僕が蒼を纏う理由 ―かつて十天の頂点だった男のハーレム戦記― 作:鵲くん
あの後、修行は順調に進んだ。
一週間位しかないとのことだったので、多少ハードにはなったが皆ついてきている。
しかし…朱乃ちゃんは何か自分の力をあまり使いたくないみたい。
木場はなにか過去のトラウマが有るのか、挑発に乗りやすい…
小猫ちゃんは黒歌と同じ仙術を使える見たいだけどそれを怖がる…
マトモに修行の成果が出そうなのがリアスちゃんとイッセーだけというのがつらいところだな…
一応修行自体は最低限収めることができたからなんとかなるとは思うが…
そんなことを考えながら俺は寝る前に水を飲もうとキッチンに向かうとリビングには一人リアスちゃんが眼鏡をかけて何かを読んでいた。
「リアスちゃん、寝なくて大丈夫?」
リアスちゃんはこちらに振り向き俺だとわかるとはにかむ。
「アマタ君だったの、少し眠れなくてね…」
「まぁ修行の成果が出るのは明後日のレーティングゲームだっけ?それが始まるまで実感わかないのは解るよ。」
「そうね…アマタ君…聞いてもらいたい事有るんだけどいいかしら?」
「いいよ、俺が聞いて良い事なら聞かせてもらうよ。」
彼女の話は何故自分がそんなに結婚したくないのかという理由についてだった。
彼女の兄は恋愛結婚、それも周りには反対する者ばかりという環境で結婚したらしい。
そんな恋をしてみたい、そんな運命の人に出会ったなら…私も…そう考えた末の結果だそうだ。
それに婚約相手は自分を見ていない…それが一番の決別の理由らしい。
「まぁ俺だって自分を見てくれない相手だったらお断りだしな、いくら貴族の結婚とはいえひどいね。」
「そうなの…でも、貴族として生きてきたからにはその責務を果たさなければいけない…っていう感情も有って、私…どうすれば良かったのかしら…」
ふむ、どうすれば良い…か…
「兄貴が恋愛結婚したのなら、別にそれを追うのは悪い事だとは思わない、けどリアスちゃんの中には貴族である自分も居ると?」
「そうなの、私にとっては眷属を愛することと同じくらい、誇りを大事にしたいの。」
「ならさ、結婚はどうしても譲れないモノとして、それ以外で誇りある行動を取ればいいんじゃない?」
「それ以外って?」
「立ち振る舞いでもこれからの生き方でも何でもいい、自分にとって誇りある行動をとり続けたら、君はきっと大丈夫だと思う。」
「誇りある行動…ありがとう、気が楽になった気がするわ。」
「それに本当にどうしようもなくなったら俺を頼ってくれればいい…俺は強いだけの存在だ…」
「けどそんな俺にもできる事はあると思う、だから…」
「ありがとう、アマタ君…でもどうしてこんなに私達に良くしてくれるの?」
どうして…か、まぁ理由は単純だね。
「あの時抱きしめた君が俺にとって、放っておけなかっただけさ。」
―――――
レーティングゲーム当日、俺とアーシアは観客席に座っていた。
リアスちゃん達、グレモリー眷属チームの応援の為にここに居る。
黒歌は申し訳ないが今回もお留守番なので、今度デートしたいというお願いを聞き、約束した。
なんかブツブツと
「今回で決めるかどうか、それが大事にゃ。」
とか言ってたけど、どういう意味だ?
まぁデートコースは任せてくれって言ってたから任せていいだろうね。
俺達の傍にはグレイフィアちゃんが居る。
『飲み物が要り様になったらいつでも申し付けください。』
とか
『席に居る時の温度は大丈夫でしょうか?寒ければブランケットの用意があります。』
めっちゃ甲斐甲斐しく世話してくれるんだけどこの人、マジでありがたいけどここまでしてもらうと逆に居心地悪いんだけど…
アーシアに至っては委縮してプルプル震えてるし…
なんか俺を見たら懐かしい者を見るかのような目で俺を見つめて来てるけど、絶対バレてるよね?
多分あの時の娘だとは思いだしてるんだけど…
俺からそれについて言うのも恩着せがましいし、向こうから言ってくるのを待つか。
「そろそろ始まります、今回のレーティングゲーム、魔王様も見ておられます、『今』は介入なさらないようお願いいたします。」
「了解、まぁ大丈夫だろ…俺がちゃんと一週間仕込んだ、手抜かりはないさ。」
「皆さん、とても頑張ってました、勝てるといいですね。」
「まぁ勝てるでしょ、よっぽどの事が無ければ。」
フィールドは駒王学園を模した場所だ。
戦いは一方的に見えた、修行の成果は出ていたのだろう、校庭と森の境目にて相手の兵士(ポーン)、騎士(ナイト)の混成チームを難なく倒すイッセー、木場、小猫ちゃんの三人。
『オラオラァ‼少し前の俺とは違うんだよ‼行くぜ‼』
『君たちの動きは…先輩と比べれば温い‼』
『私達は…負けません‼』
三人とも強くなったな、伸び幅としては迷いが無いイッセーが一番だろうね。
抱えてる者があるかないかは明確に差が出る。
「皆様は中々強くなってるようで…アマタ様の修行の効果は素晴らしいもののようですね。」
「まぁ、弟子というか、人に教えるのは初めてじゃないしな。」
「後は素直に教えた事の大半聞き入れてもらえりゃ、そりゃ強くなるだろ。」
「難しい事を難しく言うだけなら猿にだって出来る、大事なのは難しい事を簡単に教える事だろ。」
「おっしゃる通りで。」
それに世の中難しい事よりも難しそうだけど実は解れば簡単ってことも多いからね。
さて、そんな講釈垂れてる間にゲームは動く様だ。
ゲームの様子、リアスちゃん達の相手は王のライザー・フェニックスのみを残すのみとなった。
結構あっさりと終わるもんだな…俺の視線の先には一人のライザーに対し、オカルト研究部全員が向き合っていた。
『ライザー‼もうあなただけよ‼降参しなさい‼』
『ふん、リアス…俺の眷属を全員倒したからって調子に乗るなよ、俺にはまだ手に入れたこの力がある‼』
ライザーがそういうととてつもない力の奔流が巻き起こる。
空気が震える…校舎屋上の床、手すりが一瞬にしてヒビが入りいつ崩れてもおかしくなくなる。
ライザーの一般人の目にすら見えるオーラの色が混沌と呼ぶにふさわしい色になる。
あれは…
「何故…アイツの力を…まさか…」
「おかしいですね。」
「どうしたんですか?グレイフィアさん?」
「ライザー様は確かに実力者の一人です、レーティングゲームにも何度も勝利なされている…」
「ですがあそこまでの実力は無かったはずです、それにあのオーラの色…」
「混沌…だな。」
「はい…」
「混沌…ですか?」
混沌…それは俺の元居た世界、スカイレルムにて、世界を滅ぼす力の一つ…
赤き地平と呼ばれる場所にて使われていた、忌むべき存在…
それを持つという事は…
『力』が溢れる、周囲の空気が止まる…まるで存在そのものを許さないかの如く。
「アマタさん…怖い顔してます…」
「アマタ様…どうか抑えていただけませんか…今は彼女たちの戦いのはずです…」
………確か…レーティングゲームでは死人が出ないはず…
「グレイフィアちゃん、レーティングゲームでは死人が出ないんだよね?」
「はい、必ず出ません…その前にリタイアされる事になっています。」
「俺が譲歩する条件がある。」
「一つ…レーティングゲーム後にリアス達の体調に異常が現れたら俺が診る。」
「一つ…そっちの都合のいいタイミングでライザーから話を聞かせてもらうってこと。」
「この二つが受け入れられないなら今すぐ俺はこのゲームを終わらせる。」
「かしこまりました、私が何が有ってもその二つは通させてもらいます。」
ならいい、最低限の必要な事は通せた…最悪の事態は無くせたか…?
俺は力の解放を抑え、リアス達とライザーの戦いを見守る。
『皆…絶対に勝つから…ライザー‼どうやってそれだけの力を⁉』
『俺は…選ばれたんだよ、リアス‼』
『そして、この力で俺は…全てを手に入れるんだよ‼』
『わかってんのかライザー‼そんな誰かからもらった力なんかで‼』
『ほざけ‼力は力だ‼どんな力だろうとモノにしてしまえばいいんだよ‼』
ライザーから聞くことは決まっている、といっても答え合わせでしかないが…
イッセーの神器は覚醒したか…確か禁手と言ったか。
今のイッセーはかなり強い、リアスと同じ…下手したらそれ以上の力を持つだろう。
しかし今のライザーには…
『ふう…なかなか強くなったものだな、リアスの兵士…だが今の俺には魔王様でも連れてこないと勝てん。』
『ち…く…しょう…すみません部長…みんな…』
イッセーが光となって消える。
残されたのはリアスとライザーのみ…
『どうするリアス?まだ続けるか?今の俺と。』
『見くびらないでライザー‼今の私はあの子達だけじゃない…彼の想いも背負っているのよ‼そんな私が…ッ⁉』
リアスが炎に包まれる、彼女の力では抜け出す事が出来ないだろう。
彼女が光となって消えていく…彼女の口元を見るとなにかを言おうとしている…
助けて…アマタ君…
そう言った彼女は何も残さず光となって消えた。
作り物の空は何も写さない、まるで最初から何もなかったかの如く…
次回、ライザーはどうなるのか、焼き鳥屋に転職するに1000ルピーを賭けます。
14話から雰囲気変わったけどどう?ちゃんと三流のハッピーエンドにするつもりですが…
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尖ってて面白い、このまま書いて
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丸くても良いから元に戻して…