父をたずねて三千里   作:くまも

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ほんの二週間の、夢の名残り

 

 

 懐かしい夢を見る。

 

 ──初めて挨拶した日のこと。

 あの時、わたしは貴方のことがすごく憎かった。

 

 もうこれが、ロアを倒す最後のチャンスだって覚悟して追いかけて。

 

 それを見ず知らずの誰かに、なにもかも台無しにされて。

 

 だから待った。

 わたしに気付いた瞬間、寸分違わず同じ目に遭わせてやるって。

 でも、同じぐらい興味もあった。

 わたしをあんなふうに殺した人間なんていなかった。

 どんな人間なんだろうって。

 わたしが初めて、自分を見失うぐらいに──ずっと思い続けている誰か。

 

 すぐにでも会いに行きたかった。

 でも我慢して良かった。

 貴方を待ってる時間はとても胸がドキドキして。

 思えばわたしは、あの時から、貴方というものが……

 

 

 

 懐かしい夢を見る。

 

 ──貴方と約束した時のこと。

 

 待っていたわたしを見つけて、貴方の顔は引きつっていた。

 そして逃げ出した。

 殺したと思っていた相手が生きていたんだから、当然の反応だったでしょう。

 

 死からの蘇生ぐらい、真祖ならわけないというのに。

 そんなことすら知らないなんて、ずいぶん不出来な代行者だと思ったりしたっけ。

 

 ……そう、代行者。

 わたしは貴方のこと、最初はそう思っていた。

 だってそれ以外に、人間の中で、わたしを殺す動機があるやつなんていない。

 殺す方法があるやつもいない。

 あの身のこなしはただの人間ではなし得ない。

 

 いつ、貴方とすれ違ったのか、それすら定かではない。

 学生服を着た青年などいっぱいいるから。

 貴方に殺意はなかった。

 魔力もなかった。

 でも、代行者にもいろいろな奴がいる。

 乏しい魔力を、礼装で補ってる奴もいる。

 

 ──おおかた、あのナイフがとんでもない概念礼装とみた。

 

 

 

 

 懐かしい夢を見る。

 

 ──だけど、貴方はあまりにも普通だった。

 

 わたしを見つけて逃げ出したのはいい。

 あそこに人間は大勢いた。

 わたしとやり合うつもりなら、場所を移すべきではあったから。

 

 ただ、逃げ方がまるでなっていない。

 吸血種を相手に、背中を見せる代行者がどこにいる。

 そも、真祖が土地から記憶を読めることなど、教会では常識ではなかったか。

 わたしに捕捉された時点で逃走の目はなく、闘うほかないというのに。

 

 その様子があまりにもおかしくて、わたしはあえて悠々と追った。

 どうせ時間ならたっぷりある。

 あんな酷いことをされたのだ。少しぐらい嬲っても罰は当たるまい。

 わたしに誘導されたとはいえ、自ら逃げ場も人気もない路地裏に追い詰められにいく様もまた可愛かった。

 

 そうして追い詰められた袋小路で、貴方はわたしと吸血鬼退治の約束をした。

 殆ど脅迫のようなものだったけど、それでも。

 魔眼で隷属させなくてよかったと、今は心から思う。

 

 

 

 

 懐かしい夢を見る。

 

 ──いつか燃え尽きる塔の頂きで。

 

 わたしは貴方に、吸血鬼のことを教えてあげた。

 死徒のこと。

 階梯のこと。

 祖とはなにか。

 吸血鬼としての超抜能力について。

 

 そういえば、真祖についてはついぞお話できなかった。

 どうせ、あのお喋りな埋葬機関が、あれこれ貴方に吹き込んだのだろうが。

 

 教えるという体験は新鮮だった。

 そもそもこの八百年、誰かにものを教えたことなど一度たりともなかった。

 取るに足りないと思っていた人間と、まともに口を利くことさえなかった。

 

 ああ、だから。

 その新鮮差がとても面白くて、つい熱が入ってしまった。

 思えばあの時点で疑問を持って然るべきだったのだ。

 

 貴方はあまりにも、こちら(神秘)の世界に疎すぎる。

 代行者ではないにしても、これではまるで、街に出れば掃いて捨てるほどいる、ただの人間のようではないか。

 

 

 

 

 懐かしい夢を見る。

 

 ──直死の魔眼。

 

 わたしを殺した神秘の正体。

 空想上の、おとぎ話だと思っていた能力。

 わたしの部屋で、目の前でその実在を証明された。

 

 なるほど確かに、それならわたしも殺せるだろう。

 あんな魔眼、真祖ですら持つものはいない。

 わたしはその奇跡を前にして、もう一つの、大切なことを聞けなかった。

 

 どうやってわたしを殺したのか、それは分かった。

 だけど、志貴。

 

 どうししてわたしを殺せたの? 

 

 直死の魔眼、それ単体なら脅威ではない。

 いくら死が視えようとも、使い手が雑魚なら宝の持ち腐れだ。

 だいたい、当たりさえすれば必殺の礼装など神秘の世界では山程ある。

 ──真祖の、それも王族相手に当てることが、どれだけ難しいことか。

 

 わたしは貴方を代行者だと思った。

 でも違った。

 だから貴方を熟練の殺人鬼だと思った。

 それもあなたは否定した。

 

 だったら、貴方は。

 遠野志貴とは、一体何だというのだ。

 

 分からない。

 なにも分からない。

 

 ──思えば、わたしは遠野志貴という人間について、あまりにも知らなさすぎる。

 

 生まれた日はいつだろう。

 どこで生まれたのだろう。

 両親はどんな人だったのだろう。

 幼い頃はなにが好きだったのだろう。

 あの身のこなしを、どうやって身につけたのだろう。

 

 たくさんのことをわたしに教えてくれた貴方のことだ。

 尋ねれば、貴方自身のことも教えてくれたのだろうか。

 

 だけど、それはもう叶わない。

 彼について知る機会はとうに失われてしまった。

 わたしと遠野志貴のつながりは、こうして夢の中で繰り返す十四日間の思い出のみ。

 

 随分と勿体ないことをした。

 せめて、その思い出から、彼を読み解くことはできないだろうか。

 

 

 

 

 懐かしい夢を見る。

 

 ──玄関先での惨殺。

 

 ──初めて貴方に挨拶した日。

 

 ──路地裏での約束。

 

 ──燃え落ちるホテル。

 

 ──焔と凍結の騎士の最期。

 

 ──夜の待ち合わせ。

 

 ──人間たちの学校。

 

 ──二人で見た映画。

 

 ──最期を告げる代行者。

 

 ──重ねた身体。

 

 ──ある転生者の終わり。

 

 ──夕暮れの教室。

 

 リフレイン

 リフレイン

 リフレイン──

 

 夢と知りながら見る夢がある。

 人はそれを明晰夢と呼ぶ。

 かつて、とある無意識に通じた魔術師から聞いた話だ。

 

 なら、今わたしが見ているこれもそうなのだろうか。

 睡眠とは記憶の整理だと魔術師は言った。

 それは真祖にとっても同じなのだろうか。

 魔術師の遺した夢魔などう考えるだろう。

 

 十四日間を繰り返す。

 

 もう何回目かも分からない。

 あえて数えるような無粋な真似もしない。

 そもそも夢の時間と現実の時間を照らし合わせるなど不毛なことだ。

 さらにいえば、この城における時間の流れは決して一定ではない。

 

 それでも、かなりの再演を経たのだと思う。

 少なくとも、突如顕われた記憶の存在を感知できる程度には。

 

 

 

 

 ふと

 

 目が覚めた──

 

 

 暗い夜。

 家の中にみんなはいない。

 

 一人きりはこわいから

 みんなにあいたくてにわにでた。

 

 屋敷のにわはすごく広くて

 まわりは深い深い森に囲まれて

 森の木々はくろく・くろく

 大きなカーテンのようだった

 

 それはまるでどこかの劇場みたい

 ざあと木々のカーテンが開いて

 すぐに劇場が始まるのかとわくわくした

 

 黒い木々のカーテンのおく

 みんなが楽しそうに騒いでいる

 

 木々のヴェールをぬけたあと

 森の広場にはみんなそろって待っていた

 

 みんなふぞろいのかっこう

 みんなばらばらのてあし

 一面まっかになっている

 森のひろば

 

 ──わからない。

 バラバラにするために

 見知らぬ人がやってくる。

 

 ──よくわからない。

 けれど誰かが前にやってきて

 かわりにバラバラにされてくれた。

 

 ──ボクは子供だからよくわからない。

 ぴしゃりと暖かいものが顔にかかった。

 あかいトマトみたいにあかい水。

 バラバラになった人。

 そのおかあさんという人は

 それっきりボクの名前を呼ばなくなった。

 

 ──ほんとうによくわからないけれど。

 ただ寒くて意味もなく泣いてしまいそうだった。

 

 

 

 目にあたたかい緋色が混ざってくる。

 眼球の奥に染み込んでくる。

 だけどぜんぜん気にならない。

 

 夜空にはただ一人きりの月がある。

 すごく不思議。

 どうしていままで気がつかなかったんだろう。

 

 ──なんて ツメタイ

 

 ああ──気がつかなかった

 

 こんやはこんなにも

 

 つきが

 

 きれい──―だ──

 

 

 

 リフレイン

 リフレイン

 リフレイン──

 

 

 

 

 見ていた夢は、もしもの話ばかりだった。

 たとえば、

 

 もし空が曇っていたのならば。

 もし、気づくのが少し早ければ。

 もし、彼がおとろえていなければ。

 もし、私が生まれていなかったら。

 それと、もし―ここで、貴方が目覚めなければ。

 

 いつか貴方は夢を見ないと知った。

 

 この時に貴方が見るものは、

 実際に起きた過去の繰り返し。

 あるいは自己分析と自己啓発。

 明晰夢の体を借りた、現在と未来のリフレイン。

 

 貴方は夢を見ない。

 私は今もここにはいない。

 遠野志貴は夢を知らない。

 今の私は貴方を知らない。

 

 だから、この話はここでおしまい。

 おしまいの話を、懲りずあらずに夢見ている。

 

 星はきらめく

 降り積もる雪のように。

 海はさざめく

 寄せかえす波のように。

 貴方の影を求めるように。

 欠けていく月のように。

 

 貴方がいまも、月の光を忘れぬように。

 

 光る海、謳う珊瑚───

 

 リフレイン、リフレイン、リフレイン、リフレイン……

 リフ、レイン──

 

 

 

 

 

 

 そして、

 わたしは目を醒ました。

 

 幾千幾億ものリフレインに挟まった、

 わたしには存在しない記憶。

 ここにはいない、誰かの記憶。

 

 この城は真祖の胎だ。

 城主はそこに在る総てを従える。

 

 そのわたしが、わたしでない記憶を垣間見た。

 それは即ち、わたしでない何かが、この城に発生したということ。

 

『ッ────!』

 

 確かに膨らんだ腹。

 脈づく胎動。

 それは、一体──

 

 

 

 この古城はわたしの墓標。

 棺桶のもと、わたしは眠る。

 

 かの十四日間をめぐりてめぐりて

 今のわたしにとっての世界はそれしかない。

 

 ならアレはなんだ。

 深い森の昏い夜。

 繰り広げられた虐殺劇。

 

 森か。

 かつて、シュバルツバルドの最奥に潜んだ死徒を狩ったこともあった。

 しかしあれは違う。

 実りを体現したあれは、あくまでただ一つの特異点である。

 後継者こそあれど、あのような集落など存在しない。

 むしろ、それら総てをあまさず飲み干してこそのアインナッシュである。

 

 そも、星の嬰児たるわたしに母など存在するはずもない。

 

 子の身代わりとなる母親。

 母親に庇われる子。

 それは、星ではなく人の営みだろう。

 

 そうだ。

 やはりこの城に異物が発生したのだ。

 そうでなければ説明がつかない。

 

 ならそれは何だ? 

 寝起きの鈍い脳みそを働かせ、検討と検証を繰り返す。

 

 由来は二つしかない。

 この城にやって来たか、

 この城が生み出したか。

 

 前者として最も想定し得るのは教会だろう。

 おおかた、わたしの衰退を見越して、ここぞとばかり仕留めようと埋葬機関でも遣わしたか。

 人世界から遠く隔たれたこの城なら、巻き添えも神秘の秘匿も関係ない。

 聞くところによれば、教会は『溶ける』の原理を保有するらしい。

 このような局面に備えての死徒二十七祖第二十位だったが、無為に終わったか。

 

 後者として、この『工場』が千年ぶりに本領を発揮した。

 もとより失敗作で、わたしを除いては朱い月の劣化版しか生み出せなかった工場(せんねんじょう)が、

 ことここに来て、わたしの眠りに干渉するほどの力を持つ、最上位の真祖を生み出すに至った。

 

 ……可能性としては想定し辛い。

 とりわけ十五世紀以降に生じた真祖は総じて粗末だ。

 わたしは疎か祖にも及ばず、後継者にすら足蹴にされ、七階梯と渡り合うがせいぜいである。

 聞けば、かのベスティーノはそれすら仕留めたといった。

 なんとも情けない。

 その程度の存在規模で、このわたしの眠りを妨げられるものか。

 

 ──世の中にはわたしの知らないことがたくさんあって。

 その未知を埋めていくことが楽しいのだと、彼は教えてくれた。

 

 もっとも、この局面で適応すべき心得ではないが。

 こと戦いにおいては、効率こそが至上。

 その思考は今も変わらない。

 ……結果として、あの蛇相手に無様を見せたこと、さらに彼に拭わせてしまったことまでは、本当に恥ずかしいのだけれど。

 

 異物の正体を突き止めるべく、わたしは総ての神経に信号を流す。

 この城はわたしの領地。

 この城はわたしの胎内。

 風も星も雲も月も星星も大地から大気に至るまで総て、この千年城に存在を赦された事象は遍くわたしの手のひらの上に。

 

 そうして、この世界の全てを総括して、

 わたしはこの城に、わたしと、ある一匹の子猫しか存在しないという結論に至った。

 

「どういう、こと……」

 

 なら、おかしいのは

 子猫と、わたし

 

 わたし……

 

 ……わたし、か。

 

 最初に浮かんだ感情は、

 驚きでも歓喜でもなく、

 なるほどという感心だった。

 

 まだ見た目には変化のない、

 己の腹を撫でる。

 心音とか、胎動とか。

 そういったモノはまだ感じ取れないが、

 確かに、そう弁えて魔力の流れに肌を研ぎ澄ませると、

 ここに新しいものが生まれつつあると分かった。

 

 なるほど。

 このわたしのナカから芽生えたとあれば、存在の感知も遅れようというもの。

 千年城の城門を突破するでもなく、城のリソースを使って肉体を構築するでもなく。

 最も城主の意識の外にあり、かつ探知し辛いであろう、『城主の体内』を起点とするとはよく考えたものである。

 

 ……問題は。

 どうしてこのわたしが身籠ったのかということだ。

 

 

 

 ……どうしてもなにもないわね。

 

 えぇ。

 だってわたしは志貴と「そういうコト」したわけだし。

 

 人間って、そこまで簡単に子供はできないって聞いてたけど。

 できる時はできるのかしら? 

 それとも志貴のが特別だったのかしらね? 

 

 凄いわ志貴。

 惑星を孕ませた人間なんて後にも先にも貴方ぐらいでしょうから誇っていいわよ。

 それを表彰してくれる賞があれば尚更文句なしね。

 ギネス……だっけ? 封印指定……は流石に違うか。

 まぁ、いくら志貴のナニが凄かったとして。

 そもそも真祖が孕むというのがまずおかしいんだけど……。

 

 真祖がそれ自体、完成された種なんだから。

 生物がつがい、己の遺伝子を配合し後世に遺すのは即ち、より優れた生物になろうとする洗練の本能によるもの。

 その最終回答が真祖なのだから、そこからさらに子を成し、進化の争いに身を投じるのは、そうねぇ……。

 出来る限り、人間的に言ってしまえば卒業済みの母校に編入するようなもの、かしらね? 

 

 ……言葉遊びに興じても仕方ないわね。

 

 ただ、わたしには本当に、この子がなんなのかは分からない。

 とりあえず、ひとまず真相を棚上げるだけの回答として、「わたしが人間のカタチをとった」からということにしておきましょう。

 

 わたしはアーキタイプ・アース。

 この惑星の魂そのものであり、同時にこの惑星の頭脳体として、この惑星の霊長たる人類のカタチを成したのが真祖アルクェイド・ブリュンスタッド。

 志貴はわたしのこと、人間とまったく別の存在みたいに思ってたようだけど。

 わたしだって、調整すれば人間と同じように、くしゃみだってするんだから。

 

 そう。わたしは人間のカタチをとった。

 そしてロアに力を奪われて、アルトルージュに髪を奪われて、志貴に殺されて、さらにヴローヴ相手に痛手を負って。

 人間みたいに弱ってしまったから、人間みたいに番の子種で孕んだ。

 

 さっきまで見ていた記憶は、わたしではなく志貴の記憶。

 正確には、わたしと志貴の子を通して垣間見た、志貴の記憶──

 

 

 ……

 …………

 

 

 そう結論づけて。

 拭いきれない違和感を抱えながら。

 なにか決定的な間違いから目を背けながら。

 

 わたしはこの子を育み続けた。

 

 わたしは、人間の生態についてはよく分からない。

 だから、ほんのひと月ほどで全ての機能を揃え、今まさにこの世に生まれ落ちようとする我が子の在り方が、本来の人間のそれと同じか否かも分からない。

 

 ……いや、きっと違うのだろう。

 

 

 志貴とお昼の公園に行ったとき。

 わたしと同じように、お腹に子を宿した、人間の番を見た。

 

 男は、常に女を庇っていた。

 それは、たった一ヶ月では身につかない、恐らくは十月近く、女に心血を注いできたからこそ可能な動きだ。

 女もまた、常に己が腹を庇っていた。

 女の側にいた婦人が言った。

 無理して食べないこと、着る物に気を使うこと、激しい運動は控えること、さりとて動きすぎないのもよくないこと──

 

 

 なら、わたしはどうだろう。

 

 腋と肩、首、デコルテを晒したドレスに身を包み。

 千鎖によって玉座に縛られ、微動だともせず。

 なに一つとして口にすることもない。

 

 その在り方は強いていうなら彫像に近い。

 少なくとも、およそ妊婦と呼ぶに相応しくない。

 

 ──だいたい、人間の繁殖と比べるのがまずおかしい。

 

 なにせ、わたしは志貴と番ったあと、ロアに殺されたのだ。

 奴に腹を裂かれ、蹴り飛ばされ、志貴の腕の中で死んだ。

 およそ妊婦に対する仕打ちとは思えない。

 そもそも母体が力尽きれば胎児も死ぬのが道理である。

 

 そうでなくとも、この城に帰ったあと。

 眠りについた(アルクェイド)は身体を動かすこともなく、ものを口にすることもなく、ただ玉座にあり続けた。

 そうして活動限界を迎えたこの身体。アルクェイド・ブリュンスタッドの最期に芽生えた、ひとつの命。

 

 あぁ、はやく会いたいな。

 わたしに宿った、わたしと志貴の、愛の結晶。

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