Fate/strange True Will   作:其為右腕

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月はいつもそこにあるので初投稿です。


プロローグ④

 ――これが聖杯戦争か

 

 

 監督役として、師父殿からここ、スノーフィールドに派遣させたときから身構えてはいたものだが、

 

 「よもやここまでとはな」

 

 彼、ハンザ・セルバンテスの前で繰り広げられる戦闘――黒衣のサーヴァントと宝具を武器に戦う警官たち――は、代行者の自分から見ても、異質だと言えるものだった。

 自分が彼女か彼ら、どちらか一方と戦っても勝つことは難しい、サーヴァント相手には精々傷をつけて終わりといったところだろうか。

 無論、物事には相性がある。

 グーにはパーを、パーにはチョキを、チョキにはグーを。

 子どもでも分かることだ。

 自分には自分の敵がいる。

 例えば、今しがた出てきた青年――自ら死徒と名乗った存在がそうだ。

 

「ジョン!?」

 

 宝具を持ったとて、彼ら警察官たちは人間だ。

 彼――ジョンと呼ばれている――のように、化け物には手も足も出ない。

 あれに相対するのは、自分のような代行者、もしくはそれ以上の実力者、イレギュラー、例えば()()()()()()()()()()()()、そうでなくば、嬲られ尽くされるのがオチだ。

 

 別に特段自分は死徒という存在そのものに対して憎悪はない。

 一族郎党皆殺しにされたとはいえ、だ。

 社会に悪影響を及ぼさない限り、死徒と言えども見逃すことはやぶさかではない。

 

 ――だがこいつはだめだな

 

 強いて言えばここまでの立ち回りが悪党すぎる。

 己のサーヴァントと言われた女に至っては、奴を殺そうとしている。

 あと単純に気に食わん。

 性格的相性も悪いのだろう。

 様子を見計らって、背後からコーヒーをぶちまけてやろう。

 そんな子どもがするようないやがらせを考えていたら、

 

 地面にひびが入る。

 

 先ほどからの発言から奴の姦計の一端を悟る。

 その時には体は動いていた。

 奴の背後に立つ。

 そして一撃をくれてやろうとした時――

 

 ――竜と悪魔が地を割って出てきた。

 

「さあて、バトンタッチと――――ぶべら!?」

 

 その惨状に一瞬ここは地獄かと思う。

 署の外に待機させているカルテットも早速出番だ。

 自分は目の前の死徒を殺す。

 警官たちも自分でなんとかするだろうが、そうでなくば監督役として――

 ――やる事が多い!

 

「なるほど、言峰殿が亡くなるわけだ」

 

 思わずそうつぶやきながら先ほどから喧しい死徒を殴る。

 

 ――これがなかなか、すっきりした

 

「やはり俺はお前が嫌いらしい」

「監督役の領分を越えた行為のあとに言うことがそれか!?」

「今は代行者として、だ。 それに、害悪な死徒は中立の対象外だ」

 

 どうやら、夜はまだ明けないらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 警察署での戦闘の最中、とある郊外の森にて、少年と少女はいた。

 その森はかつていた冬木の森よりも神々しさを纏っており、夜の今は森そのものが眠っているようで、まるで一つの完成された生物のようだのようだと少女――アヤカ・サジョウは思う。

 その前に歩く少年――曰くドラゴンと言うらしい――はその道なき道を、行先が分かっているように進んでいく

 

「ねえ、私たちどこに向かっているの?」

「・・さっきまで生身で空中を飛んでいたってのに、自分でいうことでもないけどあんた結構()()()()だよな」

 

 そういう彼の様子はホントにただの高校生にしか見えず、先ほどまでその体を、名の通り竜に変えていたとはとても思えない。

 さっきからずっとこんな感じだから、なんだか警戒するのも馬鹿らしくなってきた。

 ――ところでその服装、森歩くのには少し大変ではないのか

 そう言尋ねようとしたところで、急に開けた場所に出た。

 

 そこには眠る銀狼と、完璧に全ての調和がとれた、男にも女にも何者にでも見える風貌の存在がいた。

 その顔は柔和な感情が見てとれる。

 それはまるで絵画のようで――思わず息を呑む。

 

 こちらに気づいたのか、銀狼は起きてこちらに寄ってきて、もう一人も立ち上がり、こちらに目を向ける。

 ――試されているのだろうか。 

 そう思いながら寄ってきた銀狼の柔らかい毛を撫でていると、向こうが先に口を開く。

 

「・・君かい? 先ほどの輝きは?」

「そうだな。 ()()()()()()()()()()()()()()()()()。 ま、これから話すこととも少なからず関わってくるが」

 

 そう言う二人の表情は平静で、でもどこかテレビで見る自国と他国の政治家たちの対談を思わせる、交渉特有のひりついた空気が場を満たす。

 

「単刀直入に言う、同盟の打診だ」

 

「見ての通り、()()()()()()()()()()()。 それでいてマスターをこの戦争から無事に帰還させないといけない」

 

「そしてこれは偶然だが・・あんたと俺、()()()()()()()()()()()()()()()()()。 今のを見ればそう思えた」

 

「だから、打診する」

 

「こちらもそちらのマスターには手を出さない。 そして俺は聖杯とやらにも特段興味はない。 マスターの今後の安全ができたら煮るなり焼くなり好きにしてくれ」

 

()()()()()()()、どうだ?」

 

 そういわれた槍兵(ランサー)――エルキドゥの表情は変わらない。

 ただ相手を計っているような目を、少年に向けるだけ。

 

 ――不思議といやな感じはしないけどな

 

 少年の表情は変わらない。

 ただその仮面の裏には少し焦りもあった。

 ()()()()()()()()()()

 

 ――もし彼の気が変わってこちらに仕掛けてきたら?

 おそらく手も足も出ずに一瞬で命は遥か彼方だ。

 そう考えていると、()()()()()()()()()()()

 

 本来なら誰にも届かないはずの光。

 だがここは聖杯戦争。

 ()()()()()()()()()()()、優れた気配感知を誇る彼の表情も僅かに変わる。

 

「今の輝きは――()()()?」

「・・そうだな。 だから()()()()、だ。」

「なるほど・・この感じ、彼、()()()()()()()()()()()?」

「別に、どうでもいい」

「そうか」

 

 そう言って彼は初めて少し悩んだような表情を見せて――

 

「分かった、その提案に乗ろう」

 

「――だけど、君を試させてもらってからだ」

 

「この戦争、僕でも最後まで残るのは厳しくなりそうな――そんな予感がする」

 

「最も譲る気はないけどね」

 

「なら、同盟者の力量を試すのは当然だろう。 それに――」

 

 

「――僕も、君の期待に応えなくてはね」

 

 そして、森が響いて――

 

 

 ――試練が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・あやつめ、何故雑種と戯れるか」

「・・・?」

「貴様の気にすることではない、聞き逃せ。」

 

「それに、幼童は既に寝る時間だろう」

 

「何、我が臣下(マスター)の責務として、体調管理も戦の内よ」

 

「ゆめ、忘れるでないぞ」

 

 

「・・はい」

 

 青年と幼女の髪が車の風に揺れる。

 青年――ギルガメッシュの様は傲岸不遜そのものであり、またどこか人徳を感じさせるものでもあり、幼女――ティーネ・チェルクは彼に付き従う臣下のそれであり――。

 主従が逆転した二人は街を走る。

 それがたとえ、目の前で化け物(死徒)神父(代行者)の戦闘が繰り広げられようと変わることはない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ナイフで刺す――

 杖で突く――

 銃を撃つ――

 蹴りを――

 拳を――

 自身の存在にまつわるありとあらゆる在り方(やり方)で、目の前の竜を抑える。

 

 悪魔――ジャック・ザ・リッパ―は苦戦していた。

 突如として白を纏う青年が姿を見せ、奇襲をしかけたと思ったら、()()()()()()()()

 

 ――分かってはいた。

 

 だから接触したのだ。

 マスターは魔術に関することなら天才の域にいる。

 そんな彼が発した警告だ。

 ――やはり当たってしまうか。

 

――あの人、多分自分の力に自覚ないですよ。

 

――だってあれだけの力不安定なまま放置してたら、そのうち暴走しちゃいますし。

 

――・・もしかしたら利用する人が出てくるかもしれません。

 

――これだけの力です。 最悪街が・・・

 

 私は殺人鬼だが、何も無辜の民の犠牲を自ら好んで出すことを目的とはしていない。

 それを何故かつて求めたのかを問うのが、聖杯の願いだが――

 今は違う。

 

「ジャックさん!」

「来るなマスター!!」

 

 周りには宝具を手にする警官(クラン・カラティン)

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、今はいい。

 そしていつの間にか来ているマスター。

 ――防ぎきれない。

 

其は惨劇の終焉に値せず(ナチュラルボーンキラーズ)

 

 そうつぶやき、()()()()()()()()()()()

 其は惨劇の終焉に値せず(ナチュラルボーンキラーズ)

 『切り裂きジャックは一人ではなく、集団であった』といった半ば与太話のような逸話由来の宝具。

 ――ジャック・ザ・リッパ―が分散する。

 或いは娼婦、或いは警官、或いは魔術師、或いはカルト教団員、或いは医者、或いは狼、或いは――

 その多種多様な正体(姿と数)をもって、必死に喰いとめる。

 真名上、もう一つの宝具は、今は切れない。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()――

 

「――――――!!」

 

 竜の咆哮が耳をつんざく。

 彼の人となりはマスター寄りの善人だ。

 この咆哮も、彼なりの足掻きにも聞こえる。

 

 だが止まらない。

 今のところ周りやこちらに攻撃を仕掛けてくる様子はない。

 ただのたうちまわるかのように、辺りを飛ぶ。

 それだけで、人にとっては脅威だ。

 巨躯なのはもちろん、力も武闘派サーヴァントに匹敵するほどだ。

 ただの殺人鬼である自分では捌くのに限界がある。

 周りの警官には疲労の色が見える。

 彼らも先ほどから攻撃を仕掛けてはいる。

 特に、日本刀か、それでいなしている男は今の私より一撃が重い。

 他にもそれに匹敵する警官はいる。

 だが――

 

「抑えきれん・・!」

 

 いくら宝具を持っても、所詮人間。

 彼らの動きも徐々に鈍くなっている。

 

「大丈夫ですかジャックさん?」

「問題ない、と言いたいところだが相手が相手だ。 これで不完全と言うのだから驚かされる」

 

 ジャックの内の一人――警官にマスターのフラットが話しかける。

 

「君たちは?」

「バーサーカーだ、()()()()()()()()()()()()()()。 あれは君ら警察が捕らえた隻腕の少年だ。 そして我々の同盟者でもある」

「・・なるほど。 やはりサーヴァントの類か。 それで、今は?」

「先ほどの死徒の人に暴走させられて・・ でも静かにさせる作戦はあります!!」

「分かった。 我々にできることは?」

「署長!?」

「緊急事態だ。 これ以上署を破壊されても翌日の業務に響く。 それで、内容は?」

「それはですね・・」

 

 

 

 

 

 

「・・分かった。 最早それに賭けるしかあるまい。 総員、合図があるまで攻撃を捌ききれ!」

「「「「了解!」」」」

 

「頼みます! ジャックさん!」

「全く、人使いの荒いマスターだ。 では、行くぞ――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 地面から槍が、剣が、銛が、大砲が、槍が、矢が、武器が、兵器が――

 地球がうなる。

 その先にはツンツン頭の少年。

 向かってくる兵器一つ一つが少年にとって必殺の一撃であり、とてもじゃないが捌ききれる量ではない。

 

 だが、それが右手に触れた瞬間、ポトリと落ちる。

 その役目を終えたかのように、地に落ち、土に還る。

 

「不思議な右手だ。 ただ魔力を断ち切っているだけじゃないらしい。 ギルの宝物庫にも似たようなものはあっても、原典(それそのもの)はないんじゃないかな」

 

 それでも、槍兵(ランサー)の顔色は変わらない。

 無数の兵器を大地から造り出し、それを放つ。

 対して少年は疲弊の色が見える。

 攻撃こそくらってはいないものの、徐々に物量に押され始めている。

 

「では、これはどうかな」

 

 ――兵器が少年の周りに隙間なく展開される。

 

「クソッタレが――!」

 

 右手(宝具擬き)を使うには早すぎる。

 だがこれはどうにも数が多すぎる。

 そして少年に兵器が迫る――

 

 大地が揺れた。

 

「ちょっと!?」

 

 これでは生き残れまい―― 

 誰しもがそう思うだろう弾幕だった。

 これにはアヤカも身を乗り出そうとする。

 が、銀狼が彼女の服を銜えて静止させる。

 

「さすが僕のマスターだね。 ()()()()()()()()()()()()()()()()――」

 

 自身のマスターを見るランサーの顔はどこか、後悔の色がにじんでいる。

 が、それも一瞬。

 すぐに顔を上げ、その惨劇の跡に顔を向ける。

 

「とりあえず、合格ってことでいいか?」

 

 アヤカは見た。

 死んだと思っていた少年の変わり果てた姿を――。

 体の節々には傷が見え、そしてそれらを補修するかのようににショッキングピンクとエメラルドの皮膚を上書きする。

 無論、それは体の内側から表出しているものだが。

 

「なるほど、()()()()使()()()()()()()()()()?」

「右手の特性上、どうしてもな。 仮にできたとて、あの弾幕はどうしようもないけどな」

 

 治ったのだろうか。

 その二色を覆うように、皮膚が、服が彼に戻る。

 

「さてと、これでこちらの手札は見せたが、どうだ?」

「うん、同盟成立だ。 幸い、今の時間でマスター同士の仲も深まっているようだ」

「いやいやあんたら何してんの!?」

 

 文字通り人外同士の戦いだ。

 惚けてはいたが、それはそれだ。

 確かにワンちゃんとは仲良くなれたし、毛も堪能したけど! それとこれは別!!

 

「あんた傷は? 大丈夫なの?」

「サーヴァントにそれを聞くって・・ あんた本当に何も知らないんだな」

 

 呆れながら言う少年に少し腹が立つが見たところ本当に治っている、が心配させた罰だ。

 一発、頭をはたく。

 

「いでっ!」

 

 そう言って頭を押さえて痛がる姿はやっぱりどこをとっても高校生だった。

 ・・しかもその様、なんだが妙に板についてる。

 

「仲が良いんだね、君たちは」

「いやまだ出会って何時間とかの関係なんだけど」

「・・そう言えば俺、あんたの名前知らないや」

「・・そういえば、そうね」

 

 

 ・・・・

 

 

 妙に夜風が強く感じた。

  

 

 

「とりあえず夜はここで過ごすといい。 その様子じゃ疲れもたまっているだろう。 それに――」

 

 

「さっきの僕の危惧は、どうやら当たってしまったらしい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――意識が戻ってきた。

 どれだけの間、眠っていたのだろう。

 背中が痛い。

 起き上がろうと腕を伸ばす。

 ?

 腕を――――

 

「ジョン!!」

 

 ―――思い出した

 

「いっっ!」

「まだ動かないで! 治癒魔術をかけているだけ。 急に動けば血が――」

「――状況は!?」

「ジョン!!」

 

 署長に認められたことを。

 黒衣のサーヴァントと戦っていたことを。

 戦える――そう思えたことも。

 そして、気が付いたら腕がなくなっていたことも――。

 

 ――まだだ。

 

 状況から、今の相手はあの竜。

 どこから出てきたかは知らないが、みんな押し切れてない、どころか今もギリギリなところからサーヴァントクラスの存在だろう。

 それと先ほどから湧いては潰され、湧いてはひしゃげている、が、湧いては湧いている何かがいる。

 あれもサーヴァントなのだろう。

 だが依然状況は変わらない。

 

 ――何か自分にできることは

 

 周りからは安静にしろと言われるが自分だってクラン・カラティンの一員。

 みんなと戦わなくては。

 そう思っていると、ふと視界に、

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()姿()()――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――――!!」

 

 竜は止まらない。

 これだけの宝具の雨にさらされながらも、未だ決定打と言えるものはなかった。

 

 ―――真名解放か

 

 その宝具の効果を十全に発揮するために必要な工程。

 それができて初めて自分たちは()()()()()()と言える。

 だが、今のままではこれが限界か――。

 

 ジャックも同じだ。

 自身の強みは数だ。

 質を求めるには、どうしても実際に観測した縁が必要となる。

 最悪それがなくても術はある。

 だがそれは、私という存在の希釈だ。

 聖杯の願いからして、それはできない。

 が、最も今からやろうとしているのは――――

 

「頼むぞ、マスター」

 

 信頼というのは、かくも心地よいのか。

 ジャックはそれを、いやフラットもそれを感じていた。

 まさしく相棒と呼べる関係。

 背中を預けられる唯一の存在。

 

 ――かつての教授も、こういう気持ちだったのだろうか

 

 そして準備を終える。

 竜退治ではなく、竜を仲間にするための――

 

「できましたみなs――――うわあ!?」

 

 集中しすぎたのだろうか。

 フラットに超加速で竜が迫ってきている。

 クラン・カラティンは間に合わない。

 ジャックも分散したとて足止めにもならないし、今はマスターの負担をかけさせるべきではない。

 誰もが動けない中、一人の青年がフラットを蹴飛ばす。

 

「なに!?」

 

 ――ジョンだ。

 

 隻腕の警察官、ジョン・ウィンガードが身代わりとなった。

 ――痛みはある。

 無理に動いたのだ、当然だ。

 ――恐怖もある。

 竜の双眸に見抜かれてそう思わない人間はそういない。

 

 ――――それでも

 体は止まらなかった。

 

 せめてもの抵抗だ。

 相手を睨みつける。

 相手に自身を刻むように。

 その目をはっきりと――――

 

「―――・・」

 

 ――――その動きが止まった。

 

「今だ!」

干渉開始(ゲームセレクト)!」

 

 皮膚が歪む。

 あれだけの攻撃をくらっても傷一つつかなかった、竜の皮膚が――。

 

「――――!?」

 

 瞬間、()()()()()()()()に思わず、フラットも頭を押さえる。

 だが倒れない。

 

 ――これは、()()()()()()()()()()()()

 

 そう思いながら、頭に流れこんでくる情報を処理する。

 すべては、()()()()()()()()()()()()()――

 

「今ですジャックさん!!」

()()()()()()()()()()

 

 最低値は越えた。

 ジャックに合図を送る。

 そんな彼、いや彼女の姿は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だった。

 

 この意識は――――!?

 

 思わず、身をかがめる。

 自身に流れ込む思念の量、質ともに、()()()()()()()()()()――――

 

 だが、

 

「おわるわけには・・!」

 

 気を確かに。

 おそらくこれは別の側面(自分)だ。

 銀行で変身したときに安心感を得たのはそのせいだろう。

 確信があった。

 ()()()()()()()()()()()()()

 

――おそらく、あの姿はジャックさんの別の零基の姿じゃないでしょうか。

 

――零基(もと)が違えば、それは全く別の存在。

 

――ですが、あの時の彼女(ジャックさん)からは、()()()()・・そんなようなものが濃く感じ取れました。

 

――今のジャックさんじゃ、決定打を出せない。

 

――でもあの姿なら!

 

 

 いい提案じゃないか。

 そうしよう。

 なに、()()()()()()()()()()()()()()()

 これは戦争だ。

 それくらいの覚悟はできている。

 何より対策はある。

 君は君の為すべきことをしたまえ――

 

 

其は惨劇の終焉に値せず(ナチュラルボーンキラーズ)!!」

 

 

 ――我がマスターよ。

 

 

 殺人鬼(ジャック・ザ・リッパ―)が警察署にあふれる。

 もはや固定された姿などなく――

 或いは――或いは――或いは―――或いは――――。

 策はシンプル。

 数を増やし、誤魔化す。

 それだけ。

 子どもでも思いつくものだ。

 何の確証もない。

 もはや策と言うにはあまりにも杜撰な――

 

 現にその数は徐々に減り、或いはその少女に引っ張られ、また消えていく。

 コーヒーにミルクを注げば、そのままカフェオレになってしまうように。

 だが、それでも――

 

「いくよ、マスター(おかあさん)

 

 ――準備はできた。

 やることはしぜんとわかる。

 いつだっておかあさんがおしえてくれた。

 そのみをもって――

 

 

「――解体聖母(マリア・ザ・リッパ―)

 

 

 ――子どもが竜を切り裂く。

 それは正しく、切り裂きジャックと呼ぶのに相応しいもので――

 

「――――!!」

 

 

切る。

 

切る、切る。

 

切る、切る、切る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る、切る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして遂に―――

 

 

 

観測完了(ゲームオーバー)

 

 

 

 ――その外殻から、少年が出てくる。

 

 そう言って少年は腰を下ろし。

 そして隻腕の警官はようやく腰が抜けて。

 そして警官たちは肩の力を抜き。

 そして署長は初めて刀を下ろし。

 そして幼女は――――

 

「ゆるせ、無垢な魂の子供達よ」

 

 ―――その身を悪魔のような片翼を持った紳士へと変える。

 

 何も彼も原型を留めていない。

 戦争というのはそういうものだ。

 たとえ神であっても、例外ではない。

 

「・・これは、随分と荒れたようだな」

 

 神父(監督役)が戻ってきた。

 

 隻腕の少年は未だ目を覚まさない。

 

 その隙に少年を――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・また独房からかよー!!!?」

 

「ちなみに今出たら、あなたが暴走時に発生した修理費諸々、全部あなた負担になるそうです!」

 

「その額はどれくらい・・」

 

 

・・・

 

 

「・・キョウノアサゴハンハナニカシラ、フラットサン?」

 

「またルヴィアちゃんみたいに!?」

 

『察するに、彼女にも別に似てないのでは・・?』

 

 友達ができました。

 

 なぜか隣の部屋にいるけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「汝が信念を失わぬ限り、我は汝の影となろう」

 

 

 

 

 下地は整った。

 

 

 

 

「問おう、貴様が俺のサーヴァントか」

 

 

 

 

 かくして、真の聖杯戦争は幕を開ける。

 

 

 

 

「でもね、私達は貴方に期待しているのよ? 貴方が、全てを貫く槍兵(ランサー)になる事を」

 

 

 

 

 役者は、スノーフィールドに集う。

 

 

 

 

「『嘘だけどね!』」

 

 

 

 

 未だその役を見出せぬ者を抱えたまま。

 

 

 

 

「なるほど・・・・・よほど優秀な師なのだろう。 我らの世に広く名を轟かせていたケイローンのように」

 

 

 

 

 誰も彼もその終着点を見出せぬまま。

 

 

 

 

「私が来たからには、あなた達人類をちゃんと支配してあげるから!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――夜は明ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




キャスターの出番が作れない!

原作の登場がかっこよすぎて動かしたくない!


あと前回の引きとセリフが変わってもうた!!

変えた方がいいっすかね(行き当たりばったり)

なんかこのペースじゃ死んでも終わらなそうなので一話にギュッとしてドカーンになるかもです(未定)

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