……朦朧と、する。
横になった状態なのに目が回っていてひどく気持ちが悪かった。
「……う、んん……」
脳みそのなかに、私を
起きたハズなのに、倦怠感は寝てたトキのまま。
これが平時ならば二度寝待ったなし。薬効を抜くための睡眠だから心地よいものではなくても、起きているよりは余程マシだろう。
ただしそれが望めない状況というのも、ぼんやりとではあるが思い出してきた。眠る前、正しくは眠らされた時に何があったのか──
「ライダー……っ。よくも──う、頭痛……」
ひどい狼藉。私ならともかく年頃の婦女にやるこっちゃない。
武力にモノを言わせて車内に引き込み、睡眠薬入りのジュースを飲ませて昏倒させ、何処とも知れぬ拠点へと連れ込むなんて────
「…………何処だ、ここ。ホントに」
目覚めたのは飾り気のない、狭めの一室。
特徴らしい特徴は無い。無機質すぎるくらいだ。
窓のないコンクリート打ちっぱなしに、私が寝かされていたベッドが一つ。それ以外は小さな机が壁に備え付けられているのと、これまた小さな洗面台がある。やけに頑丈そうな無骨なドアには小さな窓があって、そこには格子、が──
「──って、ちょ、嘘。うそうそうそ……!」
ぼーっと周囲を観察していて得た情報がいっきに実感を伴って繋がり、その衝撃に意識が急速覚醒。でも無理もないというか、これテンパらない人居るのか、くらいのインパクト。
いや、だって、この部屋ってどこからどう見ても──
「こ、ここって、独房、なんじゃないの……っ!?」
いくら何でも
何がどうなれば独房送りにされるのか、まったく判らない。逮捕? 逮捕されてんの、私? 何の罪で? いや心当たりはあるんだけれどね。だからといって納得は出来ない。
「何コレ、あり得ないんだけど──」
こんなトコに居られるか。
まだ睡眠薬の影響が残っていてフラフラするけれど、泣き言言ってられない。嫌がる肉体に鞭打って薄っぺらいベッドから立ち上がると、壁に手をついてでもドアへと向かう。
どうせ施錠されているだろうとノブを回して、
「ッお!? …………開い、てる」
まさかイケると思っていなかったから勢いでつんのめりそうになる。不思議なもので、鍵がかかっていると思っていたトキは出たくて仕方が無かったくせに、いざ開くから出ないとと考えると今度は外が怖くなる。
なんで施錠されていないんだろう。ここが留置所や刑務所なら鍵がかかってないのはあり得ないし、かと言ってそれ以外の何ものにも見えない。
急に不安が押し寄せてくる。ここは本当に、何処なのかが、判らない。
確かめるには、出てみるしかない。
「…………っ、……」