Z戦士の虎杖悠仁   作:汚ねえ花火

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逃げるなんて出来ない!いざ戦場へ!

「よし、悟飯。そろそろ自分で飛べるか?」

 

「うん。飛べる」

 

 先ほどまでの戦場から少し離れた場所で、悠仁は悟飯を腕から放した。

 

「さて……と」

 

 進むのをやめ、来た方向を振り向いた悠仁にクリリンが声をかけた。

 

「どうしたんだ?」

 

「……みんなは、避難しててくれ。俺は戦いを見に行く」

 

「なっ!?無茶だ!!!あの気弾だけでも、あいつの強さが桁違いなのは分かっただろう!?」

 

「分かってるさ。でも、それでも師匠が心配だ」

 

「それは……俺だって心配だよ。でもよ、行ったって何が出来る?足手纏いになって、逆に悟空の迷惑になっちまうかもしれないだろう?」

 

 そう弱々しく呟くクリリンに、悠仁は真剣な顔で話す。

 

「気を隠して、隠れて行く。あいつは気の探知は出来ないみたいだから、見つからないようになら、多分できる」

 

 悠仁が悟空から逃げるように言われたことに納得したのは後から隠れて近づき、万が一の時に不意打ちという手段を残すためである。

 

「それでも!」

 

「それに、師匠がもしピンチになってても、宿儺の『捌』を不意打ちで当てれば、師匠を助け出すことは出来るかもしれない」

 

「……なら、俺も行くぞ。子供1人向かわせるなんて、そんな真似できるか!!!」

 

「クリリンさん…」

 

「なら、僕も……僕も行く!!!じっとなんて……してられない!!!!!」

 

「それなら俺も行くぜ?」

 

 クリリンに続き、悟飯とヤムチャも悟空のいる戦場へ向かうと言い出し、悠仁は慌てた。

 

「いやちょっと待ってくれ!俺は仙豆で気を全回復出来たけど、3人は消耗が激しいだろ!?来させるわけにはいかない!!!」

 

「……それは、そうだな。確かに気もほとんど使いきっちまった」

 

 ヤムチャの呟きに、クリリンと悟飯も悩み始める。

 

『貴様ら3人の内、誰か1人に残り2人の残りの気を全て託せば良いではないか』

 

 悠仁の頬に顔を生やしてそう言う宿儺に、3人はハッとする。

 

「そうか……その手があった!じゃあ……誰に?」

 

『孫悟飯しかなかろうが。貴様ら3人の内、おそらく最も強いぞ?』

 

 事実、この世界では、悠仁がピッコロとの修行におり、それで見取り稽古が出来たおかげで悟飯の動きは格段に良くなっており、この3人の内では最も強い。

 

「子供だけで行かせられるかよ!……俺が行く。」

 

 クリリンが静かに手を上げる。

 

 悠仁は現在14歳、悟飯に至っては5歳だ。

 

 そんな子供を2人だけで死地かもしれない場所に送ることなど、クリリンには出来なかった。

 

 しかし、

 

「いや、ダメだ。クリリンは1回ドラゴンボールで生き返っている。行くなら、死んだことがない俺にすべきだ。本場のドラゴンボールとやらでも、1回生き返っていたらもう生き返れないなんてこともあるだろうしな」

 

 クリリンの提案を蹴り、ヤムチャが手を上げる。

 

『貴様が行くのか?ヤムチャとやら。死ぬぞ?』

 

 忠告ではなく、ただの事実のように宿儺は言う。

 

 けれど、

 

「問題ない!」

 

 ヤムチャは力強く言う。

 

 これにより、戦場へと向かうメンバーが決まったかに思われた。

 

 しかし、

 

「いやだ!僕も行く!!!お父さんがピンチになるかもしれないなら、絶対に行く!!!」

 

 悟飯が声を上げる。

 

 先ほど逃げるという選択肢を取ったのは、悟空に言われたから、そしてピッコロの死で呆然としていたから。

 

 少し落ち着いた今、悟飯は意思を曲げるつもりはない。

 

 この1年で、悟飯も成長した。

 

 自分の意思をちゃんと持ち、それを行動に移せるようにもなったのだ。

 

「しかしなあ……」

 

 クリリンが悩む中、悠仁が口を開く。

 

「そろそろ決めてくれ。あんまり時間かかると、全部終わっちゃうかもしれない」

 

 ベジータの脅威の強さを間近で感じ取った悠仁は焦っていた。

 

 ベジータから感じた力が、悟空から感じた力よりも大きかったから。

 

 焦った様子の悠仁に、3人は顔を合わせ、決意する。

 

「もういっそ、全員で行くか」

 

「それが良いかもな」

 

「気は、残り少ないけどよ、さっき言ってた技を不意打ちで当てるための陽動ぐらいなら出来るぜ?」

 

 ヤムチャの言葉に全員が頷く。

 

「分かった。……いや、そういえば宿儺の反転術式、あれ他者も治せるんじゃなかった?」

 

 ハッと思いついた悠仁に、宿儺は無慈悲に告げる。

 

『無理だな。あれは大前提、その治す対象も呪力を持っている必要がある。この世界の人間にあるのは呪力ではなく気だ。気を持ってる人間にかけたことはない故、何が起こるか分からぬ』

 

「そっか…そんな都合よくは行かないか……分かった。全員で行こう!けど、自分の命第一にだからな!!!」

 

「それを言うならお前の方が心配だよ。まだ子供なんだから、無理すんなよ?」

 

 優しく声を返すクリリンに悠仁は頷く。

 

「分かってる……」

 

『決まったなら、さっさと迎え小僧』

 

「分かってるよ!」

 

 斯くして、全員が悟空の元へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 ある程度飛んでから、悠仁たちは気を消し、戦場まで走り、戦場の岩場の影に隠れた。

 

 そこで、5人は目撃した。

 

 全身に紅蓮の気を纏った悟空の鋭い拳が、ベジータの腹へと直撃する、その瞬間を。

 

「だりゃあああああああ!!!!!」

 

「グッ……ハッ…!!!」

 

 ベジータの体がくの字に曲がり、吹き飛ぶ、その瞬間を。

 

 

 

 

 




原作ではベジータが月モドキを作ったあたりで向かっていましたが、今作では悠仁が向かうと言い出したことで原作よりも早く悟空の元に行くことになりました!
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