灰の世界に彩が付く   作:クロワール

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 文章の頭は1マスあける。小学校で習いました。けど3話目でようやっと気づいたアホウがいるらしいですよ?

 笑ってくだせえ。

 こんな雑魚の小説を読んでくださってありがとうございます。どうぞお付き合い下さい。



衝撃のエンカウント

 

 あのあと、いろいろあった疲れが出たのか、家に帰ったら泥のように眠った。

 そして翌朝、改めて酒寄の部屋を訪れる。移動中には、実はすべて夢だったのではないかという妄想が延々と浮かんでくる。

 

 そして見慣れたアパートについて、酒寄の部屋のドアをノックした。

 

「おはよう、酒寄。灰戸だ。起きてるか?」

 

 少し待って、ゆっくり扉が開いた。出てきたのは寝間着姿の酒寄。後ろの布団の上にはあの赤ん坊がいた。

 

「…夢ではなかったか」

 

「…おんなじこと思ったよ」

 

 酒寄に招かれ、ひとまず部屋の中にはいる。赤ん坊は、昨日の大泣きっぷりが嘘のように静かに寝息を立てていた。

 

「昨日は手を焼かされたが、静かにしてたらかわいいもんだな…ん?」

 

 近づいて様子を見ていると、違和感を感じた。こいつ…

 

「…こんな、でかかったっけ」

 

「灰戸もそう思う?昨日はもっと小さかったよね?」

 

 ちゃんと図ってみようと赤ん坊のそばに手を置くと、湿った感覚があった。

 

「…どうしたの?灰戸」

 

「…近くにコインランドリーあったよな。ちょっと行ってきてくれるか?その間に俺はいろいろ必要なもの買いに行ってくる」

 

「あ…。分かった」

 

赤ん坊だからね。しょうがないね。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 というわけで、酒寄はコインランドリーへ洗濯に、俺は西竹屋へ買い出しに出かけた。赤ん坊は酒寄に見てもらっている。

 最初は俺が赤ん坊を預かろうかと思っていたのだが、俺が抱えると…というより、酒寄から離れると大泣きするのだ。

 

 その結果、赤ん坊もパートナーも連れず、1人で西松屋にいる若い男(高校生)という、ちょっと不思議な絵面が出来上がってしまった。

 

「はじめて入ったが…おむつって結構するんだな…」

 

 世のお父さんお母さんに尊敬の念を抱きながら、必要そうなものをかたっぱしから買い物かごに入れていった。ミルク、哺乳瓶、子供服…

 

「合計で16,843円です」

 

「現金でお願いします」

 

 ほんとに結構するな…。お年玉とか貯金しておいてよかった。だがこのまま出費が続くとすぐ破産だ。小遣い前借りできるようおねがいしてみるか…。

 

 大量のベビー用品を抱えて歩く。明らかに若い男がそんな姿でいるのは目立つのか、すれ違う人はほとんどこちらに視線を向けた。なんなら2度見までされた。

 そんなふうに目立ったからだろうか、予想外の人物とエンカウントしてしまった。

 

「…あれ、灰戸?どしたの、その荷物?」

 

「わ〜、たくさん買ったね〜」

 

 綾紬芦花と、諌山真実。酒寄の同級生で、親友と呼べる2人だ。

 2人とも酒寄の生活を心配しており、俺ともそれで話すことがしばしばある。

 知り合いが目立っているから声をかけたのだろうが…今はまずい。現状を説明することが困難だからだ。電柱生まれの赤ん坊なんて信じられるわけない。ましてやそれを酒寄と面倒見ているのだ。酒寄と子育てしてるなんて噂が立ってみろ、俺の学校での居場所はなくなる。酒寄はたぶん大丈夫。日頃の行いですね…。

 

「2人とも、偶然だな。どうしてここに?」

 

 平静を装って会話に応じる。ミッションはできる限り自然にここを乗り切ること…!

 

「真実といっしょにカフェ巡り。彩葉も誘ったんだけど、勉強するからって断られちゃって」

 

「相変わらずだよね〜。頑張りすぎで、心配〜」

 

「灰戸が朝迎えに行ってくれてるから、目に見える無茶はしなくなったけどね」

 

「あのときはひっくりしたな〜」

 

「酒寄がぶっ倒れたときか。あれはほんとびびったよ」

 

 あっはっは、と笑いあう3人。今でこそ笑える話だが、当時はなかなか肝を冷やした。

 1年の終わりくらいだったかな。目の前を歩いてた酒寄がぶっ倒れたんだ。それでたまたま後ろにいた俺が助けにはいったんだよな。

 アレがきっかけで俺が酒寄と一緒に登校(という名の監視)をするようになったんだ。

 ちなみに綾紬さんと諌山さんの指示だ。家が一番近かったし、あの状況で助けたくれたから信用できるって言ってたっけ。

 

「それじゃ、俺はこれで…」

 

「いやいや〜、その荷物について、まだ聞いてないよ〜?」

 

 ごまかせなかった。このままでは酒寄にも迷惑がかかる。なんとかごまかさねば…!

 

「西竹屋ってことは、ベビー用品?」

 

「あーそうなんだ。実は、お隣の人から預かってほしいって頼まれて!」

 

 苦しいか…?しかし、言ってしまった以上、これで通すしかない…!

 と、決意を固めていると、電話がかかってきた。発信者は…酒寄?

 2人にひと言かけて、電話に出る。

 

「もしもし、どうした?」

 

「ごめん、赤ちゃん泣き止まなくて。多分、お腹すいたんだと思う。どれくらいで帰れそう?」

 

「分かった。すぐ帰る。5分くらいでつくと思うから、それまで待ってて」

 

 どうやら小さなお姫様は食事をご要望らしい。

 緊急の理由もできたので、これ幸いに話をきり上げようと2人に声をかけた。

 

「悪い、2人とも。ちょっと急ぎで帰らないと…」

 

 諌山さんの目がキラキラしている。綾紬さんはなんか心ここにあらずって感じだが、もしかして…

 

「…聞こえてた?」

 

「聞こえちゃった〜。彩葉といっしょに子育てしてるの〜?詳しく聞かせて〜?」

 

 こいつ…!面白いネタを見つけたと言わんばかりの目をしてやがる…!

 このままでは取り調べ一直線…!ここは三十六計逃げるにしかず!

 

「酒寄には手伝ってもらってるだけだから!何でもないから!!それじゃあ俺急ぐから!!!また学校でーー!!!!」

 

 一気にまくしたてて風のようにその場を走り去る。その姿まるでハヤテのごとく…!

 …次の学校が、怖い。サボろうかな…。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ありゃ〜、行っちゃった。ちょっと強引すぎたかな〜?」

 

「………」

 

「芦花〜?大丈夫〜?」

 

「だいじょうぶ」

 

「大丈夫じゃないね〜。衝撃が大きかったか〜。ほら、しっかりして〜。あの2人の子供じゃないってさ〜」

 

「だいじょうぶ」

 

「こりゃ〜重症だ〜。普段はあんなに普通にしてるのに〜」

 

「ほら、ここ暑いから、カフェ行こ〜?ゆっくりしたら、落ち着けるからさ〜」

 





 うちの灰戸くんと彩葉さんがどうして知り合ったのか、ちょっと触れておきたいなーと思ってろかまみを出しましたが、結局大した説明はできていないですね。ままならないね…。

 書きたいことはたくさんあれど、そこにつながる部分を出力するのが難しい。改めて、世の小説家の皆さんには頭が上がりません。

 未熟者ですが、これからも見ていってくださいまし。

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