まのさばで思いついた一発ネタ集 作:ないでーす!
「おいっす〜ココたんだよ〜お前らちゃんと見てるー?」
「──っつーわけで今日は終わり!明日も見ろよな!」
その日もココは配信を始め、何事もなく配信を終えて同接が増えないことに文句を言いながらも明日の配信のネタを考えていた。
「ふぁ〜〜……ねむ……」
疲れていたのか、いつもよりも眠気が強かったのでココはヘッドフォンを取らずにそのまま眠り始めた。キラキラとした光がココの頭付近で輝いたが、それに気付く者がいるはずもなくそのまま朝になった。
「やっほーココにゃんだよー今日は朝一番から配信していくから!ちゃんと起きてあてぃしの配信見ろよー」
いつもと少しだけ違う定型文にハンナはうん?と疑問を浮かべた。そして、良く良くココを見たことでそれに気づいた。
(え……!?動いてますわよね……あれ……)
配信中のココに、同じ監房にいるハンナから配信に差し障りない声で伝えられる。
「ココさん……!耳……!耳ですわ……!」
「は?耳?耳がにゃんだっての……そっちじゃにゃい?ヘッドフォンの飾り?」
配信画面のココは両耳を触り、きちんと2つあることを確認した。その後ハンナに言われた事、書かれたコメントにある通りヘッドフォンの猫耳の形の飾りを触ると、ふにふにと柔らかい感触があった。
「は!?にゃにコレ!?」
何度も触って確かめているがそれは本物の耳のようになっていた。ヘッドフォンを外そうと四苦八苦してる様が配信され続けていた。
「あー!もう!お前ら笑うなし!なんなんこれ!?もう!今日の配信は終わり!じゃあな!」
ギャーギャーと大騒ぎしながら一応ちゃんと配信を終わらせるココ。
「にゃんにゃんだよこれ!あてぃしどうにゃってんだよ!」
「ぶふっ……お、お似合いでしましてよ……くくっ」
「お嬢!笑い声聞こえてっかんにゃ!」
未だに耳を触り、外れないものかとヘッドフォンをいじくり回すココ。ハンナはクスリと笑いながらも外すのに協力していた。
「にゃーっ!もう、あったま来た!ぜってー外してやっからにゃ!」
「ココさん!どちらに行くんですの!?」
ハンナの問に答えることなくココは格子を開けて走り去ってしまった。監房に残されたハンナはポカンとしながらも身支度を整え、外に出た。
昼過ぎ。ハンナ、シェリー、エマの三人で集まって談笑をしていると、朝のココの話題になった。
「あれからココさんどうしてるんでしょうか?」
「さあ……食堂にも、ラウンジにも居らっしゃいませんでしたわね」
「どこ行っちゃったんだろうね?ココちゃん。ボク、心配かも」
「じゃあ午後はココさんを探しませんか?」
「そうしましょう。このまま放置してたら猫になってしまうかもしれねえですもの」
「あはは、それは……ないとは言い切れないかも……」
ラウンジを出て早速ココを探す三人。中庭を探し、医務室のメルルに聞いたり、図書室のマーゴに聞いたりするもののココの目撃情報は皆無だった。
三人はならばと外へ出て、花畑の方から探すことにした。
「おーい!ココちゃーん!……いない、のかなあ……?」
「まったく、どこに行ったのやら……あの猫耳に支配されて猫にでもなったんですの?」
「そう言えば私さっき猫を見かけました!森の方へ歩いて行ってましたよ!」
「きっとココちゃんだよ。……あっ、そうだ!ココちゃんはきっと還っちゃったんだよ……野生に……」
「んなわけねーっつの!」
花畑に隠れていたのか、ココがツッコミながら現れる。そして、エマの帽子を取り頭に何かをセットした。
エマの頭に付けられたのは猫耳があしらわれたヘッドフォン。ココに用意されていた衣装の替えのヘッドフォンだ。
「えっ!?」
スッと付けられたそれはジャストフィットした。エマは驚きながら猫耳を触って、ココのヘッドフォンだと分かってから手を猫の手にしてシェリーたちにアピールする。
「にゃくら羽エにゃだにゃ……なんちゃって」
「あら、似合ってますわよ」
「エマさん、お手!」
「それじゃ犬だっつーの」
場が和んだあと、エマは笑いながらヘッドフォンを取り外そうとする。が、
「にゃにこれ……外れないよ!?」
「これであてぃしの辛さがわかったにゃ!行くぞエにゃっち!」
「えっ……どこに?」
「決まってんにゃろ!仲間を増やすんだにゃ!」
猫の気持ちが入りこんだのかココはいつも以上に自由気ままに走り出す。何故かそれに釣られてエマも走り出してしまっていた。
「にゃあ!体が勝手に付いて行っちゃう!助けてハンにゃちゃん!シェリーちゃん!」
残された二人は唖然としながら見送っていた。
「……どうしましょうか?」
「害が無さそうならほっとけばいいんじゃないですの……?」
「あっ、にゃンにゃンちゃん!」
「……なんの遊びだ?」
妙な言い方をするエマを訝しむような目でアンアンは見つめる。横に立ったココがヘッドフォンをエマに手渡して命令し始めた。
「エにゃっち!それを付けてにゃか間を増やすにゃ!」
「う、うん!」
「なんなのだいったい……」
アンアンに付けられたヘッドフォンは頭からずり落ちて首に掛かった。ますます眉間にしわを寄せながらアンアンは二人を睨みつけていた。
「あ、あれ?おかしいにゃ……?」
「にゃにやってんだよ!こうだって!」
「……にゃんだと?」
ココが付け直すとピッタリとヘッドフォンはアンアンの頭にくっついた。
「貴様ら……にゃにをした……?にゃ?」
意味が分からないと混乱するアンアン。それを見てココはエマの手を取り、さっさと逃走し始めた。
「あばよ!よく似合ってるにゃ!」
「うわっと、ごめんねにゃンにゃンちゃん!」
しばらくして牢屋敷は猫屋敷になった。ココエマを筆頭にヘッドフォンを付けられて全員が猫耳を生やされた。
「にゃんでわがはいがこんなことを……夏目にゃンにゃンである」
「うふふ、宝生にゃーゴよ」
「黒部にゃノカ」
「チッ……紫藤にゃリサ……」
「遠野ハンにゃですにゃ……」
「たちばにゃシェリーにゃんですにゃ!」
「猫の私も美しいにゃ!蓮見レイにゃだにゃん!!」
「のあも名前ににゃんって掛けた方がいい?」
全員に猫耳が付いたその日ココは配信を始めた。全員が同接し、見守る中挨拶をしてから話し始める。
「猫屋敷の王の中の王ココにゃんだよー!あてぃしが最初に猫になったんにゃからあてぃしがボスってことでいいよにゃ!そんにゃあまずボスらしくお前らに命令しちゃおっかにゃ〜?」
その時だった。調子に乗りに乗ったココを見て苦笑いが出たせいか、たまたま魔法が切れたのか。少女たちの頭からスコンとヘッドフォンが外れ落ちた。
足元のそれは、もはやなんの変哲もないヘッドフォン。猫耳が動くこともなければ、頭から離れずにゃんにゃん言ってしまうこともない。
「───っつーわけでさあ……って、あれ?なんか、どんどん同説減ってんじゃん!おい!ちゃんと見ろよ!」
「はは…」
何日か後、ココだけがヘッドフォンを付けている、前までと同じ監獄生活。ココはエマを捕まえていた。
「ねぇ〜エマっち〜またあてぃしとおそろになろーよ〜一緒に配信しよーよ〜」
「また変なことになったら嫌だからボクはイヤかな……」
「そんなこと言うなって〜!それに今度はちげーから!ほら、見てみ!これ!」
ココが服の下から取り出したのは二つのヘッドフォンだった。いつもココが付けている猫耳の物ではなく、何故か犬の耳が施されていた。
「こないだから替えでこれが用意されててさー。これならまたバズれっから!な〜?いいっしょ〜?」
「そんな……渡されてもボク困っちゃうな……」
エマにヘッドフォンを押し付けておねだり攻撃をし続けるココ。しぶしぶ受け取ったエマを見て、満面の笑みで自分のヘッドフォンを付け替える。
「じゃーん!どうよエマっち」
ヘッドフォンを付けぐるっと一回りして見せる。エマはココの耳に注視していたが、やはりこれも魔法がかかっていたようで、ピコピコと動いていた。
「えっ!?ココちゃん!?」
「どしたんエマっち?あてぃしのかわいさにビビった?」
ニヤニヤとしながらココはエマを見つめる。エマはココの耳よりも下、腰を見ていた。
「あん?なんなん?なんかある?……げっ!」
前に何もおかしな点がなかったため、腰をねじりお尻の方を見るココ。そこにはぶんぶんと揺れる尻尾が生えていた。
「は!?なにこれ!?直に生えてんの!?……あっ良かったこれ触れない尻尾だわ。ってよくねーし!」
頭を抱えながらも尻尾を振り続けるココはボヤく。
「なんだよもー!またかよー!」
「でも何かあるのは期待してたでしょ?」
「うん。……って言わせんなよ!」
(ココちゃん喜んでるみたい……そうだ!)
「取ってこーい!なんちゃって……」
手渡されたヘッドフォンを中庭に向かって思い切り投げた。するとココは釣られるようにヘッドフォンを追いながら走り去ってしまった。
「どうしよう!?……でもココちゃんなら平気かも……」
日が暮れてシャワーを浴び、夕食を食べて監房に戻ったエマはスマホを確認する。ココは配信をしていなかったが、明日配信予定になっていた。それを見てエマは安心してぐっすりと眠った。
「どもども〜ココわんだわん!今日は新しい企画やっから!その名も……ココ掘れわんわん!どんどん採掘してくから見ろよな〜財宝が出てきたら全部あてぃしんだからな!」
翌日ココは犬系配信者として配信をしていた。転んでもただでは起きないようで、積極的に犬耳をネタにして配信をしていくようだ。
もしも用意されるヘッドフォンがうさぎ耳になってもキツネ耳になってもウマ耳になってもたぬき耳になっても……
「なあ、ココ。わがはい思いついたのだが、この皿をココの頭に乗せたらカッパになるのではないか?ココぐるまが駄目ならココカッパでいこう」
「喧嘩売ってんのかよヒッキー!カッパの鳴き声なんて知らねーよ!あと皿持ってくんなら白い皿にしろよ!黒い皿なんて新種のカッパかよ!」
「……」
「ボケといて引いてんじゃねーよ!もういいわ!」
相変わらずお祝いになってないけどなんとか出来たので投げました
来週再来週投げられたらいいなって思ってます