フラッシュバックするのは三日前のこと。ルーラーを倒した後、彼はほとんど予告なく昏倒して、それこそつい先刻まで寝込んでいたはずだ。
またあんな風に寝込まれたら、この状況ではほんとうに致命的だ。慌てて駆け寄ると、彼は「ぐっ、くはっ……」と苦しげに息をして横倒しに転がった。
意識は、ある。
けれど呼吸も発汗も、尋常ではない。
「くそ……ッ! 魔剣接続の反動──ぐうゔッ」
握りしめた手は蒼白で、拳全体がぶるぶると震えて止まらない。浅く早く、酸素を取り込めているとは思えない、
とても戦える人の姿ではない。今すぐ病院に運び込まれるべき重症患者だ。
「聖、聖っ! しっかりして──!」
視界の端でランサーが駆け寄りたそうにしているけれど、ライダーと打ち合っている今それをやると一瞬で全滅してしまうからその場を動けない。キャスターはこの場におらず、悪魔たちは刻一刻と押し寄せつつある。
私が。
私がどうにかしないと、全員死ぬ。
「くっ、この────!」
先頭で突っ込んでくる使い魔の足を撃ち抜いて転倒させ、時間を稼ぐ。その隙に出来ることを必死に考える。
もうあの時のような不甲斐ないことにはしたくない。私が咄嗟に動けなくて、ランサーが自分の槍で自分を貫いたときのような間抜けな悲劇なんてゴメンこうむる。
動ける人員。……ほとんどランサーのみ。聖は悶絶、私はたいした戦力にはならない。キャスターは現地不在の遠隔干渉。聖の乗ってきたオートバイは修復不能に破壊されてしまっている。
敵の──ライダーの目的。聖杯戦争の勝利、そのための戦力確保。私たちの排除はもちろんのこと、私を拉致し
必死に考える。考えて、考えて、やっぱり答えは一つしかない。私はランサーとの個人的な──契約時に開通したもともとの念話チャンネルで、
『ランサー、聖連れて逃げて! 私は残っても命までは獲られないから……!』
『ですが、マスター……!』
『いいから! 命令ッ!!』
『────ッ』
最悪は全滅と考えれば、この場は撤退するしか道はない。私はライダーの目的なんだから残っても殺される心配は不要だ。ここまで救出に来てくれて振り出しに戻るなんて受け入れがたいだろうけれど、助けに来てくれた皆がここで殺されるよりはいい。
聖ひとりなら、ランサーが抱えて飛べば逃げ切れる、はず。ライダーの騎
立場をコロコロ変えて使い分けるようで申し訳ないけれど、私はまだランサーのマスターってことになっているみたいだし。強く言えばきっと聖を連れて逃げてくれるはず。彼女としても損はないだろうし。
あとは二人が無事に逃げ切れるように、私が出来る限りライダーを惹きつけるだけ。別方向に逃げて時間を稼げば──なんて考えていたのに。
「えっ、ちょ──離して、聖!」
彼の手ががっちりと私の足首を掴んで離さない。さっきは床を掻きむしっていたのに、よりにもよって今、なんで!
「聖、ひじ──」
『キャスター──