澆季末世の都   作:Newest

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今回は9割9分9厘ラブコメです。


お買い物(という名のデート)

午前9時。

「やっべ、予定より30分早く来ちまった。」

俺は3042番地の大型ショッピングモールに待機していた。

 

何せ今日は咲とのデートだからだ!!!

 

デート。

交際している男女が日時や場所を決めて会うことである。

 

…なぁんてGoo〇〇e先生は言ってるが、俺からしたら完全にデートだ。

…いやいや咲のことが好きな訳じゃないぞ?

よく男女の友情は成立しないだの言われてるが、俺たちは幼なじみだ。

恋愛漫画みたいにふとしたきっかけで互いに好意を持つことはないんだよ。

 

…にしても、早く来すぎたか。

まあいいか。咲の為にジュースでも買いに行こうか

 

「ごめんお待たせ!!」

おっと、噂をすれば咲が

「!?!?!?」

の、ノースリーブだと!?

肩出ししてるやんけ!しかもワンピースだし!

丈短くね!?膝が露出してる!

 

おかしい、少し前まではTシャツとボトムスでそこまで肌の露出はなかったはず!

これはどういう意図だ?

とにかく…

「お、おはよう咲。」

平常心平常心。

 


 

「(あ、明らかに動揺してる…!!)」

たまにはオシャレしようとして、「勝負服」って検索した時に出てきたワンピースとか着てみたけど…

こんな分かりやすく驚かれるとは思わなかったよ…

こっちもドキドキしてきた…

…いやいや、これはお買い物。デートじゃない。

落ち着け私。いつも通り冷静に。

「おはよう海斗。待った?」

「全然待ってないぞ。それじゃあ早速行くとするか。

デートに。」

「デート!?」

「ん?どうした咲?」

そ、そんな直球にデートだなんて…

「あ…」

あ、海斗も照れ始めた…


やっべ俺としたことが!

デートって自分で言っちまったよ…恥ずかし…

いや、咲も照れてるな?おあいこだ…

と、とにかく。俺が先導しないとな。

「んじゃ早速店を回るか。」

「そ、そうだね…」

昨日の強盗で金はたんまりある。

いっぱい買うぞ!!

 

というわけで到着っと。

初めは服屋だ。ここで咲の欲しい服とかを買うぞ。

…特に深い意味は無いけどな。あ、俺用のかっこいいやつも買うか。

「咲は何か欲しいのはあるか?」

「私?そうだなぁ。今の時期的にこれから暑くなるだろうし。薄めのシャツとかかなぁ。」

確かにそうだな。今は春と夏の境目みたいなものだし。

俺もそういうのにしようかな。ファッションとかよく分からんし。

「あ、そうだ。それぞれ似合いそうな服を選んでこようぜ!」

「いいじゃんそれ。じゃあ私選んでくるね!」

咲も乗り気だな。

さて、咲に来て欲しい服…

いや深い意味はないぞ?別に先の胸が少し、すこーし大きいからと言って、目立ちやすくなるような薄いTシャツとかを選ぼうだなんて、そんなえっちぃ考え方は持ってn

「よしこれにしよう。」

咲は可愛いと言うよりクールな感じだ。

となるとかわいい系より、少し上品な方が似合う気がする。

というわけで薄っい黒のボリュームシャツだ。

そしてズボンは黒い花柄の長ズボンだ。

にしてもこのシャツ、下着が透けて見えるくらい薄いな。

これだったら…ぐへへ

「そっちは決まった?」

「うわぁぁ!咲!?」

「そんな驚かないでよ。私はもう決まったよ。」

「お、そ、そうか。すまんな。俺も決まったとこだ。」

「そうだ、せっかくなら試着してみない?」

「い、いいアイデアだな。早速行くとするか…はは。」

マジかぁ。もう見れるのか。

ヤバい、想像するだけでドキドキが止まらねえ。

…いやこれ動悸な?恋愛的な意味じゃないぞ?

 

ちょうど試着室が2つある場所で互いに服を渡しあって、試着室に入った。

「咲はどんな服を選んだのかな。」

お、なるほど。スムースTシャツってやつか。肌触りがいいなぁ。

しかも大人っぽい(自称)俺に似合うじゃんこれ。青っぽい感じだな。

んでズボンはシンプルながらもカジュアルな感じだ。

…ちゃんと考えて選んでくれてたな。

 

…ヤバい、俺最低なことしたかもしれん…


「薄くない…?」

確かに薄めのTシャツがいいかなとは言ったけど…

下着透けてるじゃんこれ!

いやまあこれはこれで可愛い…?

というか、ズボンとの相性が良いね。大人っぽいかも。

そういえば前に、「咲ってクールだよな」って海斗が言ってたっけ。

…可愛いって思われてないのかな…

…いやそれよりも。

「…薄いなぁ。」

こういうの着たことないからよく分からないけど、最近のファッションってこんな感じなのかな?

…海斗が下心で選んだのかな?

いやまあね?私も多少は「ある」方だと自負してるけども、これは明らかに強調させにきて…

いやいやいや。海斗がそんな思考に至るわけがない。

多分私が薄めのTシャツがいいって言ったのを真に受けただけだよね…

 

私が試着室から出た時には、もう海斗もいた。

私の予想通り、シンプルな大人っぽさが出てかっこよくなってる!

「いいじゃん!かっこいいよ!」

「そ、そうかぁ?そっちも大人っぽくていいな。」

…大人っぽいか。

やっぱり、可愛いとは思われてないのかな…

「んで、その…可愛いぜ。」

「え…!?」

「な、なにかおかしいこと言ったか?」

可愛い…!!

「ふふっ。」

胸が熱い。

…嬉しいなぁ。海斗に可愛いって言われたの、何年ぶりだろう?

「さ、さぁて。気に入ったなら買おうぜ。咲の分、俺が払うぜ。」

「え?いやいや、申し訳ないよ。」

「なぁに、遠慮すんな。何しろ俺はこの前ボーナス入ったからな。テレワークとはいえ金くらいあるぞ?」

「…ならお言葉に甘えて。

でも次は私が払うよ。」

「…そうかそうか。ならそれでおあいこだな。すみませーん。」

海斗はそそくさと店員の方に向かった。

…かっこいいなぁ。

「これください。」

「はい、でしたら…まず、試着室でお脱ぎになってからお願いします。」

「あ…」

……これも海斗らしいっちゃ海斗らしいかも?

 


その後俺たちはスーパーのコーナーで一通り食品を買い漁った。

そしてチェーン店が立ち並ぶ階にやってきた。

時間的にもお昼の時間だ。さぁて、たらふく食うとするか…

待て。次は咲の奢りか。

いつもより抑え気味に行くかぁ。

「咲は何食べたい?」

「そうだなぁ。甘いものが食べたいかなぁ。」

なるほど甘いもの…

…やべえ。普段そんなに食べないから何が有名かわからん。

「そ、そうか…具体的にはどの辺だ?」

「うーんと…あ、あそこにいこう。」

すると咲は俺を引っ張る形で走っていった。

「(なんだろう、青春って感じがする。懐かし。てか手があったけえ。)」

 

咲はドーナツ店(ミ〇ド)の前で立ち止まった。

「なるほどドーナツか。」

「今、期間限定で抹茶のドーナツがあるんだ。それを食べたくて…いいかな?」

「当然だ。早速並ぶとしよう。」

 

20分くらい並んで、俺たちの番が来た。

「どれにしようか…うーん。」

「私の奢りだからね、なんでもいいよ。」

どうしようか。適当にチョコにするか。

「んじゃあダブルチョコレートで。」

「1個でいいの?」

「ああ。」

「ふーん…じゃあ私は…

抹茶&つぶあんホイップとボン・デ・リングとエンゼルフレンチと…」

 

「…まさか8個も頼むなんて…」

予想外だったな。咲ってここまでスイーツ好きだったのか。メモしとこうかな。

「はいこれ。」

すると咲は何かを差し出した。

…ん?エンゼルフレンチ?

「俺は1個でいいって…」

「嘘つかないで。私が奢るからって遠慮したでしょ?」

「おっと…」

「私にはお見通しだよ。後これ。」

…あれ、これストローが2つついてる。

受け取る時よく見てなかったが…まさかこれって…

「店員さんにストロー2つつけて貰ったから。一緒に飲も?」

…これはしてやられた。


「(我ながら照れるなぁ…)」

こんなの、一緒に飲みたいっていう意思表示じゃん…!

店員さん明らかに私たちのことカップルだと勘違いしたよね…

よく見たらストロー2つついてたし、貰う時に店員さんウィンクしてたし…可愛かったけど。

…でも貰ったものは仕方ないよね。ちゃんと使わないと。それに海斗も喉乾いてるかもだし。

「交代交代で飲むか。」

「そうだね。」

すると海斗が真っ先に手前のストローを咥えて飲み始めた。

「うん、ちょうどいい味だ。美味い。」

「どれどれ。」

私も恐る恐るもう片方のストローで飲んでいく。

…何故だろう、間接キスしてる訳でもないのにドキドキしちゃう…!

「ん、美味しい!」

「いやぁ、ゴチになります。」

喜んでくれてよかった。

それはそれとして…買いすぎたかな?

大食いって思われちゃうかも…

まあでも甘いものは別腹か。

それに、ここにあるのは、お持ち帰りとか、海斗にあげる分も含めてだし。

とにかく、食べまくるぞーっと。

 

3個くらい持ち帰りで残して、私たちはゲームセンターに向かった。

「いけ!!……ぐぁぁぁぁぁぁ!!!」

海斗はクレーンゲームが下手すぎるね。

「咲?今俺がクレーンゲーム下手すぎるって思ってるだろ?」

「そうだよ?」

「ナチュラルに肯定された…」

 

「次何する?」

「…咲、やりたいやつがあるんだが…少しいいか?」

「ん?何やりたいの?」

「えっとたしか…あった。」

ん?これは…

 

「しゃぁ!新記録!」

「へえ、こういうのやってたんだ…」

まさかドライブゲームやるとは思わなかった…意外かも。

「なんかこれ、カーチェイスしてるみたいで楽しいなぁ。やったことないけど。」

「私はたくさんやったなぁ。」

「やっぱ警察ってカーチェイスするものなのか?」

「そうだね…この都市ではよくあるよ。犯人側が何分アタック禁止とか要求してくるね。人質の解放条件としてね。署長曰く昔からの風習らしいね。元々犯罪が多い都市だったし。」

「そうなんだな。」

「どんな理由があっても犯罪はダメだけどね。でもここは緩いから…お金さえ払えばすぐ釈放されるし。人殺すのは例外だけどね?」

「大変なんだな…俺も警察やろうかね。」

「やめた方がいいよ…あまりにもキツすぎるから…」

カーチェイスはあまりにも危険すぎる。海斗はバイクの免許しか持ってないし、尚更事故のリスクが高いから。

「…なんだか暗い話になっちゃったかな?ごめんね。」

「いや、俺から言い始めたことだ。すまんな。」


どんな理由があっても、か…

咲には咲なりの正義があるってことか。

…いずれ、対立するかもな。

だからこそ、今を楽しむしかない。

…それに、俺は警察が大嫌いだ。

警察側に着くことは絶対にないし、だからといってギャングに入ることもないだろう。

…でも。

咲とはずっと仲良くしていたいな。

「…さて、次はどこ行こうか?」

 

あの後ゲームセンターを去り、21時になるまでカラオケをした。

「喉ガラガラだ…もうろくに喋れねぇわ。」

「私も…」

「…綺麗だな。」

ここはろくでもない街だが、とても綺麗だ。

華やかさもあるが、何よりかっこいい。ザ、都会って感じだ。

「…それじゃあ、今日はもうお別れかぁ。」

「そうだな…」

「…また、一緒に遊ぼうね。」

「ああ。そうだな。」

…またいつか。

…大丈夫だ。きっと、また友達として会えるはずだ。

「それじゃあ、仕事頑張ろうぜ。」

「うん!」

最後にハイタッチをして、俺たちは別々の方向へ帰っていった。

地下鉄に乗り込み、駅をおり、足早に家に着いた。

 

今日はとても楽しかったな。

…さて。

「…次の強盗は3日後にするか。」

そして、パソコンを開く。

いつものサイトを開く。

 

【寄付が完了しました。】

 

「…」

俺は、俺なりの正義を掲げて生きるんだ。




こんばんは、投稿者です。
次回から本格的に物語が始まります。
各章で分ける予定です。乞うご期待。
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