椎名聖とランサー、ワルキューレ・カーラ。
抱き合っていた二人は抱き合ったまま、ふわりと浮きあがった。
あれよあれよという間に飛来したひと塊は、空中で勢いよく分離した。ランサーが聖を放り投げたのだ。
慣性のままに砲弾と化した聖が私めがけてまっしぐら。
彼の手には未だ、ルーラーを討った剣が握りしめられたまま。
「ちょっ、待──」
聖の白刃が閃いて、
「アサシンめ、美味しいところ総取りにしようったってそうはいくか」
──背後、迫っていた
「えッ、あ……」
フユキ・ハイアットホテルの会合のおり、アーチャーと共に開戦の火蓋を切って、ルーラーのマスターだったリーンスフィール・フォン・アインツベルンの心臓を貫いた──暗殺者としては大活躍なのかも知れないが、ルーラーとの戦闘が本格化してからは影も形も見せなかったアサシン。
それが、終わるや否やマスター狙いしてくるとは。
アサシンらしく気配を殺して、らしいと言えばらしいけれど、心証は良くない。
まあそもそも、また殺しにきたって時点で最悪なのだけれど。何度目だ私狙い。そんな狙い目? ……狙い目か、まあ。
「俺たちの戦力に危機感でも抱いたか。ただでさえ全面的同盟で戦力バランス偏ってるもんな」
他人事みたいに分析しながら剣を納める聖に、音もなく着地するランサー。抜群のコンビネーションで二人で私を挟み込むみたいに位置取って、庇われていると否が応でも理解させられる。
……そして、戦いは未だ継続しているということも。
よくて停戦、しかも条件付き。
ルーラーという目の上のたんこぶが消えたなら、すぐに動き出す。
「だからって、これじゃ……! ルーラー狙いがそのまま、私狙いにスライドしただけじゃん……!」
黒煙踊る夜空にはアーチャー。
通行止め間違いなし、どころか年単位の修繕工事であろうフユキ大橋を平然と渡って、ライダー、セイバー、それにバーサーカー。
アサシンの姿は見えないけれど、監視していないはずが無い。
つまり私たち以外の全員が私たちを見て、狙いを定めていた。
「~~~~~っっ」
多分、誰から動くかで牽制しあっているんだろう。
一定の距離を取りつつも、全員の敵意がこちらに向いているのが肌で感じられる。
竦み上がって声も出せない私と違って、修羅場慣れしている二人は
「私と
「決して勝ちって訳でもない。やってられるか、って話だ」
聖は窓枠に足をかけて身を乗り出す。
上体を仰け反らせて、大きく息を吸い込んで、