マブラヴ時空で現ナマは武器となるか? ~愛はお金で買えるのって少女漫画で言ってたから~ 作:行徳のり
俺って……ほら、テレビ王の面あるじゃん? 関西にもテレビ局持ってるから。
で、系列でもパワーある方だからさぁ……CMも【えり好み】できるわけ?
現場としては(高値で)流せる広告なら取りたいんだろうが、そこはそこ。
オーナー、会長パワで現場をいぢめて殴っていたら、恨みを抱えた酒造メーカー団体から厄ネタが飛び込んできた。
河西の技師と、久しぶりの造船部門長が俺を訪ねて相談に来た。
社長室のデスクで俺は彼らの話を聞いてから堪らず聞き返した。
「宇宙でも飲める簡便な酒とな?」
「総帥なら思いつきませんか?」
造船部門長のある意味無茶ぶりに俺はふーむと考え込む。
考えて馬鹿馬鹿しさに気がついた。
「あのね、君らね、俺を何だと思ってるの?」
「九州の特攻兵器」と河西の技師。
「ゴリ押し経営者」と造船部門長。
「一気に血圧が上がったよ、テメーラァ!!」
煙草をくわえて、俺は二人にも喫煙を勧めつつ聞き直した。
「なんで酒? ウチ、飲食弱いのよ? 知ってる? ウチの工場見学のお土産のお饅頭とかクッキーとかも地元の菓子メーカーに依頼してるんだからね?」
これはマジである。商社機能が弱いので食料品製造と加工は弱いのだ。
代わりに【かめのい】とか強い部門をあるっちゃあるのだが。
「ほら社長の往還機で、ですね……」
河西の技師が言いにくそうに続ける。
「うん?」
「酒飲みたいと申しましてね……お偉方が宇宙空間視察の際に」
「無重力でか?」
「原則禁止だって言ってますけど、隠し持つお馬鹿が……それも発砲酒的なのをですね」
ああ、いそう。
見えるみえる、めっちゃ見える。
「それにしたってなんで俺? 宇宙で炭酸ガスなら、あたまいかれーてるの出番だろ?」
「それが無重力下での炭酸の爆発なんて興味ないと博士にサボタージュされまして」
造船部門長が言って俺も納得した。
そりゃそうか、無常力での炭酸の泡は厄介だ。
少しでも重力があれば、浮力で上昇するはずの泡。
この泡が、浮力がないためドンドン・デカくなる。
つまり、自動でブシャーか。
「宇宙で飲むためだけに遠心力重力装置を持ち込むのもなあ」
河西の技師が更に続ける。
「吐瀉やら零した際は地獄ですよ。洗浄の他、機材が逝く可能性も」
「由々しき事態だ。でもそれを我慢させるのも弊社のハウスルールだろ?」
河西の技師がやったら時間をかけて言った。
「…………オーダー元は帝国政府ですが、わがまま申し上げたのは将軍家と皇室です」
俺は天を仰いだ。
「●ァッキン・タイクーン!! 足利同様滅んじまえ!!」
こうして四角井グループより【とある酒造メーカー】へ大量の資金が投入され、ラムネ菓子に酒を沁み込ませた個体の酒が開発された。
宇宙空間で皇族+将軍どもをもてなすことになったスタッフに俺は金一封を送るのであった。
四角井くん「まったく世も末、偉い奴らときたら(憤怒)」
四角井夫人「ところで、貴様……知らない株の銘柄だな(敵対買収した酒メーカー)?」
四角井くん「酒は人類の友人でしょう?」
四角井夫人「ならば友より妻へ気遣ってくれないか? 洋酒も厳しくなるだろうしナァ?」
四角井くん「おのれ酒カス! ほぼ毎年ボテ腹させてたのに!」