そういえばあらすじの欄寂しかったから書いてみたよ
こんな感じでいいのかな?
キヴォトスの空よりも高い場所。全領域ステルスによって世界から隔離された我が家――宇宙戦艦「ソラノミ」の観測室は、不気味なほどの静寂に包まれている。だが、私の目の前のモニターには、決して静寂とは呼べない凄惨な光景が映し出されていた。
セイアが視た、確定した絶望。降り注ぐミサイルと、瓦礫の山に変わる古聖堂。
「……セイカ。やはり、何度計算しても、既存の防衛システムではこの物量を捌ききれないわ」
隣で端末を叩き続けるリオの声は、純粋な焦燥と責任感に満ちていた。私は耳元の三日月を指先で揺らし、冷徹に、けれど確信を持って彼女に答えた。
「ええ、分かっています、リオ。……神の裁きのように降るミサイルを、地上で盾を構えて待つなど、非効率の極みです。解決策はただ一つ。……絶望が空を裂く前に、その因果ごと、空の彼方ですべてを『消去』する。物理的な消しゴムによってね」
私は隣に立つ娘、ケイを見上げた。彼女の無機質な瞳の中にも、私が作り上げようとしている「合理の具現」への期待が宿っているように見えた。
「お父さん。地下工廠にて、機動迎撃ユニット『メテオストライカー』の全モジュールの最終結合、完了しました。……ですが、エネルギー系統には、未だ致命的な懸念が残っています」
「……例のコアのことですね。行きましょう、ケイ。私たちの『奇跡』に、心臓を動かす許可を与えに」
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地下工廠のハッチが開くと、そこには私の意志そのものと言えるユニットが鎮座していた。
水色を基調とし、鋭い黒の差し色が走る装甲。それはソラノミに使用している装甲を惜しみなく注ぎ込み、一機の機動兵装へと凝縮した、私の誇り。
「……これが、あなたたち……。随分と……美しくも恐ろしいものを作ったのね」
背後で息を呑むリオに、私は愛機を紹介した。
「ええ。対因果律・高機動迎撃ユニット『メテオストライカー』です。左右の巨大なアームユニットは、メインフレームによって強固に接続され、キヴォトスの兵器概念を根底から塗り替えます」
私はその巨大な砲口を愛おしむように見つめた。
「主武装、120cm高エネルギー収束火線砲。核エンジンを直結させたその出力は、戦艦クラスの一撃に匹敵します。ミレニアムの『光の剣:スーパーノヴァ』……アリスの持つあの武器すら、出力においては遥かに凌駕する。現時点で、このキヴォトスにこれを超えるビーム兵器は存在しません。そして、近接戦闘においても、ルミナス・コアの機構から捻出される巨大なビームソードが、あらゆる不確定要素を断ち切るでしょう」
さらに私は、機体各所に潜む無数の「針」を示した。
「60cmエリナケウス ミサイル発射管。アーム部とメインユニットを合わせ、計77門。赤外線誘導の精度を極限まで高めたこの『ハリネズミ』が、アリウスの放つ絶望を空中で完璧に迎撃します。
そして、この火力を支えるのが、本来は完成しているはずだった『ルミナス・コア』なのですが……」
私の視線の先、メインユニットの中央には、まだ何もはまっていないスロットがあった。
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「セイカさん、お待たせいたしました。……お掃除の前の、最後の『劇薬』が届きました」
アカネが、厳重に封印されたキャリーケースを運んできた。ケースが開かれると、中から溢れ出したのは、私の視界を蒼く染め上げる、暴力的なまでの輝きだった。
「……ルミナス・コア、
私は自らの手で、その脈動する光の塊を掴んだ。試作品ゆえの過剰な熱と不安定さが、防護手袋越しに私の魂へと語りかけてくるようだった。
「お父さん。ルミナス・コア・プロトタイプを換装した場合、エネルギー効率の最適化は不可能です。暴走の危険性は常に80%を超え、長時間の戦闘は機体そのものを内側から焼き切るかもしれません」
「……そんな不安定なものを組み込むなんて、合理的ではないわ。セイカ、あなたらしくない」
リオの言葉に、私は不敵な笑みを返した。
「いいえ、リオ。これこそが最高の『合理』です。……0%の完成を待って全滅するよりも、68%の可能性を握って地獄へ飛び込む方が、よほど私らしい。足りない安定性は、私の演算と、ケイの制御で埋めればいい。……ルミナス・コア、装填!」
――ガチリ、という重厚な結合音。
瞬間、メテオストライカーの全身を駆け抜けたのは、静止軌道上の闇を塗り潰すほどの蒼い衝撃波だった。
「……全システム、強制起動! 120cm高エネルギー収束火線砲、臨界点突破! 93.7cm高エネルギー収束火線砲、速射モード待機! エリナケウス、全77門、セーフティ解除!」
ケイの叫びと共に、メテオストライカーが力強い「鼓動」を始めた。テールスタビライザーが蒼い炎を噴き、サブスラスターが私の意志に従って咆哮を上げる。この試作型ルミナス・コアによる膨大な余剰エネルギーがあれば、長時間の高機動戦闘すら可能だ。アリウスのミサイルなど、一欠片も地上へは通さない。
私はメテオストライカーの水色の装甲に触れ、その熱を感じた。
「そして、このユニットにはまだ隠された力があります。……背面のフィンファンネル接続口。ここに全ての遠隔操作兵装を同期させ、私の持つメテオバスターライフルを固定砲台として合体した時……」
私の紫色の瞳を、ルミナス・コアの輝きと共鳴させるように細めた。
「……ルミナス・コアの全出力を一点に集中させ、予知された絶望の因果ごと、敵の戦力を消滅させる。……これこそが、私たちが用意した『奇跡』の正体です」
通信モニターに映るセイアは、呆然とした、けれど救われたような表情で私を見つめていた。
「セイア、君の目は絶望を視るためにあるのではない。私たちが勝利を刻むための、最高の
私はメテオストライカーを背負い、操縦桿を握りしめた。
「アカネ、当日の補給と降下地点の確保を。ケイ、ルミナス・コアの暴走を0.01秒単位で制御しなさい。リオ、あなたは……その最高の頭脳で、私の背中を支えてください。……いいですね?」
「……ええ。あなたのその『わがまま』に、最後まで付き合ってあげるわ」
リオの力強い言葉を背に、私はソラノミのハッチを開いた。
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宇宙の闇の中、見下ろすのは数日後に戦火に包まれる運命にある、穏やかなトリニティの街並み。
水色と黒の装甲を纏ったメテオストライカーは、未完成の心臓を激しく脈動させながら、出撃の時を待っている。
「……誰も死なない、誰も傷つかない。そんな都合の良い『奇跡』を、数字と鋼鉄で証明してあげます」
私は深く息を吸い、蒼い熱量の中に身を浸しました。耳元の三日月が、暗闇の中で勝利の輝きを放つ。
「……さあ、世界を欺きに行きましょうか。私たちの、非論理的で、最高に合理的な回答を示しに」
宇宙の闇を切り裂き、蒼い尾を引いて墜ちていく一筋の彗星。
それは、絶望の未来を粉砕するために私が放つ、人類最高の「合理」の輝きだった。
エデン条約調印式まで、あと、わずか。
私と家族と友人の、未完成の神話が、今、始まる。
メテオストライカーのイメージはガンダムseedのミーティアユニットです
感想とか評価が欲しいな♡
本当にこんなの書いた方がいいんですかお母さん……