冥王星の彼女   作:メリーさんのアモル

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 前々から構想していたのに、構想だけせずに書かないでいたら「いい加減書け」と怒られてしまったので書きました。
 まだプロットが完成していないので半ば行き当たりばったりですが、よろしくお願い致します。


第一話「登校風景」

 ゲイムギョウ界。

 国を守護する守護女神の元にメーカーキャラ達が集う異世界。

 今のゲイムギョウ界には四人の女神が君臨し、それぞれ国を運営している。

 女神ブラックハートの治める今最も勢いのある東方の国、ラステイション。

 女神ホワイトハートの治める古き歴史を持つ北方の国、ルウィー。

 女神グリーンハートの治めるユニークな特徴を数多持つ南方の島国、リーンボックス。

 女神パープルハートの治める西方の国、プラネテューヌ。

 そして、大陸の中心部にはどの国からも通える大陸随一の学園「ゲイムスクール」が存在していた。

 

「起きて、プルルート。朝だよ」

 そんなプラネテューヌのとある民家で、あなたはベッドに寝そべる少女の肩を揺らしていた。

「んー、もっと寝てたいよ〜」

 とても長い薄紫の髪を持つ少女は布団にかじりつくように離れようとしない。

 まだティーンエイジャーの少女の部屋に同じ年頃の少年が侵入しているという事態はともすれば、少女側がもっと危機感を感じても良いはずだが、少女――プルルートはそれを意に解する様子もない。

 それどころか、必死で起こそうとするあなたを、プルルートは抱きしめてベッドの中に引き込んでしまう。

「あーくんも〜、もうちょっと〜、寝ていようよ〜」

 プルルートに抱きしめられて撫でられると、なんだか無理にプルルートを起こすのも申し訳ない気がしてくる。

「そうだね。それもいいよね」

 あなたはそう頷いて、プルルートの背中を撫でる感覚に身を任せて目を――。

「いいわけないでしょ!!」

 閉じる前に、布団が強引に引き剥がされた。

 振り向いたあなたの視界に、黒髪をツインテールにした少女が立っていた。

「ノワールちゃん〜、寒いよ〜」

「寒いよー、じゃないわよ。もうスクールバス来てるわよ! プルルートは髪を結うのも時間かかるんだから、急いで起きなさい」

 ノワールちゃん、と呼ばれた少女が大きな声を出して、二人の覚醒を促す。

「あとあなたも、いくら幼馴染だからって、恋人でもない年頃の女の子のベッドに入るなんて流石に常識がなさすぎよ」

「あーくんは〜良いんだよ〜。わたしが〜引き込んだんだし〜」

 ほわほわした声を吐きながら、プルルートがベッドから降りる。

「ごめんよ、ノワール。ボクが不甲斐ないせいでわざわざ迎えに来てもらっちゃって」

 あなたもベッドから降りて、黒髪の少女、ノワールに謝罪する。

「ほんとよ。ちゃんと起きなさいよね」

 まったく、とノワールが腕を組んで溜息を吐く。

「朝ごはんは作ってあるよ」

「うん〜、ありがとう〜、あーくん〜。あ、食べてる間に髪編んでよ〜」

 プルルートはあなたが作ったスクランブルエッグ乗せトーストを食べながら、そんな事をいう。

「うん、分かったよ」

 あなたはプルルートの言葉に頷いて、プルルートの薄紫の髪を三つ編みにしていく。

「本当、仲いいわよね、あんた達。いくら幼馴染といっても男の子に髪を触らせるとか普通しないわよ」

 再び、ノワールが溜息を吐く

 プルルート、ノワール、そしてあなたの三人は所謂幼馴染だ。

 だが、プルルートとあなたの仲は特別よく、ノワールは時々疎外感を感じてしまう様子だ。

「恋人ってわけでもないのに」

 ノワールの言葉に、内心あなたは心が痛む。あなたは恋人にしたいという意味でプルルートが好きだった。

 けれど、ほんわかしたプルルートの気持ちはよくわからず、あなたはそれ以上に踏み込めずにいた。

 ノワールに言わせれば、二人の関係は十分に恋人にふさわしいのだが、あなたにしてみればそれはプルルートの警戒心が薄いだけであって、関係が深いからではないと思っていた。

 やがて、プルルートは食事を終え、あなたもプルルートの長い髪を編み終えた。

「じゃ〜いこっか〜。急がないと〜、スクールバス行っちゃうよ〜」

 そういって、プルルートが微笑む。

「いや、あなたが起きなかったから遅れてるのよ!」

 そんなプルルートにノワールがツッコミを入れつつ、三人は家を出て、スクールバスの停留所に向かう。

 だが、停留所にはもうバスは止まっていなかった。

「あ〜、今日の運転手さんは〜、せっかちだったんだねぇ」

「ごめん、ボクがもっと強引に起こすべきだったよ」

「ううん〜、あーくんはあたしのために頑張ってくれたんだもん〜、気にしなくて良いんだよ〜」

 プルルートがあなたの頭を撫でる。

「いや、あなたが気にしなさいよ!」

 ノワールが鋭くツッコミを入れる。

「はぁ、どうすんのよ、歩いていったら遅刻どころじゃないわよ」

 ゲイムスクールのある大陸の中心部は、山間の地形で、歩いていくのは大変だ。

「じゃあ〜、飛んでいくしかないねぇ」

 そうプルルートが笑う。心なしか嬉しそうだ。

「待って、私が運ぶわ! 私が運ぶから女神化は待って!」

「え〜、持ち上げられると〜、腕が痛くなるから嫌なんだけどなぁ」

 ノワールの提案に、プルルートは不服そうだ。

「あはは、でも、ボクもノワールに運んでもらうほうが良いかも……」

 だが、プルルート全肯定に近いあなたもプルルートよりノワールの提案に賛成だった。

「行くわよ、アクセス!」

 ノワールがそう宣言すると、ノワールが光りに包まれ、その髪色は白く染まり、服は黒一色に青い結晶の翼が出現する。

 女神化。

 女神としての因子を持つ存在が、その能力を最大限に引き出すプロセッサユニットを装着した姿に変身する行為である。

 学生であるノワールは、実は同時にラステイションの女神ブラックハートでもあった。

「さぁ二人とも、私の手を取りなさい。ゲイムスクールまでひとっ飛びよ」

 かくして、ブラックハートはプルルートとあなたをそれぞれ片手ずつにぶらさげて、空中に飛び上がった。

 とはいえ、流石に小柄な方とは言え、二人の人間を運ぶのは大変なようで、ブラックハートはあなたの知るような高速飛翔ではなくよたよたとした飛翔になっていた。

「ノワールちゃん〜、やっぱりあたしも飛ぶよ〜」

「こ、これくらい……大丈夫よ……」

 その言葉からは自信家なブラックハートからいつも感じる威厳がなかった。

 実は、プルルートも女神化することが出来る。

 だが、ノワールがブラックハート化することで、より自信家な性格になるように、女神化には性格の変化が伴う。

 プルルートの性格変化はほんわかした普段の彼女からは想像できないほどに鋭く、周りにいる人間を傷つけかねないものだった。なので、ノワールもあなたもプルルートが女神化するような事態は可能な限り避けたいと思っていた。

「でもぉ〜、このまま、ノワールちゃんに迷惑かけるのもぉ、なんか違うってもうしぃ」

 少しプルルートの語尾が強くなっている。

「このまま二人でぶら下がっているのもぉ、正直辛いっていうかぁ」

「ちょっと!! 本当に女神化したら駄目だからね! 絶対に駄目だからね!」

 プルルートの普段抑えている本性が出かかっているのを感じて、慌てたノワールが念押しに言う。

「そうだよ、プルルート。駄目だからね、絶対。駄目だよ」

「もー、あーくん、ノワールちゃん、そんなにダメダメって言うなんてぇ〜、フリかな?」

 ニッコリと微笑むプルルート。

「フリじゃなーい!!」

 二人の声がハモる。

「も〜、二人だけ仲良しさんだぁ」

 不満そうにより語尾を強めるプルルート。

 場の緊張が一気に高まる。

「まったく、こんな事だと思ったわ」

 そこにもう一人の女神が現れる。

 紫色の髪に、紫色のボディスーツを身にまとった彼女は。

「あー、ねぷちゃんー」

 嬉しそうにプルルートが笑う。

 プラネテューヌの女神、パープルハートである。

「流石にノワールだけで二人を運ぶのは無理だと思って、様子を見に来たけど、正解だったわね」

 そう言って、パープルハートがプルルートを抱える。

 それを受けて、ブラックハートがあなたを抱え直す。

 やがて四人の視界に大きな学校が見えてくる。

 四カ国から人々が集まり、国の代表たる女神さえも通っているマンモス校。

 ここがこの物語の主な舞台となるゲイムスクールである。

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