―――夢の中、俺は、下へ続く階段を、一段降りる。
【十三階段Ⅰ:忌み嫌われし怪】
アメリカ、マサチューセッツ州。
セイレムに近い、あるカトリック教徒が多く住む村―――ダンウィッチ村。そこにあるウェイトリー家へ、俺こと半丁フリルはミスカトニック大学のヘンリー・アーミテッジ図書館長とその娘、テレジア・アーミテッジ、そして図書館長の同僚のウォーラン・ライス教授、フランシス・モーガン教授とともに訪れていた。
目的は、ウェイトリー家に憑いているというある悪魔を祓うため。
簡単に経緯を説明すると、このダンウィッチ村で連続的に不可解な死を遂げる怪死事件が起こっているという。そこで話を聞いていくと、このダンウィッチ村の地主であるウェイトリー家がきな臭いと多くの情報が集まった。
そして、転機が訪れる。
ある日、その件のダンウィッチ村から一人の青年、ウィルバー・ウェイトリーがミスカトニック大学の図書館に保管されている【ネクロノミコン】なる魔導書を貸してほしいと頼まれたそうである。だが、図書館長はそれを拒否。その後、ウィルバーは程なくして図書館を襲撃しようとしたが、番犬に噛まれて死んだそうである。
そのあとに図書館長が譲り受けたウィルバーの日記を解読すると、ダンウィッチ村には恐ろしい魔物が潜んでいることがわかり、図書館長の研究室に所属していた俺と同僚、そして娘を連れだし、今に至る。
ザク、ザクとけもの道を進む。
いかにも田舎臭い、因習村にありそうなものだなとある意味感心しながら、俺たちは奥へと進んで言った。
そしてたどり着く、木造の古い、今にも倒れてしまいそうな、納屋のような建物。正直、地主と呼ばれるような一族が住むには不適切な場所だな、と訝しむ。
「本当に、この中に入るのか?」
俺はとてもではないが信じられないといった面持ちでいう。
「ああ。それが、今回の我々の、神から与えられた天命だ」
敬虔なクリスチャンである図書館長は、厳しい顔で、そう冷酷に言い放った。確かに、これは俺たちの目的だ。だが、このまま行けば―――俺は、なにか大事なものをなくす気がする。
そう思ったが故の、ある意味の保身。……それを顧みることなく、図書館長たちは中へ入っていく。
「……きっと大丈夫よ、行きましょ。フリル」
そうやって俺の手を引くのは全体的に「白い」という印象を与える図書館長の娘、テレジア。彼女は珍しくアルビノであり、遠くから見れば何か特別な、エルフのような印象を与える。
そうして引かれた手をそのままに、俺はテレジアとともに建物の中に入っていった。
ぎぃ、という蝶番のこすれる音が、底知れぬ恐怖を駆り立てる。
中は埃っぽく、何年も掃除されていないようだった。
それも当然である。この建物に住んでいた人物であるラヴィニア・ウェイトリーは1926年に失踪しているのだから。
だが、村人はこの建物には未だ彼女が産み落とした悪魔の落とし子が住み着いていると噂している。
俺たちは、その噂を反芻しながら一歩ずつ足を進める。
そしてようやく図書館長の背中が見えた、そのとき。
「え」
ぐりん! と首を見えざる何かに一気に360度回転させられたテレジアが、最期にそんな声を上げて絶命していた。
その捻じられた首は、目を開けたまま、俺を見つめる。
「う、あっ……」
俺の咆哮が放たれる前に、夢は突如、終わりを告げる。
【十三階段Ⅰ・忌み嫌われし怪/了】
【クリアボーナス:《????》 1d100・73%実行中……51。成功。
SAN値上限5減少。残り74。
STR1上昇。現在値9。
CON2上昇。現在値16。
DEX2上昇。現在値9。
クトゥルフ神話03を獲得】