僕が蒼を纏う理由 ―かつて十天の頂点だった男のハーレム戦記― 作:鵲くん
さて奇麗に纏まったね、じゃあ…最強見せていこうか
書くたびに思う事、これでいいのか?それを後押ししてくれるのは読者の皆さんの声と皆さんが見てくれているという確かな結果です、いつもありがとうございます。
肉を焦がす醜悪な臭い、鉄を貫く音のみが木霊する。
「エルステ帝国の精鋭の意地を見せろ‼ぐぅあ‼」
「魔導アーマー前へ‼何としてもアレを止めねば帝国にみら…ぎゃぁぁぁぁぁ‼」
叫び声すら、次々に重なる肉の焼ける音にかき消されていく。ここは戦場ですらなく、ただの『処理場』だった
楽な任務だと言われた。
未確認の獣が居るから捕獲して帰還する…ただそれだけの任務…エルステ帝国の精鋭の集まりである、この一個大隊が…仲間が…
新型の魔導アーマーがただの槍、自分達に支給されてるモノと同じものの一振りでひしゃげる。
その余波で何人もの戦友がなぎ倒される。
爆発の余波などでなぎ倒された者ならば呻き声をあげる者も居るだろう、かろうじて生きている者も居るだろう、しかしこの戦場にはその例外は許されなかった。
余波に撫でられた…ただそれだけで巻き込まれた者は全て即死していた。
機械…しかも恐ろしく精密すぎる程のそれでも再現できないであろう…エルステ帝国の誇るあの七耀の騎士ですらできないであろう技巧だ。
それほどの技巧を持ち得ながら…『ソレ』は手段を選ばず殺戮していた。
あるものは矢の雨に貫かれ 「対象多数…アローレイン…」
あるものは獣に食いちぎられたかのように 「大きいの…ビーストファング…」
あるものは魔導の力の収束により蒸発し 「障害…エーテルブラスト…」
その行動一つ一つが殺戮技巧、全てにおいて『効率』のみを求めた者だった。
精鋭達は『ソレ』…見た目は恐ろしい程に整っている少年…彼にあらゆるものをぶつけた。
彼らは弱くはない…むしろこの空の世界において、間違いなく強者と言われる存在だろう…
しかし、『ソレ』には何もできない…何もさせてもらえなかった。
返り血一つつけることすら叶わない…
『ソレ』が持つ武器、それは戦友の家宝だと誇っていた短剣、刃毀れしたそれを泥の中に捨てる。
元の持ち主はすでにその武器で屠殺されていた。
『ソレ』と目が合った気がした。
声にならない悲鳴をあげる、呼吸すらしたくない、根源からくる恐怖が彼を襲う。
彼が最後に見たのは… 「少し強いの…クアドラ…」
黒き光と共に彼はその意識を失った。
―――――
「…最悪の目覚めだ…」
ふと目が覚める…まだ夜中…月の光がまだ照らしている時間…
あれは…昔の…そう…昔の俺だ…
師匠に拾われる前…そしてまだアイツらと出会えていない俺の…昔の残滓だ…
部屋を見渡すと部屋の壁の端が焦げている…黒…闇を思わせる黒色に壁の端は焦げていた。
ベッドの傍らに置かれているモノ…それを見た瞬間俺は思考が止まる。
刃毀れしているものの、丁寧に汚れを落とされた家紋の入った短剣とメッセージカード。
震える手で俺はメッセージカードを見つめる。
『君の素敵な素敵な空っぽに乾杯…忘れ物も添えて』
それを見た時涙が止まらなかった…あの時、アーシアが生き返った時の安堵、そして幸せの涙ではなく…
ふと俺の手を見る…アーシアを撫でたこの手が、夢の中では何の躊躇もなく帝国兵の喉を掻き切っていた。
その『感触』が、今も指先に媚びりついて離れない。
それが、反吐が出るほど今の俺には恐ろしかった。
俺は部屋にあった小さな鏡を手に取り自分の顔を見る…ひどい顔だ…
笑顔を作れない、手で無理やり笑みを作るも、すぐに戻る。
「皆に…みんなに会うまでに…笑顔が作れるようにしないとな…」
月の光が俺を照らすがそこに明るさは無く、過去の己を忘れるなと言われているようで辛かった…
―――――
「ご主人様、アーシア、行ってらっしゃいにゃ~。」
「ああ、行ってくるよ、黒歌。」
「行ってきます、黒歌さん、えへへ、なんかいいですね、こういうの。憧れだったんです。」
黒歌はとても温かい目で黒歌を見ている、俺も多分同じ顔してるだろう。
なぜアーシアと俺が一緒に学校に通っているのか、それはアーシアの立場によるものだった。
無事堕天使達からは離れることができたものの、彼女は教会を追放された身、行く当てがなくなっているのには変わらなかった。
そして誰の所に行くかとなった時にアーシアが
「アマタさんの所にお邪魔してはいけないでしょうか…私はもう…離れたくないです…」
なんて言われて断ることができる奴は居るんだろうか、居たとしたらそいつは人間じゃない…
あ、オカルト研究部のメンバー人間じゃなかったね…
イッセーの奴が血の涙流しながら俺に
「先輩、羨ましすぎます‼変われるものなら変わって欲しい‼」
なんて言ってたのでとりあえず蹴っ飛ばしといたが…アイツもちゃんとすればモテるだろうに…
あの時は笑えていた…しかし今は…
とにかく、そういう事情によりアーシアは我が家に来たのだった。
我が家に来て黒歌の喜び様はすさまじかったな…
頭にノイズが走る…鼻の奥に錆びた鉄の臭いが感じられる、怨嗟の声が頭の中に響く。
「アマタさん?どうかしましたか?」
「なんでもないよ、アーシア、ちょっと昨日眠れなくてボーっとしたのかもな。」
「…そうですね、私も眠れない時はボーっとしちゃうのはわかります、無理しないで下さいね。」
「ああ…そうするよ…」
歩きながら考える…何故今になってあの夢を見た?それにあの短剣…
ベリアルの奴、俺に何かしたのか?
不安になってくる思考を振り払いながら俺は学園へと向かうのだった…
強くなるってなんだろうな…
俺はそう蒼い空に問いかけたが答えが返ってくる筈もなかった…
―――――
一人のローブを着た男がアマタを見つめていた。
「あれが、ルシファーに手傷を負わせた空の民か…ふん、肩透かしだな。」
「力はあるというのに弱者に足を引っ張られ、それを良しとする…つまらん男だ。」
「それがいいんじゃない、アーちゃんの美点だぜ、あれは。」
派手な服装の男が現れる、笑みを崩さない、目の前に居る絶対強者に対して全く見劣りしない。
「狡知か…良くも顔を出せたものだな。貴様とルシファーも余にとっては抹殺対象だ。」
「そう言わないでよ、悪いと思ってるからせっかくこっちにアンカーを立てて封印から引きずりだしたんだからさ。仲良くしようぜ。」
「ふん、それで…余をあの封印から引きずりだして何がしたい?」
くつくつと笑う男、ベリアルを睨むローブの男。
「さてね、今は好きにしてていいよ、と言ってもまだ暴れられたら困るからそれは無しでね。」
「それで、どうだった?次元の狭間に居る黙示録の龍…グレートレッドは?」
「まだ手出ししていないのは知ってるけど、見た感想は聞いときたくてね。」
ローブの男は無感動に語る。
「ただの路傍の石だな。あんなものがこの世界では最も強大とされるとは…存外この世界は呑気なモノらしい。」
ベリアルは笑う。
「アンタに取ってはそうだろうね、まぁ強さに関してはアーちゃんも居るし、他にも色々ピースが揃った…退屈はしないと思うよ。」
「そう願いたいものだな、今のままでは退屈で仕方ない…全てを壊したくなるほどにな。」
「まあ全部揃って退屈になったら…全部壊せばいいんじゃない?何も残らない空虚なモノってのも悪くないからね。」
ベリアルが踵を返す。
「それじゃ、またね…ホントにしばらくは暴れないでね、この計画結構ズレがない様に組むの大変だったんだからね。」
「気が向いたら…な。」
ベリアルが色彩を消してその場から消え去る。
残ったローブの男も立ち去ろうとし、一瞬アマタの方を見やる。
「退屈なら…壊すだけだ。」
混沌…そう言うしかない不思議な色を見せてその男は去った。
後には何も残っては居なかった。
蒼い空がいやに寂しく見えた。
冷静に考えて一話目でファーさんと打ち合って凄く一方負けしてない時点でヤバイんだけどねアマタ君は。
さて、ローブの男は誰でしょうね、いや~一体どこの黒ギャルなんでしょうね。
「こいつとアマタの絡みが見たい!」というリクエスト等あれば感想や活動報告にどうぞ。
あなたの声が、この物語の「BOOST‼」になります。
アマタ君どう?良い子?
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いっぱいちゅき
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爽やかだね
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ん~魅力が…