間違って上げたのを見てしまった人本当にすいません!!
今後このようなことがないように注意して行きます!!
クラス間同盟の締結を記した握手を終えて私は気になっていた事を口にする。
「そういえば堀北さんはいないんだね」
「あはは…綾小路くんに呼んでくれないか頼んでみたんだけど断られちゃったみたいでね」
「綾小路くん?」
「彼だよ、カーテンの近くに座ってる」
言われてそっちを見るとたしかに見たことがない男の子がひとり座っていた。
「あの茶髪で少し根暗っぽそうなのが?」
「うん、話してみるかい?」
「んーいやわざわざ話してみようかなとは思わないけど……」
そんな会話をしていると彼が立ち上がってこっちにやってきた。
「なんだか視線を感じたんだが、なにかようか?」
「綾小路くん。彼女が過去問を見つけてきた早坂さんだよ。実は今彼女に君のことを軽く紹介しててね」
「そうなのか、ありがとう平田」
「うん、じゃあ僕はむこうで話してるから何かあったらまた声をかけてね」
気を利かせ離れていく平田くん。
「それでなにかようがあるのか?」
「んーん、別に大したことはないよ〜」
「あ、でも堀北さんと仲良くなれた方法は知りたいな!」
あの堀北さんとどうやって仲良くなったのかを知れたらこれからのDクラスとの交流がもっと楽になるかもと思い私が聞いてみると、彼は「はぁ…」とめんどくさそうな声を出す。
「別に俺とあいつはそこまで仲がいいわけじゃないんだが……」
「え!?そうなの?だって平田くんが堀北さんを呼ぶために頼るぐらいなんでしょ?」
「逆に聞くが話してる途中にコンパスの針で刺そうとして脅してくるやつが友達と言えるのか?」
「あ〜確かにそれは呼べないかもね……。」
想像していたものとまるで違う実態を聞かされ思わず引いてしまうと同時に、私は目の前の綾小路くんに同情してしまった。
(堀北さんにそんな一面があるんだ…意外と暴力肯定派なのかな?それとも彼だけ?)
私が黙って少し考えると二人の間に僅かな沈黙が訪れる。
「っとと、ごめんごめん。少し考え込んじゃった」
「別に構わない。俺は話すのが得意ではないからな」
「そっか〜まぁ確かにそんなふうに思えるけどさ」
納得した素振りを見せながらも私は再び口を開く。
「だとしても相手のことをジロジロ観察するのは良くないんじゃない?」
私の言葉に彼の顔には少しの動揺も浮かばない。ただ、ガラス玉のような瞳が真っ直ぐ私を捉えてくる。
その雰囲気にどこか不気味なものを感じ取りながら私は続ける。
「特に女子は視線に敏感なんだからさ、やめておいたほうがいいよ〜」
「そうだな、不快にさせたなら申し訳ない」
「いいよいいよ、私は気にしてないから。あ!そろそろ行かないと!それじゃぁまたね!!」
ふと時計を確認してクラスの集合時間が迫ってきていることを確認した私は名残り惜しくもDクラスとの打ち上げを去ることにした。
「なんだよ、もう帰るのかよ」
「ごめんね須藤くん、私この後も用事あって」
「気にしなくていいよ早坂さん、今日は来てくれてありがとう」
「呼んでくれてありがとうね平田くん!!それじゃあ!」
「ばいばーい」「またな〜」「テストありがと!!」
Dクラスの面々に見送られながら私は突然のDクラスとの交流会を後にした。
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(楽しかったな〜)
エレベーターで一度部屋に戻りながら私はそうさっきまでの出来事を振り返る。
(須藤くんも、それ以外の人たちも無事に赤点を回避できたみたいでよかった)
(それにしても変わった人だったな綾小路くんは)
ずっと表情が変わらないし、声の抑揚も小さい。でも、人見知りとかじゃなくて普通に対話は成立する。
(特にあの目、普通の人なら動揺するような『観察してたこと』を言い当てられたのに、一切動じなかった。それに……じっと見つめられていた時、まるで全身を見通されているような、不気味な感覚があったな)
指摘した後の言葉も、まるで心が籠もっているようには聞こえなかった。
謝らなくてはいけないから謝っただけ。そうしなければいけないから、そうしたというだけの出力。
(あれは、まるで―――)
「機械みたい……」
不意に口から漏れてしまった言葉は、ひとりきりのエレベーターの中に紛れて消えていった。