原作を鑑賞しようとする室町時代の術師 vs 原作に干渉させてこようとする世界   作:祝いの王

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室町時代の主人公の死ぬほど短い話です。
『芥』という名前に込められた意味がわかる様になりますが、正直見なくても本編には影響がないと思います。


間話 名前という烙印

俺は呪術師の家系に生まれた。強くあれと望まれて生まれた俺は、生まれた頃から膨大な呪力を持っていた。それを見て、家族が嬉しそうな声をあげたのを覚えている。

でも、俺が愛されることはなかった。

 

生まれた頃から目の色が赤かった。ただそれだけの理由で、俺は忌み子として母と共に地下牢に押し込められた。

地下牢での生活は悲惨な物だった。ご飯は残飯のような物を投げつけられ、世話係の機嫌によっては暴行を受けることもあった。

その生活に耐えられなくなった母は、俺に恨みを抱き始めた。母はいつも俺をこう言っていた。

 

「周囲を不幸にする塵」

「何かを変えることもできない塵芥」

 

その通りだと思った。俺が変えられるものなんてこの家には一つもなかったから。

 

生活が変わったのは、十歳の頃だった。母が衰弱死したからだ。母は最後に「ごめんね」とだけ言葉を残して死んだ。

どうして謝るんだ。恨みたかったのに。あなたを嫌いになりたかったのに。

なんで最後の最後で謝罪なんてしていくんだ。

 

ぶわりと呪力が溢れ出す。それだけで、牢の格子は消し炭になり、近くにいた世話係は全身に大きな火傷を負っていた。

今更この牢から出たとして、俺にできることはないだろう。きっと俺は、この場所で朽ち果てるのがお似合いだ。

でも、俺は死にたくなかった。だから、俺は牢屋を出た。

 

牢屋から出ると、直ぐに家族だった人たちが集まってきた。彼らの顔には明らかな動揺が浮かんでいて、少しだけ愉快な気分になった。

呪力を拳に集めて、一人を殴りつける。殴った場所が炭化して黒く染まり、消し飛んだ。なぜだかそれが面白くてたまらなくて、俺は家族だった人たちを全員炭に変えた。

 

俺は一人になった。

それを受け入れたくなくて、八つ当たりの様に他の術師を襲撃した。そうして暴れていると、いつの間にか俺は『最強』などと呼ばれる様になっていた。

そんな時に、あれと出会った。

 

「やあ、はじめまして。…おっと、戦うつもりはないから、刀の切先を向けるのはやめてほしいな。」

 

額に大きな縫い目を持った男。そいつは『羂索』と名乗った。

記憶の中にある名前だ。たしか、平安時代を生きた術師の1人。

 

「いやなに、素晴らしい強さを持っているようだから、少し話を聞きたくなってね。名前を聞いても良いかな?」

 

名前。最初に親から与えられる『愛』の象徴。

なら、俺と母の数少ない思い出を思い出せるような名前になりたい。

ふと、母の言葉を思い出した。

 

「……芥。」

 

何一つ変えることのできない塵芥。母との思い出が詰まった素敵な名前だろう。

この日から、俺は『芥』になった。




取り敢えず設定として考えていたものを文章にしただけなので、クオリティが低いかもしれません。
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