マブラヴ時空で現ナマは武器となるか? ~愛はお金で買えるのって少女漫画で言ってたから~ 作:行徳のり
――1945年 春 九州・大神村
瀬戸内海を見る。奇麗な海だと思った。
見えるのは四国の尻尾かな? 無意味な想像して俺は砂を蹴った。
波打ち際に蹴り上げた砂礫は溶けて行き、押して引く波は永遠に思った。
そんな海辺の砂浜に俺はいた。
振り返れば赤さびの浮いた施設群が見え、どことなく寂れた漁村を連想させた。
……嗚呼、気が滅入る。
かつて※①大神基地が設置された、ここ大分県大神村。
ここの施設群は海軍の改大和型、超大和型戦艦の建造、修理に向けて海軍工廠として発足した。
だが戦局の変化により大神村よりも台湾の高雄が優先された結果、ここの立ち位置は中途半端となった。
そうして……紆余曲折があった。
大戦末期のその後、すったもんだの末、これらの施設は合同会社化した。
軍としても国としても施設の存続を図ったのだろう(海洋国家である帝国としては惜しい施設なのだ)。
だが、元からの赤字体質が祟る。
そも巨大すぎるドックは維持費だけでも【とんでもない】。
民間に戻ったとて苦しい経営となることは確実。
そもそも国税で賄っていた施設を民間で運用させるってだけでもキツイ話なのだ。
………俺は【そんな土地】で煙草を吸っていた。
マッチを擦って二本目の安煙草に火をつける。
両切りのフィルターレスの煙草は安物で、とっても不味い。
乾いた唇に煙草カスがつく、そうして俺は口を拭った。
「買っちまったのか、買わされたのか、あああ……」
そう言いつつ、俺は売りに出されたこの会社を買う羽目になったことを嘆いた。
普通の神経なら買わない……いや買えない会社である。
しかし、俺はオーナーになることが決まったいた。
序でに、だ。
糞ほど高い、糞みたいな、この糞会社(セルフの公職追放とかで)。
ここを俺はこれから便所紙(業績改善他)で拭いて奇麗にする義務が発生していた。
あークソ。ホント糞。あほしね。
財閥が食わなかった毒饅頭を俺はこれから食う羽目になる。
「四角井さん、こんな土地買うって? あと起業? ええと引き取り?」
何故か会社買い付けで同席した、別府市長。そして大神村長が俺を見た。
その後ろには今回の案件の担当らしいベタ金の軍人さんもいる。
中佐は終戦しても軍を追い出されなかった偉いサマで、俺の担当者でもある。
………そりゃ外から見れば俺は剛毅なやっちゃろうなーぁあ!!
煙草を吸いながら俺は目を閉じた。
どうしてこんな会社を買えるほど俺は稼いでしまったのかと激しく後悔した。
稼いだ現ナマは俺を救うのではなかったのかと、俺は東を向いて中指を立てた。
※①……架空戦記で出来るのだからマブラヴ時空でもあったものとする
余談、ドッグが買われなかった理由は財閥は自前でドッグを持っていたから。