マブラヴ時空で現ナマは武器となるか? ~愛はお金で買えるのって少女漫画で言ってたから~ 作:行徳のり
―――1949年 冬 紀伊半島沖 紀伊ロケット施設
弊社謹製のメガフロートを連れた、魔改造の船上である。
金髪のニキが意気揚々とドイツ語交じりの日本語で指示をする。
杉原千畝の不思議な力で……東ドイツから亡命キメた彼を見ながら、俺は煙草を吹かす。
(DV体質でも)付き合っててよかった軍と政府の関係。やっててよかった軍とのコネ(身内)。
でもね、未経験企業に一年でロケット飛ばせって無理ゲーですわよ?
航空機メーカーを子会社にしたからって、絶妙に出来る出来ない案件を飛ばしてくる軍と財閥に怒りが湧く。
そんなことばっかや! 奇麗どころは財閥で泥を被るのは俺ら下請け!
「あたまいたいねん」
しっかし、マブラヴ世界は技術が凄い。
アラン・チューリングは死んでないし、フォン・ブラウン以前にロケット開発した何某がいる。
つきましては次の戦場は宇宙だ! と、米帝様は考える訳で我が国も、それに倣った……らしい。
………種子島宇宙センターが何で戦前からあるんですかぁ?
俺は揺れる船上で煙草でなく、ココアシガレットを吹く。
現在断煙なのだ。某人物の為に。
………しっかし施設が足りねえから洋上発射ってどうなのよ?
技術者、あたまいかれてるわ。何で難しい洋上発射を選ぶかね?
「貴様、しゃんとせんか!」
ベタ金外した旧姓鳴滝こと現、四角井夫人が俺をドつく。
……どうして、こうなってしまったんのやろ?
しゃーねーじゃん? 襲って来やがったから、ベットヤクザで『わからせ』するしかなかったんだ……
つうか妊婦なのに来るなし。でもって直撃弾出した己の息子も恨みますわよ?
「なんでカミサン連れて仕事やねん」
「お国の為だ! 畏れ多くも※①畏き所より命じられたのだぞ!」
俺は口笛を吹かす。
宇宙、つまりロケット技術。
規模から考えても※②光菱と河崎、あと富嶽が……頑張ればいい話だった。
頭が痛いのは、ウチも金と結果を吐き出す羽目になったせいだ。
おのれ※③石河嶋め、道連れにしやがって!!
でもって※④河西ィ! 業績悪化でウチの下っても赤字ってどないなっとるんや!! 結局テコ入れしたけどさぁ!!
あと遠田技研覚えてろよ!! 「四角井サン家はやらんやろ?」って?! ふざけんな浜松餃子ハゲ!! 俺を煽るな!!
………おちつけ、もちつくのだ、俺よ。
ミサイルが台頭してきて……陸も海もミサイルが欲しいらしい。
で、ロケット技術はなんぼあってもええんやで? と偉い人が言ったせいでこうなった。
ウチも河西にも専門家がいないので、※⑤ドイツ宇宙旅行メンバーから招へいする羽目に。
―――――でねー、奇麗どころはみーんな種子島で頑張ってると。
そこで二流メーカーのウチも結果を示せってっつーか?
遠田がノリノリだからウチも引けねーと言うか。
ハゲは余分なことしかしないな。
※①……将軍「アッカン、宇宙軍の企業たりひん……おもうさま、ええ考えあらへん(純粋な目)?」
※②……種子島で苦しんでるので苦しみを他企業にも分けてやる地獄の優しさ(暗黒微笑)
※③……ウチも赤字を垂れ流すなら四角井も呼んでやろうの精神
※④……軍用機がダメダメやで……車メーカーも勢い余って先に切り離して常世田に買われてもうた……せや(善意)!
※⑤……史実もあったが、こちらでもあった宇宙バカの集まり