デュエルは決着まで連投します(っ'-' )╮三
隣人問題から発展し始まった、闇夜に包まれる空中デュエル。
漆黒の風が耳を切る中、アルベルの声が響いた。
「先行は我から行かせてもらおう。我は速攻魔法⚡︎『烙印開幕』を発動。手札を1枚捨て、デッキから『デスピア』モンスター1枚を手札に加えるか、守備で特殊召喚する」
5枚の手札を確認し、速攻でデュエルを進めるアルベル。
発動したカードにより、不穏な風がアルベルを中心に渦巻いて俺の袖が激しくはためいた。
アルベルのデッキはやはり『烙印』が中心か。
テーマ内でもストーリーによって様々なカテゴリに分かれるが、どのデッキでもP.U.N.K.では少々分の悪い相手だ。
これは気を引き締めていかなければ……っ。
「手札から『悲劇のデスピアン』を捨て、デッキから『導きの聖女クエム』を守備表示で特殊召喚。
レベル4『導きの聖女クエム』
-DEF/1500
色白の儚い少女が現れ、デッキからカードが墓地へ送られる。
おいおい、ヤバいぞ。普通に現代遊戯王クラスのデッキの回り方をしてる。
「手札から捨てたデスピアンの効果。デッキから『デスピア』モンスターを手札に加える。我が加えるのは『デスピアの導化アルベル』。そしてこれを召喚」
コッ、と靴を鳴らし、
どこから取り出したのか、いつの間にか手にした仮面を付けた
仮面を被った道化師姿のアルベルがマントをバッ!と広げる。意外と形から入る派なんだな。
「
そしてやはり、来たかっ。
現代遊戯王の象徴たる、デッキ融合カード……!
俺の厳しい表情を見て、仮面越しにもアルベルがニヤリと嗤うのが分かった。
「ほう?その顔を見るに、このカードがどれほど強力かを知っているようだな。ならば改めて思い知れ。『烙印融合』発動!」
カードが掲げられると、夜の空にもハッキリ分かる暗雲が渦巻いた。
烙印の真骨頂……融合召喚が来る!
「我の手札・デッキ・フィールドからモンスターを2体墓地へ送り、『アルバスの落胤』を素材とする融合モンスターを融合召喚する!デッキから我が因子『アルバスの落胤』と『
レベル8『烙印竜アルビオン』
-ATK/2500
MDで何度も見た全身を燃え上がらせる竜が、暗雲の中からアルベルの隣に降り立った。
この流れ、ヤバいぞ……!
「融合召喚したアルビオンの効果!我の手札・フィールド・墓地から素材となるモンスターを除外し、レベル8以下のモンスターを融合召喚する!我は墓地の『悲劇のデスピアン』と『アルバスの落胤』を除外し、このモンスターを融合召喚する!」
アルベルが手にするのは、禍々しい気配を放つ1枚のカード。
アルベルが、仮面の奥から呪詛のような召喚詠唱を紡ぐ。
「舞踏会は開かれた。仮面を被る道化師に導かれ、列席者は赫く輝く光の下にその身を醜く踊らせろ!融合召喚!」
レベル8『赫灼竜マスカレイド』
-ATK/2500
「コイツは……!」
烙印デッキの真骨頂、連続融合により出現した赫灼のドラゴン風悪魔族モンスター。
コイツには、俺にとって天敵とも言える効果がある。
俺の動揺を尻目に、さらに展開していくアルベル。
「まだ終わりではないぞ!墓地のルベリオンの効果発動!フィールドのレベル6以上の闇属性ドラゴン族を墓地へ送り、自身を特殊召喚する!烙印竜アルビオンを贄に……深淵より出でよ我が下僕、ルベリオン!」
レベル8『
-ATK/2500
墓地より現れし、光り輝く深淵の獣の一翼。
その人型のドラゴンが妖しく力を発揮する。
「ルベリオンの効果発動!デッキから『烙印』永続魔法・罠カード1枚を表側で置く。我はデッキより∞『復烙印』を発動。そしてさらに……!」
アルベルは手札のカードを1枚、勢いよく
「手札からフィールド魔法✧『烙印劇城デスピア』を発動!」
途端、ズゴゴゴ……と遥か下の地面が割れ、その亀裂から見るからに趣味の悪そうな巨大な建造物が現れた。
その要塞がゴウン、と胎動する。
「✧劇城の効果!手札・フィールドからレベル8以上の融合モンスターの素材を墓地へ送り、融合召喚する!我はフィールドの
アルベルがその仮面を劇城へと放り投げ、それを追うようにルベリオンも城の内部へと飛んで入っていく。
要塞がひと際不穏な音を響かせると、内部から再びの赫い竜が飛翔してきた。
レベル8『赫灼竜マスカレイド』(2枚目)
-ATK/2500
「ッ2体目だと!?」
コイツ、なんて悪質な戦法を取りやがるっ!
俺の嫌そうな顔を見て、
「イイ顔だ……、しかし、まだだ!我は墓地の罠カード『烙印断罪』を除外し効果発動!墓地の『烙印』魔法・罠1枚を手札に加える。我が戻すのは当然『烙印融合』だ」
しっかりと次のターンのケアまでし、これだけ展開してもまだ潤沢に残る手札3枚を「ふむ」と眺めるアルベル。
「カードを1枚伏せ、ターンエンドだ。そしてこのエンドフェイズ時、墓地に送られたアルビオンの効果によりデッキから『烙印』魔法・罠を1枚セットする。……さぁ、来るがいい特異点よ」
盤面は脅威のマスカレイド2体に、クエム。そして∞復烙印と伏せカードが2枚……。
マズいな。
特にマスカレイドがヤバい。アイツの効果はP.U.N.K.と非常に相性が悪い。
だが、やるしか無い!
嗤うアルベルに、俺は睨みながら吠えた。
「俺のターン……、ドロー!」
俺が引いたカードは……、召喚権を使うことになるが、コイツならマスカレイド×2体を何とか出来る!
「俺はサイキック・ブロッカーを通常召喚!」
レベル4『サイキック・ブロッカー』
-ATK/1200
「なに?見たことの無いモンスターだな?」
生気の無い能面な機械人形が出現し、アルベルが訝しむ声を上げた。
俺もこのカードを実践で使うのは初めてだ。最近セアミンから貰ったカードだからな!
アルベルは訝しみながらも、自分のカードの効果を発動する。
「ならば我は手札からサロニールの効果を発動!我が墓地のアルビオンを除外し、このカードを特殊召喚する!」
レベル6『
-ATK/2500
まだビーステッドが居たのか!
厳つい二足歩行の巨獣が現れ、クエムの隣に並び立つ。
俺のターンなのにまだ展開してくるかっ。
だがそれよりもまずは、効果がヤバいマスカレイドたちを封じるッ。
「俺はブロッカーの効果を発動する!」
「この瞬間、マスカレイドの永続効果が発動する!相手は600LP払わねば効果の発動ができない!……そして我の場には2体のマスカレイドだ。合計1200のライフを支払え」
「っく!?」
─【LP8000→6800】
これだ、この効果が非常に厄介だ……!
1体でもキツいのに、それが2体も並んでいる。
だがこの効果が通れば!
「改めてブロッカーの効果!カード名を宣言する事で、相手ターンエンドフェイズ時までそのカードのあらゆる使用を禁じ、封じる!」
「ほう?」
「そして俺が宣言するカード名は『赫灼竜マスカレイド』!」
俺の宣言と共に、ブロッカーが緑の波動を発してマスカレイドたちを包み込んだ。
ブロッカーの能力は効果の発動・適用まで封じる。これでマスカレイドによるライフ支払いは気にしなくて良くなった。
アルベルが腕組みをして唸る。
「まさか1枚のカードで2体のマスカレイドを封じるとは。さすがに想定外だ」
全く想定外ではなさそうなアルベルを尻目に、俺は勇往邁進、展開する。
「行くぞ!自分フィールドにサイキック族が存在する事で、俺は手札からサイコミニスターを特殊召喚する!」
レベル3『寡黙なるサイコミニスター』
-DEF/2100
「続けて、自分フィールドにレベル3モンスターが存在する場合、俺はさらに手札からサイコウィールダーを特殊召喚!」
レベル3『サイコウィールダー』
-DEF/0
俺の場に一気に3体のモンスターが並ぶ。
連続特殊召喚に調子を良くし、このまま一気にデュエルを加速させる!……と意気込んだのも束の間、アルベルが先に反応した。
「調子に乗るな下郎!永続罠発動∞『烙印の
「なに!?」
「我のフィールドに『ビーステッド』が存在する限り、相手の儀式・融合・S・L召喚の素材となるモンスターは、墓地へ行かず除外される!」
何だそのカードは!?メチャクチャ強いじゃないか!?
今、アルベルのフィールドには『
変なタイミンクで召喚したと思ったら、この為の布石だったのかっ。
っく、このままS召喚したら除外されるが……やるしかない!
「俺はレベル3のサイコミニスターに、レベル3のサイコウィールダーをチューニング!」
〈〈〈チューナー3〔⑥〕レベル3〉〉〉
「ほう?構わずS召喚するか」
「サイコキネシスを修めた魔女よ。その超常の力を以て、戦場に静寂をもたらせ!S召喚!」
レベル6『静寂のサイコソーサレス』
-DEF/2200
ピンク髪を盛大にツインテ縦ロールにした、両手にイカツい武器を持ったぴっちり白タイツの女性サイキッカーが現れる。
素材となったモンスターは除外されるが、大丈夫だ。この手札なら何とかなる……!
「S召喚したソーサラーの効果!1000LP払い、デッキ・墓地・除外から『テレポート』通常・速攻魔法カードをフィールドにセットする!俺はデッキから速攻魔法⚡︎『テレポート・フュージョン』をセット!」
─【LP6800→5800】
「素材の除外も甘んじて受け入れ、ライフコストも厭わずサーチするか……。だがそのモンスターを召喚した時、∞復烙印の効果発動!相手が召喚・特殊召喚した時、我の墓地から『ビーステッド』モンスターを1体蘇生する!蘇れ、ルベリオン!」
レベル8『
-ATK/2500
再びの獣がフィールドに現れる。
これで場に『ビーステッド』が2体並ぶ……何がなんでも素材モンスターを除外させる気だな。
だがそれくらいなら問題ない!
「俺は手札から『プロトタイプサイコガンナー』の効果発動!このカードを墓地へ送り、手札・除外ゾーンからレベル4以下のサイキック族1体を特殊召喚する!俺は手札からコイツを特殊召喚!」
レベル3『メンタルプロシージャー』
-DEF/1100
「大仰に吠えて何を召喚するかと思えば……ずいぶん不細工な面のモンスターだ。P.U.N.K.はいつになったら使うのだ?」
新たなサイキック族の姿を見てフン、と鼻を鳴らすアルベル。
確かにここまでの流れの中で、俺はサイコ系モンスターしか使っていない。加えて
だが、コイツはバツグンでP.U.N.K.と相性が良いモンスターなのだ。
ご期待通り、これからP.U.N.K.で暴れ回らせてもらおう!
「モンスターの効果で特殊召喚したプロシージャーの効果!2000LPという特大コストを支払う事で、デッキ・墓地から『テレポート』通常・速攻魔法カード1枚を手札に加える!俺はデッキから⚡︎『緊急テレポート』を手札へ!そしてこれを発動!」
─【LP5800→3800】
俺が⚡︎緊テレを
「そうか。ならば手厚く出迎えよう」
なんだと?
身構える俺に、アルベルがマントをバッ!とはためかせた。
「永続罠∞『烙印の
「っな!?今度はお前がS召喚だと!?」
「レベル6ドラゴン族のサロニールに、レベル4チューナーのクエムをチューニング!……脚本通りに進むつまらぬ物語よ。我が即興劇にてすべてを混沌に染め上げよう!S召喚!!」
〈〈〈〈チューナー4〔⑩〕レベル6〉〉〉〉〉〉
傲慢な召喚口上と共に、空に巨大なホールが出現。
S召喚の光の柱がその中を貫き、緩慢とした動きで這い出てくるは白く細い腕。
その骨のような体躯に何本もの腕を生やした、天使の羽を持つ悪魔の顔をした禍々しいドラゴンが闇夜に咆哮を轟かせた。
レベル10『
-ATK/3500
俺のターン中に、俺より先に
俺の隣にブオン!と
ディス・パテルを中心に、ゴロゴロと紫電が鳴り響く。
カッ!と迸る雷鳴が、アルベルの悪役顔に陰影を付けた。
「さぁ、神を前に存分に足掻くが良い」
デュエルの序章が、終わる。
『サイキック・ブロッカー』の効果詳細:
①:1ターンに一度、カード名を1つ宣言して発動できる。相手ターン終了時までの間、宣言されたカード名を元々のカード名とするお互いのカードに以下を適用する。
●フィールドに出す事ができない。
●カードの発動及び効果の発動と適用ができない。
●通常召喚・反転召喚・特殊召喚できない。
●攻撃及び表示形式の変更ができない。
●素材を必要とする特殊召喚のための素材にできない。
『適用ができない』だから、マスカレイドのライフ徴収も封じれる……スよね?
この世界では封じた!