Z戦士の虎杖悠仁 作:汚ねえ花火
「おっ、起きたか?オラ、孫悟空ってんだ!よろしくな!」
悠仁が目を覚まして最初に目にしたのは、自分の顔を覗き込む青年の姿だった。
「虎杖悠仁……です」
「よろしくな!悠仁!」
「は、はい」
「宿儺っちゅー奴に聞いたんだけんどよ、悠仁たちはこことは違う世界から来たんだろ?」
「そう、見たいですね」
「帰りたいかなと思ってな、悠仁が起きるまでにドラゴンボール集めてたんだ!」
「ドラゴンボール?」
「そうだ!7つ集めればなんでも願いが叶う不思議な玉だ!」
「なんでも……じゃあ!帰れる!?」
異世界に来てしまったという不安が一気に飛んだ。
帰れるかもという希望が悠仁の心に光を灯す。
しかし、
『おい、それでは貴様との再戦が叶わぬではないか!』
宿儺が不満を漏らす。
「そうだけどよー、悠仁はまた子供だ。悠仁の願い優先だろ?」
『いーや、認めん。再戦が叶わぬまま帰ってたまるか!』
「じゃあ今からやろう!それでお前の願いも叶うってことで……」
『ふざけるな!今やっても結果が変わらぬことなど分かっておるわ!』
「うーん、ま、とりあえず神龍に元の世界に帰れるか聞いてみるか」
一旦宿儺のことは無視し、神龍を呼び出した。
結果だけ言おう。
不可能だった。
いくら神龍といえど、神様の力を超える願いは叶えられなかった。
世界を越えるという願いは神様の力を優に超えていたのだ。
「すまねえな悠仁。期待させといて……」
目に見えて落ち込んでいる悠仁に悟空が謝ると、悠仁は笑顔を作る。
「大丈夫!それに、世界を越えることはできなくても、ドラゴンボールは死者蘇生とかそういうのは出来たんでしょ?こんな不思議なことが出来るものがあるなら、世界を越えることが出来る不思議なものとかあるかもしれない!」
「そうだな……よし、オラも何か探してみる!」
「俺も自分でも探してみようと思う!…あ、でも、この世界には恐竜とかいて危険かもしれないし……」
『よし、小僧!孫悟空に弟子入りしろ!気を学ぶのだ!』
「あ、そっか!その手が!」
「え?オラに弟子入りぃ?オラ、弟子なんてとったことねえんだけどなぁ」
「そこをなんとか!お願い!」
「んー、ま、良いか!教えることは学ぶこととか言うしな。オラの修行にもなんだろ!」
「やった!」
「つっても、オラ修行方法とか分かんねえし、オラが亀仙人のじっちゃんから受けた修行と同じようなことしか出来ねえぞ?まあ、気を扱う感覚とかなら自己流でも教えられっかも知らねえけんど」
「よろしくお願いします!」
「よし、それじゃ、今から食事をとった後、始めるぞ!」
『む?食事か?小僧!代われ!俺が食う』
「いやだよ!」
『小僧の体で栄養を取るのだ!俺に交代していても死にはせん!』
「いーや、俺が食う!!!」
「そう喧嘩すんな。半分食べたら交代とかにすりゃ良いだろ?」
「それなら……まあ」
『よし!小僧!これは『縛り』だからな!」
「分かってるって」
◇
食事の後、準備運動をした悠仁は広大ななにもない草原の中にいた。
そこは、悟空の家があるパオズ山の一角である。
「オラもチチから働けって言われてたかんな!丁度良いや!農業することにしよう!」
「あ、あの……修行は?」
「ん?ああ、そりゃ確かに混乱するか。オラもこの修行やらされた時は驚えたかんな。今日の修行は、この草原を耕すことだ!」
「ええ!?」
耕す……それにしてはあまりにも広大すぎる草原を悠仁は二度見した。
「気を使うにしても、悠仁の肉体がまだまだ出来上がってねえ。だから、まずは体力作りを兼ねてここを耕してもらう」
「分、分かりました!それで、クワとかは……」
「ねえぞ」
「え?」
「素手で耕すんだぞ?」
「ええー!?」
「あ、後敬語は無理に使う必要ねえぞ。さっきから敬語とかごちゃ混ぜで、慣れてねえんだろ?」
「わ、分かった!」
「よーし、それじゃ、ここから右をオラが耕すから、悠仁は左を耕してくれ」
「うす!!!」
斯くして、悠仁の修行は始まった。
悠仁はこれから、作物が収穫出来るようになったら悟空とクリリンがしていた牛乳配達のような修行も追加されたり、亀の甲羅を背負わされたりすることになる。
修行はまだまだ始まったばかりである。
◇
そして、およそ2年の時が流れた。
2人の少年……悠仁と宿儺が向かい合っていた。
空気が張り詰める中、最初に動いたのは悠仁。
超スピードで宿儺はと接近し、その拳を振るう。
「ふん、遅い!」
宿儺はそう言うと共に悠仁の顔面に拳を叩き込む。
直撃する直前、悠仁はギリギリでその拳を避けると、宿儺から距離をとり、両手の上にそれぞれ気弾を出現させ、それを放つ。
気弾は宿儺がいた場所に着弾すると同時に大爆発を起こす。
しかし、悠仁は勝ったと思うことなく、周囲の気を探る。
直後、悠仁は後ろから頭を強く強打された。
「クッ……」
よろめきながらも、なんとか意識を保ち、裏拳を放つ。
「腰が入ってないぞ!小僧!」
裏拳はあっさりと受け止められ、そのまま悠仁は腹部を強打された。
「ああ、分かってるよ!!!」
悠仁はすぐさまバックステップでその場から離脱し、大量の気弾を放つ。
「ヤケクソか?当たらんぞ!」
全ての気弾を回避した宿儺に、悠仁は笑う。
「当てる気が無かったからな!!!」
そこで宿儺は気づいた。
先ほど悠仁が放った気弾が地面に着かず、自身の周囲で滞空していることに。
「小僧……貴様…」
一瞬の隙も与えず、悠仁は
それを合図としたかのように、全ての気弾が宿儺へと殺到した。
「やるじゃないか……だが甘い!!!『解』!!!!!」
宿儺のその声と共に、全ての気弾が切り刻まれ、爆発した。
その爆発で、宿儺の視界が遮られる。
「これすら囮か!!!」
宿儺はすぐさま気配の感知を始め、
「そこかあ!!!」
一瞬見えた悠仁へと拳を叩き込み、違和感を覚える。
感触がないのだ。
「こっちだよ!!!」
宿儺の脇腹に鋭い蹴りがぶち当たる。
「残像拳か!!!」
「その通り!!!さあ、どれが本物でしょうか」
大量の悠仁の残像が出現し、宿儺を混乱させる……ことはなかった。
「種が分かればどうということはない!!!」
宿儺は迷わず本物の悠仁へと解を放つ。
なんとか避ける悠仁だが、完全に避けることは叶わず、左腕が切り飛ばされる。
「宿儺ーーー!!!!!」
「小僧ォオォオオーーー!!!」
2人ともが同時に駆け出し、接近する。
そして、その拳が交わる直前……ピリリリリと音が鳴った。
「なんだ。もう終わりか」
「ああ、朝だな」
ここは宿儺の生得領域。
悠仁は起きている間は悟空に師事し、寝ている間は宿儺と生得領域で組み手をしているのだ。
今の音は目覚まし時計の音である。
精神的に休まる時間がないかと思われるが、意外とそうでもない。
なんなら体を動かせて気持ちいいとすら悠仁は感じていた。
対して宿儺は、自身の成長スピードに驚いていた。
気の操作技術を呪力操作への応用などで、宿儺はメキメキと実力を上げていった。
宿儺は理解していた。
今の自身は、20本の指が全て揃った状態のかつての自分より強いと。
そして、そんな自身とあれだけ戦える悠仁の成長に更に驚いていた。
悠仁には、気を扱う僅かな才能があった。
それは、才能というにはあまりにも陳腐なものかもしれないものだった。
しかし、起きている間の修行と寝ている間の宿儺との組み手が、その僅かな才能をバックアップし、十分実戦で気を扱えるまでに押し上げていた。
そして、宿儺は思う。
そんな自分たちより更に成長を続ける孫悟空はやはり怪物だと。
あ、ありのまま今起こった事を話すぜ。
俺は色々忙しすぎて書く時間が中々取れないかもと思って不定期更新タグを付けたんだ。それなのにどうだ?何故か3日連続投稿してるじゃあないか!これじゃあタグミスじゃあないか!
と、冗談はここまでに。リアルが色々忙しすぎてですね。不定期更新タグもそのために付けました。そしたらですね。なんか筆がめちゃくちゃ乗ったんですよ。ただ、忙しすぎるというのも事実で、これからはタグ通り不定期更新になりそうです…申し訳ない。
完結させるつもりはちゃんとあるので、ご安心ください!
それでは、また次回でお会いしましょう!