それから数日後。プラネテューヌの空港。
「ふわぁ〜」
とあくび一つするのはプルルートだ。
「眠そうだね。教会のベッド慣れない?」
「ううん〜。ふかふかで寝心地良いよ〜。でもぉ〜、お休みの日にこんな朝早くに起きるのは〜、だる〜ん」
あなたが問いかけると、プルルートはそう言って溜息をついた。
「確かにねー。私も女神じゃなかったら寝ていたいよ」
隣に並んでいるネプテューヌがそう言って笑う。
「ネプ子は普段からサボってばっかりでしょ」
そこにアイエフが鋭くツッコミを入れる。
「ねぷねぷはぷるちゃんが来てからお昼寝が増えたです」
アイエフの言葉に同意するように笑うのはコンパ。ゲイムスクールの看護科の学生で、アイエフとともに教会に住み込んでいる。
「確かに、ネプテューヌさんが部屋にいること多いかも……」
「そういうあーくんはー、部屋にいないこと多いよね。コンパの料理を手伝ってたりしてさ」
二人の言葉にあなたが苦笑すると、ネプテューヌが言い返してくる。
「あーくんは〜、あたしのお世話係だからね〜」
「ネプギアにお世話されてる私がいうのもなんだけどさー、ぷるるんはそれでいいのー?」
「ほえ〜? なにがぁ〜?」
言っている意味が分からない、とプルルートが首を傾げる。
「あぁ、全然気にならないんだ。あーくんも大変だねー」
恐らくネプテューヌが言いたいのは、パートナーであるあなたがコンパという別の女性と二人っきりになっていて平気なのか、ということだとあなたは判断した。
今のところ、プルルートはその辺り気にしている様子はない。
「まぁ、今更だよ。毎晩抱き枕にされているし」
異性扱いしてたらそんなことはしてこないだろう。
「ねぷっ!? 二人とも一緒に寝てるの? しかもぷるるんがあーくんを抱きしめてるの?」
あなたの言葉にネプテューヌが驚きをあらわにする。
「あ、お、お姉ちゃん、来たみたいだよ」
けれど、その話を深堀りする前に、ネプギアが話に割り込んでくる。
「おっと、流石にしっかりと立ってないと、後でいーすんに怒られちゃうね」
「いや、もう結構怒り心頭でこっちを見てるような……」
ネプテューヌがびしっと気をつけするのに、ネプギアが苦笑する。
「だる〜ん」
「ほら、もう少しだから、プルルートもしっかり立って。終わったらゆっくり昼寝できるはずだからさ」
その隣で、プルルートがうなだれた様子なのを、あなたが激励する。
「そっか〜、お昼寝か〜。約束だよ〜、一緒にお昼寝しようね〜」
「え、いや、ボクはステイしに来る子と多分何かしらやり取りが……」
「嫌なの〜? じゃあだる〜ん」
「そ、そんなことは。もちろん、一緒にお昼寝しようね」
そう約束することで、ようやくプルルートはやる気を出して、ビシッと気をつけした。
(はぁ、結局、プルルートを甘やかしちゃってる気がするなぁ。これでいいのかな……)
本当なら課題を達成する過程で、あなたはプルルートをブレーキさせられるようにならなければならないはずだ。まさにその課題が今日から始まるはずなのだが。
(大丈夫かな……)
そう心配している間に、ターミナルからピンク髪をポニーテールにした少女を先頭に、少年少女の一団がやってくる。
「ようこそ、プラネテューヌへ。ぴーしー大陸の留学生を四カ国を代表して歡迎します」
「ぴーしー大陸の女神候補生・マホ以下留学生一同、プラネテューヌの歓迎に感謝します」
技術交流で既にぴーしー大陸と交流のあるネプギアが代表して挨拶すると、ポニーテールの少女、マホが応じる。
「実際の学校は明後日からになります。皆さんには各自分かれてホームステイ先に向かって頂き、明日は一日かけてステイファミリーの環境に慣れて体を休めて下さい」
ネプギアが事前に決まっているセリフを淀みなく読み上げていく。
説明が終わると、場は解散となる。
空港のロータリーに待機していたプラネテューヌの貸切バスが留学生達をステイファミリーの元に運んでいく。
「ふぅ、終わった終わった。ぷるるん、帰ってお昼寝しよー」
「うん〜、三人でお昼寝だ〜」
ネプテューヌが伸びをして、プルルートを誘うと、プルルートも嬉しそうに頷く。
「あ、待ってお姉ちゃん」
そんなネプテューヌをネプギアが呼び止める。
「ネプテューヌさん、改めて自己紹介させて下さい。私はぴーしー大陸の女神候補生で……」
「あー、かたいー、かたいよー。もっとフランクでいいからー」
マホが丁寧に挨拶するのを、ネプテューヌが止める。
「あ、そう? じゃあ、あーしはマホ。よろしく、ねぷちー」
「おぉ〜、本当にフランクだ〜」
ネプテューヌの言葉を受けて一転フランクになった様子に、プルルートが面白そうに笑う。
「そっちはぷるちーでいい?」
「うん、それから、こっちはあーくんだよ〜」
「あ、あなたです。よろしくお願いします」
プルルートとあなたもマホに挨拶する。
「うん、よろしくー。それでね、ぷるちーとあーくんのところに行く留学生の話なんだけど」
「あれ、てっきりマホちゃんのことだと思ってたけど、違うの?」
ネプテューヌが首を傾げる。
「あーしも教会のお世話にはなるけど、留学生は別だよ。この子なんだけど……、あれ、いない」
目をまん丸くしてマホが周囲を見渡し、そして空港のお土産屋さんで視線が止まる。そこには黄色いハチのような島縞模様の服装のプルルート以上に小柄な少女がお土産のお菓子を眺めていた。
「こらー、ぴーちー、勝手にどっか行っちゃ駄目っしょー」
「まほ、はなしながい! おなかへった! おかしたべたい!」
その少女にマホが駆け寄っていくと、少女はそんな言葉を返す。
「あーもー、この子は。あ、ぷるちー、あーくん、この子が二人のところにホームステイするピーシェちゃんだよ」
その言葉に呆れつつ、マホはピーシェの背後に回りながら、プルルートとあなたに紹介する。
「しょ、小学生?」
「うん、初等部所属だよ。もう分かったかもしれないけど、ちょっと手がかかる子でね。女神様でないと持て余しちゃうんじゃないかな〜って思ってたんだ。ぷるちーがいてくれて助かったよ」
驚いたあなたにマホが頷く。
「うわ〜、可愛い〜。プルルートです〜、よろしくね〜。こっちはあーくんだよ〜」
「ぷる……ると? ……あーくん」
「あ、あーくんを名前だと思われた気配を感じる」
「ぴーちー、今日からこの二人が親代わりだからねー」
「ぷるるととあーくん……おや! ……おなかへった!」
マホがそう言ってピーシェに言い聞かせると、ピーシェはすぐにプルルートとあなたに向かって空腹を訴える。
「うん〜。じゃあ帰ったら、あーくんにおやつ作ってもらおうね〜、その後はお昼寝しよっか〜」
「おひるね! する!」
(意外とプルルートとは相性がいいのかな……)
かくして、プルルートとピーシェとあなたの三人の同居生活が始まろうとしていたのであった。
と言うわけで、ピーシェが登場です。
ピーシェはPCエンジンというPCがついてるハードが元ネタではありますが、果たしてぴーしー大陸出身と言う設定は如何なものか。
どうか寛大な心で許して頂けると幸いです。