる期待もない。

 

 昔は違った。

 目を覚ました時点で、もう一日の輪郭は半分以上決められていた。

 何をするか。

 どう振る舞うか。

 どんな顔でいれば正しいか。

 

 今は違う。

 起きる時間も、動く順番も、何をするかも、自分で決めていい。

 

 たったそれだけのことが、未だに少し不思議だった。

 

 ベッドから起き上がり、窓を少しだけ開ける。

 外の空気は乾いていて、少しだけ軽い。

 

 部屋に置かれた物は、どれもそれぞれのあるべき場所へきちんと収まっていた。

 

 ただ一つだけ、部屋の隅に追いやられたように、埃をかぶったまま放置されているものがある。

 この部屋の中で、それだけが妙に古く、妙に馴染まない。

 見れば嫌でも過去を思い出す。

 けれど捨てられないのは、家を飛び出す時に雅治が唯一自分の手で持ち出した、始まりの作品だからだった。

 

 それでいいのかは、今も分からない。

 

 誰かの想定の中に最初から答えがあるのなら、自分で作る意味は薄い。

 誰かの予想どおりのものをなぞるだけなら、自分じゃなくてもいい。

 

 だから雅治は、わざわざ少しだけ外れたものを作る。

 異物みたいに見えるものを。

 理解されすぎないものを。

 その方が、自分の痕跡としてちゃんと残る気がした。

 

 

 

     *

 

 

 

 彩葉は朝食を手早く済ませると、そのまま机へ向かった。

 

 参考書を開く。

 ノートを広げる。

 シャープペンを持つ。

 そこから先は、もうあまり考えない。

 

 問題を解く。

 止まる。

 解説を見る。

 もう一度やる。

 

 勉強は嫌いではない。

 分からなかったものが分かる瞬間も、できなかったものが解ける瞬間も、ちゃんと気持ちいい。

 でも、その「好き」は、余裕から来るものではなかった。

 

 やっていないと不安になる。

 止まると置いていかれる気がする。

 だから続ける。

 自分を保つためというより、落ちないために。

 

 スマホが震える。

 

 真美からだった。

 

『彩葉、おきてる?』

 

『起きてる』

 

『え、もしかしてもう勉強してる?』

 

『してる』

 

『はやっ!?』

 

 少し遅れて、芦花からも来る。

 

『彩葉ってほんとそういうとこあるよねぇ』

『ちゃんと寝た?』

 

 少しだけ考えてから、彩葉は返した。

 

『一応』

『今日はまだ平気』

 

 送ってから、自分でその文字列を見つめる。

 “まだ”って何よ。

 そう思って、少しだけ口元が緩んだ。

 

 真美は真正面から「すごい」と言う。

 芦花は呆れたように「少しは休みなよ」と言う。

 どちらも少し違って、どちらもありがたい。

 

 だからこそ、余計に無理しているところばかりは見せたくなかった。

 

 

 

     *

 

 

 

 朝の身支度を終え、軽く食べて、部屋へ戻る。

 雅治は端末を開き、保存していた設計データを眺めた。

 

 線。

 面。

 仕込みの位置。

 どこで意表を突くか。

 どうすれば一見しただけでは分からない形になるか。

 

 そういうことを考えている時間は、嫌いじゃない。

 

 いや、たぶん、かなり好きだ。

 

 手を動かしている間だけは、余計なものが遠のく。

 誰かの評価とか、過去の記憶とか、比べられることの息苦しさとか。

 そういうものが一度、頭の外へ出て行く。

 

 部屋は静かだ。

 静かで、誰も踏み込んでこない。

 それが楽だった。

 

 学校では、ちゃんと“僕”でいられる。

 礼儀正しくて、頼られやすくて、柔らかくて、少し距離がある。

 その顔は、もうほとんど癖みたいなものだった。

 

 でも、部屋へ戻ればそれは要らない。

 誰にも見せなくていいものを、見せないままでいられる。

 

 自由だ、と思う。

 少なくとも、あの家にいた頃よりはずっと。

 

 けれど、その自由の中には、少しだけ空白もあった。

 

 誰にも縛られたくない。

 誰にも決められたくない。

 そう思ってここまで来た。

 それは本当だ。

 

 でも、自由であることだけが、本当に欲しかったものなのかと問われると、まだうまく答えられなかった。

 

 

 

     *

 

 

 

 机へ向かう時間は、気づけばあっという間に過ぎていく。

 

 勉強をひと区切りつける頃には、次はもうバイトの準備をしなければならなかった。

 

 私服へ着替えて、鏡の前へ立つ。

 朝に整えた顔をもう一度だけ見て、軽く手を入れる。

 

 隠しきれてはいない。

 でも、十分だと思うことにする。

 笑顔と振る舞いでいくらでも誤魔化しが効く範囲だから。

 

 祖母からの仕送りはある。

 けれど、それには手をつけていない。成人して、完全に母から独立するまでは使わないと決めている。

 

 だから今、彩葉が頼っているのは、カフェでのバイト代とツクヨミで稼いだ金だけだった。

 その二つだけで、生活費も学費もどうにか切り詰めて回している。

 

 だから働く。

 だから勉強する。

 だから止まれない。

 

 自分に鞭を打っている自覚はある。

 無理をしていることも分かっている。

 けれど、そうしなければ崩れるだろうという感覚の方が、もっと怖かった。

 

 バイト先のカフェは、休日らしくそこそこ混んでいた。

 注文を取り、飲み物を運び、レジへ立ち、皿を下げる。

 笑顔を切らさず、声の調子を落とさず、必要なことを必要なだけこなしていく。

 

「ありがとう、酒寄さん。いっつも助かるよ~」

 

 店長の一言に、「いえ」とだけ返す。

 

 そう言われるのは嫌じゃない。

 でも、それで胸の奥が満たされるわけでもない。

 

 誰かに認められたい。

 それはきっと今もどこかにある。

 たぶん母に。

 たぶん、昔憧れていたあの背中に。

 

 でも、そのために走っているはずなのに、走れば走るほど、肝心の“欲しかったもの”の形だけが曖昧になっていく気がした。

 

 

 

     *

 

 

 

 昼前、雅治は買い出しへ出た。

 

 コンビニではなく、少し離れたスーパーへ向かう。

 食材、日用品、必要なものだけを籠へ入れていく。

 

 雅治の休日は、学校の外で誰かと約束を入れるようにはできていない。

 叔父との最低限の会話はある。

 ジムの手伝いもある。

 だが、それ以上に人の予定が入り込む余地は、最初からあまり作っていなかった。

 

 その方が楽だった。

 

 どこにいるかを説明しなくていい。

 何をしているかを明かさなくていい。

 必要以上に近づかれなくて済む。

 

 通りの向こうで、学生らしい集団が笑っていた。

 肩を叩き合って、何でもないことで盛り上がって、また笑う。

 

 雅治はその光景を横目で見ただけで通り過ぎた。

 

 羨ましいとは思わない。

 思わないはずだ。

 

 誰かと深く近づけば、いずれ見せたくないところまで触れられる。

 そういう距離にはもううんざりしていた。

 

 だから今くらいがちょうどいい。

 話しかけられれば答える。

 困っていれば手を貸す。

 でも、それ以上は踏み込ませない。

 

 そうやって、人と少しだけ距離を取った場所で生きている。

 

 

 

     *

 

 

 

 夕方、バイトを終えて帰る頃には、彩葉の身体はさすがに重くなっていた。

 

 足も、肩も、頭も、全部少しずつ重い。

 それでも、帰ってすぐ眠るには少し惜しい気がする。

 

 だからスマホを取る。

 

 推しに関する記事や動画を漁る。

 新しいグッズが出たのか、次のライブはいつなのか。

 真美や芦花と時間が合えば、そのまま家でKASSENを少し遊ぶ。

 

『彩葉、生きてるー?』

『生きてる。ってか別に死んでないし』

『それは生きてる人の返事じゃないんよ〜』

『今日もバイト?』

『今終わったとこ』

 

 通話越しの笑い声に、少しだけ気が緩む。

 

 ゲームも、推し活も、ただ気楽に逃げるためのものではない。

 

 そんなふうに軽く言い切れるほど、彩葉にとってそれらは甘いものではなかった。

 

 お父さんの急死。

 お兄ちゃんに置いて行かれたこと。

 お母さんとの不和。

 そのどれもを、彩葉は外へうまく吐き出せない。

 怒りも、寂しさも、悔しさも、誰かのせいにしてぶつけることができないまま、ずっと自分の内側で処理してきた。

 

 そのくせ、外ではちゃんとしていなければならない。

 期待に応える自分でいなければならない。

 優等生で、真面目で、努力家で、ちゃんとして見える酒寄彩葉を崩してはいけない。

 

 だから、推し活はもう娯楽ではなかった。

 あれは、どうにか壊れずにいるための支えだ。

 明日もまた同じ顔をして立ち上がるための、ぎりぎりの命綱に近い。

 

 ゲームも同じだった。

 現実を忘れたいというより、現実に押し潰されないために少しだけ重さをずらす。

 そうして一度呼吸を整えなければ、また「ちゃんとしている自分」に戻っていけない。

 

 だから見る。

 だから遊ぶ。

 そうやって、崩れそうな自分をどうにか繋ぎ止めて、また次の日へ向かっていく。

 

 そうして、ぼんやりとおすすめ欄を流していた指は、迷うことなく見慣れた名前のところで止まった。

 

 月見ヤチヨ。

 

 最新の切り抜き。

 少し前の配信アーカイブ。

 ショート動画。

 どれを押しても、結局彩葉の心に触れるものは似ている。

 

 明るくて、軽やかで、ふざけているように見えて、でも不思議と雑じゃない。

 誰かの気持ちを無神経に踏みつけないまま、ちゃんと笑わせてくれる。

 その距離感が好きだった。

 

 画面の向こうで笑うヤチヨを見ていると、自分の中で固まっていた何かが少しだけ緩む。

 

 今日もちゃんとしなければいけなかった。

 今日も期待に応える側でいなければいけなかった。

 今日も平気な顔をしてやり過ごした。

 そうしていれば、いつかどこかで「ちゃんとした子だ」と認めてもらえる気が、まだ少しだけしている。

 

 その全部を、一度だけ下ろしてもいいと思える時間が、彩葉にとっての推し活だった。

 

「……ほんと、助かる」

 

 口に出した声は小さかったが、それでも少しだけ本音に近かった。

 

 一本見終える。

 次を開く。

 また少し笑う。

 そうして張りつめていた気配が、ようやく人並みの柔らかさまで下りてきた頃、再生が止まり、画面の下に関連動画が並んだ。

 

 その中に、ひとつだけ見慣れないものが混ざっていた。

 

 白いシャツ。

 黒い前掛け。

 顔の下半分を隠すマスク。

 派手ではないのに、妙に手元だけが目に残るサムネイル。

 

 タイトルは、今の自分に向けて置かれたみたいに静かだった。

 

【静かに食べる】鶏むね肉と豆腐のつくね/頑張りすぎない週末ごはん

 

「……なに、これ」

 

 ヤチヨの賑やかな空気とは少し違う。

 落ち着いていて、静かで、目立とうとしていないくせに、なぜか視線が引っかかった。

 

 ほんの一瞬だけ迷ってから、彩葉はその動画を開いた。

 

 無声。

 無駄のない動き。

 説明は短いのに、必要なことだけはちゃんと置いていく。

 やけに静かなのに、不思議と最後まで見ていられる。

 

 画面の向こうの人物は、声も出さなければ、余計な愛想も振りまかない。

 なのに、突き放している感じとも違った。

 

 食材を出す手つき。

 混ぜる動き。

 火加減を見る間。

 全部が妙に落ち着いていて、見ているだけで呼吸が少しずつ整っていく。

 

 最後に、画面へ静かに文字が浮かんだ。

 

『ちゃんと食べる方が続きます。』

 

 少し間を置いて、もう一枚。

 

『我慢だけで整う身体は、今のところ観測されていません。』

 

「……っ」

 

 彩葉は、思わず口元を押さえた。

 

 ちょっと腹が立つ。

 でも、笑える。

 しかも、笑えるだけじゃなくて、正論すぎて何も言い返せない。

 

「なによ、それ……」

 

 小さく漏れた声には、呆れと、少しだけ救われた感じが混ざっていた。

 

 おすすめ欄の上へ戻る。

 チャンネル名を見る。

 

 シらぬイ。

 記憶のどこかで、真美が一度騒いでいた名前と繋がる。

 たしか、意味の分からない武器だの、変なネタだの、そういう方向で盛り上がっていた相手だったはずだ。

 

 なのに、今見た動画は、そんな印象とはだいぶ違っていた。

 

「……変な人」

 

 ぽつりと呟いて、彩葉は少しだけ指を止める。

 

 そのまま閉じてもよかった。

 でも、閉じなかった。

 

 登録ボタンの前で一瞬だけ迷って、結局、軽く押す。

 

 深い意味はない。

 ただ、少し気になった。

 今の自分に、少しだけ引っかかった。

 それだけだ。

 

 けれど、酒寄彩葉の日常は、その瞬間ほんのわずかに、見えない角度を変え始めていた。

 

 

 

     *

 

 

 

 同じ頃、橘雅治は端末の前にいた。

 

 部屋の照明は少し落としてある。

 白い光に照らされた机の上は、相変わらず余計なものがない。

 必要な物だけが、必要な場所に置かれている。

 

 画面に並ぶのは、昨日と今朝で上げた動画の数字だった。

 

 朝の投稿。

 再生数。

 保存率。

 離脱位置。

 コメント。

 夜の時間帯らしく、数字はゆっくりと伸びている。

 

 視聴者の反応は、今日もばらばらだった。

 

『助かった』

『これ明日作る』

『普通にうまそう』

『真面目回なのに最後の一言で笑った』

『たまにはまた変な武器も見たい』

『我慢だけで整う身体は観測されてません←正論パンチやめろ』

 

 全部が混ざっている。

 今はまだ、そのくらいの距離がちょうどいい。

 

 そう思っている。

 少なくとも、“(おれ)”はそう思うことにしている。

 

 あの家を飛び出して、ようやく手に入れた自由だった。

 起きる時間も、何をするかも、何を作るかも、どこまで人に見せるかも、何を隠したまま生きるかも、全部、自分で決めていい。

 

 それだけで、息がしやすくなったのは事実だ。

 誰かの期待に合わせて朝を迎えなくていい。

 誰かの決めた正しさへ、自分を押し込めなくていい。

 僕は今、あの頃よりずっと自由だ。

 

 なのに、胸の奥にはまだ何かが残っている。

 

 自由になったはずなのに、どこにも辿り着いていないような感覚だけが消えない。

 

 今の生活も、ツクヨミも、シらぬイの配信も、本当は全部、僕が僕のために選んだ逃げ場だった。

 けれど気づけば、そのどれもが新しい鎖みたいに思える瞬間がある。

 

 崩したくない生活。

 保ち続けるための習慣。

 見せると決めた顔。

 発散するために始めたはずの配信。

 

 自由になっただけで満たされるほど、(ぼく)は綺麗にできていなかった。

 

 だから作る。

 より派手で、より自由で、より面白く。

 ここにはまだない何かを。

 

 

 

     *

 

 

 

 彩葉(わたし)は、憧れた母に認められるために、身を削ってでも上を目指している。

 

 雅治(おれ)は、上を目指すことそのものに意味を見失い、誰にも縛られない自由を求めている。

 

 片や、何かを掴むために自分を削る。

 片や、何かに削られないために距離を取る。

 

 進む方角は違う。

 見ている景色も、欲しがっている言葉も、たぶん今は違う。

 

 けれど、それでも。

 

 勉強して。

 働いて。

 整えて。

 作って。

 笑って。

 誤魔化して。

 本心を奥へ押し込めたまま、今日一日をなんとかやり過ごしている。

 

 そういう意味では、二人はよく似ていた。

 

 誰よりもちゃんとして見える。

 優秀で、感じが良くて、品行方正で、頼りやすい。

 そういう顔を、ちゃんと外へ見せている。

 

 けれど、そのどちらも、まだ本当の意味で幸福の側には立っていない。

 

 ハッピーエンドとは少し違う何かを求めながら、

 でもきっと、そうではない本心をどこかに抱えたまま、今日も若さだけで前へ進んでいる。

 

 今はまだ、接点と呼べるほどのものはない。

 

 ただ、ひとつだけ確かなことがあるとすれば。

 

 まだ遠くにいるその二つの日常は、

 やがて何かをきっかけに、一気に近づいていくのだろうということだけだった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 そして週末は終わる。

 

 明日になれば、また月曜日だ。

 酒寄彩葉(わたし)は、ちゃんとした優等生の顔で教室へ座るのだろう。

 橘雅治(おれ)もまた、礼儀正しくて頼りやすい“僕”として、何でもない顔でそこにいるはずだ。

 

 そうして二人は、また仮面を被り直す。

 いつものように。

 何も知られないまま、何も見せすぎないまま。

 

 けれど、その内側で抱えているものまで、消えるわけじゃない。

 

 似ているようで似ていない。

 似ていないようで、どこかよく似ている者同士。

 

 その距離が少しずつ変わっていくのは、もう少し先の話だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 





はい、ということでこれでようやく原作主人公とのかかわりに拍車がかかる。
何かをするときにも、妄想して設定をねってプロットを創るときにも、前準備の下準備の裏付けの設定を一人で考えて決め込んでそれに沿っていこうとして、足首ごと持っていかれる。
いつものことです。

しかぁし、今度こそは乗り越えたぞ!
頑張った、僕!

平日が挟むので次回の投稿までには2,3日かかるやもしれません。
勢いの波がノってきたら、もっと早くできるかも。
いつものご一読と感想に感謝しかありません、これからもよろしくおねがいします!



ではまたの次回でお会いしましょう。

さらなる向こうへ、Plus Ultra!




やっべ、タイトルつけ忘れてるぅ!

昼パートと夜パートの前後分けにしてほしい?

  • 雰囲気の違いがあれだ。一度分けるべし。
  • シリアスとギャグの部分だけ分けてほしい。
  • 文字数が多すぎるから何回か分けるべし。
  • このまま作者の好きにしてもかまわない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。