【うちは家の場合】
「七代目!よろしくお願いします!」
「そう固くなるなってばよ」
サラダとナルトは家へと向かった。
「おかえりなさい!ってナルト?!サラダも一緒?……あんたたちどうしたの?」
「七代目が、一日パパなの」
「なーんで旦那様じゃなくてナルトが帰って来んのー?!しゃーんなろー!」
「ママ!わたしがどうしてもって頼んだの!」
「ひ、一晩よろしくってばよ!」
「はあ?……とりあえず入りなさい」
「お邪魔しまーす」
ナルトとサラダは成行を説明した。
「もう!アンタ火影でしょ!?休日にこんな下らないことして!家族奉仕するか体ちゃんと休めるかのどっちかにしなさいよ」
「休日だからだってばよー」
サラダはナルトとサクラのやりとりを呆然として見ていた。このように殴りかかりそうな勢いで人と言い合うサクラの姿も初めて見た。恐らく、ナルトに対してそのような口のききかたをするのはサクラくらいだ。
サクラは小さくため息をついてサラダの方を見やった。サラダはナルトのことを尊敬している。恋愛感情も少し入っているかもしれない。
「親子ってどうしてこんなところまで似るんだか。うちはの血ってアンタのこと大好きみたいねー」
「ななななーに言ってんだってばよサクラちゃん!サスケはサクラちゃんとサラダのことが大好きだってばよ!」
「わたしはいつまでもアンタには敵わないのよ。よく分かってるつもりよ」
サラダは二人の話を黙って聞いていた。ナルトが家にくるということだけで頭がいっぱいになっていた。
二人の会話が途切れたところで、サラダは口を開いた。
「七代目とパパって、ライバルじゃないの?」
2人の話を聞いていると、ただのライバルという関係ではなさそうだった。
「サラダ……。あんたは頭のいいわたしの娘ですもの。そのうちわかるわよ」
食事が済むと、サクラは風呂場へと向かった。サラダその姿を見送って、ソファに座っているナルトの横に腰掛けた。
「七代目、パパって昔はどんな人だったんですか?」
サスケの昔ことを里の大人に尋ねると、いつも話を逸らすか誤魔化すかのどちらかだ。
「サラダ……そういうことは、サスケに直接聞いた方がいいぞ」
「……わかりました。それじゃ……七代目はパパのことどう思ってるんですか?ただのライバルってわけじゃないんですよね?」
「うーん……。言うなれば、気になって仕方ねーヤツ、かな。俺は昔から、ずっとサスケを追っていた。サスケはよく長期任務で里にいねえだろ?帰ってきた時の、あの、アイツが帰ってきたっていう感じが大好きだってばよ。ああ、ちゃんと帰ってきてくれたって、毎回泣きそうになる。任務を任せてるのは俺なんだけどな。サラダ、おまえの父ちゃん取っちまって、ごめんな」
「……ううん、いいんです。七代目と一緒にいるパパって、楽しそうだから。あの人、そんなに感情表現豊かな方じゃないと思っていたんですけど、七代目と一緒にいるときは違ってて……そういう人間らしいパパを見れて良かった」
「……そっか。なら、いいんだ。ありがとな」
ナルトはサラダの頭をぽんぽんと撫でた。サラダははにかみ恥ずかしそうに目を逸らした。
風呂と夕飯が済んだら後は寝るだけ。
「ママ、七代目はパパのベッド使ったらいいよね」
サスケからはああ言われたが、七代目をソファに寝かせるのは良くないと思ってのことだった。
「う……うん、まあ……。ナルト!旦那様のお部屋でなにもしないでよね」
サクラはナルトの胸ぐらを掴むと耳元でそう言った。殺気さえ感じる。
「ママ!」
「わわわわかりましたってばよ!」
「じゃあ、七代目おやすみなさい!」
サラダはそう言うとサスケの部屋を出ていった。
里を留守にしがちな彼の部屋は簡素で無駄がない。まさにサスケの部屋だった。ナルトは歓喜に震えていた。
「サスケのベッドおおおおおお!!」
感極まってそのシワ一つないベッドにダイブした。
「七代……め」
それとほぼ同時に、サラダがサスケの寝室のドアを開けた。
部屋の入り口に立つサラダとナルトの目があった。
「こ、ここここれはちがうんだってばよ!」
ナルトは思わずベッドの上に正座になった。
「……。七代目が、たとえどんな人でも、立派な火影様で、尊敬してますから……!!!」
サラダの目が赤い。写輪眼の巴模様が一つ増えていた。
サスケが頻りにナルトを部屋に入れるなと言っていた理由をサラダは思い知った。
2人の関係に疑問が浮上したが、まだ、それを知る気にはなれなかった。