Z戦士の虎杖悠仁   作:汚ねえ花火

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はじけてまざれっ!!!!!

「すっ……げぇ」

 

 思わず悠仁は感嘆の声を漏らす。

 

 正直、自身の師匠がここまでの強さとは思っていなかったのだ。

 

 あの場で悠仁が感じた力は、確かにベジータの力が悟空の力を凌駕していた。

 

 その筈なのに、蓋を開けてみればベジータに回避も防御も許さず、悟空の拳が直撃していた。

 

 それも、明確なダメージを伴って。

 

『ほう、あの紅蓮の気…あれにカラクリがありそうだな』

 

 宿儺もまた、興味深そうに悟空の様子を観察する。

 

「ああ、純粋な力を増加させる技…かな?」

 

 そうこう話している内にも戦いは続いていた。

 

 

 

 界王拳発動後の初撃に対処できなかったベジータではあるが、すぐさま体勢を立て直すとともに、悟空に肉薄する。

 

 現状、力もスピードも悟空の方が優位ではあるが、ベジータはそれを長年の戦闘経験から培った勘と戦闘技術で対処を試み始める。

 

 気の操作技術に関しては悟空に分があるが、幼い頃から実戦に身を投じ続けていたベジータの方が戦闘における勘と技術は上であった。

 

「貴様ーーー!!!まさか戦闘力で俺の上をいくとはなー!!!!!」

 

 ベジータは、落ちこぼれであるはずの悟空に力とスピードで上をいかれ、激昂しつつも悟空の猛攻になんとか対処しながら、反撃を試みる。

 

 しかし、その反撃の瞬間は訪れない。

 

「だりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!!!!!」

 

 絶え間のない猛攻がベジータを襲う。

 

 

 

「これ……勝てるんじゃないか?」

 

 クリリンがそうこぼしてしまうのも納得してしまうほどに、戦いは悟空に有利に働いていた。

 

 ベジータの方が戦闘経験があるため、技術においては上であっても、悟空の技術が拙いわけではない。

 

 むしろ、悟空の戦闘技術はベジータより劣ってはいても近くあった。

 

 それ故に、ベジータは悟空の攻撃への対処で手一杯となっているのだ。

 

 

 

「クソッたれめーーー!!!!!」

 

 反撃ができず、ベジータの心にストレスが溜まる。

 

 そして、そのストレスによって、ベジータの動きが単調になる。

 

 その隙を逃す悟空ではなく、

 

「ダァッ!!!!!」

 

 悟空のアッパーが綺麗に決まる。

 

 それにより、ベジータが上空へと吹き飛んだ。

 

 顎への強打によって、ベジータはほんの一瞬、気を失った。

 

 それは、本当に一瞬。

 

 けれど、悟空にとっては、当たる!と確信できるだけの時間。

 

 悟空が両手を腰の位置で合わせ、気をタメる。

 

 当たる。

 

 それは

 

「かめはめ波ーーーーーーーー!!!!!」

 

 亀仙人直伝の必殺技。

 

 光速にすら匹敵するそれが、ベジータへと迫る。

 

 当たる直前にベジータは気絶から目を覚ます。

 

 けれど、すでに回避は不能の距離。

 

 それ故にベジータが取った行動は。

 

「ギャリック砲ーーーーーーーー!!!!!」

 

 超威力のギャリック砲による正面からの迎撃。

 

 しかし、タメが出来なかった分、ギャリック砲の威力は本来のものより劣る。

 

 それ故に、ギャリック砲はかめはめ波へと呑み込まれ、ベジータもまた、かめはめ波に呑まれる。

 

 叫び声を上げる暇すらもなく、ベジータはかめはめ波とともにはる上空へと消えた。

 

「ハァ……ハァ……」

 

 すこし息を乱しながら悟空は界王拳を解き、上空を見上げた。

 

「2倍界王拳で………済んでくれりゃ、良いんだけど」

 

 悟空が界王から許可された界王拳の倍率は常時ならば2倍まで。

 

 そして、時間制限はあるが3倍までなら許可されていた。

 

 3倍界王拳が許されるのは10分。

 

 それを切れば、悟空もタダでは済まない。

 

 それ故に、このかめはめ波で終わってくれれば良いと考えた悟空だが……

 

 

 

 同じ時、ヤムチャが喜びの声をあげていた。

 

「やった!!!やりやがった悟空のやつ!!!あの化け物に勝ちやがった!!!」

 

 そう喜ぶヤムチャに、宿儺が笑う。

 

『終わったと、そう思うのか?本当に?』

 

 嘲笑うかのような宿儺に一瞬怒りそうになるヤムチャだったが、嫌な予感がして、気の感知に集中し、固まる。

 

「………マジかよ」

 

 ベジータの気は消滅しておらず、未だ強大な力を放っていた。

 

理不尽(タフ)すぎね?」

 

 悠仁もまた苦笑いだ。

 

 

 

 そんな彼らを見ていた者がいた。

 

(あぶにゃー!決着したと思って出て行くとこだった!)

 

 ヤジロベーである。

 

 決着がついたと思い、悟空に声をかけに行こうとしたところ、悠仁たちを見つけ、その話に聞き耳を立てていたのだ。

 

 

 

 悟空もまた、ベジータが生きていることを感じ取っていた。

 

「3倍まで、使うべきだったかなこりゃ……」

 

 

 

 しかし、ベジータは一向に降りてこない。

 

 それどころか、移動を開始していた。

 

「まさか!オラを放置して、地球のみんなを殺しに行ったのか!?」

 

 焦る悟空だったが、すぐにその考えを改める。

 

「何か……探してる?」

 

 ベジータの気はあっちへ行ったらこっちへ行ったり、まるで何かを探しているようだった。

 

 

 

 ベジータが探しているもの。

 

 それは月である。

 

「クソッ!!!どこだ?どこにある!?今日は満月のはずだぞ!?」

 

 地球の月の周期を事前に把握していたベジータは焦っていた。

 

 悟空に尻尾がないことを確認していたベジータは、大猿化してしまえばこっちのものだと考えていた。

 

 それ故に満月を探し、そして

 

「奴ら!!!壊しやがったな!!!」

 

 その考えに辿り着く。

 

「フハハハハッ!!!なるほど、奴らは知らんのか。サイヤ人の中で限られたエリートは、月を創れるということを!!!」

 

 ベジータは笑い、そして掌に力を集中させる。

 

(このまま降りて、絶望を与えながら変身してやりたかったが仕方がない。おそらくこのまま降りたらパワーボールを完成させることすら出来ないだろうからな)

 

 先ほどの悟空の猛攻を思い出し、ベジータはそう考える。

 

 人工的な小さな満月の材料となるパワーボール。

 

 それをまずは完成させなければいけないのだからと。

 

 しばらくして、掌の上に出現したパワーボールをベジータは上空へと投げつける。

 

 そして、

 

「はじけてまざれっ!!!!!」

 

 

 

 今、絶望が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




パワーボールって、その名前ついてるの忘れてて、原作読み返してる時にそういえば名前あったんだ!となりました。
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