この世界で紡がれる物語をどうか最後まで読んで楽しんでもらえる事を心から願います。
第01話 新たな日常
高校2年生になった颯は菜々と2人で登校していた。
「今日も良い天気ですね! 絶好の練習日和です!」
「そうだな・・・・」
颯は自身の横を元気いっぱいな姿で歩く菜々の姿を見ながら思った。
「(菜々は各校合同文化祭&第2回スクールアイドルフェスティバルの時に自分が優木せつ菜である事を打ち明けてからより一層大好きの気持ちをみんなに伝えるようになった。一時はスクールアイドルを辞めそうになった時もあったけど今はこうして元気にやりたい事が出来てて何よりだよ)」
ラブライブを目指す菜々と他のメンバーとの衝突が原因でスクールアイドルを辞めようとした時があったが侑や他のメンバーのおかげで再び優木せつ菜として歩み出して今に至る現状に颯は満足していた。
『颯君! 私と一緒にスクールアイドル活動をしませんか!』
『はぁ? スクールアイドルって女の子達がやるやつだろ? 何で俺が?』
『スクールアイドルは一人では出来ません! 裏方などで彼女達を支え助けてくれる存在が必要なんです! ですからそれを颯君にお願いしたいんです! 引き受けてもらえませんか?』
『いやいやいや、引き受けるって言ったって俺はスクールアイドルやその裏方に関する知識なんて何にも無いんだけど・・・・』
『ダメですか・・・・』
『・・・・あぁもうわかったよ! 俺に出来る事があれば協力するよ!』
『ありがとうございます!』
「(この世界ではヴァンガードに専念したいから菜々とは幼馴染の友達ぐらいの関係で良いかなって思ってたけどまさかガッツリ関わる事になるなんてなぁ・・・・あの頃は初めての事ばかりで色々と大変だったけど、今思えば何とかなるもんだな・・・・)」
颯は菜々がスクールアイドルを始めるから協力してほしいと頼んできた時の事を思い出しながら過去の出来事を思い出しながら歩いていた。
「ところで颯さん。今日は同好会の練習に参加出来そうですか?」
「あぁごめん。今日はしずくちゃんと一緒に演劇部の方に行く予定なんだ。明後日の休日から演劇部の舞台が始まるから会場で機材のチェックとか諸々の最終確認をしないといけなくってさ。しずくちゃんは今回も主役として舞台に立つから尚更な」
「しずくさんは凄いですね。まぁそういう理由なら仕方ありませんね」
「悪いな。こっちが落ち着いたらまた同好会の方にも顔を出すからさ」
「わかりました」
それから2人は先日放送されたアニメの話や漫画の話で盛り上がりながら虹ヶ咲へと登校した。
その日の放課後、颯は演劇部の部員達と共に今度の週末から演劇部の舞台が行われる会場へとやって来て会場のスタッフさんと機材の確認や演者達による実際に会場を使った練習が行われた。
「ふむ。この照明は大丈夫そうだな」
「颯先輩!」
「あぁ、しずくちゃん!」
颯が会場の上の階にある照明の明るさを確認しているとそこへ上は長袖のシャツに下はジャージの長ズボンを履いた颯と同じ同好会メンバーの"桜坂 しずく"が彼の所へやって来た。
「何してるんですか?」
「照明のチェックだよ。演者にスポットを当てるならどのくらいの明るさが良いんだろうなって他の照明と合わせて色々調整してたんだ」
「そうだったんですね。いつもありがとうございます」
「気にしなくて良いって。それが俺の仕事なんだから」
「そうかもしれませんけど、先輩には色々な所でお世話になってるので本当に感謝してるんです」
しずくは微笑みながら自身の気持ちを颯に伝えた。
「ホントに大袈裟だって。俺が演劇部に入ったのだって元々はスクールアイドルのステージ作りの参考になればと思ったのがきっかけだったし、まぁ今ではこの仕事もいろんな刺激がもらえて楽しくやらせてもらってるよ」
「そうですか。私は最初、この演劇部に入った時は演技の事ばかりで先輩やスタッフの皆さんが1つのステージを作るのにどれだけ沢山の試行錯誤を繰り返してたのかあまりわかっていませんでした。それでも先輩は私達演者がどうすれば最高の演技を出来るかを常に私達の立場になって考えてくれたので私達も納得のいく演技が出来るんだって思いますし、そんな先輩を部長も褒めてましたよ」
「そう言ってもらえると嬉しいな」
颯はしずくからの言葉を聞いてとても嬉しい気持ちになった。
「しずくーーっ! そろそろ練習再開するよ!」
「わかりましたーーーっ!」
すると下から演劇部の部長の声が聞こえてきてしずくは舞台の方へと戻ろうとしていた。
「それじゃあ先輩。私はこれで・・・・「しずくちゃん!」・・・・はい?」
「練習頑張って! しずくちゃんの舞台。楽しみにしてるから!」
「っ!? ・・・・はい! 先輩の期待に応えられるような最高の舞台をお見せします!」
そう言ってしずくは更に気合いの入った表情で舞台の練習へと戻って行った。
「(スクールアイドルの手伝いもそうだけど色々やってみるもんだな。ヴァンガード以外にもこんなにも楽しくてやり甲斐のあるものに出会えたんだから)」
その後、舞台は予定通り開演してお客さんも大満足する舞台となったのは言うまでもなかった。
演劇部の舞台が無事に終了したある日の放課後、颯はお台場にあるヴァンガード専門店"カードショップ
「ヴァンガードにアタック!」
「ノーガード! ダメージチェック・・・・ノートリガー・・・・」
「ヨシッ! 俺の勝ちですね!」
「クソーーッ!また負けたーーっ!」
颯がファイトしていたのはこのカードショップ邂逅の常連で同じ大学のヴァンガードサークルで結成されたチームのメンバーだった。
そのチームの名は"チーム先導者"という。
そんなチーム内で一番年下の大学2年生、金髪ショートカットの"
「何やってんだよ涼。今日だけで5連敗だぞ」
「それだけ颯が実力をつけてきているんだろう。最早涼レベルでは相手にならないという事か」
「そんな!? 大輔さんも昭さんもあんまりですよ!」
涼に対して厳しいコメントしたのは黒髪ショートヘアでチームリーダーかつ大学3年生の"
「そういえば颯。今年のVCSには出られそうか?」
「VCSですか・・・・」
VCS。正式名称【ヴァンガードチャンピオンシップ】
1年に1度、3人1組のチームを組んで行われるヴァンガードの日本一のチームを決める大型大会だ。全国各地のカードショップで行われる店舗予選で勝利したチームだけがこの大会に参加できる。
「去年はあと少しでしたもんね・・・・」
「あぁ。だが今年こそは優勝してみせる」
涼と昭がそう言うのには理由がある。
それは彼らのチームは去年の前回大会で準優勝という結果を残していてあと一歩の所で優勝を逃しているからだった。
「だな。今年こそは勝つ! 勝って優勝する! その為に頑張ってきたんだ。・・・・そんで?颯はどうするんだ?」
「俺ですか? 俺も出たいんですけどメンバーがいなくて・・・・」
「お前去年もそんな事言って不参加だったじゃねぇか」
大輔は颯が同じ理由で去年の大会に参加してない事を気にしていた。
「そうは言っても本当にメンバーがいないのと後は同好会や演劇部の活動もあって色々と忙しいっていうのが理由ですかね・・・・」
「杏沙ちゃんはどうなんだ? あの子だって今年から高校生でヴァンガード同好会を立ち上げたんだろ? だったらそこに入れてもらえば良いじゃんか?」
「それも考えましたけど、杏沙達もVCSに参加する気満々でメンバーにも空きが無いらしいんですよ」
「そっか・・・・」
颯は大輔達以外の身近な人物達で共に参加してくれる人を探しているが見つからないというのもあるが、同好会や演劇部の活動もあるからヴァンガードだけに力を入れらないというのが現状だった。
「良いよなぁ。お前はあんな可愛い子達と一緒にいられて。おまけにせつ菜ちゃんとは幼馴染だと? あまりに羨ましくて涙が出てきたぜ」
「勝手に泣いてろ」
「酷っ!?」
涼もまたせつ菜達同好会メンバーのファンの1人で彼女達と共に活動している颯の事を羨ましく思っていると昭からのツッコミが入った。
「コイツの事は放っておくとして。颯、俺から見てもお前の実力はVCSでも充分通用するレベルだと俺は思う。少しでもその気があるのなら大会には参加するべきだ」
「昭さん・・・・」
颯は昭から予想外の評価を受けて驚きと喜びの両方の感情に晒されていた。
「珍しいな。お前が他の誰かを褒めるなんて」
「うるさい」
「まっ、昭の言う通りだと俺も思うぜ。だがもしも大会でぶつかる事があればその時は全力で倒しにいくから覚悟しろよ!」
「勿論。受けて立ちますよ!」
大輔達とそんな会話をした後にも彼らと数回ファイトして颯はお店を出てそのまま帰宅した。
「ただいま!」
「おかえり」
「おかえりなさい!」
「あれ? 菜々来てたのか?」
「はい! 今日も颯君が持ってる漫画が読みたくて来てしまいました!」
「そっか。言ってくれれば貸したのに」
「えへへ・・・・」
家に帰るとそこには私服姿の颯の妹こと赤い瞳で黒髪のミディアムヘアを結ばずに下ろし、白いシャツの上からピンクのパーカーを着て水色の短パンを履いた杏沙と制服を着てせつ菜の姿をした菜々がリビングで出迎えてくれた。
【今後は菜々がせつ菜の姿をしている時は菜々ではなくせつ菜と呼ぶことにします。by 作者】
それから颯は自分の部屋に戻って荷物を置くとせつ菜が読みたがっている漫画を持って再びリビングに戻った。
「今日も大輔さん達とファイトしてきたの?」
「あぁ。お前は来なくて良かったのか?」
「私? 私はヴァンガード同好会のみんなと一緒にVCSに向けての調整で忙しいの!」
「さいですか。ほれ菜々、持ってきたぞ。これが読みたかったんだろ?」
「そうそうそれです! ありがとうございます! あと今の私はせつ菜です!」
「あぁそうだったな。ごめんごめん」
颯が持ってきた漫画を受け取ったキラキラした瞳で受け取ったせつ菜は椅子に座って早速読み始めた。
「それで? 戦績はどんな感じだったの?」
「涼さんに5連勝したぞ」
「・・・・えっ?」
「ん?」
「いやいやちょっと待って。涼さんって結構強かったよね? 去年の大会で準優勝だったからそんなに弱いはずないし。その涼さんに5連勝?」
「あぁ」
「手加減されたとかじゃなくて?」
「そうだな。涼さんはずっと全力だったぞ」
「・・・・マジで?」
「嘘ついてどうするよ。確かに涼さんには勝てたけどその後に昭さんや大輔さんともファイトした時は全然勝てなかったな」
「・・・・お兄ちゃん! 私とファイトして!」
「えっ? いま?」
颯は突然杏沙からファイトを申し込まれた。
「だってお兄ちゃん涼さんに勝てるくらい強いんでしょ? VCSで優勝する為にも今のお兄ちゃんに私が何処までやれるか知りたいの!」
「そういえば昭さんも言ってたな。今の俺の実力ならVCSでも通用するだろうから少しでもその気があるのなら大会に出るべきだって」
「でしょ!? てかあのやたら人を褒めない昭さんからそんな事を言われるとか・・・・これはもうファイトよ! ファイトするしかないよお兄ちゃん!」
「と、取り敢えず落ち着こうな」
颯は興奮する杏沙を何とか落ち着かせようとしていた。
「ん? VCSって何ですか?」
「VCS。正式名称はヴァンガードチャンピオンシップと言って、3人1組のチームを組んで日本一のチームを決めるヴァンガードの大会だよ」
「日本一のチーム!? それは凄いですね!」
「そうでしょ? そして今年は私も店舗予選から参加するのだ!」
「おぉ!」
漫画を読んでいたせつ菜だったが颯達の方から大きな声が聞こえてきたのでVCSの話を聞いて興奮していた。
「それは凄いですね! という事は当然颯君も参加するんですよね?」
「そうしたいのは山々なんだけど俺はどうだろうなぁ」
「えっ? どうしてですか?」
「俺の場合は参加したくても一緒に参加してくれるメンバーがいないから難しいかもな」
「またそんな事言って! お兄ちゃん本気でメンバー探す気あるの? お兄ちゃんがその気になればきっとすぐにメンバーなんて見つけられるよ!」
「かもしれないけどさ。俺がVCSに出てたらその間は同好会や演劇部の活動が疎かになっちゃうし、その所為で他のみんなに迷惑はかけられないだろ? 」
「それは・・・・」
「颯君・・・・」
颯は個人的な都合で周りの人達に迷惑をかけたくないと言う気持ちに杏沙とせつ菜は何も言い返せなかった。
「まぁ気長に探すさ。今年がダメでも来年があるし」
「でも・・・・」
「・・・・私じゃ、ダメですか?」
「「えっ?」」
「私が、颯君のチームに入ります!」
「「ええっ!?」」
突然のせつ菜の発言に2人はかなり驚いたのであった。
To Be Continued
次回はいよいよヴァンガードというカードゲームがどんな世界でどういうルールなのかを説明します。
それではまた次回お会いしましょう!