知らない新フォーマット(スタンダード)で強制意味深ライバルムーブをさせられる系転醒者   作:異合バトスピスキー

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新フォーマット開始記念の一発ネタ。

脚注は特に見なくても問題ありません。



スタンダードなバトスピ 『コウハ視点』

 

 

 

 ふと、目が覚めると虹色の空間だった。

 

 赤、紫、緑、白、黄、青…

 

 全然虹色じゃなくね。というか6色しかないし。

 

 でも、これは…

 

 「馴染みのある色だな。」

 

 この配色、バトスピの6色だ。

 

 「さっすが〜。よく気が付いてくれました。」

 

 「うぉっ!?誰!?」

 

 「私?私は神さ!」

 

 ここで自称神の登場か。夢にこんなのが出てくるとか、疲れてんのかな。

 

 「うさんくさいな。というか、人の夢に出てこないでもらって良いです?」

 

 「酷いっ!?せっかく死んじゃった君の魂を拾い上げた命の恩人、いやいや魂の恩人だっていうのに!」

 

 やけに芝居がかった口調で神とやらがオーバーリアクションを決める。が、そんなことはどうでもよくなる情報が飛び込んできた。

 

 「俺、死んだの…?マジで、死んだんですか…?」

 

 「うん。それはもうサックリ、ポックリと。」

 

 「どうにか、なりません?こう、神様なら復活させてくれたり。」

 

 神様というならどうにかならないのか。いや、自称神からの死亡宣告なんだけど。でも、一向に目覚める気配が無いし。今さらだけど冷静になってみると、今の俺って身体無いし。

 

 「無理だねー。私、神って言っても君の世界の神じゃないし。というか、君の世界神様多すぎ。こうやって君とコンタクト取るのも大変だったんだから。」

 

 「そんな、俺まだバトスピの新弾開けてないんですよ!?」

 

 俺の口を衝いて出たのは買ったはずの新弾に対する後悔。普通なら家族とか友達とかの事が先なんだろうけど、天涯孤独で普段話すのもショップバトルの常連さんぐらいなもんでね。

 

 「そこでバトスピの話が出てくる辺り、筋金入りだよねー。でも、分かる。私だってそんなタイミングで死んじゃったら口惜しいもの。」

 

 「それなら…!」

 

 「生き返らせるとかは無理だって。でも、そんな君に朗報です。」

 

 生き返らせてくれる訳でも無いなら何の為に出てきたんだ、この神。と思い始めたところで告げられる朗報という単語。

 

 「生き返れる訳では、無いんですよね。」

 

 「それは無理。っていうか、無理して敬語使わなくて良いよ。私みたいなチャランポランに敬意とか持てないでしょ。」

 

 あ、敬語使わなくて良いのか。なら、遠慮なく。

 

 「じゃあ…正直、何の為に出てきたんだよと思ってる。あと、チャランポランの自覚があるなら何とかした方が良いとも思ってる。」

 

 「うわぁ〜、傷つくなぁ。これはペナルティだね。」

 

 「…ペナルティ?」

 

 敬語使わなくて良いって言ったのはそっちだろ!?これ、完全に誘導尋問じゃねぇか。

 

 「敬意を払わなくて良いとは言ってないんだよね〜。はい、神罰。神罰。」

 

 「痛っ…くはないが。お前、今何をした。」

 

 「神罰で〜す。そんなことはともかく本題に戻ろうか。」

 

 本題?そういえば朗報とか言ってたっけか。

 

 「君を元の世界へ生き返らせるのは無理だけど。君には私の世界へ転生して貰います。わー、ぱちぱち。」

 

 「は?私の世界?何を言っている?」

 

 「そのままの意味だよ☆言葉で伝えるのも面倒だし、これ以上は直接見てもらった方が早いでしょ。という訳で、私の世界へご招待〜。…ネクサス『私の世界』って強そうじゃない?」

 

 せめて俺の同意を、とか。裏面は何にするつもりだ、とか。オリカード止めろ、とか。取り留めもなく浮かんだ思考と共に俺の意識は6色の光の中へ溶けていった。

 

 

 

 ここはカードショップの前か?というか、服装が変わってるじゃねぇか。結構お気に入りの服だったのに。というか…

 

 「放り出された、か。」

 

 『あっ、最初のバトルまでは私がサポートしてあげるよ。やって欲しいこともあるしね〜。』

 

 「やって欲しいこと?」

 

 普通にいるんかい。でも、この自称神もどきがやって欲しいことなんて碌なもんで無いだろ。めちゃくちゃ嫌な予感がする。

 

 『うんうん。まずはこの世界の主人公ちゃんと出会って貰います。』

 

 「主人公…?」

 

 『そういえば、この世界の説明はしてなかったっけ?この世界はバトルスピリッツ至上主義。全ての事柄はバトルスピリッツで決まる。まあ、簡単に言えばホビーアニメみたいな感じだね。』

 

 「最高だな。」

 

 バトスピやりまくれるって事だろ?勉強も就職も気にしなくて良い訳だ。それはそうと、説明は一切されてないけどな。

 

 『説明なら今したんだから良いじゃない。でも、学校には行って貰うよ〜。バトスピ部もあるからね。』

 

 勉強からは逃れられないのか…。というか、人の脳内を覗き見るな!

 

 『私は君の脳内へ直接語りかけています。…だから、今の君はカードショップの前で佇んで1人ブツブツ言ってる変な人ってわけ☆』

 

 先に言え!よく見たら周りからめっちゃ変な人を見る目で見られてんじゃねぇか!

 

 『とりあえず入ったら?主人公ちゃんも店内にいるはずだし。』

 

 「は…」

 

 あっぶね。また口に出すところだった。はいはい、分かりましたよ。とりあえず店内に入ってと。

 

 『限定ショップバトルの受付してね〜。あ、今やってるショップバトルは1つだけだからショップバトルの申し込みで通じると思うよ〜。』

 

 限定ショップバトル?よく分からんが普段のデッキ使って大丈夫か?

 

 『ダメで〜す。というか、元の世界のデッキは基本的に使えませ〜ん。』

 

 ふざけんな、お前。俺のデッキを使わせろ。

 

 『いや、転生で世界間を移動してるからね。持ち込ませてあげただけでも感謝して欲しいぐらいなんだよね〜。というか、君のデッキが使えないのはルール上の問題だから諦めて☆』

 

 ルール上の問題?それならデッキはどうすんだよ。

 

 『言ったでしょ、限定ショップバトルだって。配布されたデッキで戦う形式だから問題な〜し。さあさあ、さっさと受付しちゃって。』

 

 はいはい、わかったよ。俺もいい加減バトスピやりたいし。

 

 「ショップバトルの申し込みに来た。デッキは用意された物を使うんだったな。当日の申し込み

でも問題ないか?」

 

 「はい、問題ありませんよ。デッキは6色ございますが、何色にされますか。」

 

 「白で頼む。」

 

 あれ?俺の口調おかしくない?こんな高圧的に言ったつもりないんだけど。しかも、普通に赤使いたかったんだけど。

 

 『さ〜て、乱数調整乱数調整。主人公ちゃんと1回戦で当たって貰わないとね〜。』

 

 聞けよ。

 

 「お名前をこちらにお願いします。」

 

 「あぁ。」

 

 あぁ、じゃないんだけど!?元の世界…前世?の名前を書けば良いのか。

 

 「『古根 コウハ』様ですね。間もなく始まりますので、こちらの番号の席でお待ちください。」

 

 誰!?

 

 『面白いことを言うね。これが君の名前じゃないか。』

 

 んな訳あるか。俺には『  』って名前が…何かしやがったな。

 

 『言ったでしょ転生だって。元の世界からそんなに持ち越せないんだよ。君のバトスピ知識をフルで持ち越したら容量もう満タンでさ〜。』

 

 だからって、この名前は無いだろ。バトスピでネーミングセンス学び直せ。

 

 『転醒凡人ジーク・サジット・コウハーとかの方が良かった〜?』

 

 このままで良いや。なんだその名称サポートを受けるのに命かけたネーミングは。そこまで言ったら漢字部分も冥府とか紅蓮とかにしろよ。

 

 『盛りすぎでしょ。ともかく座って座って。ほら、主人公ちゃんが〜…まだ来てないみたいだね?』

 

 大丈夫かよ。さっき乱数調整とか言ってたけど、ミスってんじゃないのか。

 

 「ごめんなさい、寝坊しちゃいました!」

 

 『お、来たね〜。彼女がこの世界の主人公ちゃんだよ。名前は本人から聞いてね〜。』

 

 めっちゃ髪赤いな。流石ホビーアニメ世界。

 

 『鏡を見ることをオススメするよ☆』

 

 お前、俺の黒髪にも何かしやがったのか!?今まで一度も染めたこと無かったのに。

 

 「他の方はもう揃っていますよ。申請はこちらのデッキでしたね。番号は…あちらの席に座ってください。」

 

 「ごめんなさい〜!」

 

 めっちゃ怒られてるよ…あの娘が主人公で大丈夫?というか、本当に主人公?

 

 『失礼な事言うね。正真正銘、私が選んだ光る原石の主人公ちゃんだよ。』

 

 こんなのに目を付けられるとは俺と同じく可哀想に。っと、こっちに来たみたいだな。

 

 「遅れちゃって、ごめんなさい!初めての大会が楽しみすぎて中々眠れなくて…」

 

 「別に構わない。始める前にデッキを確認するか…?」

 

 「いえ、大丈夫ですっ!事前に勉強してきたので!お気遣いありがとうございますっ!」

 

 俺の変な口調も気にせずに、めっちゃ元気にシャッフルしてる。というか、俺が自分のデッキを確認したかっただけなんだよなぁ…

 

 「そうか、なら始めるとしようか。」

 

 「今回は入り口側の席に座っている方が先攻となります。」

 

 俺が先攻か。さて、どうするかな。完全にこのデッキ初見なんだよなぁ。

 

 「それでは、ゲートオープン…」

 

 「「「界放!」」」

 

 うーん、これこれ。バトスピと言えばこの掛け声よ。

 

 「よろしくお願いします。」

 

 「よろしくお願いしますっ!」

 

 大会初めてっていうから完全な初心者かと思ったけど、意外と手慣れてるな。

 

 「…あの、手札もう1枚引かないんですか?」

 

 え、手札3枚に契約カード*1が1枚の計4枚だろ?もう1枚って…あぁ、そういえば契約カードをデッキから分けて無かったか。

 

 『契約カードは無いよ。』

 

 おいおい、マジかよ。配布デッキとはいえ、それはピーキー過ぎないか?もしかして、それに変わる新ギミックがあるとか?

 

 『いやいや、この世界に契約カード自体が存在しないんだよね〜。』

 

 は?

 

 『あと、ブレイヴ*2とバースト*3とアルティメット*4と異魔神ブレイヴ*5と創界神ネクサス*6と転醒カード*7とミラージュ*8とか諸々無いよ。』

 

 

 は??

 

 『君のデッキはルール上の問題で使えない、って言ったでしょ?』

 

 おいおい…

 

 『これがこの世界のバトスピのスタンダードなんだよね〜☆』

 

 俺をどんな世界に連れてきたんだお前!?

 

 

 

*1
契約編から登場したカード。デッキから分けて初期手札に持つことができ、各デッキの軸となる。エターナルフォーマットで「契約ありません。」と言われると相手のデッキが読めなくてめっちゃビビる。

*2
いわゆる装備カード。シンボルを持っていれば単体でアタックしたりブロックすることもできる。アニメでいうとバトルスピリッツブレイヴから登場。決めろ!合体(ブレイブ)アタック!

*3
いわゆる伏せカード。1枚しか伏せることはできないが、条件を満たせばバースト効果を発揮した上で召喚したりコストを払ってマジック効果を発揮したりできる。アニメでいうとバトルスピリッツ覇王から登場。絶甲氷盾とかファラオムとかバーストの名に恥じない爆発力のカードが多数。

*4
召喚条件がある代わりに最低レベルがレベル3だったり、スピリット対象の効果を受けなかったりする。アルティメットトリガーロックオン!アニメでいうと最強銀河究極(アルティメット)ゼロから登場。

*5
左右2体と合体できる特殊なブレイヴ。その代わりアタックブロックはできない。アニメでいうとバトルスピリッツダブルドライブから登場。

*6
大体デッキの軸となる特殊なネクサス。創界神ネクサスを対象とした効果しか受けず、自身の効果と創界神ネクサスを対象とした効果でしかコアを載せられない。載せたコアを使って強力な効果を発揮する。創界神ネクサスと対応する切り札を揃えて必殺の盤面を作って勝つが当時の黄金パターンだった。ギミック的にも設定的にも浪漫が詰まっている。

*7
条件を満たすと裏返るカード。このカードの登場でルール的にもスリーブが必須になった。アニメでいうとバトルスピリッツ赫盟のガレットから登場。アニメの転醒シーンがめっちゃカッコいい。

*8
バースト同じ場所へ表向きで置くカード。雑に言えば除去されないネクサスみたいなもの。アニメでいうとバトルスピリッツミラージュから登場。アニメで空中に紋章が浮かぶのがシンプルながらも男心をくすぐる。





実際のエントリーデッキ限定交流会はあらかじめ買った構築済みデッキで参加する形式ですが、コウハ君はスタンダードフォーマットのカードどころか現時点で所持金ゼロなのでこの形式になりました(神様の強制力)

タイトルを回収してまともにバトスピするぐらいまでは続くかもしれません

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