マブラヴ時空で現ナマは武器となるか? ~愛はお金で買えるのって少女漫画で言ってたから~ 作:行徳のり
――1948年 秋 北九州 四角井モーターパーク 試作バイクを囲んで
俺が嫉妬している経営者の名前を浜松餃子ハゲと言う。
常世田の丁稚やら自動車工場の下済みを経て発動機分野に殴り込んだ眼鏡である。
コノヤロウ、モーターレースで俺の会社より速くてムカつく男である。
俺も自家用車の色を赤とか白とかしたかったのに、コイツが先に法律を変えやがった。
いかにも毒にも薬にもなりませんと言いそうな顔しつつ、シレっと航空機分野にも参入してきやがった。
が、まあいい。ウチの方が河西で名門だし? 所詮発動機上がりでしょ??
ただ許せぬことがある。
それは餃子眼鏡のバイクに弊社のバイクがコテンパンに負けることである。
接戦で負けたら納得するが完敗、完敗を繰り返されると俺も頭にくる。
「おめーら!! 悔しくねえのか! 楽器屋! ちっさな発動機! 同じ浜松の眼鏡ん所!
河崎は……・・・まあ、いいわ。あそこは目黒だからな! でもって陸男も持ってたんだ、うん」
ウチのレース部門が不甲斐無いせいで浜松餃子眼鏡に負けているのだ!!
許せるものか!! なーにが「名門なのに遅いですねぇ?」だ、あの糞眼鏡……ッ!!
スタッフの一人ではなく、河西の技師が口を開く。
「社長の水冷に問題があるんですよ!」
カッチーンって来ましたわ!
いやそりゃレース関連の面倒見てるのは河西の技師だけれども!
「おう何が問題や、ジェットになる前は発動機も水冷でガンガン飛ばしてたやろがい!」
「重さですよ! 排気量を考えたら向こうの空冷の夢号の方が「だまらしゃぁ!!」」
俺はむかむかイライラしていた。
「圧倒的に俺の方が上やぞ? 尉官や! 金もある! 何で勝てんのや!!」
河西の技師が……ぼそりと言う。
「品性では?」
「ほーん……お前なんや負けて悔しくないんかい?」
めこりと河西の技師の眉間に青筋が浮く。
「は? 弊社は名門ですが?」
「オート三輪と四つ輪切り離して腑抜けたやろ! 二輪で負けるのおかしーやろ!」
「言いましたね! 金、金がないんですよ! レースなんてて見栄ですよ見栄! 分かります?」
俺は言った。
「言ったな?」
「はい?」
「金やろ? 台湾にもテストコース用意したる、銭も俺が個人で出す! あのハゲに勝てるバイクを作れ!」
河西の技師が超いやらしい顔をしたのは一瞬、すぐに断言した。
「目にもの見せてやりますよ!!」
そうしてレースには買ったものの、カミナリ族ご愛用のバイクとなり……四角井は暴走族対策の基金を作る羽目となった。
その後
四角井くん「ハゲに勝てぇ!!(札束ビンタ)」
河西の技師「Foo~! 予算サイコー!!」
遠田「成金がなりふり構わず金入れやがって!!」
そして市販後
カミナリ族「パラリラパラリラ!!(四角井製バイクで爆走)」
警察・世間「四角井さん、お宅のバイクなんですが……」
四角井くん「(白目)」