「ふぅん……」
瓦礫のそばに立ち、中にいるであろうエルフィンを見つめる教主。右腕に稲妻を纏わせ、王国との戦いに終止符を打とうと、その腕を振り上げた。
しかしその時、天井の大穴から、耳をつんざくような轟音が聞こえてきた。
『ようやく見つけたぞ、人間!!こんな所にいたとはな!!!』
「その声は……エレナか」
ドローンの羽音に混じって、拡声器からエレナの声が聞こえてくる。
『とうとう本性を現したようだな!?自らの野望に溺れる背教者め!!周りを見てみると良い!!自らの野望の為にどれだけの住人が犠牲になったと思っている、人間!!』
「君に言われたくないな、エレナ。君こそエーリアス脱出の為に世界樹を切り倒そうとしたというのに、私ばかり責めるというのか?」
『ぐっ……!今その話を切り出すか!?』
教主は喚くドローンへにべもなく顔を向けて、そのまま再び視線を瓦礫の山へと落とした。
教主の腕の稲妻が激しく光る。教主腕が振り下ろされようとした時、エレナは攻撃の開始を合図した。
『攻撃開始ッ!!教主を倒すんだッ!!』
無数の弾丸とレーザーが教主を襲う。しかし、教主の纏うパワーアーマーにはまるで効果がなかった。
『効いてない……!?』
再び教主が顔を上げ、ドローンの大軍を睨む。エレナはカメラを通じて感じる教主の威圧感に恐怖を感じ、再び攻撃を命じた。
『撃てッ!撃てッ!!制圧するんだっ!!!」
再びドローンの大軍が展開しながら教主に向けて弾幕を浴びせる。無駄と分かっていながらも、エレナたちが教主を倒すにはこれしか方法がなかった。
しかし、いくら攻撃すれども、教主にはまったく効果がなかった。教主はガトリングレーザーを構えると、ドローンの大軍に向けてレーザーを乱射した。
『ッッ……!!!」
次々とドローンが撃墜されていく。エレナは、圧倒的な力を手にした教主の前に、ただ茫然とするしかなかった。
僚機が撃墜されて、ただ一機佇むエレナのフラッグシップ。だが、その時エレナの操縦するドローンに変化が起きた。
ザザッ!
『……まったく、エレナは相変わらず詰めが甘いな。この程度の火力では、あのアーマーを撫でるだけだというのに』
「………?」
突如、ドローンの拡声器からエレナのものではない別の声が聞こえた。教主は聞き覚えがあるような、ないようなその声に耳を傾けた。
「誰だ、君は……?」
『私の名前はサイバーブレット。バッドドリーム・シスターズの諜報・情報戦担当だ』
そう告げて、ドローンが教主の周囲をゆっくりと飛び回る。エレナの操縦するドローンを、ミュートがハッキングして乗っ取ったのだ。
そして、ドローンは倒れたシオンのそばでホバリングをした。
カメラで倒れるシオンをちらりと見て、教主へと向き直る。そして、ミュートは静かに教主に告げた。
『私の仲間に手を出してくれたようだな。我らの仲間、同胞に手を出した報い、しっかりと受けてもらうぞ』
ドローンが奇妙に揺れる。教主は黙って、その様子を見守っている。
『システム、オーバーロード……。全電力をレーザー出力に切り替え……。出力向上……120%……180%……260%……』
ドローンの飛行が不安定になり、回転するファンから煙が上がってくる。
『385%……490%……678%……』
そして、プロペラが急停止し、銃口が教主へと向けられた。
『1080%……!』
パァンッ!!!
レーザーが射出されたと同時に、ドローンが自壊した。
「ぐあっ……!」
思わぬ高威力の攻撃に、油断した教主の装甲に穴が開く。油断ならない相手の出現に教主は無言でレーザーガトリングを構え、次に来るであろうドローンに備えて、天井の大穴を睨んだ。
教主の予想通り、次々とドローンの大軍が次々と姿を現した。襲い掛かってくるドローンを教主はレーザーで攻撃し、次々とドローンを撃ち落としていった。