……それは、唐代中華。
先進国たるかの国にて、自分にないもの──更なる叡智、不可能を可能にする手段を求め探索を続ける折──
それは、はるかな昔から生き続ける長命者、星の息吹とともにある受肉精霊が存在する事実。
最初は、疑って。
次いで、期待して。
最後は──最後は、何かを想う余裕などはなかった。
結果から言えば、大いに失敗した。
彼のもとに噂が届いたということは、別の人間のもとにもまた、同じ噂が届き得るということ。彼女の不老不死を求める方術士の集団による攫取作戦が実行に移されたのは、彼が精霊たる彼女と初めて会い、まだ堅苦しい空気の会話で探りを入れていた段のこと。
乱暴に佳人を奪い去らんとした。
「貴様ら、何を──!」
精霊たる佳人とともに、闖入者どもを斬り伏せる。
「おのれ、邪魔立てするかッ」
「先約は俺だ、貴様らこそ邪魔だ!」
剣戟を交えながら咆哮の応酬を繰り広げる。なまなかな相手ではない、数に劣るこちらとしてはどうにかして隙をこじ開けねば、そのために打てる手は何であれ──────そう目論んでのことだったが。
「──なんだ、やっぱりアンタら、全員
佳人、受肉精霊はやりとりを聞いて、ひどく
それが、その代のヘルギの見た、最期の光景だった。
「もういいわ。面倒くさい」
佳人の肉体が呪詛を伴って爆散し、手を伸ばせば届く距離の彼はその直撃によって絶命。即死も即死、死を自覚するのすら追いつかないそれは見事な早死。
……という顛末、つまりは死因を解明できたのは後の代のヘルギになってから。世界から過剰に魔力を吸収・蓄積し、それによって肉体が崩壊することをトリガーに発生させた呪詛を解き放ったのだ、と分析したところで、あの不意打ちみたいな自爆への恐怖は消えはしない。
更に後の代にて、へいぜんと街中を闊歩しているところに偶然出くわしたときには、心底