僕が蒼を纏う理由 ―かつて十天の頂点だった男のハーレム戦記―   作:鵲くん

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グラブルのbgm聞きながら書いてるからテンションというかノリがおかしくなってるかもしれない

あとがきころころ変わるかも、すまんな、マジで書き方わからんくて修正しまくりなんや、ええんやでの気持ちで見てくれメンス。




切れない絆と救い

声にならない咆哮が聞こえる。

 

 

魔力の奔流が止まらない、教会の地下はすでに崩れて来ている。

 

 

なのに不思議とその『彼』が抱く少女にはまるで傷一つなく、崩れた天井の欠片も当たらない。

 

 

『彼』は咆哮する、自分の無力を呪うかの如く、ただ咆哮を繰り返す。

 

 

アクセサリーが揺れる、まるで悲鳴を代弁するかの如く。

 

 

先程弾き飛ばされた男が笑みを浮かべながら起き上がる。

 

 

「なるほど、君は大切な物を失った時はそう怒る訳だ。」

「あの赤き大地…そして赤き空を思わせる緋の鎧…興味深い。」

「恐らく以前君が怒った時は十天衆や特異点が止めた筈…それが居ない今君はどうなるんだろうね。」

 

 

…ねぇ、誰にも止められないまま、自分自身でこの世界を焼き尽くしちゃう気分はどうだい?

君が守りたかった『ハッピーエンド』を、君自身の手で壊すんだよ。

 

 

その男、ベリアルが言わなかったはずなのにいやに、刺さる言葉が『彼』に届いた気がした。

 

 

『彼』より立ち昇る力の奔流が増す。

 

 

「君に取って大事な物は一つじゃないだろうに…全く分からないね、一つのモノに拘るなんてね…」

 

 

ベリアルが一瞬の思案の内に答えを導き出す。

 

 

「…なるほど、それでも君はこちら側に居ながらも人間であろうとする訳だ、全く…君は面白いよ、アーちゃん。」

 

 

「アーシア‼助けに…ってなんだこりゃあ⁉」

「イッセー君、どうし…くっ…これは…」

「これほどの力、とても危険です…ですが…何故か…泣いてる気がします。」

 

 

兵藤一誠、木場裕斗、塔城小猫の三人は、思い思いの言葉が口から溢れる…

 

 

しかし「彼」は何も届かないかの如く咆哮を繰り返すのみだ。

 

 

「なるほど…赤、かゆっくりとした到着だね、全く…君たちじゃ何も変えられないと思うよ。」

「それに遅かったね、もうアーシアちゃんだっけ?彼女は死んだよ。」

 

 

「お前は誰だ⁉それとあの赤い鎧野郎は何モンだ⁉アーシアが死んだって…説明しやがれ‼」

 

 

その一誠の言葉に同調するかのように木場、塔城の二人も鋭くベリアルを睨む。

 

 

「そうか、君たちとは初めましてだね、俺は堕天司ベリアル…あの鎧の『彼』のファンさ。」

「そして鎧の『彼』の名前は…そうだね、君たちの尊敬する先輩…とでも言っておこうか。」

「そしてアーシアちゃんは神器を抜かれたんだ、知ってるだろ?神器を抜かれた者は死ぬ…それがこの世の『理』なんだってね、愉快じゃないか。」

 

「アーシアが死んだ…そんな、じゃあ抜き取った堕天使はどうした⁉」

 

 

「死んだよ、無様にも鎧の『彼』に睨まれただけでね。」

 

 

「それに先輩だって⁉俺にあんな鎧を着た知り合いなんかいないぞ⁉お前らは?」

 

 

木場、塔城の二人も首を横に振る。

 

 

「ふむ…意外と好かれて無かったのかな?アーちゃんは…」

「まぁいい、此処でやるべきことも済んだ、後は彼が滅ぶのをゆっくり安全地帯で見るか…」

「計画的には彼が残ってくれた方が面白い結果になりそうだったんだけどね…思いのほか退場が早かった訳だね。」

 

「せいぜい頑張りなよ、赤の君。君が彼を救おうとして、逆にその牙に喉を裂かれる……そんな結末を期待してるよ」

「それじゃあ、次…が有ればまた会おうね、アーちゃん…ククッ、ハーッハッハ‼」

 

 

そう言ってベリアルは影すら残さず消える。

嫌に残る嘲笑を残して…

 

 

―――――

 

 

「ちっくしょう、アーちゃんって誰だよ…俺達の知り合いの先輩でそんな人居たか?」

「イッセー君、僕には一人思い浮かんだよ…」

「イッセー先輩、私も思い浮かびました…でもあの人はもっと優しかったはず…こんなに怖くないです…」

 

 

優しい…アのつく人…

俺は見た、アーシアを抱きかかえるその震える指先が嫌に優しい気がした…

それに揺れるアクセサリーを見た…そうあの人しか付けているのを見たことのない…

あの『先輩』が誇らしげに見せてくれたそのアクセサリーが。

 

 

 

俺は鎧の人物の方をよく見る…俺達悪魔ですらこの魔力の奔流で苦しくて、その上気を抜いたら灰になりそうな環境で…

アーシアにはかすり傷どころか汚れすら殆どない。

 

 

そう言えばアーシアから聞いた気がする…優しい友達が二人居るって…そのうちの一人は…

 

 

木場は剣を握る手が震え、小猫は本能的な恐怖でその場に蹲りそうになっていた。それでも、彼らは逃げなかった。

 

俺は泣き叫ぶように声を張る、一歩踏み出すごとに、肺が内側から焼ける。

肺腑を満たすのは空気ではなく、魂を削り取るような緋色の熱波だ。

服の端が音もなく炭化し、皮膚にはピリピリと、この世の理ではない何かに『否定』されているような痛みが走る。

 

 

 

 

 

「おい木場、小猫ちゃん‼何とかできないか!?アレがアマタ先輩だってんなら、俺達お世話になってんじゃん‼」

 

 

「イッセー君…今のあの人を止めるのは魔王様でも不可能かもしれない…」

「それどころか、このままだと世界が…」

「くぅ…」

 

嫌に焦る、根源より否定されるかのようなこの状況、俺にとってはさっきのベリアルって奴の一言が耳に残って離れない。

でも、先輩には世話になった、いつもバカやってた俺の…兄貴みたいな人だった。

こんな兄貴が居たらなって考えなかったことがない訳では無い…

そんな兄貴が苦しんでるのに俺達は何もできないってのかよ‼

 

 

その時部長と朱乃さんが階段を走って降りてきた。

 

 

「これは…こんな事があり得るの…?」

「魔王様たちに連絡して間に合わないかしら?リアス。」

「無理ね…そもそも他神話の主神ですらこの魔力の奔流は止められないわ。」

 

 

「そんな…部長、朱乃さん‼あれは先輩なんです…アマタ先輩なんです‼何とかできないんですか⁉」

「今先輩めっちゃ苦しんでるよ‼それでもアーシアには傷一つない、優しい先輩のまんまなんだよ、何とかしないと…あんまりじゃないか‼」

 

 

部長と朱乃さんが目を伏せる。

 

目の前の『緋色の何か』を前に、彼女たちは恐怖で震え、膝をつくことすら許されないほどの重圧に押し潰されていた。

 

 

「何とかしてあげたい…でももう私達にはどうしようも…私たちは無力…弱者なのよ…」

 

 

 

 

部長がそう言ったその時だった。

 

 

先輩の持つアクセサリーが光る。

 

 

『おいおい、そんなんじゃ困るよ、俺たちの仲間をそっちに安心して置いとけないじゃないか。』

 

 

その声はどこからか聞こえた。

心なしか部屋の空気が少しマシになった気がした。

 

 

「誰…?」

 

 

部長が虚空に問う。

 

 

『おっと、そこまでだ。……やれやれ、あいつを一人で放っておくからこうなる。……聞こえるかい? そこの『赤い方』の少年。今から俺が、絶望をひっくり返す『ズル』の仕方を教えてあげるよ』

 

 

本当か⁉それなら先輩が助かる…?

 

 

『ただし、俺達はここからじゃどうすれば良いかしか教えられない…君達に託すしかない。それでもやるかい?』

 

 

全員の目に力が灯る。

 

 

『それでこそ彼が愛しく思う弱者だ、君達は今はそれでいいんだ、それから変わればいい…』

「弱者上等だ‼教えてくれ、どうすりゃ先輩を助けられる⁉」

 

 

『彼を助け出すには、ショックを与えるしかない、それも彼の抱えてる彼女が生き返るようなね。』

『あそこに彼女の神器が落ちている…それを拾い彼女の傍まで持っていってくれ。』

『後は俺達が何とかしよう。』

 

 

アーシアの神器をアーシアに返す…言ってる事は簡単だけど、ただですら少し離れている状況でこれなのに近寄ったらどうなるんだ…?

でも…

 

 

「皆、俺がやる…だから、皆の命…俺に預けてください‼」

 

 

その一言に皆が顔を見合わせて笑う。

なんか変な事言ったっけ俺⁉

 

 

「イッセー、援護は任せなさい、彼には言いたい事まだまだあるんだから。」

「彼にお世話になったのは、あなた達だけではない…という事ですわね。」

「言ったはずだよ、僕たちは君がアーシアさんを助けるのを手伝うって…それにお世話になってる先輩が入っただけさ。」

「イッセー先輩、私達だってやれる所、有るんですよ。」

 

 

「頼むぜ皆、そして行くぞ、俺の神器‼」

 

 

俺は一歩踏み出す、全身の骨が悲鳴を挙げるようだ。

 

 

『BOOST‼』

 

 

部長が、朱乃さんが、木場が、小猫ちゃんが、地下室を攻撃していく。

 

 

それにより、先輩はさらに大事にアーシアを抱え込む、守るように

不思議だ…アーシアや先輩を狙ってはいないとはいえ本来なら俺達に攻撃してもおかしくない筈だ…

 

 

一歩踏み出す、視界が緋色に焼き切られそうになる。

 

 

『BOOST‼』

 

 

『ちょっと面倒だけど、これ位で音を上げるなんて言わないよね?俺の親友を『大切』だって言いたいならさ‼』

 

 

当たり前だ、俺は、あの人に…

 

 

走り出す、痛みを堪える、全身がバラバラになりそうな感覚…だけどみんなが居て…先輩を助ける為なら‼

 

 

『BOOST‼』

 

 

「何も…」

 

 

あの人は俺達だとわかっているのかもしれない…だから攻撃しないと…

 

 

『BOOST‼』

 

 

神器の前に着く。

 

 

先輩やっぱし、変わんねぇ、優しいまんまじゃねぇか‼

 

 

「なら俺達も…‼」

 

 

先輩に向かって走る‼

 

 

『BOOST‼』

 

 

何故か力の奔流が少し収まった気がした。

 

 

「先輩‼受け取ってください‼これが‼俺たちの願いだ‼」

 

 

先輩の抱えるアーシアの元へ神器をかざす。

 

 

『Explosion!!』

 

 

アクセサリーが一段と光る、眩くて目が開けられない程に。

 

 

『起きる時が来たよ、俺の親友の目、覚まさせてやってくれよ。』

 

 

アーシアの目がゆっくりと開かれる。

 

 

やった‼これでアーシアは大丈夫‼後は…

 

 

「アマ…タさん…泣かないで…私は…私は大丈夫ですから…」

 

 

鎧がゆっくりと霧散していく…まるでこの世界に元から無かったかの如く。

 

 

彼は膝を付き、それでもアーシアを大事に抱えていた。

 

 

―――――

 

 

スカイレルムにて。

 

 

「全く、手のかかる親友だよ、でも…助けられちゃったしな、お相子だね、アマタ。」

 

 

そう言う彼はとても嬉しそうだ。

 

 

「アイツの事、頼んだよ、諸君。」

 

 

「それにしても、団長ちゃんも来るとは、よっぽど置いて行かれたのが気に入らなかったのかな?」

 

 

そう、誰に言ったのかわからない言葉を残して仲間の元に歩く彼であった。

 

 

空は蒼かった、どこまでも。

 

 

 

 

 

 




12話目、ここまでお付き合いいただきありがとうございます。

1巻目からここまでボルテージを上げていいのか?と一瞬悩みました。
明日の自分に任せて寝ました。


さて、書いてる途中で勝手に熱血しだしたイッセー。
お前…勝手に動きやがって……許さんぞ、許さんぞ…ベリアル!!

そして、最強ではあっても「無敵」ではないアマタ君です

読者の皆様の心臓を射抜く展開を仕込んでいきたい…覚悟…


「こいつとアマタの絡みが見たい!」というリクエスト等あれば感想下さい。

感想、評価、お待ちしています。あなたの声が、この物語の「BOOST!!」になります。


長々とあとがきすいません

アマタ君どう?良い子?

  • いっぱいちゅき
  • 爽やかだね
  • ん~魅力が…
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