幻真赫月天 〜Phantom or Truth〜   作:咲野 皐月

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 皆様、おはこんばんにちは。

 先週に引き続き、今回は美咲vs.京介となります。前回と比べるとちょっとだけ長くなりますが、お楽しみに。


 それでは、本編スタートです。

 最後までごゆっくりお楽しみください。


#3 真の月を裁く秤の幻影(まぼろし)─②

 美咲のターンが終わってやっと俺のターンが回ってきた。しかし俺は何もせずそのまま止まっていた。

 

 

「どうしたんですか? 京介さんのターンですよ」

「その前に美咲、お前に聞きたい事がある」

 

 

 先程の美咲のターンに、アイツが話していた事に対して、俺は自分のターンに入る前に美咲には一つ尋ねなければならない事が出来てしまった。

 

 

(面倒だなぁ……)

 

「なんでしょう?」

「この世界でもハロハピはちゃんと活動しているのは理解出来た。だが、お前はどうだ?」

「『どうだ?』とは?」

「お前、ちゃんとハロハピの活動に参加出来てるのか?」

 

 

 俺の指摘を受けた美咲は図星だったのか、少しだけ眉がピクリと動いた。しかも先程の余裕な表情は一切消えていた。

 

 

「お前がこころの代わりに弦巻財閥の舵取りをする、というのなら……当然ハロハピの話にも関わる。だけどハロハピを結成したのはこころだ。お前が解散を口出しするのは不可能、それにお前は弦巻財閥の事もあるから、お前がハロハピを抜ける事を条件に今のポストに収まった……と考えたまでだ」

「……何を仰っているのか、理解できませんね」

「その不自然に空いた間は肯定として捉えるが?」

 

 

 俺の見解に美咲は先程とは打って変わって、焦りと思わせる表情が浮かび上がってきた。しかし手札のカードを握る力が一瞬強くなったみたいで、正論だったためか何も言い返せないようで悔しさも浮かび上がっているようにも見えた。

 

 

「……どうせあたしはハロハピには要らないですよ。だってステージに立っているのはミッシェル、あたしじゃない。どんなに『あたし=ミッシェル』だってあの三馬鹿に説明しても、理解して貰えないから」

 

 

 ……そこは心中お察しする。

 

 

「それにあたし以外に誰かがミッシェルを着れば、それでミッシェルとして見られる。あたし以外にもミッシェルは演じれるし、代わりなんていくらでもいる……だから、あたしはハロハピには要らないんですよ」

 

 

 なるほどな。こころの笑顔を戻すためにも、それが理由でハロハピを抜けて弦巻財閥の跡取りとなったのか。美咲の性格を考えれば思い至らなかった訳じゃない、俺が仮に美咲と同じ立場だったなら迷わず考えただろうな。

 

 

 ……だがその一言は、お前にとって自ら墓穴を掘る事になるかもしれないぞ。

 

 

「一つだけ言おう。美咲」

「何を?」

「……お前は、俺に勝てない」

「それはどういう……」

 

「黙って見てれば分かる……スタンド&ドロー、EC3。手札を1枚破棄して、行くぞ」

(手札6→8→6/ドロップ6→7)

(ソウル3→4/エネルギー3→6)

 

 

立ち塞がるは黄金の星。

幻真従えし異界の番人。

 

心しろ。月の試練、これより開幕

ライド《月の門番 ヴェイズルーグ》

 

 

「それが京介さんの分身……!」

「ライド時に効果は無い。だけど問題無い、何故ならヴァンガードがヴェイズルーグなら……このデッキの真価を発揮出来るからな」

 

 

月の門、起動

 

 

「その効果はさっきのターンで説明したから、ここからは省略させて貰う。次に山札の上から7枚をチェック」

 

 

【山札の上から7枚】

《烏輪の幻真獣 レヴノローグ》

《第二の幻真獣“震界蛇王”ガルズオルムス》

《無窮の星竜帝 エルドブレアス》

《オルタレートスフィア・ドラゴン》

《プラネットウォール・ドラゴン》

《第三の幻真獣“玲獄寵妃”ヘルグヴァール》

《四精織り成す清浄の盾》

 

 

「本来なら1枚まで公開だが、ヴァンガードがヴェイズルーグなら、公開するのは3枚になるのさ」

「なっ!?」

「さっき言ったろ? ヴェイズルーグがヴァンガードなら真価を発揮するって。……ヘルグヴァールをヴェイズルーグの後ろにコール。その後ガルズオルムスとレヴノローグは月の門(オーダーゾーン)にセット。更にヘルグヴァールのスキル、ライドデッキのヴェイズルーグを公開するけど、ライドデッキは無いからそれは不発……にはならず、ヴァンガードがヴェイズルーグなら先程のサーチ能力は発動するのさ。チェック」

(エネルギー6→3)(オーダー2→4)

 

 

【山札の上から5枚】

《スターアグレション・ドラゴン》

《プラネットウォール・ドラゴン》

《無窮の星竜帝 エルドブレアス》

《月の門番 ヴェイズルーグ》

《第一の幻真獣“天戒牙狼”ロズトニル》

 

 

「……ヴェイズルーグを手札に加える」

(手札6→7)

 

(でもこれで《月の門》のスキルは使えない……ただ3枚ほどデッキ圧縮しただけに過ぎない……)

 

「何を考えているのか分からんが、まだ終わらない」

 

 

月の門、再起動

 

 

「なっ……!?《月の門》はレストするから、スキルを発動するのは実質1回だけ。その効果を1ターンに2回発動する事なんて出来ない筈!」

「それはヴェイズルーグのスキルを使ったのさ。コイツはターンに1回、SB2して《月の門》をコストを支払わずに使う事が出来るのさ。てな訳で、チェック」

(ソウル4→2)(ドロップ7→9)

 

 

【山札の上から7枚】

《月の門番 ヴェイズルーグ》

《万古に輝く黄金の月》

《第一の幻真獣“天戒牙狼”ロズトニル》

《スターアグレション・ドラゴン》

《第二の幻真獣“震界蛇王”ガルズオルムス》

《烏輪の幻真獣 レヴノローグ》

《エンディアリング・ベンダー メイティーナ》

 

 

「……ロズトニルとガルズオルムスとレヴノローグを公開。ロズトニルをヘルグヴァールの前にスペリオルコール、ガルズオルムスとレヴノローグを月の門(オーダーゾーン)にセット」

(オーダー4→6)

 

「またその幻真獣を……!」

「今回はヴァンガードがヴェイズルーグなら、コイツの真価が発揮する。ロズトニルは自身の登場時、相手前列のリアガードサークルを選択する。今回はウェイバリスのいるサークルだ。このターン、ロズトニルはヴァンガードとウェイバリスと同時攻撃を行なう」

「2体に同時攻撃!?」

 

 

 さっきのターンでは、ドローするスキルだけを目的としてコールされたから、そりゃあ驚くのも無理は無いか。

 

 でもこれは世界の命運を懸けた戦い(ファイト)。情けを掛けたら足元を掬われる。

 

 

「《烏輪の幻真獣 レヴノローグ》2体を、空いている縦列にコール」

(手札7→5)

 

「でもレヴノローグはグレード2、後列にコールしても意味はありませんよ?」

「意味はあるのさ。レヴノローグはヴァンガードがヴェイズルーグなら『ブースト』を得るのさ」

「はぁっ?!」

 

 

 驚いている美咲をよそに、俺は攻撃する態勢を万全になるまで仕上げた。

 

 

 ……今の美咲の手札は5枚、その内2枚は守護者のプラネットウォールとデカルコップだ。残りの3枚は不明だが、攻めるなら今のうち。だけど、まだ下準備は終わってない。

 

 

「ドロップよりノーマルオーダー《天を覆うは漆黒の翼(アルフィーニ・スヴァトバーギ)》を使用」

「それは前のターンで手札に加えたカード! まさかライドコストに……!」

「御名答。まずはこのカードをバインド。その後、ヴァンガードに『〈幻真獣〉を含む自分リアガード全てのパワー+5000。』を与える」

(ドロップ9→8)(バインド0→1)

 

「なっ……!」

「バトルだ。まずはヘルグヴァールのブーストしたロズトニルでヴァンガードとウェイバリスに同時攻撃。ロズトニルのスキル、自身のパワー+5000して、CB1支払い1枚ドロー」

(手札5→6)

 

「ノーガード。ダメージチェック《裁秤僚機 ウェイバリス》。ノートリガー」

(ダメージ2→3)

 

「ヘルグヴァールのスキル、ヴァンガードがヴェイズルーグで、自身がブーストしたバトル終了時、自身をソウルインしてCC(カウンターチャージ)1する」

(ソウル2→3)

 

「そんな効果を持っていたとは……!」

 

 

 これも戦略のうちだ。それに俺は、敵に自分の手の内を明かすなんて真似はしない主義でもあるんだよ。

 

 

「次にヘルグヴァールのブースト、ヴェイズルーグでヴァンガードに攻撃。ここでヴェイズルーグのスキル発動。CB1をコストに支払う事で、月の門(オーダーゾーン)から〈幻真獣〉2体を同じ縦列にスペリオルコールする。前列にレヴノローグ、後列にコイツだ」

(ドロップ8→10)(オーダー6→4)

 

 

汝、我の声聞こえるならば呼応せよ

二つ目の祖にして、導きの王となりし幻想

 

世界を震わす、真なる獣

コール《第二の幻真獣“震界蛇王”ガルズオルムス》

 

 

「気でも狂いましたか? 幻真獣が出たとはいえ、出す位置を間違えているのでは?」

「間違えてないさ。ガルズオルムスのスキル、自身がバトルフェイズに登場した時、CB1する事で、自身は後列でアタックを可能にする。更にヴェイズルーグのスキルはまだこれだけじゃあない。このターン中、前列のユニットのパワーが+5000される」

 

 

(そんなスキルが……! 最高3回の幻真獣の攻撃が備わってる、それなら……)

 

「手札を1枚破棄して《プラネットウォール・ドラゴン》で完全ガード!」

(手札5→3/ドロップ7→9)

 

「ツインドライブ。1回目《プラネットウォール・ドラゴン》。2回目《警邏ロボ デカルコップ》。ゲット・クリティカルトリガー。効果全てをガルズオルムスと同じ縦列にいるレヴノローグに。ヘルグヴァールのスキル、自身をソウルに入れてCC1。レヴノローグでヴァンガードに攻撃」

(手札6→8)(ソウル3→4)

 

 

 イメージの中では、月の表面にてヴェイズルーグアルグリーヴラが相対していた。

 

 ヴェイズルーグの攻撃が終わると、今後はレヴノローグがアルグリーヴラ目掛けて突進した。

 

 しかしレヴノローグの攻撃は、アルグリーヴラの目の前に現れたリアガードと、アルグリーヴラの近くにいた〈裁秤僚機〉一機が盾となる形で防がれてしまった。

 

 

「なっ!?」

「いやー、危なかったですねー」

(手札3→2/ドロップ9→11)

 

 

 俺が驚くのをよそに、美咲は軽く冷や汗を掻いてたが、無事ガードは成功していた。今美咲のガーディアンサークルには、さっきのトリガーチェックで捲れたデカルコップと、リアガードサークルにいたローヴロイがいたのだ。

 

 

「『何故ローヴロイがガーディアンサークルにいるんだ?』って顔に書いてあるので説明しますね。オーダーゾーンにいるガトリングカノーネは、セットオーダーとして扱うだけでなく、〈裁秤僚機〉のリアガード全てに『インターセプト』を与え、後列からでもインターセプトが可能になるんです」

 

 

 なるほど、そんなスキルを隠し持っていたのか。攻めだけでなく守りも優れているわけだな。

 

 

「しかしそんな事、俺に教えていいのか?」

「構いませんよ。代えはいくらでも効くので」

「そりゃ気前がいい。だけど逆にそれがお前の首を絞める事にならなきゃいいがな。次にガルズオルムスでヴァンガードに攻撃」

「ノーガード。ダメージチェック《騎機奮迅 ヴァルトロッサ&ライエル》。ノートリガー」

(ダメージ3→4)

 

「レヴノローグのブースト、レヴノローグでヴァンガードに攻撃」

「《柩機の竜(カーディナル・ドラコ) エンバイロ》でガード。スキルで自身のシールド+5000。更にトリスディアでインターセプト」

(手札2→1)(ドロップ11→12)

 

「ターンエンド」

 

 

 ダメージ4、手札1枚の状況まで追い込んだが、まだ油断は出来ない。美咲がどう動くかでこの勝負の鍵だ。

 

 

「スタンド&ドロー、EC3。ペルソナライド《裁秤大隊指揮官 アルグリーヴラ“幻影”》! ペルソナライドスキルにより、1枚ドローして前列のパワー+10000! ヴァンガードの後ろに《裁秤大隊 フェルベシウス・ドラゴン》をコール。フェルべシウスのスキル、CB1してドロップのトリスディアとローヴロイを手札に戻す。アルグリーヴラ“幻影”のスキル発動、手札の〈裁秤僚機〉を公開」

(手札1→2→1→2→4)

(ソウル1→2/エネルギー3→6)

 

 

【手札から公開されたカード】

《裁秤僚機 トリスディア》

《裁秤僚機 ローヴロイ》

 

 

「……公開したカードを全てオーダーゾーンにセットし、1枚ドロー。その後、ヴァンガードのパワーを+5000。アルグリーヴラ“幻影”のスキル、CB1とSB1を支払い、オーダーゾーンのトリスディア、ローヴロイ、ウェイバリスを稼働! トリスディアとウェイバリスはさっきのターンと同じだけど、ローヴロイは稼働した時、相手のグレード3以上のヴァンガードのパワーを-5000します」

(手札4→2→3)

(ソウル2→1/ドロップ12→10)

(オーダー2→4)

 

 

 まだスキルを隠していたのか。しかしスキルの発動条件はおそらく俺のヴァンガードのグレードが3以上、それならローヴロイの稼働時のスキルの発動条件も同じもののはず。それだと気をつけねば……。

 

 

「まだ終わらせるつもりはありませんよ……」

 

 

秤、強行

幻影(ファントム)スキル】、発動!

 

 

「ドロップの《赫月光》をバインドし、その後トリスディアとウェイバリスとローヴロイを選択してパワー+5000。そして3機の【過充填】発動! トリスディアは同じ、ウェイバリスは先程と同じだけど、スタンド時にパワー+10000、そしてローヴロイのスキル……」

(ドロップ10→9)

(バインド1→2)

 

 

 イメージの中で、ローヴロイの砲身が、ヴェイズルーグに向けて照準を合わせていた。そして……。

 

 

「……ファイア!」

 

 

 ローヴロイから勢い良く発射された弾が、ヴェイズルーグに命中した。

 

 

「ローヴロイは相手のダメージが4枚以下で、自身がペルソナライドしているなら、稼働した際に相手ヴァンガードにダメージ1を与えます。まあ、この効果はファイト中に1回しか使えませんけど、それで充分です。さ、ダメージチェックをどうぞ」

「ダメージチェック《エンディアリング・ベンダー メイティーナ》。ゲット、フロントトリガー。前列のパワー+10000……どうやら元のアルグリーヴラのように、トリガーのパワー上昇無効は無いみたいだな」

(ダメージ3→4)

 

「だけど攻めれば関係ないですよ。まずはウェイバリスでヴァンガードに攻撃」

「レヴノローグでインターセプト。ここでヴェイズルーグのスキルが発動、ドロップゾーンの〈幻真獣〉1枚を選んで……レヴノローグをデッキの下に置き、そのバトル中、ガーディアンとしてコールした〈幻真獣〉のシールド+5000」

(ドロップ10→9→10)

 

「しつこい……! それならローヴロイのブーストしたアルグリーヴラ“幻影”でヴァンガードに攻撃! ウェイバリスのスキル、EB3をコストに支払い、自身をスタンド!」

(エネルギー6→3)

 

「手札を1枚破棄してプラネットウォールで完全ガード」

(手札8→6)(ドロップ10→12)

 

「トリプルドライブ。1回目《プラネットウォール・ドラゴン》。2回目《ピアーシング・ラヴァー マーガレット》。3回目《柩機の竜 エンバイロ》。ゲット、フロントトリガー! 前列のパワー+10000! フェルベシウスのブーストしたトリスディアでヴァンガードに攻撃!」

(手札3→6)

 

「デカルコップでガード。更にブリッツオーダー《この手に輝く流星を》をプレイ。レヴノローグとロズトニルをガーディアンサークルにコール。更にロズトニルとガルズオルムスをデッキの下に置いて〈幻真獣〉のシールド+5000」

(手札6→4)

(ドロップ12→13→11→9→12)

 

「何処までも食い下がる気ですね……! 今度はフェルべシウスのブースト、ウェイバリスでヴァンガードに攻撃!」

「ノーガード。ダメージチェック《四精織り成す清浄の盾》。ノートリガー」

(ダメージ4→5)

 

「仕留め損ねた……! ターンエンド! 次のあたしのターンで確実に仕留めます!」

 

 

 なんとか耐えたが、もう守護者(センチネル)は使い果たした。だが関係ないな、このターンで美咲(おまえ)を仕留めるからな! 

 

 

「スタンド&ドロー、EC3。ペルソナライド《月の門番 ヴェイズルーグ》。ペルソナライドスキルにより、前列のパワー+10000して1枚ドロー。ヘルグヴァールをヴェイズルーグの後ろにコール。スキル発動、まずはチェック」

(手札4→5→4→5→4)

(ソウル4→5/エネルギー3→6)

 

 

【山札の上から見たカード】

《スターアグレション・ドラゴン》

《無窮の星竜帝 エルドブレアス》

《オルタレートスフィア・ドラゴン》

《万古に輝く黄金の月》

《オルタレートスフィア・ドラゴン》

 

 

「《万古に輝く黄金の月》を手札に加える。そしてそのままプレイ。『《幻真獣》のパワー+5000して、このターンにカードの効果で登場した《幻真獣》のパワー+5000。』するスキルをヴァンガードに付与する」

(手札4→5→4)

 

「なっ……⁉︎」

 

 

 美咲が驚くのも無理は無い。なんせ、前列のユニット1体のパワーが最高20000になるからな。でもまだ《月の門》を使ってないから、警戒する筈だ。だけど……。

 

 

月の門、起動

 

 

【山札の上から見たカード】

《無窮の星竜帝 エルドブレアス》

《第一の幻真獣“天戒牙狼”ロズトニル》

《烏輪の幻真獣 レヴノローグ》

《第二の幻真獣“震界蛇王”ガルズオルムス》

《スターアグレション・ドラゴン》

《月の門番 ヴェイズルーグ》

《オルタレートスフィア・ドラゴン》

 

 

「……縦列にレヴノローグのいるサークルの前レッドにロズトニルをスペリオルコール、レヴノローグは退却。ガルズオルムスとレヴノローグは月の門(オーダーゾーン)に。ロズトニルのスキル。このターン中、ウェイバリスのいるサークルを選択してヴァンガードと同時攻撃を行なえる。だけどまだ終わらせん」

(オーダー4→6)

(ソウル5→3/ドロップ12→14)

 

 

月の門、再起動

 

 

【山札の上から見たカード】

《月の門番 ヴェイズルーグ》

《スターアグレション・ドラゴン》

《無窮の星竜帝 エルドブレアス》

《第一の幻真獣“天戒牙狼”ロズトニル》

《オルタレートスフィア・ドラゴン》

《エンディアリング・ベンダー メイティーナ》

《烏輪の幻真獣 レヴノローグ》

 

 

「レヴノローグをスペリオルコール、ロズトニルを月の門(オーダーゾーン)にセット。ガルズオルムスとレヴノローグの位置を入れ替える。バトルに入る、まずはレヴノローグのブーストしたロズトニルでヴァンガードとウェイバリスに攻撃。スキル発動、自身のパワー+5000、EB3して1枚ドロー」

(手札4→5)

(オーダー6→8)

(エネルギー3→0)

 

「ウェイバリスはノーガード。だけどヴァンガードの攻撃はエンバイロとマーガレットでガード、トリスディアとローヴロイでインターセプト。マーガレットのスキル、CB1して1枚ドロー」

(手札6→4→5/ドロップ9→13)

 

「ヘルグヴァールのブーストしたヴェイズルーグでヴァンガードに攻撃。スキル発動、CB1して月の門のガルズオルムス2体をロズトニルとレヴノローグのいる縦列にスペリオルコールして前列のパワー+5000する。更に後列のガルズオルムスのスキル、CB1して後列からでも攻撃を可能する」

「手札を1枚破棄してプラネットウォールで完全ガード!」

(手札5→3)

 

 

「ツインドライブ。美咲、一つ宣言してやる」

「はい?」

「お前は3回目以降、絶対防げない」

「はぁ?」

 

 

「行くぞ、1回目《警邏ロボ デカルコップ》。ゲット、クリティカルトリガー。効果全てを後列のガルズオルムスに。2回目《無窮の星竜帝 エルドブレアス》。ゲット、オーバートリガー!」

(手札5→7)

 

「此処でオーバートリガー……!」

「エルドブレアスは除外し、1枚ドロー。パワーは後列のガルズオルムスに。更に追加効果発動、前列のパワーとクリティカルを発生した時点の数値から2倍にする」

「ば、馬鹿な! なんでこんな時にこうも都合良くトリガーが捲れる……そうか、全てこの時のために!」

「気づいたな?」

「デッキを圧縮してトリガーの発生率の上昇……!」

 

 

 そうだ。美咲の言う通り、デッキの幻真獣を《月の門》でオーダーゾーンにセットして、デッキに眠っているトリガーの引く確率を上げているんだよ。

 

 

「行くぞ、ガルズオルムスでヴァンガードに攻撃」

 

 

(マズイ……! あたしの手札に守護者はあるけど、3回の攻撃を全て防ぎきるのは、とてもじゃないけど無理! パワーは最低でも100000はある……ここは仕方ない)

 

 

「ノー、ガード。ダメージチェック、1点目《赫月光》。ノートリガー。2点目……」

(ダメージ4→5)

 

 

 美咲のダメージは5。次にヒールトリガーかオーバートリガーじゃなければ彼女の敗北は確実。さて、どうなる……? 

 

 

「……《裁秤大隊指揮官 アルグリーヴラ“幻影”》。ノートリガー。あたしの負けです」

(ダメージ5→6)

 

 

 美咲のダメージゾーンが6枚になった事により、彼女の敗北が確定した。

 

 

「……月の試練、これにて閉幕」

 

 

勝者、流川 京介

 

 

「何故、何故あたしが……」

 

 

 美咲とのファイトに勝った俺だが、彼女は信じられないと言わんばかりに落ち込んでいた。

 

 

「……美咲。何故お前がファイトに負けたか理解できるか?」

「あたしの運がなかったから……」

「違うな」

「?」

「……お前はさっきこう言ってた。『あたし以外にもミッシェルは演じれるし、代わりなんていくらでもいる』って」

「それがなんだと……?」

「ミッシェルやハロハピのメンバーの代わりは、誰も出来ないのさ」

「……!!」

 

 

 俺がそう言うと、美咲は目を見開いた。その表情はまるでやっと気づいた、と言った感じであった。

 

 

「ハロハピは俺をメンバーに勧誘してくるこころ、こころと負けず劣らず色々しつこい瀬田さん、元気過ぎる北沢、唯一の癒し枠の花音さん……そしてお前とミッシェル。それらがいて初めてハロハピは成立する。だからそれらが一つでも欠けてたら、なんの意味もない」

「……京介さん。それ、大半部分褒めてます? まともな評価が花音さんくらいしかないんですが……」

「……第一印象を示したまでだ」

 

 

 俺の評価を聞いた美咲は苦笑いしていた。

 

 その後、彼女の分身であるアルグリーヴラ“幻影”のカードに浮かんでいる幻影ファイターである事を示す赫月を象徴する紋章が消えた。

 

 

「紋章が……?」

『どうやら幻真獣によって幻が解けたようだな』

「これであたしは、お役御免です……せめて京介さんに、迷惑を掛けた、お詫びをして、退場するしか、ありませんね……」

 

 

 美咲は意識が混濁としている最中、何故か自身のスマホを取り出すと何か操作し始めた。

 

 すると……彼女の視線の先にあった檻の扉が『ガチャリ』と音がすると共に、俺のスマホ(まぁ今はヴェイズルーグが憑依しているが、此処ではそう定義させてもらう)から一つの通知音が鳴った。

 

 

『キョウスケ。先程の少女……ミサキと言ったか、その子からチャットにて、此処からの脱出の手引きを纏めたメモを送ってくれたぞ』

 

 

 ヴェイズルーグがそう伝えると俺は美咲の方を見た。すると美咲は一度微笑むと、その場から意識を失って崩れ落ちたので、彼女を抱き抱えた。

 

 

「美咲⁉︎」

『幻真獣によって幻が解けた者は、元の人格に戻る。だが、この世界は元の人格を許容しない。幻真獣の加護無き者は意識を保てなくなるのだ』

 

 

 なるほど、だから美咲は意識を失ったのか。

 

 

「美咲は無事なのか?」

『命に別状は無いが、この世界が無くならない限り、目を覚ます事も無い……が、我なら最低限の事は出来る』

 

 

 ヴェイズルーグがそう言うと、床に紋章らしきものが浮かび出てきた。それは、俺が使っている幻真獣たちと同じ月を象徴とした紋章だった。

 

 

『そこに寝かせるといい』

 

 

 俺は半信半疑ではあるが、ヴァンガードの指示通りに紋章の上で美咲を優しく寝かせた。すると、美咲の身体は月の紋章に吸い込まれるかのように消えていった。

 

 

『《月の門》を応用した異空間に転送した。この戦いが終わるまで、彼女の安全は保証する』

 

 

 なるほど、他の幻影ファイターたちとファイトして勝利した際には、これと同じ事をすればいいのか。地道にはなるが、今は少しでも多く戦果を挙げておく必要がある。

 

 その為にもいち早く他の幻真獣ファイターと合流して、反撃の狼煙を上げないとな。

 

 

 しかし負けられない戦いになった……と、改めてそう実感させられるよ。こんな戦いがこれからは日常茶飯事になるし、一時も休まる暇が無い。もしかしたら、この異変を解決する頃には俺は居ないかもしれない。

 

 

 ……気を引き締めてかからないと行けないな。

 

 何れ目覚める、幻真獣たちの為にも。




 今回はここまでです。如何でしたか?


 次回の更新は2週間後を目処に計画しておりますので、更新をお楽しみに。またお知らせする事項がありましたら、Blueskyにて告知致しますのでお待ち下さい。


 それでは、また次回の更新にてお会いしましょう。
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