賽目少女ノ魔女裁判   作:DUN.ネコノカンリニン

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やばい。R-15タグ付けるの忘れた。……まあええやろ。健全だよ健全()


無知蒙昧なダイスの駄女神

「―――ねぇ、もっとイけるでしょう? フリルちゃん♡」マーゴが艶っぽい声で、囁く。

「も、もう無理です……イけません……」

「つべこべ言わず動きなさい」

「はい!」

 

 そして、俺は、マーゴに言われるがままに再度腰を落とす。

 息が切れ、体温が上がり、頬が紅潮する。……まさか、ここまでとは……。

 俺は汗の滴るままに、指を曲げて―――

 

「ふんっ!!」

「いいフォームね、フリルちゃん」

 

 マーゴに言われるがまま―――めちゃくちゃ重い木箱を持ち上げさせられていた。……なぜ? 俺がさっきまで見ていた綺麗なお姉さんに純潔を奪われるエロ同人みたいな展開はどこに行った?! なぜ俺は木箱でデッドリフトしているんだ?

 その経緯はつい数分前までさかのぼる―――。

 

 

 

 ―――数分前。

 俺はマーゴに呼び出され、自由時間中にマーゴの牢に来るように言われた。……やはりこれはご都合展開。俺の今は亡き息子が火を噴くぜ! みんな、R-18に注意だ!

 そんな期待を胸に抱きながら、俺は廊下を渡り、マーゴの牢に向かっていた。それはもう、遠足の前日に眠れない小学生のような興奮具合だった。なんせ、前世からの因縁である(わらべ)の皇帝との別れを告げるのであるから、当然である。

 俺はウッキウキのまま、マーゴの牢に到着した。……牢の奥を見ると、マーゴが何かを書いている後姿が見える。

 そして、俺は呼びかけるようにして言う。

 

「ま、マーゴ? 来たよ?」

「あら、いらっしゃい♡ フリルちゃん。……対価を、支払いに来たのね?」

「は、はい!」

「……そんなに緊張しなくても大丈夫よ。まあ、まずは座って。商談と行きましょう?」

 

 ぽんぽん、とマーゴがベッドに移り、隣を軽くたたく。まるで、そこに座れと暗に示しているかのように。

 

「……し、失礼します」

 

 ドギマギしながら、俺は示されるままにマーゴの隣に座る。

 

「さて、まずは品定めと行きましょうか♡」

「え?」

 

 マーゴが、俺の頭を強引に手でこちらに向かせる。顎を両手で包んで、まるでしゃれこうべの中を覗くかのように。

 何かを狙っているような、どう猛な目を爛々と輝かせ、俺をのぞき込んでいる。俺は気恥ずかしくなって目をそらした。

 

「……抵抗、しないのね」

「うん……それでも、対価は支払わないといけないから」

「あなたの魔法ならいつだって私を飛ばして逃げることができるでしょうに」

「いいんだ。私としては、それでいい」

 

 ……そして、数秒沈黙が続くと……

 

「ええ……やっぱりいい顔ね。それじゃあ、あなたに仕事を与えるわね」

 

 ごくり……

 

「あなたの仕事は―――」

 

 さあなんだ?! どんなものでもバッチ来い! 付き人でも従者でも慰め者でも構わない! さあなんでも! あなたが私に望むものを、なんなりとぉぉぉぉ!!!

 マーゴが、囁く。

 

「―――私の部屋の模様替え用の引っ越し業者よ」

「……はい?」

 

 俺の抜錨計画は、粉々に砕け散った。

 

 

 ……これが、つい数分前の出来事さ。笑えよ。みじめだろ? 俺は、この世界でも純潔を捨てられないんだ。

 そして、俺は最後の木箱を運び終わった。マーゴは俺が木箱を運んでくる間に中身を空け、部屋の模様替えを進行させているようだ。

 見ると、もうこれで完成と言っていいのではないだろうかと思うほどいい感じに彩られている。マーゴのイメージカラーである紫の布で覆われた牢は、もはやどこかの占いの館、もしくは魔術師の工房だといわれても遜色ない様相である。んじゃあ俺が汗水たらして持ってきたこれはなんなんだ。

 

「マーゴ……持ってきた、よ……」

「おかえりなさい、フリルちゃん。それも適当に置いておいていいわよ」

 

 そういわれたので、俺は木箱を下す。……明日は筋肉痛で一日動けないかもしれない。明日の犠牲者は俺です。おやすみなさい。

 

「……こんなにいっぱい、何入ってるの?」

「あら? 知りたい?」

「そりゃあもちろん」

「中身見るのも有料よ?」

「それならいいや。じゃあね、マーゴ」

「……冗談よ。どうぞ、見ても金はとらないわ」

 

 そう言われたので、試しに覗いてみることにした。……なんかいっぱい、占い師っぽいグッズやどこから持ってきたのかわからないよくわからない機械などがたくさん入っていた。……同室の子に迷惑かからないのか?

 

「大丈夫よ、ナノカちゃんには許可を取っているわ」

「心の中読まないで」

「いえ、顔に書いていたから読んだだけよ♡」

「あ、そう……それじゃあ、私はもう行くよ。じゃあね、マーゴ」

「ええ。さようなら、フリルちゃん。次は安くしとくわ♡」

 

 俺はマーゴの牢を出た。……なんかすごく、損した気分になって、どっと疲れた。

 

 

 ―――マーゴからの強制労働から解放された俺は、試しに牢屋敷全体を見て回ろうと思い立った。なにせ一日目である。こういう場所は歩き回ってフィールドワークをするのが基本だと、どっかの民俗学の教授が言っていた。別に俺は民俗学専修じゃなかったけど。

 色々歩き回っていると、迷った。

 なんてこったい。……そうだ、マップを見ればいいじゃないか。

 俺は魔女図鑑を開いて、マップを見る。そして、知識ロールをした。

 

【ロール:知識 1d100・65%実行中……22。成功】

 

 すると、マップに書かれている情報が、全てすんなりと頭の中に入ってきた。……暇だからこっから二階に上がって図書館でも行こうか。

 そして俺は、図書館へ向かった。

 

 ……図書館にて。俺は、もうさっきから気になりまくっていた図書館技能をさっそく振ることにした。よし、行け!

 

【ロール:図書館 1d100・35%実行中……55。失敗】

 

 あちゃー、なんも分からんかった。なんも分からなかったから、とりあえず目の前にある本を手に取ってみる。

 ……読めん。なんも読めん。なんか、こうアルファベットを並べたような表記である言語であることはわかるけど、それ以外は何もわからん。多分インド・ヨーロッパ語族に属する言語だと思う。

 こんな時こそ知識ロール!

 

【ロール:知識 1d100・65%実行中……91。失敗】

 

 んだテメェ!? なんも成功しねぇじゃねえかよ。ポンコツかよ、ダイスの女神ってやつはよぉぉ!!

 もうなんもわからないから、俺は図書館を後にした。……次は娯楽室にでも行こうか。

 

 ……娯楽室にて。俺はドアを開けると、何かと目を引く特徴的な金髪を見つけた。あれは……

 

「ミリア?」

「うひゃぁ?!」

「なになになになに?!」

 

 ミリアが急に叫んだりするから、俺もめっちゃびっくりした。そこまで気配ないのか、俺。やっぱアサシンクラスだよ。気配遮断AどころかA+持ってるよ。瞑想して呼吸を整えれば気配遮断EXさ。

 

「だ、誰? ……って、フリルちゃんか……びっくりした」

「うん、フリルちゃんだよ。……ここで何してるの? ずっと白黒映画見て。しかもサイレント? せめてトーキーにしなよ。いつの時代の人だよ」

「う……い、いいじゃん! 別に。おじさんが、サイレントが好きなだけだよ。……一緒に見る?」

「いんや、大丈夫」

「そ、そう……」

 

 俺とミリアが話していると、突然ピロン♪と持っていた携帯が鳴る。

 ゴクチョーかな? と思って画面を見ると、そこには魔女図鑑から【沢渡ココ、配信中】という文字が表示されていた。……配信機能なんてあるんだ。

 

「一緒に見てみる?」

「いいの? ありがとう、フリルちゃん。フリルちゃんは優しいね」

「いや、私よりミリアのほうが優しいよ」

 

 そう言いながら、俺はココの配信を開く。

 

『やっほー、沢渡ココだよー。同接2、か……あんまだなー。まあいっか。とりあえずーあてぃしの趣味から話していこうかなー。あてぃしはねぇ、推し活が趣味なの。推しが一番! それ以外は全員死ねーってカンジ?』

「……ココ、あんたそんな趣味あったんか」

「ええ! 意外ですね~!」

 

 突然発された大声に、俺とミリアは同時に「「うひゃぁっ?!」」と飛び跳ねるようにして驚く。……なんだこれは夫婦かね?

 そして、声のしたほうを見ると、シェリーとエマがひっそりと立っていた。やはり気配遮断は俺の固有スキルではなかった。




そろそろ評価乞食しても許される頃合いだな……


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