Fate/second to none   作:吉田一味

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めざめのゆめ③

 ……それは、ヒマラヤ秘境への密入国敢行。

 

 ……それは、“巨人の穴蔵”との確執。

 

 ……それは、秘剣を求める剣豪との冒険譚。

 

 ……それは、歴史の裏での、忌むべき死徒との暗闘。

 

 ……それは、穴蔵に宝を貯め込んだ熊(ベーレンヘーレ)の生涯。

 

 ……それは、帝都に咲いた滅びの一輪花火。

 

 多くの出会いがあった。

 

 同じ数だけ別れもあった。

 

 産まれ、生きて、死ぬ。巡って、また産まれ、生きて、死ぬ。その繰り返し。

 

 巡って、産まれ、生きて、死ぬ。巡って、産まれ、生きて、死ぬ。巡って、産まれ、生きて、死ぬ。巡って、産まれ、生きて、死ぬ。巡って、産まれ、生きて、死ぬ。巡って、産まれ、生きて、死ぬ。巡って、産まれ、生きて、死ぬ。巡って、産まれ、生きて、死ぬ。巡って、産まれ、生きて、死ぬ。巡って、産まれ、生きて、死ぬ。巡って、産まれ、生きて、死ぬ。巡って、産まれ、生きて、死ぬ。巡って、産まれ、生きて、死ぬ。巡って、────────

 

 彼の願いは叶わない。

 

 ヘルギは戦乙女カーラと、二度と(まみ)えない。

 

 思いつく方法はすべて試した。

 

 死者蘇生。

 

 時間遡行。

 

 記憶からの復元。

 

 彼女が生きている世界を探しての平行移動。

 

 大神の殿堂(ヴァルハラ)への経の開通。

 

 人理定礎を破壊しての北欧神代への回帰。

 

 多くがそもそもヘルギの技量・発想・能力その他の制約ゆえに不可能であり、いくつかは試してあえなく失敗した。時にはそれが原因で命を落とした。

 

 抑止力。教会と協会。人理版図。大神の思惑。

 

 力足らず、知恵届かず、行けども行けども、彼女は遠く、それでも。

 

 武を鍛えた。剣もそれ以外も、欲しいものを勝ち取れるように。

 

 魔を学んだ。実のところ得意ではないが、そうも言っていられない。

 

 ……人と交わることは、避けた。

 

 己が北欧神代から生き続け死に続ける勇士の魂を継ぐと、知られれば弱みになる。中東で買った恨み。東欧で買った恨み。中米で買った恨み。北米で買った恨み。極東で買った恨み。自分でも覚えていない、いつかどこかの恨みたち。死んで終わっていたはずのそれら恨みたちに、“ヘルギ”という仇の名をくれてやれば片付くものも片付かない。

 

 腹を割ること、胸襟を開くことをせず、必要な交流を、必要なだけ、最低限に抑える。

 

 …………………………いささか、疲れた。

 

彼女に会えないことと、彼女に会えないままで居る/続くこと。どちらが辛いのか、そろそろそれすら判らなくなりつつある日々。世界の神秘は日に日に目減りし、遠からず魔術の終焉を迎えることも、薄々予想は出来ていた。

 

 諦める機能を排して走り続けてきた彼が、彼らが、その希望(██)をついぞ果たせないと確かめられてしまったならばどうなるか。

 

 考えない。意図的に、無視する。

 

 けれど、疑問、恐怖は無くなるわけではない。数多の転生のかたわら、常にそこにあって魂を軋ませる痛みを否定できない。

 

 いつかこの痛みが魂を砕く。

 

 いつこの痛みが魂を砕くか。

 

 あるいはそれ以前に、ドジを踏んであえなく円環が砕けるか。

 

 そういう遍歴(たび)

 




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