おう店長!またコーヒー頼むわ」
そういってテーブル席に座る警邏隊の隊員さん、もう常連の風格だ、あなたここ二回目だよね?コミュ力つえーやつってヤバいなと思いながらわかりましたと言いつつホットコーヒーを提供する
「いやー、聞いてくれよ店長、昨日はあの後違法賭場にカチコミ掛けたんだけどよ、楽しかったぜー?最近は抵抗諦めて逃げるような根性無しばっかりだったんだけどよ、前回は抵抗してくれたから好き放題暴れられたんだ、顔面ザクロみたいになってるのにまだ抵抗してんのウケるよなぁ~!
流石に殺しまでやると始末書じゃ済まねぇからよ、適当に頸動脈閉めて落としたんだけど、やっぱああいうバイオレンスってのが生きていく上で欠かせねぇと思うんだよなぁ。」
突然語りだしたと思ったらシンプルにやべー奴で草、いや草も生えねぇわ、こわ。
え、なんなの、なんというか治安が良い世界じゃないなとは思ってたけど相当バイオレンスじゃない?これが普通なの?抵抗してくれればぶっ殺せるのにぐらいが警邏隊の標準なの?んなわけねぇよな?其処までやべーやつ俺流石に見た事ねぇって。
というか俺はその話聞かされてなんて答えりゃいいんだよ、大丈夫でしたか?とかか?見りゃわかる事いってもしゃーないべ?えー、こう……うーん……。
「大変でしたね、そんな荒事が起こるとは、やはり警邏の方がしっかりと仕事をしてくださっているから安心して街に住めるんだなと今の話で実感しますよ、私がそんな荒事に巻き込まれたら逃げ惑うしかありません」
ははっと乾いた笑いを零しながらテーブルにコーヒーを置いた。
「ふーん?三味線引くのが下手だねぇ店長?」
「はぁ……三味線?」
「歩いて体幹がブレてない、背筋に鉄筋が入ってるみてぇだ、摺り足が身についてる、今の歩き方と靴のかかとの減りみりゃわかるよ、いつもそうやって歩いてんな?死に体になるのを本能的に避けてる、そんで小さい歩幅はスカートみたいなの履いてりゃ踏み込みがわかんねぇだろうな、視線が常に斜め下、そういうのは軍人かダンジョンエクスプローラーが罠を警戒して歩く時の視線だよ、それ以外でもなんつうかな?カンとしか言えねぇが……あんた相当ヤルだろ?」
「まぁ喫茶店をやる前にはダンジョン探索をしてお金を稼いでいましたので、そういう意味では元プロかもしれませんが……対人戦闘の経験はほぼありませんので、やはりそういう対人の荒事をこなせる方は凄いなぁと思いますよ」
「対人経験が無い、凄い、凄いねぇ……それも嘘だな、店に入ってきた時、あんたまず武器の位置を確認したろ。
男なんてなぁいつだってこの無駄にでっけぇ胸から見るもんさ?腰のベルトに刺した銃と隠してあるレッグホルスターに目なんてやらないんだよ、わかるか?
でもまぁ別に悪さをするつもりじゃねぇならどうでもいいわな、忘れてくれ、職業病ってやつだ、コーヒー頂くぜ。
まぁ……巨乳を見て、流石に失礼だなと思って視線を外して下のほうみただけなんですけど、いやこっちだとコンプラ意識があんまりないからガン見しちゃうのか、俺にはその度胸が無かっただけなんですよ、まぁそんな事言えないんで。
「ごゆっくりどうぞ」
とだけ言ってカウンターに戻るんですけどね、なんだかなぁ。