まのさばで思いついた一発ネタ集 作:ないでーす!
ヒロシェリーアンアンナノカの4人が生き残ったiみたいなのfです
「見ないで……くださいませ……お友達を……エマさんを殺してしまった、心も体も醜いわたくしを……」
「ハンナさん……」
魔女化していくストレスにより、魔女化がどんどんと進むハンナの手を見たエマ。見られたこと、魔女化の進行による殺人衝動でハンナはエマを殺害した。これが今回の裁判の真相だった。私はその時初めてエマが死んだことを実感し、エマが魔女ではない事実と向き合った。
「えー……では、刑を執行します」
ゴクチョーが気だるげに宣告し、ハンナは中央に現れた大きな長方形の箱のような装置に上から放り込まれる。
「ハンナさん!」
シェリーが処刑台に近づく。看守がすぐにハンナを押し止め、処刑を続ける。処刑台からはハンナの安心したような、くぐもた声が届いた。
「シェリーさん、近づかないでくださいまし……わたくし、ホッとしていますのよ……?もうあなたにこんな姿を見せずに済んで……」
シェリーは拳を握りしめ、その場に立ち止まった。看守は、それを見て邪魔をすることはないと判断したのかシェリーから離れる。
箱の蓋が閉められごうんごうんと揺れだす。洗濯機のように。中から小さな悲鳴がするがお構いなしに揺れは強くなる。
鈍い音が何度も響く。その度に、ハンナの耐えるような悲鳴も響く。何度も、何度も。悲鳴が獣の鳴き声のように変わり、最後は化物の雄叫びのようになったそれが止んだ頃、揺れは収まりだす。停止して、しん……としたのを確認してからゆっくりと箱は地下へと収まっていく。
「はい。無事なれはてとなったようです。それでは、私は後処理をするので……みなさん解散してもらって結構ですよ」
ゴクチョーが飛び去ってから生き残った私、シェリー、アンアン、ナノカは互いを見合う。
「ラウンジで今後のこと話しませんか?」
最初に口を開いたのはシェリーだった。皆が了承しラウンジへと向かう。重い足取りなのは私だけではなかったようだ。
「どうしましょうか?これから」
元気が取り柄のシェリーは笑顔ではあるが、語気がいつもより弱く気落ちしている様子だった。
「わがはいは……疲れてしまった。もとから出る気はないが、どうでもよい……」
アンアンがポツポツとつぶやくように話してからすぐにラウンジから出てしまった。あの様子では監房に戻るか、医務室のベッドで横になるのかも知れない。
「時間がもうあまりなくても私は諦めないわ。最後の瞬間まで……あなたはどうするの?二階堂ヒロ」
ナノカが私に聞いてくる。私はどうしたらいいのか?何をするのが正しいのか?考えがまとまらない。エマは正しくないはずではないのか?エマは魔女だったはずでは?じくじくと私の心を、エマに対する私の行動を振り返り、思考が責め立てる。頭の中がぐちゃぐちゃになりながらも何か言わなくてはと口が開かれる。
「私は……」
言葉に詰まる。
「……そう」
ナノカもラウンジを出ていった。残ったのは私とシェリー。静まり返った。目線が定まらずない私の目をシェリーは黙って見つめ続けた。
「二人とも行っちゃいましたね……そうだ、ヒロさん。私は解読を続けようと思います」
「解読……?」
何の話か分からない私。シェリーは話を続ける。
「はい。マーゴさんが見つけた魔女について書かれた本の解読です。今はエマさんとヒロさんが持ってるんじゃないんですか?」
「私は……知らない……」
「そうですか。ならエマさんのベッドにあると思います。一緒に来てくれますか?」
シェリーに連れられ監房へと戻る。ふらふらと歩く。本の事が頭に浮かぶ。なぜ私に黙って?しかし今ならその疑問の答えがすんなりと分かる。
(私に秘密にしていたことがあったのか……?いや、そうだな……あれほどエマの事を嫌っていたんだ。当たり前か……)
監房に着き、シェリーにエマのベッドは下だと伝えるとゴソゴソと探し始める。ポツリとシェリーは話し出す。
「ヒロさん。私、思うんです。もし、ハンナさんの魔女化の進行のことちゃんと気付けたのが私だったらって。もしもそうなったら……」
言葉を続ける前にあっ。と声を出す。探し物見つかったようだ。
「ありました。では、借りていきますね」
礼を言うシェリーが監房から出ていくのを見送り、私はエマのベッドに座り込んだ。昨日まであんなにうっとおしく感じていたエマがいない。あれほど心が逆立っていたのに今はとても静かに、正しく見えた現実がじんわりと締め付け、苦しくなる。
今ならば、今からならばまだ戻れる。しかしハンナは限界だったはず。戻ったところでエマが、もしくはシェリーが死ぬのはすぐだろう。私がハンナを殺したところで私が処刑され、その先エマたちがここを出られるかは分からない。戻ってエマに謝りたい。しかし……
どうしたらいいのか。答えが見つからない。正しくない私が悪かったのだと自責を止められない。涙があふれる。私にひどい仕打ちをされ傷つき泣きたかったであろうエマはもう泣けないのに、私が泣くなんて許されない。
ふと思いつく。今は、昨日までしか戻れない。魔女化が進めば魔法は強くなる。ならば、今は、できることをしよう。し続けて魔女化が抑えられなくなる前に、魔女になる前に【死に戻り】をする。少しでも前に戻れると信じて、少しでも多くの情報を持って、みんなのもとへ戻ろう。
立ち上がりシェリーを探そうとした瞬間、ゴクチョーのアナウンスが流れる。
『あ……皆さん、聞こえてますか?今後のことについて大事なお話がありますのでラウンジに集まってください。』
ラウンジにはシェリーだけがいた。ナノカはゴクチョーを無視し、アンアンは医務室で寝ているのだろう。
「やっと来ましたね、二階堂ヒロさん。黒部ナノカさんは……まあいいでしょう。これで揃いましたから。」
「あのー、アンアンさんはいいんですか?」
シェリーがゴクチョーにアンアンがいないことを聞く。
「はい、夏目アンアンさんはもう済ませましたので。」
済ませた。嫌な予感がする。
とっさにシェリーが身構え、出入り口を塞ぐ看守に飛びかかる。しかし、シェリーはどさりと倒れ込む。
「あれ……?」
耳を済ませるとシュー、と音がする。そして妙な匂い。頭がクラクラとしだし、私も立っていられなくなる。
(これは……睡眠ガス……か?)
意識が朦朧とする。ゴクチョーの声が淡々と聞こえてくる。
「あのー、今回はもういいそうなので、処理することになりました。それでは、さようなら」
運び出されたヒロとシェリーは【特別な絞首台】で処理された。ナノカもすぐに処理されるだろう。ゴクチョーが万年筆を拾い上げたあと、誰もいない裁判所にくすくすと笑い声が響いた。少しして笑い声は止み、窓の締め切られた部屋の中に一つため息のような風がどこからか吹いた。
超高校級のクリーニング屋みたいなのが処刑されたら、
洗濯機でブン回されて乾燥をスチームでされてパッケージングされて最後帰り道で溝に落としちゃったみたいなのありそうだなと思いました