マブラヴ時空で現ナマは武器となるか? ~愛はお金で買えるのって少女漫画で言ってたから~ 作:行徳のり
――1948年 秋 九州・大神村 四角井造船本社 応接室
「あったまいたいねん」
何処かで手打ちにせねばならんと思いつつも、俺は本題を切り出す。
煙草をひったくるように掴んで、俺はマッチで火をつけた。
「お前ん所の会社がハメられたってのは分かってる」
今土下座しているのは、とある航空機メーカーである。
………戦時は海軍機も納入した名門だ。
だが技術力と会社規模を目つけられて、今はこの様。
具体的に言えば、国産旅客機計画で財閥(おそらく富嶽が主犯)にハメられた訳だ。
………話を聞くに、機内への与圧システムのパテントを直前で全部潰されたらしい。
莫大なパテント量と特許関係の訴訟で、政商・光菱・河崎・富嶽と戦う?
普通はやらない。俺だってやらない。やるならもっと嫌な方法でやる。
そうして二進も三進も行かなくなって会社がヤバい! と噂を流され今に至る。
「でしたら!」
先方が俺の言葉に食いついてくる。
俺は煙草を吸いもせず煙を吐いて担当者へ逆質問した。
「………だが、分かってんのか? こりゃ攻撃の前に政治だ」
大方……航空機メーカー減らしが発端だろう。
開発費を方々へ撒くよりも集中した方が良いとか誰かが言ったに違いない。
そこへ目を付けた他社が、ここを潰すと根回しした訳だ。
「…ええ、ええ! 嫌というほど!!」
担当者の答えを聞いて、俺は腹を括った。
「分かった。陸案件ってことで海から刺す。相当荒れるはずだ」
オメーん所助けても、他のメーカーは残るわけで。
海軍から陸軍に反対して割り込んで、どれだけ金を使って政治をするのか。
………みんな頑張ってるんだぞ? 一人だけ身売りで楽になろうとしてるんだが?
そう頭の片隅で思ってしまったが、口にした以上俺はやり切ることにした。
「それでも、ウチの子会社でも会社を続けたいんだな?」
「相当な影響も子会社化は分かってます。だが、こっちだって誇りがある」
担当者は土下座しながら吠えた。
「恥を晒しても、会社を潰したくない!! 分かってください!!」
俺は煙草を大きく吸った。
金をが飛ぶなあ、と悲しくなった。
そりゃね、ラジオ・テレビ広告は沢山やったさ。テレビラジオ広告費気持ちよすぎるだろ。
未来のラジオ職人文化、テレビ番組は徹底ローカルでやった。
利益は上がってる。だから弊社は、この会社を買えなくはない。
ここで俺に迷いが浮かんだ。だが俺は思い直した。
俺はゼニが好きだ。ウダウダ言いながら会社を続けるのは金が入るからだ。
けどそんな俺でも仁義も忘れちゃない。
「いいだろ、陸と海の喧嘩だ」
この後めっちゃくちゃ陸と海で喧嘩が起きた。
斯衛が仲裁して終わるくらいの酷い争いであった。
そして、その会社は四角井グループに合流。
その会社こと河西飛行機の数字が真っ赤だったので、俺はゲロを吐いた。
四角井くん「嫌々買収、無事連結子会社化で赤字も取り込み(憤怒)」
河西「Foo~ 子会社化で生き返った!」
四角井くん「(河西のバランスシートの魔物を見て)ああ逃れられない!(カルマ)」
帝国陸軍「河西が悪いんだろ! 海軍しね!」
帝国海軍「富嶽がハメたんだろ! 陸軍しね!」
斯衛「なんだこれは……たまげたなあ」