マブラヴ時空で現ナマは武器となるか? ~愛はお金で買えるのって少女漫画で言ってたから~ 作:行徳のり
―――1955年 別府、四角井本宅
自宅の廊下を幼児が走る。
ウチの次男、ムスコ二号がバッタンバッタンと走っていた。
まだ彼は頭の方が大きいから重心が高い。だから、すぐ転ぶ。
転ぶので息子は安心安全の為にヘルメット着用だ。
「貴様、これは正しいのか?」
威風堂々、明朗快活、元気溌剌、肛門激弱の四角井夫人が隣で言う。
「ああ」
そう言いつつ、俺はもう気もそぞろだ。
久しぶりの休みで、ぼんやりしていたからだと思う。
思えば、結婚する気もなかったし、子供を作る気もなかった。
が、やれば出来るのは世の常。
独立武家を身内にして苦労もあるが、流された俺が悪いと言えよう。
……こうして子供を見ていると俺でも考える。
確かに虚構の世界かもしれないが、俺にとってはここも現実なのだと。
そう、現実なのだ。
あたまはいたいし、帝国軍にはあほしねと思うが、それはこれ。
そんな中、BETA野郎が【そろそろ】来る。
来るのだろうさ、俺が転生したように。
となると、やらねばならぬことはあるはずではないか?
オリジナル戦術機を出して気持ち良くなるとかではないのだ。
文明国家を持続させて、バトンを倅らに渡さねばならん。
………だが残念ながら、日本人が頑張って日本であるためにとか、俺は思えない。
俺が思うに、戦争も経済だ。
それを思えば、国体の維持よりも会社を生かして家族を生かすしか、俺には手段がないのではないだろうか?
ここにいない昼寝しいている長男を思い出す。
「貴様?」
ふと嫁の顔を見た。
「なんだ、そのあれだ……」
俺は四角井夫人へと向いてハッキリ言う。
「ちょっと本気で俺、頑張る」
嫁の顔の向こうに俺は膨大な社員とその家族を見た。
地元経済を考えれば、ウチのグループはグループであり続けなければならない。
「……一体どうしたと言うんだ?」
まあわけわかめだろう。旦那が本宅で唐突にそんなことを言い出すだなんて。
「これを読んだから」
俺は新聞記事を嫁に渡す。
日本帝国、プロメテウス計画に参入。いよいよ史実が迫るかもしれない。
……俺はこの新聞記事を読み終わると決めた。不安もあるが、後悔はしたくないと
作中の史実だと九州は崩壊する。しかし、九州で大企業やってる以上、抗うしかない。
抗ってどうなるかは未知数だ。史実通り、白銀氏を待つしかないかもしれない。
それでも俺は今ならやれることが沢山あった。
「ちょっと四国の※①ボサツを買ってくる」
「どうした貴様?!」
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急速に成長する四角井グループ。
だがしかしそこには影が。
光菱、河崎、富嶽らと比べてあまりに短く軽い社歴。
そして遠田やYAMAHOと異なり経営に難が。
更に四角井幸一郎の独裁が悪さをします。
幸一郎による採算の悪い河西への投資。
そして突如として銃器メーカー・ボサツを始め複数社の強引な子会社化。
四角井グループは宇宙開発と日本再開発の好景気の中、徐々に成長を鈍化させてゆくことになります。
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※①……ミロク