マブラヴ時空で現ナマは武器となるか? ~愛はお金で買えるのって少女漫画で言ってたから~ 作:行徳のり
――1945年 春 九州・大神村
指先が熱くなって俺は目を開いた。
根元近くまで煙草が燃えていた。
唾液を吸った吸い口まで熱くなるほど時間が経っていたらしい。
ブッと安煙草、つまりフィルターレスの両切り煙草のカスを吐きながら俺は天を仰いだ。
この高い蒼穹に僕の心の一句を添えるワ。
あほしね。みんな死んでしまえ。特に軍(政府は続いてくれ!)!
自業自得でも現ナマのスケールが大きくなるとこうなるのね(白目)!!
波の音が変わらぬ海岸で俺は内心でそう毒付いた。
「四角井さん?」
誰かに苗字を呼ばれて俺はポイ捨てせず煙草を吸い殻缶に捨てながら答えた。
「やり様はありますよ、やりようは……」
俺は新しい煙草を吸いながら答える。
マッチを擦って二本目の煙草、口いっぱいに安くて苦い味が広がった。
………思えば尉官のキャリアで稼いでしまったのも、フラグだったのだろう。
早い話が、税の変わりに会社を継ぎ、海軍サンの仕事を聞けってことになった(下請け奴隷)。
米帝に降伏したとは言えども、帝国海軍と言う組織は継続しているのだし、金も設備も欲しい。
………そして元組織人が成金になったら? 全力でコネをコネコネしたい、と言うことで(涙)
何故か記憶が虫食いの……従軍時代。
仲間と楽しく過ごした記憶しか残ってない俺はため息をついた。
そんな俺に【元上司を名乗る知らない美貌と歯を光らせた中佐】が言う。
「そうとも、四角井! 海軍は大いに貴様の手腕に期待しているぞ!」
俺は煙草片手に呆けてしまった。
………おめーよぉ、海軍精神注入棒で奥歯ガタガタ言わせてやろうか?
そう内心で思う浮かんだが、エリート様に元下士官がかみつくのは非常に不味い。
階級は絶対だ。向こうは神で俺は奴隷。
俺は引き攣った頬を何とか引っ張って戻すと、言葉を絞り出した。
「さいぜんを、つくします」
金持で自由になるはずだったのに、なんで雇われ社長やる羽目になるんじゃい!
成金になったはずの俺は、自分の未来が歪んでいく様を幻視した。
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台湾出身、退役した戦時尉官の海軍上がり。
しかし、そんな出自の四角井は「神懸かり」とも表される投資を行いました。
親族であった熊井丸魚には当時の記録が残っており……
四角井「オレの給料は失敗したら一生無しでよい」
そう書かれた血判が今でも残っています。
不退転の覚悟と、世界情勢を読み解く力。
こうして資金を得た四角井は米国とソ連の冷戦下で会社のかじ取りをすることとなりました。
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これでも四角井くん前世はシゴデキだった模様