まのさばで思いついた一発ネタ集   作:ないでーす!

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パロディです。キャラ崩壊します。


もしもこんな赤いボタンがあったら…… (雑BAD ネタバレ)

『押すな』

そう書かれた赤いボタンがいつの間にか牢屋敷のラウンジに現れた。

 

ラウンジに来て異常がないかチェックしていた私は昨日まではなかった、デカデカと主張している異常に私は目を丸くする。

 

「なんだ?これは…」

 

押すな。こんな怪しいボタン押すわけがない。そう思う……その瞬間、私は目の前が一瞬赤くなり、押したい衝動に襲われる。

 

(なんだ、今のは……!?)

 

頭の先から背筋をぞわりとさせた何か。そしてボタンを押したいと言う衝動。

 

(いや、それより……押すな、と書かれているボタンを押すなんて……それは正しくない……!)

 

 

眉の間に谷ができるほど不機嫌な顔をしているのが自覚できている。頬を軽く叩き気合を入れ直す。深呼吸をし、ラウンジを掃除し始める。何度も隅から隅まで掃除しているラウンジは今日も綺麗になっていく。すぐに掃除が終わった私はまたボタンに目を奪われる。くらり、目がくらむ。目を開くとまた視界が一瞬赤く染まる。

 

(正しくない……正しくない……!)

 

意味のわからない衝動。どう考えても罠だ。ラウンジを出て他の部屋を掃除し始める。日が暮れ、夜になる頃には気分も落ち着いた。

 

「ヒロちゃん。晩ごはん食べよ〜」

 

ノア、レイア、ナノカといつも通り食べる。食事と言い難いそれをいつもより咀嚼せずに飲み込み、胃に流し込む。

 

「ごちそう様。私は、先に戻るよ」

 

食堂ですばやく食事を済ませ、いつもよりも早く寝床へ入る。

風邪を引いたのかと心配したエマが声をかけてくる。

 

「ヒロちゃん……?大丈夫……?」

 

「大丈夫だ。すまないが、寝たいから話しかけないでくれないか」

 

「うん。分かったよ……でも、辛くなったらボクに言ってね……?」

 

エマと何を話したかすぐに頭から抜けていく。考えてしまうのはあの事だ。

 

(私には関係ない……何も見ていない……)

 

何度も深呼吸を繰り返す。いつまで経っても眠れない私の脳裏にはあのボタンがこびりついている。

 

次の日。ラウンジに行くとボタンの前に誰かがいる。シェリーとハンナだ。しかし二人はボタンには気づいていないようでずっと話を続けていた。

気になり、私は二人に話しかける。

 

「君たち、ちょっとだけいいかな」

 

「はい?」

 

「なんですの?」

 

「その……赤いボタンのことなんだが」

 

意を決して話を切り出す。すると二人はまるで分からない、何の事やらと困惑していた。

 

「赤いボタン…ですか?それって心理テストでしょうか?」

 

「このあたりでそのようなもの見てませんし、そうかも知れませんわね」

 

(見えていないのか?……やはり、これは罠か……!)

 

ぎり、と歯がきしむ音が口の中でした気がした。無意識に強く食いしばっていた様だ。

 

「いや……実はそうなんだ。二人はもしも押すなと書かれた赤いボタンがあったらどうする?」

 

「押しちゃいますね!間違いなく!」

 

「少しは葛藤する素振りくらい見せたらどうなんですの?全く…」

「わたくしは押しませんわ。たぶん。きっと。でも、う〜ん……」

 

即答するシェリーと語尾が少しずつ弱くなるハンナ。

 

「そうか。答えてくれてありがとう。」

 

踵を返す。ここにいてはいけない。きっとあのボタンに狂わされてしまう。歩みだしたところにシェリーが待ったをかける。

 

「えー!?ちょっと待ってください!さっきの心理テストの答えはなんなんですか?気になりますー!」

 

「ああ、あれは本当は……その、冗談のつもりだったんだ、テストでもなんでもないよ」

 

「そうでしたの?冗談にしてはその……笑いところがわかりませんけれど」

 

「その通りかも知れない。ありがとう、すまない、忘れてくれ」

 

嫌な煙が漂い、それが私にまとわりつく。そんな気がした私は、会話を切り上げる最後にさよならを言い、すぐにでも駆け出したい気持ちを抑え、ラウンジから出る。また一瞬赤く染まる。頻度が高くなってきた気がした。

 

数日間私はラウンジには近寄ることをしなかった。そのおかげか今は落ち着いている気がする。あのボタンもなんてことはない。そう言い聞かせる。

スマホから通知音が鳴る。チャットだ。ラウンジに集まって欲しい。そう書かれていた。

 

(大丈夫だ。私は、押さない。あんな、見え見えの罠……)

 

何度も何度も口の中で押さないと反芻し、よし、と立ち上がる。ラウンジへ行かなくては。

 

ラウンジにたどり着き、私は、ボタンの前に立っていた。誰かが、何かを言っている。それに対して、違う誰かが、また何かを言う。私には分からない。後ろを見る。赤いボタンが目に入ると、それ以外が曖昧になる。

 

「ヒロちゃん!」

 

誰かが私の肩を掴む。ハッとして振り返るとエマがいた。周りには少女たちがいて、みんなが私を見ていた。

 

「ああ、すまない……ぼうっとして話を聞いていなかった。」

 

じわり。また視界が染まり出す。エマだった誰かがまた何か説明しだすが私の耳に入っては来なかった。ぞくぞくとした悪寒が私を包む。いつしか全てが赤くなる。いつもよりも長く視界が染まっていた。ぷつ、と音がして暗闇が広がる。しばらくして視界が晴れる。見えてきたのは天井だった。

 

「ここは……医務室か?倒れたのか……?私が……?」

 

すぐに誰かが視界に入る。何かを言っている。きっと倒れたであろう私を運んでくれた誰かが、大丈夫かと聞いているのだろう。私は、大丈夫だ、ありがとうと言ってそのまま立ち上がり医務室から出ていく。扉が閉まるまで誰かの声がしていた。

ふらふらとした足取りで私は、ラウンジへと向かっていた。何故だ。あんなにも近づきたくなかったあそこへ歩いていく。途中、誰かとすれ違う。何か声をかけられるが私には応えることができない。足がもたれ、壁に寄りかかる。カチリ、そんな音がした気がした。慌てて手元を見るとそこには何もなかった。

 

(どうなっている……!)

 

視線を戻してまた私は混乱する。ボタンがそこかしこにある。

 

「っ……」

 

息を呑む。ありえない状況だ。本当にありえないのか?いつから私は、こんなに、おかしくなっている?あれを見た日からだ。あれを押せば楽になるのか……?押して見なければ分からない。押すな、押すな。私の僅かに残った理性が警鐘を鳴らす。赤くチカチカと視界が光る。息が荒くなり、肩で息をする。よたよたと壁を伝い歩き続ける。目の前にはボタンが一つある。

 

『押すな』

 

ボタンを目前にして視界が、真っ赤に染まる。頭がカッと茹で上がる。

 

「押すなと書かれているのに押さないのは正しくない!!!!!」

 

顔が赤くなり、耳の先まで赤くなったのを感じるほど顔が熱くなる。竜が火を吹くように腹の奥底から声を出し、突き出されているボタンをこれでもかと言うほど強く押し付ける。

 

カチリ。

 

音がしてしばらくするとふっと頭が楽になる。見える世界もいつも通りで赤いボタンなど何もなかった。

 

「夢……だったのか?」

 

白昼夢かのように何もなく、今まで通りに映る。見回して異常がないことを確認したからか、ぷっと笑いが溢れる。なにか可笑しくてくすくすと笑いが出て、ついには声を出して笑ってしまっていた。

 

「っ……はっはっはっはっ……なんだ、何ともないじゃないか!」

 

笑いのあまり姿勢を崩して背中から壁によりかかる。ぎぃ、と音が後ろからしだした。

 

「は?」

 

まるで舞台のセットの書き割りようになっていた壁はいとも簡単に倒れていく。パタパタ、ゴトゴト、ガンガン、と激しくさせていく音と牢屋敷全体に響く地鳴り。そしてそこかしこから聞こえる少女たちの困惑の声、悲鳴。

屋根を支えるのは残り支柱だけ、ついにそこもグラグラと揺れ崩壊した。屋根が落ちてくる。立ちながら私は、あっけなく潰されるのかと思い目を瞑る。

顔に衝撃が走る。バリッと大きな音を立て屋根は私を突き抜けていった。そこかしこにほこりが舞いう。顔をこすれば煤が付いている。あたりを見回せば私と同じように顔を汚し唖然としている少女たちが立っていた。

ごほっと咳をして私は、つぶやく。

 

「だめだこりゃ」

 

 

 




もしもボタンを押したら。セットがぶっ壊れる。だめだこりゃ。
───大丈夫だよ。大丈夫だよ。だいじょうぶだぁ。
とメモしたネタからちょっと伸ばしました。
再放送しか見たことありません
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